妖精王のSAO   作:三和

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現在、僕は片手剣で有るアニールブレードを装備している状態なので…槍のソードスキルは使えない。

 

……最も、今僕は意外な程冷静に事に運べていた。

 

「ハッ!」

 

「グアッ!?」

 

何となくで扱っても意外に何とかなる剣と違い…そもそも長さの違う上、ほぼ切っ先にしか攻撃判定の無い槍をそのまま使おうとすれは確実に振り回される…おまけに下手に攻撃されて何度もガードされたりして、今この槍が折れるのは非常に不味い…なのでこうして僕の方が受けの側に回り、カウンターを繰り出し続けている…

 

「ハハ…さすがに第一層のフィールドモンスター…攻撃も単調で往なしやすい…」

 

いくら頭数が多かろうと個々の実力はハッキリ言って大した事は無いし、初めの内に同士討ちが何度か有った為いい加減学んだのか、一人分の攻撃が終わるまで他の奴は攻撃をして来ない。コレなら何とかな…!

 

「くっ!」

 

数頭の猪がこちらに突っ込んで来て、脇目も振らず走って逃げる…ある程度逃げてから振り向けば先程までいたコボルトの頭数が明らかに減り、残りのコボルトが猪に攻撃を仕掛けていた。

 

コレだ…これさえ無ければ楽勝と言えるかもしれないが、時折僕とコボルトの戦いに割り込んで来るフレンジーボアはコボルトを減らす事には貢献してくれるものの、複数の個体が突進で一斉に突っ込んで来る事も有りこっちは全力で逃げるしか無いので無駄に体力を消耗する…そうでなくてもあまりコボルトを減らされると辛い…代わりの武器が手に入らなくなるからね…

 

「不味いな…」

 

装備してない事も有ってか、この槍の耐久値の数値がどのくらいなのかは分からない…あまり長くもたないのは確かだし、このままコボルトが勝手に全滅して行くと見た目頭数は減っているが、最悪その時はこのどう見ても元々壊れかけの槍で相手するか…アニールブレードの耐久値を気にしつつ戦わなくてはならなくなる…(いやまぁどっちでも条件次第ではあんま変わらない気もするけど…)

 

「っ!…コレは本当にキツイかな…」

 

考え事をしていたら横から鼻先に槍が突き出されたのに気付き、慌てて後ろに飛び退く…厄介な事にこいつら全員が同じ行動をとる訳でも無くこうして他と違う行動をとる奴も時々いるのだ…確かにリアルでは有るけど何もこんな時に出て来なくても…

 

「…仲間のピンチだよ?あの猪でも攻撃してなよ。」

 

そう言うが四体のコボルトは僕から視線を逸らさない…(ま、言葉が通じるとも思わないけどね…)

 

「あ~…面倒臭い…何で僕がこんな目に「そんなの、夜中に不用意に外に出るからだろ?」っ!」

 

「グガッ!?」

 

僕を囲んでいた内の一体がその場に倒れ込む…他のコボルトが騒ぎ始める中、僕はそちらを見た。

 

まだ幼さの残り、見ようによっては女の子にも見える顔なのに不思議と青年の印象を抱く顔に、華奢な体格…

 

「…あんた、こんな所で何やってるんだ?」

 

「…やぁキリト君…見ての通り散歩してたらタチの悪いのに絡まれてしまってね…手を貸してくれると助かる…」

 

「…良いけどさ、朝飯くらいは奢ってくれよ?」

 

「良いともそのくらいならお易い「俺含めて三人分だ」さ…三人分…?」

 

「ハァ!」

 

女性特有の高い声と共にもう一体が倒れる…

 

「…私は別に奢ってなんて貰わなくても「タダ働きより良いだろ?嫌いなら尚更しこたま頼めば良い…ここじゃ太らないし」…終わったら覚えてなさい…」

 

栗色の髪の少女…

 

「…まさか君まで来てくれたとはねぇ…アスナ君。」

 

「来たくて来たんじゃ有りませんよ。キリト君ともう一人の人に頼まれなかったら…来ませんでした。」

 

もう一人?

 

「せいっ!」

 

三人目…コボルトが再び倒れる…

 

「……コペル君?」

 

「えと…久しぶり、で良いのかな…?」

 

「…うん、合ってるね。」

 

「…感謝しろよ?お前が外に出てったって教えてくれたのは…コペルだ。」

 

「君が?」

 

「…攻略に復帰しようと思ったんじゃない…でも君の…貴方の言葉は確かに響いて…その…」

 

「…うん、まぁ言いたい事が纏まってからで良いよ。とにかく助かった、ありがとう。」

 

「…うん。」

 

「おい?俺たちに感謝は無しか?」

 

「…それは終わってからゆっくりで良いかな?まだかなり残ってるし。」

 

「…ま、そうだな。わざわざ助けに来てやったんだから死ぬなよ?」

 

「……善処はするよ。」

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