妖精王のSAO   作:三和

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一時はどうなる事かと思ったけど、三人が来てくれたお陰で何とか僕も生き残る事が出来た……ただ…

 

「本当に撤退で良かったのかい?」

 

「数が多い。こっちには連中も入って来れないし、どうせもう少ししたら他のプレイヤーも出て来るんだ…そしたら誰かが片付けるだろ。」

 

結局僕たちはある程度連中を倒したところで街まで戻って来ていた。ちょうどもうそろそろ閉まっていた店なんかも開く時間だ…

 

「…じゃ、朝飯食いながら詳しい事情でも聞こうか?」

 

「え?」

 

横を歩いていたキリト君が僕の肩に手を置いて、そう言って来て僕は思わず間抜けな声を挙げてしまう。

 

「少なくとも俺は…あんたが意味無くリスクを冒す奴だと思ってないんだよ。だから何しに夜中に外に出たのか…飯食うついでに聞こうと思ってさ。」

 

「……言わなきゃダメかい?」

 

正直、僕にも説明の難しい話なんだが…

 

「雁首揃えて飯食ってるなんて暇でしょうがないだろ。その後だってやる事なんて寝直すくらいしか無いし。」

 

「…ハァ…分かったよ。」

 

「決まりだ……で、二人はどうする?飯は食うんだろ?」

 

キリト君が振り向き、後ろを歩いていた二人に声を掛ける。

 

「…食事はともかく…その人の気まぐれの理由に興味なんて無いわ。」

 

「僕はその……まぁ、話だけなら…」

 

「…分かった、じゃあアスナは適当に聞き流してたら良い…俺たちと一緒じゃないと精算が別になる…何せ、今回は全部アルベリヒの奢りだからな…」

 

「……まぁ、命を救われたしね…でもお手柔らかには頼むよ?」

 

正直、僕も今は持ち合わせが少ないからね…

 

 

 

「…バカじゃないですか?」

 

食事をしながら一通り外に出た理由を語った所、聞き流す筈のアスナ君が真っ先にそう言葉を吐いた。

 

「そう思うかい?」

 

「自分の事も満足にこなせないのに…ましてやこんな危険な世界で、人に構ってる余裕なんて貴方に有るんですか?」

 

叱ってくれているなら聞こえは良い…が、彼女のそれは心底呆れている、のそれだった。…と言うかそう言われても、僕にも彼らを追ったきちんとした理由が有る訳じゃない…寝覚めが悪いと感じたのは確かだけど、その為にわざわざ危険を冒す程お人好しでは無いつもりだ…

 

「俺もその辺は同意するけど…少なくともアスナ、それはお前が言って良い事じゃないと思うぞ?」

 

「へぇ…どういう意味かしら?」

 

「どういう意味も何も…それは一番君が分かっているんじゃないか……アスナ。」

 

食卓の空気が一気に険悪な物になって行く…最悪な事に多少距離が有るとは言え、二人に挟まれる形になっているコペル君は……正直食事どころでは無い顔色を浮かべていた…何とかして欲しいのだろう、俯きつつも正面にいる僕に視線を送って来る……ごめん、無理だ…

 

「私…前から気に入らなかったのよね、貴方のその…遠回しな物の言い方が…」

 

「別に俺は皮肉を言いたいんじゃないぜ?ハッキリ言ってもお前は全然理解しないじゃないか。」

 

基本、二人は僕が原因じゃなくてもそれなりに衝突する事が多い様に感じる…元々育って来た環境のせいか、価値観が違うのだろう…

 

徐々にでは有るがヒートアップすると声を上げて、最早ヒステリーに近い様相を呈して行くアスナ君と、静かに正論と皮肉で殴りに来るキリト君……実際、最初の内は心の中ではともかく、表面上は気の長い方で有る僕も何度か子供であるキリト君相手にキレかけた…何せ彼は語彙力も有るし、頭の回転自体早い…

 

相手のプライドが高ければ高い程…その言葉は一々心に刺さるだろう…まだ若い彼女が未だに声を荒げてないのが不思議な位だ……やれやれ、そろそろ止めないと駄目か……あんまり言いたくないけど年長者としてね。

 

「うん…いい加減にしないと食べ物の耐久値も切れるし、取り敢えず二人は食事を済ませてから…話し合いでもしようか。」

 

「「お前(貴方)のせいだろ(じゃない)」」

 

二人が僕の方を見て、声を揃えてそう言う…うん、息ピッタリじゃないか……ところで。

 

「二人が仲が悪いのは僕のせいじゃないよね…?」

 

それに関して二人は何も答えず食事を再開した…コペル君はホッとしていたが、僕は改めて思う。

 

……いや、君らが仲が悪いのはどっちかって言うと…結局お互いの言動のせいだろう…?

 

最も…この場でそう口に出さない程度には…僕も大人で有るつもりだった…

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