妖精王のSAO   作:三和

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「あー…これじゃあかったるいなぁ! 」

 

僕の溜めに反応し、ソードスキルが発動されて三体目のフレンジーボアが消滅した時、思わずそんな言葉が漏れた…

 

「…うん、やっぱり手数だよねぇ…」

 

ククク…と言う、含み笑いを漏らしながら僕の手はメニューを操作して行く…お?

 

「ハハハ…ま、そう慌てないでおくれよっと!」

 

背後から向かって来たフレンジーボアの突進をバク転の要領で飛び越して躱す…その間も僕の目と手はメニュー画面から離れない…いやぁ…まさか僕にこんな能力が有るなんて!まぁさすがにここでしか出来無いだろうけどね…

 

「と。着地も完璧だ…さて、お返しだよ?」

 

僕が急に視界から消え、あからさまに慌てる猪に地を滑るように音も無く近付き、その無防備なケツを蹴り上げる。

 

「グガァ!?」

 

「ソードスキルだと手数も足りないし、硬直時間が長過ぎる…だったらコレしかないよねぇ…」

 

猪の身体が蹴り上げられてひっくり返り、晒された腹に向かって背中から抜いた二本の剣を叩き付ける様に振り下ろす…!

 

「グボァァァ!?」

 

「ハハハハ!!そらそら!!見えてる所はともかくココは!?結構柔らかくて、痛い場所なんじゃないか!?」

 

猪の身体の構造に詳しい訳じゃないから急所は分からない…全く良い実験台が手に入ったよ…!

 

「ココはどうだ!?まだ死なないか!?じゃあココは!?お前の弱い所は何処だ!?」

 

SAOでは基本、左手右手どちらかに武器を装備する事でソードスキルを発動出来る…その場合、片手は素手か盾持ちでなければならないそうだ…まぁ両手用武器と言うカテゴリーも有る訳だけど。

 

そしてソードスキルは絶大な威力を誇るが、弱点は有る…それは、使った後の硬直の時間…所謂クールタイムが有り、その間は無防備になる事ともう一つは…単純に手数が足りなくなってしまう事だ…どう考えても1体1で戦う時にしか使えないソレは…単に複数人での行動を推奨してるだけとも言える…ただ…

 

「分かってないなぁ茅場先輩…あんたが人を蔑ろにして一人での行動を好む様に、人と上手く合わせられない奴って言うのは確かにいるんだよ…そしてそういう奴は淘汰されて行く…何でこんな事も分からないんだろうねぇ…」

 

「グキャァァ…!」

 

「フフフ…しぶといねぇ…じゃあ今度はこうだ!」

 

硬い骨等の抵抗をほとんど感じずに生物を切り刻むのは中々高揚するねぇ…癖になったらどうしようかな…

 

「アハハハハ!そらぁ!」

 

僕が最後に繰り出した一撃(いや、二本同時だから二撃?)で猪は破砕音を立てて消滅した…さて…

 

「ふぅ。邪魔しないでくれてありがとう…君たちの殺し方…大体分かったよ…」

 

残り数体の猪が寄り集まり、僕を睨みながら後ろ足で地面を擦っている…

 

「さぁ…そろそろ遊びは終わりにしよう…僕も疲れたからね…さっさと帰らせて欲しいんだ…」

 

先程から感じる全能感と、身体の軽さはまだ消えてないが、既に興奮は治まっている…多分、もう…そう長くはこの状態を維持出来無いな…

 

「来なよ。」

 

僕の言葉に応じる様に奴らが一斉にこちらに向かって来る…良いね、手間が省けるよ…

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