妖精王のSAO   作:三和

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その行動を取ったのは何故だろう…こうして改めて考えてみても、やはり良く分からない…それでも、特に後悔はしてないんだけどね…

 

「何をす「いや、君は口で言っても分からないと思ったからさ…なら、殴った方が早いかなと思ってね」なっ…」

 

「意外かい?どちらかと言えば、僕はこう言う系統の人間だよ?」

 

結局、大抵は直接手を下さないってだけ…ムカつく人間を…すぐさまどんな手を使っても排除したいと考える、そう言う醜い思想の持ち主……ふぅ…ま、それでも少しは大人しくもなるよ…アイツは、僕より遥かにワガママだったからねぇ…天才が故か、無意識に出てしまう選民思想…そう言う傲慢さ…ま、どちらかと言えば逆の立場とは言え…僕にも覚えは有ったから…理解もしやすかったね…ま、とにかく僕は…気に入らない…一回そう思ってしまえば、こうやってすぐに行動するって話だ…

 

「ケイタ君…君が、僕にどう言うイメージを抱いていたのかは知らない…仮に、その辺に居る好青年にでも見えてたならそれはそれで結構…そうする方が世渡りはしやすいと思ってたのは確かだからね…ま、それはそうと…」

 

「っ!」

 

地面に倒れ、上半身を起こした状態の彼の横まで行き屈む…彼の着ている服に手を掛ける…ま、所謂胸ぐらを掴むってやつだね…てか、僕がいきなり暴力を振るう人間だと未だに思ってなかったと言うなら…改めて失望すると言わざるを得ない…だって、僕が言った事がろくに伝わってない証明でしかないから…ボケが始まるには正直、彼はまだまだ若過ぎるしね…

 

「…僕の耳が悪かったのかも知れないからね…一応、もう一度言ってくれないかな…これだけ近ければ、遠くなってる僕の耳も仕事してくれるだろうからねぇ…」

 

「っ…ひっ…」

 

「ん?何て言ったのかな…ごめん、聞こえなかったよ…もう一回、言ってくれないかい?」

 

まぁ、彼にはナメられてばかりだったからね…ここらでちょっと、強めに行っても良いかな…

 

「……」

 

「…何、君…三歩歩いたら忘れる類の人間だったりする?いや、吹っ飛ばされただけでろくに歩いてないね…それとも、特別痛くも無い僕からの打撃で何もかも忘れる程、繊細な人だったのかな?…それなら悪い事をした…謝ろう…」

 

ちなみに、三歩歩いたら忘れるって言うのは一般的にはニワトリを指すと言われるけど…芸が出来無かったり、人に中々慣れないからや…頭の大きさから行けば、脳が相当小さいとか言う…人間の勝手な理屈で言われただけで、実際は相当頭が良い方の鳥らしい…他に当てはまる鳥が居るのかと言えば…いや、これは余談だったね…先ずは、目の前の問題からどうにかしますか…

 

「…どう言う理由であれ、君が自分で言えないなら僕の口から言おうか…君は「それぐらいにしとけ、アルベリヒ」…キリト君。」

 

彼は僕の手を掴んでいた…そこに意識が向いた時、モヤモヤした思考に支配された頭がクリアになる…慌てて、ケイタ君から手を離すとコペル君もやって来て、ケイタ君を立たせるのが視界に入る…

 

「…落ち着いたか?今のはケイタが悪いのも確かだけどな、俺だってムカついたし…ただ、手を出すのはやり過ぎだ…てか、俺たちは基本的に見てるだけにするって話だっただろうが…選りにも選って、アンタの方から先に手を出すとは思わなかったぞ…ちょっと頭冷やせ。」

 

「…ふぅ…悪かったよ、キリト君…」

 

「…いや、落ち着いたなら取り敢えず良い…さてと、お前らも…取り敢えず続きは明日にするか?こんな状況で話し合いを続けるのも難しいだろう?…ああ、そうそう…特にダッカー…俺は正直、ケイタだけでなく…お前にもイラついている…今回真っ先にヒートアップしたのはお前だ…さすがに、自覚くらいしてるよな?」

 

「…あ、えっと…悪かった…いや!だけど「この状況でだけどとか、でもとか口にすると余計に拗れるだけ…それは君も分かるでしょ?今は、その謝罪だけで飲み込んだ方が良いよ」…コペルさん…」

 

「…ま、とにかく…話の続きは明日にしようぜ…そろそろ午後に入るな…今日の特訓は最初に言った通り無し…明日まで好きに過ごせよ…あ、言っておくけど町の外に出るのは禁止だ…さすがに命の保証は出来無いからな…今回はアルベリヒも来ないぞ?自殺志願者に何度も手を差し伸べるほど、俺たちはお人好しじゃないからな…とにかく、ケイタも含めて…全員一回改めて今後の事を考えろ…と、コイツが真っ先にケイタをぶん殴った事は俺からも謝っとく…悪かった……俺の言った事は頭に入ったか?じゃ、この後どうするかは任せる…あ、相談事が有るならこのバカかコペルに言え…俺には話を回すな…それと、最後に一つ…堂々巡りの会話にずっと付き合う気は…俺たちには無い…明日もこんな感じならお前たちはもうこれからの見込み無しだ…無条件に、はじまりの街まで連れて行く…分かったな?」

 

それだけ言ってキリト君は宿屋のドアから外に出て行く…取り敢えず、僕はその背を追い掛けた。

 

「…何だ、何か用か…アルベリヒ。」

 

「…いや、改めて礼を言わせて貰おうと思ってね…ありがとう、キリト君。」

 

「…気にするな…もう良いか?俺は行くからな…」

 

「…何処に行く気なのかな?このままだと町の出口だけど…」

 

「ん?憂さ晴らし……アンタも付き合うか?不完全燃焼だろ?」

 

答えようとしたところでメッセージが届く…チラッと見れば彼もそうらしく、メニュー画面を出した様だ…

 

"最近はフィールドにもろくに出てないから、さすがにフラストレーション溜まって来てますよね?楽しんで来てください…彼らの事は、僕が見てますから"

 

差出人はもちろんコペル君…雰囲気的に、キリト君にも似た様な内容が届いているんじゃないかな…

 

「…じゃ、行くか?」

 

「…どうせなら、倒した頭数で勝負でもするかい?」

 

「良いなそれ…で、勝った方の報酬は何が有るんだ?」

 

「この件が済んだ後…一回だけ、負けた方が勝った方の言う事を聞く…と言うのはどうだい?」

 

「…クク…そりゃ面白い……何でもか?」

 

「さすがに現実的に無理なのは駄目だ、後…長く続くのもやめた方が良い…最終的に、絶対叶えられない結果に終わるのはお互いつまらないだろう?」

 

「ま、そりゃそう「油断してると…足元を掬われるよ?」!……」

 

彼と視線が交錯する…やはり、キリト君も気付いていた様だ…分かるのだ、最近はフィールドにはほとんど出てなかったとは言え…間違い無く、僕たちに有った差はだんだん縮まって来ている事が…

 

「…そうだな。ま、こうして話してても仕方無い…さっさと行こうぜ?」

 

「了解、キリト君。」

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