妖精王のSAO   作:三和

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「さてと。この流れで何だが…そろそろ本題に入ってくれ、アルゴ。」

 

「ン?…アア!そうだっタ!」

 

「本題?」

 

「ああ。あんたには悪いが、あんたをアルゴに紹介したのはついでだ…元々、本来で有れば俺も合流するのはもう少し先にするつもりだったからな…」

 

「…マァ、オレっちも今回は情報屋をやるかすらまだ決めてなかったし…実際、本当はもう少し様子を見ようと思ってたけどナ~。」

 

「ん?じゃあまさか…」

 

「アア。今回はキー坊と接触した時、正式に依頼されたのが切っ掛けダヨ。」

 

「…そっか…いや、何か悪いな…」

 

「気にすんナ、やっぱりコレがオレっちの天職だからな。」

 

…ふむ。つまり、ここからは仕事の話と言うヤツかな。

 

「キリト君、僕は戻「いや、あんたも居てくれ」え?」

 

「アルゴ、構わないな?」

 

「…良いけどサ、今のアルベリヒにはちょっと刺激の強い話になるヨ?」

 

「いや、コイツは聞くべきだ。今のコイツはリアルの立場とは別に…情報屋アルゴに依頼した俺…元ベータテスターのキリトの相棒…加えて欺瞞情報とは言え、自分も同じくテスターと言う立場が有る…ここまで来たらコイツは話を聞かないとならない…まぁ、どうせいつかは知る事になるだろうし…無理にとは言わないけど…」

 

「…いや、そうだね…確かに、そこまで言われたら帰れないな。」

 

聞く限り、彼女は僕の正体以上に厄介な情報を持ってここに来た様だ…確かに、こんな前置きされたら僕も本当は聞きたくないけど…それ以上に彼に相棒とまで言われたら、ね…

 

「…分かったヨ。じゃあ先ずは、キー坊の依頼内容から教えるよ…今回キー坊に調べて欲しいと頼まれたのははじまりの街の現状ダ。」

 

「…俺もアルベリヒもあのチュートリアルの後、すぐにあそこを飛び出したからあの後どうなったのかは知らない。そこもちゃんと調べて有るか?」

 

「モチロン。…と言うか、オレっちはチュートリアルの後もしばらくあそこに居たからネ…酷いもんだったヨ、オレっちも途中までしか見てなかったけど…あの後は皆恐慌状態に陥ってて、小競り合いも起きる中…誰が言ったかは分からないケド、あの時こんな叫び声が聞こえたんダ…」

 

『コレはただのゲームなんだ!ゲームで死んだだけで現実世界でも死ぬなんて有り得ない!そうだ!きっとここで死んだら現実世界に戻れる筈だ!』

 

「…それは、本当かい?」

 

このゲームの開発を進めてる間はほとんど無我夢中で…仮にこのゲームがデスゲームじゃなかった場合、プレイヤーが死んだ時は実際どうなるのか…その基本ルールすら今はハッキリとは覚えてない…いや、でも確か…キリト君が…

 

「テスターのほとんどは俺みたいにさっさと街を出たとは思うが、さすがに何人かは残ってたんじゃないか?…そんな馬鹿な話を皆信じたのか?」

 

「少なくともあの時止める意見は出なかっタ…キー坊も知っての通り、このゲームはベータテストの時は死んでもリスポーン地点に戻されるだけで…あくまでメニュー出してログアウトスイッチ押すか、何らかの理由でナーヴギアの電源が切れない限りこの世界からは出られない…テスターはそれが頭に有るし、死ぬと言う事自体…まだ半信半疑だったんだと思うヨ。」

 

「…で、その後は?」

 

「その言葉に導かれる様に…一斉に…大量のプレイヤーが飛び降りタ…モチロン、飛んだプレイヤーは誰一人戻って来る事は無かっタ…代わりに、蘇生者の間に向かったプレイヤーたちが口を揃えてこう言っていタ…」

 

『蘇生者の間に石碑が有ってそこにプレイヤーの名前が刻まれていて…飛んだ奴の名前に二重線が引かれていた。』

 

「…あの、こんな時に悪いんだけど蘇生者の間って?」

 

「…ベータテストの頃に死んだプレイヤーがリスポーンしていた部屋だ…ちなみに、リスポーン時はペナルティとしてレベルが1になる。」

 

「…成程、で…今回飛んだプレイヤーはゲームから退場したから二重線が引かれていたと…」

 

「こっちからはリアルが今どうなってるかは分からない…飛んだプレイヤーが本当にリアルに帰れたのか、それとも…実際はどうなのか、確認は取れない…それでも皆、そんな不確かな可能性を信じて…それからもどんどんプレイヤーが飛び降りて行った…オレっちが見たのはそこまでダヨ…そこからは、オレっちも街を出たから…」

 

「……」

 

改めて、僕の犯してしまった罪の大きさを思い知る…

 

「アルベリヒ、あんたが悪いんじゃない…そんな落ち込むな…てか、話はまだ終わってない…アルゴ。」

 

「ウン。ここからは最近の話だヨ…キー坊に今のはじまりの街の現状を調べる様に言われてネ、もう一度オレっちはあそこに戻ったんだヨ。」

 

「…で、どうなってた?」

 

「静かなもんだったヨ、初日の騒ぎが嘘みたいにサ…聞こえるのはNPCの声ばかりでプレイヤーは居てもほとんどは宿屋に閉じこもっていたり、外に居る連中もただただ街中で項垂れたまま一声も発しない…でも、しばらく歩いていたらネ…聞こえたんだヨ。」

 

『おう!そうだ!そうやって溜める事でソードスキルが発動する!そのタイミングを忘れんじゃねぇぞ!』

 

「…思わず駆け寄って話し掛けたヨ。そしたらそいつはテスターじゃないって言うんダ…それでサ…」

 

『俺にレクチャーしてくれた奴が居たんだ…え!?お前あいつの知り合いなのか!?あいつはどうしてた!?…そうか、あいつは元気なのか…』

 

「!…そいつの、プレイヤー名は…」

 

「クライン…そのプレイヤーはそう言っていたヨ。」

 

「……」

 

「ここに来る前にも会って来たヨ…もう少しレベルを上げたら、はじまりの街を出るってサ。」

 

「キリト君。」

 

「やっぱり…やっぱりあいつだった…!」

 

「頑張ろう、キリト君。彼に不甲斐ない所は見せられないだろう?」

 

こんな状況でも前を見据えて、自分を高め続けるプレイヤー…クライン…不思議だな、僕も彼に会ってみたくなって来たよ。

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