「おい、紅葉そろそろ依頼を受けんか?」
マスターはそう俺に声をかけてきた。
「いや、めんどい」
俺はS級魔導士の試験のあと高額な依頼を2つ3つ受けて金がなくなるまでギルドホームでいつものんびりしていた。
のんびりしていたといっても、きちんと鍛錬はしていたしたまにラクサスと喧嘩したりしていた。今のところ俺はラクサスに負けてはいない。たまにナツとかが挑んでくるが一度も受けてはいない。一度受けると何度も挑んでくるような気がするからだ。
「マスターもそう言っている。たまには依頼を受けたらどうだ」
エルザが俺を見てそんなことを言ってきた。
「いや、なんか面白そうな依頼があれば受けるんだがな。興味がわく依頼がねえんだよな」
俺がそういうとマスターが
「なら、これはどうじゃ。」
そういって依頼書を渡してきた。
「なになに、「幽霊巫女の退治」だと」
「どうやらここから北に3日ほど歩けばつく町で幽霊が出るそうじゃ。除霊をしても出ていかないからどうにかしてほしいということらしい」
いやこの街の住人はギルドに何を一体頼んでるんだよ。でも幽霊巫女か、なんか面白そうだな
「いいぜ、この依頼受けてやる」
俺がそういうとマスターが
「気を付けて行ってくるのじゃぞ。どうやらその幽霊、魔法が使えるそうじゃしの」
と言ってきた。
「了解」
俺は北に歩き出した。
「とはいったものの、幽霊っていったいどうすればいいんだよ。倒せるのか?っと町に着いたか」
俺は町に入り、依頼を出したものに一体どういうことか話を聞いた。
「実は、2~3年前からこの先にある山に幽霊が住み着き始めたんです。わしらは一度、話し合おうと思い町の人たち3人ほどで向かったのですが、山の入り口でその幽霊に魔法を打ち込まれ山に入ることさえできませんでした。」
「少し気になるんだが、どうしてそのものが幽霊だと分かったんだ」
俺がそう聞くと
「実はその時山に近づいた時、山の中から、「私は死んだ」とか「ここはどこ」という声が聞こえたそうです。」
俺はそこまで聞いて思った。そいつ転生者じゃねえか?
「分かった、とりあえず行ってみる。その幽霊をどうするかはそのあと考える」
俺はそういって山の場所を聞き、その山に近づいてみた。
「特に変わったことはないな・・」
そう思って、山に足を踏み入れようとした時、山のほうから矢が飛んできた。
「なんだ!」
俺はその矢を身を引いて躱した。どうやら矢は一本しか打ってこなかったらしい。
俺は矢が飛んでこないのを確認すると再び山に足を踏み出した。
しばらく歩いていると、突然足元の感覚がなくなった。
そこには落とし穴があり、俺はそれにはまってしまったらしい。
「いってぇな、だいたい15メートルってとこか?普通のやつならこれでお陀仏だぞ」
俺はそう思いながら、空間移動で穴の外に出た。
歩き始めようと足を踏み出すとまた足元に違和感があり確認すると、そこにはうすいロープが張ってありそれに引っかかったようだ。
「なんかいやな気がするな」
俺がそう思っていると、目の前から丸太が転がってきた。俺はそれをジャンプして躱すと、そこに矢が何本も飛んできた。
「まじかよ、これ全部計算ずくかよ!」
俺はそう思い、息を吸い込んだ。
「火竜の咆哮」
俺はその矢をすべて焼き尽くし、地面に下りた。
「ったく、これずっと続くのかよ・・・ってあ!結界あんの忘れてた」
俺は結界があるのを思い出し、飛んで来る矢や罠を無視し落とし穴などは飛び越えつつ山のてっぺんを目指した。
山のてっぺんに着くと、そこには16~18歳の少女がいた。巫女装束を着ており、髪が長く、またその髪はとても黒かった。
「貴方は一体誰ですか。私の罠をすべて乗り越えてきて無傷だなんて。ありえません」
その少女はこちらに思いっきり敵対心を向けてきた。
「あーめんどくさいから直接言うぞ・・お前転生者か?」
俺がそういうと、その少女は、驚き、瞬きを何度もしていた。
「えっ、一体どういう・・もしかしてあなたもなんですか?」
その少女はそういうと何故か期待のまなざしを向けていた。
「えっと、そうだけど」
俺がそういうとその少女はいきなり泣き出した。
「えっ、何で泣いてんの。俺なんかした?」
俺は驚き、その少女に近づいた。
「いえ、違います。私だけだと思っていたから・・嬉しくて」
彼女はそういうとしばらく泣き続けていた。
「落ち着いた?」
俺がそう聞くと彼女は恥ずかしくなったのか顔を赤らめ
「すいません、恥ずかしいところを見せてしまって。私の名前は静香って言います。」
彼女はそういうと顔を伏せてしまった。
「俺の名前は紅葉だ。さっき言ってた自分だけだと思ったって言ったけど、神様が説明してくれなかったのか?」
俺がそう聞くと彼女はきょとんとして首を傾げた。
「神様?それ一体何ですか。私はたしか車にひかれて死んだはずなんですよ。そしたらこの山の中にあるログハウスみたいなところで目が覚めて今に至るってわけなんです」
と彼女はそういった。
俺は驚いたがとにかくこの世界のことと他の転生者のことを話した。
「えっと、それじゃ私はこのFAIRYTAILの世界に転生してしまったということなんですか?」
「おそらくそう思うよ。神様の説明がないのは一体どういうことだ?何か起きたときに近くになかったのか」
俺がそう聞くと彼女はしばらく考えて、急に手を叩いた。
「そういえば、起きて家の中にこの巫女服と一緒に紙が1枚置いてありました。よくわからないことが書いてあったので、まだ家におきっぱだと思います。今からとってくるので待っていてください」
彼女がそういってきたので
「いや、俺も行くよ。正直疲れた、家で休みたい」
俺がそういうと彼女は急に慌てだした。
「いえ、その家が少し散らばっているのであまりお勧めはできないかなと・・・」
「別に気にしないよ」
俺がそういうと彼女は
「私が気にするんです。なら家の外で少し待っていてください。10分いえ5分でいいので」
なんか、ものすごく必死になっていたので俺は仕方なく外で待つことにした。
そして15分がたった
「どうぞ・・終わりました」
何故か少し息切れをしていたが気にしないことにした。また時間が過ぎたことも気にしないことにした。