(タイトルが全ての一発ネタです)
「そうだ、森を燃やそう。」
そう決めてからの行動は速かった。
まずは火をつける場所の選定だ。森の木々は密集しているが水分も多い。手を加えることを考えると木は多少まばらなのが望ましい。地表の植物も多い方が良いだろう。東の森はダメだ。一年中葉が枯れない。
南の森はどうだろうか。木は少しまばらで冬になれば枯れ草が転がっている。良く燃えてくれるだろう。問題は延焼だ。いくら森を燃やすと言っても無計画に行うものではない。燃えやすいものがちゃんと燃え尽きる前に火を移してくれるか。生きている木々が燃え始める前に火種が消えてしまわないか。色々な条件を検討する必要がある。
上手く計画が立たない。どうしても樹をちゃんと燃やせると思えないのだ。
樹は乾燥していないと燃えづらい。という事は長く火であぶるか予め切り倒しておく必要がある。長く燃やし続ける方は炎源が難しい。森にある火のつきやすいものはどうしたってそう長くは燃え続けないのだ。切り倒していくにしてもそこまで時間をかけていられるだろうか?切っても乾燥までは時間がかかるのに湿潤の春は待ってくれない。しかも何も考えず派手に燃やすと私たちの村まで火が届くかもしれない。そうなっては何も意味がない。
さて……と頭をひねっていると人間が役に立つものを持ってきてくれた。油だ。それも非常に燃えやすく、長い時間燃え続けるという。素晴らしい。これをいくつかの樹に塗って、それから火を付ければ邪魔な樹の処理と周囲への点火を同時にこなすことが出来る。後で追加で交易品を渡しておかなくてはなるまい。
ようやく協力も取り付けることが出来た。森を燃やすことに最初は反対されたが、きちんとメリットの説明をすると納得してくれた。危機感は私と同じく持っていたのが幸いだった。
と、なると後はもうすぐだ。主に枯れ草が多い火のつきやすい場所を数か所選び、周囲の樹は予め切り倒しておく。燃えづらそうな場所の樹には油を塗っておいた。辺縁ではあえて短時間で燃えるように細工をしておくと同時に最外縁は協力してくれるものに水で濡らしておいてもらい、余計な延焼は最低限に抑える工夫もした。これで計画通り森を燃やすことが出来る。
国歴XX年〇月×日、その日は風の全くない冬の日だった。
計算された炎は徐々に燃え広がり、そして計画通り収まった。草は全て灰になり、多少残った樹の根も速やかに処理がされる。灰は土に混ぜ込まれ区画分けもなされた。肥料を得た作物は村の食料をきちんと支えてくれることだろう。
この日がエルフの村において画期的な――焼畑農業が行われた最初の日であった。
私が何を考えていたのか全く分からない
ちなみにタイトルは「エルフの、森を燃やす話」