エターナル美少女になりたい!~ついでにママを泣かす魔物共は滅ぼす~   作:岩神龍

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今回打ち込み終わって思ったことは、クロエラは本当に魔族側からしたら絶望ってことでした


二十六話 魔族達の憂鬱 後

――話をしようか

 

 

目の前の(クロエラ)を見ながらエルピオンは考える

(クソッ! 何が話し合いだ!)

 

……こう思ってしまうのも、魔族側からしたらしょうがないことだろう

 

相手(クロエラ)は人間側で、送った魔族達が返ってこないことを鑑みるに自分たちを殺しきれる力を持っており、実際に一瞬で魔族8人衆を戦闘不可能なレベルまで追い込んでいる

 

そんな一方的な状況(ワンサイドゲーム)で、自分たちと一体何を話し合うと言うのか……エルピオンにとって、この時クロエラがふざけているようにしか見えなかった

 

 

 

そう彼が考えている中、クロエラは冗談交じりに言葉を発する

「いやなに……別に君たちを今どうこうしようなんて考えてないさ。さっきのは挨拶とでも思ってくれ」

 

その言葉を聞き、エルピオンは困惑する

(あい……さつ……? 今、さっきのあれ(魔塊)を挨拶と言ったのか? ハハッ……)

 

それと同時に、エルピオンはクロエラが自分たちの闘っていい相手では無いことを悟り、クロエラのことを自分の理解の外側にいる存在と理解する

 

そうして魔族達が絶望していく中、クロエラはフレンドリーに魔族達へと自己紹介を開始する

 

「ふむ……まずは自己紹介かな?……ボクの名前はクロエラ・フォン・エフォールノ。外見から分かる通り、美少女上位存在さ!」

 

そう言ったクロエラの背景には、なんかキラキラしたエフェクトが散りばめられていた

 

「「「「「「「「……。……。」」」」」」」」

 

だが、魔族達は全員(なんだコイツ)と思い押し黙ってしまった

 

しかし、メンタルが上限突破しているクロエラは何もなかったかのように魔族達へ言葉を掛ける

 

「……ああ、そうそう、話をする前になにか聞いておきたいことはあるかい?」

 

 

((((((((……。……。……ッ!))))))))

クロエラがそう言った数秒後、思考を停止させていた魔族達は死ぬ気で頭を回転させる

 

……彼らがそうする理由は単純に、クロエラ(バケモノ)の機嫌を少しでも良くするためだ

 

現在、彼ら魔族達はクロエラが神達とのルールを守るにあたって魔族をこれ以上減らすことができないのを知らないし、クロエラはべらべらと魔族達にこのことを話す気もない

 

よって、魔族達からしたら、自分たちはクロエラ(バケモノ)の戯れで生き延びている状況……と認識しているのだ

 

だが、クロエラ(バケモノ)は想像以上のバケモノであるが結構ポンそうで、クロエラ(バケモノ)の言葉から本当に今は自分たちを殺さないと感じ取った結果、話し合いを有利にするためにもエルピオン達魔族8人衆は全力でクロエラ(バケモノ)のご機嫌取りをすることにしたのだ

 

……しかし魔族たちはクロエラ(バケモノ)の質問されてうれしいことがわからず、全力で頭を回転させているのだ

 

この間、クロエラが質問を要求してきて5秒弱

 

クロエラは魔族達が何も言い出さないため、魔族達へと言葉を掛ける

「えぇ~……君たち何も無いの?」

 

そう言ったクロエラの目はちょっとウルウルしていた

 

クロエラのその言葉と涙目攻撃に焦ったポリハチョンが、クロエラの容姿を褒めるような言葉を贈る

「あ、あの……お綺麗ですねエフォールノ……さん?」

 

「ありがとう!」

 

クロエラの反応は中々に好感触だ

 

この反応に調子に乗ったポリハチョンは、更にクロエラへと質問する(賛辞を贈る)

「スタイルいいですね!」

 

「ホント? ありがとう!」

 

「髪綺麗ですね!」

 

「でしょ! ありがとう!」

 

「あなたがそんなにお綺麗なら、家族の方々もお美しいんでしょうね!」

 

「……君なかなかいいセンスを持ってるね!」

 

と言った具合にめっちゃ的確にクロエラが褒められてうれしいところを褒めていく……あれ?今って質問タイムじゃなかったっけ?

 

この時、他の魔族達は質問とか関係なく、心の底からポリハチョンに敬意をもつ

 

と、まぁそんな風にクロエラのことを褒めまくってクロエラの反応がどんどん良くなっていく様を見て、ポリハチョンは遂にもう一歩踏み入った賛辞をクロエラへと贈る

「おっぱ(ドゴ

 

だが、彼がそれを言い終わる前にクロエラにポリハチョンは小突かれ、地中深くへとめり込んでいった

 

クロエラは冗談交じりに両手で頬を覆い、体を揺らしながら言葉を発する

「も~エッチ~♪」

 

魔族達は全員ポリハチョンの方を引きつった顔で見た後、ギギギギと言う効果音が出そうな動きでクロエラの方へと振り向く

 

クロエラは体を揺らすのやめると、魔族達へと言葉を掛ける

「……あ、他になんか質問……あれ? 今のって質問じゃない? ……まぁいいや、なんか質問ある人いる?」

 

魔族達はこのクロエラの言葉に焦り、ポリハチョンが稼いでくれた時間で考えた質問を同時にしてしまう

 

「うん……うんうん……」

クロエラは合図地を打ちながら話を聞いている

 

魔族達が質問をすること数分

 

魔族全員の質問は終わり、クロエラは笑顔を浮かべていた

 

この時、魔族達はクロエラへのご機嫌取りの成功を確信する

 

そして、クロエラは言葉を発する

「えっとね……まずは……」

 

エルピオン達魔族は固唾をがぶ飲みする

 

――次の瞬間、エルピオン以外の魔族が全員クロエラに小突かれ、地中深くまでめり込んでいった。

 

頭の中が?で埋まるエルピオン

 

はっきり言って、この時彼は何があったのか理解していなかった

 

だが、クロエラはそんなことはお構いなしに人差し指をたて、魔族達に言い聞かせるようにしゃべる。

「……君たち? 話は一人一人順番でしなきゃメッ! だよ!……ボクならいいけど、他の人にはちゃんと一人ずつ話すんだよ! いいね!」

 

クロエラがそう注意をした後、数秒固まっていたエルピオンは慌ててクロエラへと質問をする。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!なんでオレだけ攻撃しなかったんだ!」

 

エルピオンの問いは、至極真っ当なものだった。

なんせ、エルピオンも他の魔族同様にクロエラへと質問をしていたのだから……

 

しかし、その問いにクロエラは普通に「そんなこと?」といった表情を浮かべ返答をする

「君が唯一まともな質問をしてくれたからだよ?」

 

その瞬間、エルピオンの脳内に嫌な考えが巡る。

 

しかし、エルピオンはその考えを振り切り、クロエラへと再度質問をする。

「ま、まとも? ど、どういうことなんだ?」

 

「いや、なに、まともな質問をしたのが君だけだったからだけど?」

 

その言葉を聞いた瞬間、エルピオンは自分の嫌な考えが命中したことを確信する。

 

「全部……演技だったのか?」

 

「……演技? ……! ああ、そうそう! 演技演技!」

 

「クッ……」

(クソ! ……おかしいと思ったんだ……コイツがあの程度の賛辞(ポリハチョンの口八丁)でめっちゃ嬉しそうな顔をするわけねぇのに……)

 

エルピオンの嫌な考えとはずばり、クロエラが自分たちを弄ぶために嬉しそうな演技をしていた、だ。

彼がそう考えた理由の一つに、ポリハチョンが褒めた時はあんなに喜んでいたのに、自分たちが褒めた時は冷徹に突っ込むレベルでなんの反応もクロエラが見せなかったことにある。

そんな状況にもなれば、そりゃあ誰だって演技を疑うものだ。

 

 

……実際はガチでクロエラは喜んじゃっていたが、途中からコイツ等(魔族共)に褒められている状況がやべぇって思い、正気に戻ったクロエラが起死回生の一手として小突いただけなのは内緒だ。

 

 

そんなエルピオンから見た時絶望でしかない状況の中、クロエラは話を逸らすために先ほどエルピオンからされた質問の返答を開始する

「え、えっと! エルピオン君だっけ? 君の質問は『なんで無効化が効かないか』だっけ?」

 

「あ、ああ……そうだが?」

 

この時、エルピオンは全てを諦めていた

 

しかし、自分の能力が効かなったことを最期に教えられるのなら、それは知りたいと思い、素直に返事をした

 

クロエラは考える動きをしながら言葉を紡ぐ

「えっとね――」

 

「それは単純に『自力の差』だね」

 

「自力の……差?」

 

エルピオンは答えを聞き、ありえないと考える

 

エルピオンのその反応を見たクロエラは、エルピオンへと説明をすることにする

「そうだね……まずは例え話をしよう――」

 

クロエラがそう言うと、クロエラは人差し指を立て、その指先から紫色のエネルギー弾が生成する

 

エルピオンは急なことに思わず質問してしまう

「こ、これは?」

 

「これは、ボクが今作った魔法だ……そうだね、名前は消滅弾(Evanescens bullet)でいいか」

 

「効果は触れたモノを消滅させる……だ。今はボクが操って効果は発揮しないようにしてるけどね……あ、あと色は分かりやすくするために付けといたよ」

 

エルピオンは顔を引きつっていた

 

クロエラが魔法の説明を軽く終わらすと、消滅弾(Evanescens bullet)をエルピオンの体の周りでフワフワさせながら次の説明へと進行する

 

「そうだね、まず、大前提としてこの消滅弾(Evanescens bullet)を喰らったら君は死ぬ。」

 

エルピオンは冷や汗を流す

 

「だけど――」

 

「こらならどう?」

 

クロエラがそう言うと消滅弾(Evanescens bullet)から一つの極小の粒が分裂する

 

エルピオンはただ黙っている

 

「これは、君の保有している全エネルギーと比べて100万分の1分だけ消滅弾(Evanescens bullet)から切り取ったものさ――」

 

「いくよ」

 

クロエラは説明を終えると同時に、極小の消滅弾(Evanescens bullet)をエルピオンへと衝突させる

 

「ちょっ!?」

 

一瞬のことに焦って声が出るエルピオン

 

衝突と同時に辺りは一瞬光に包まれる

 

発光は数秒間続き、一際光った後に収まっていく

 

そして、エルピオンは姿を現す

 

――現れたエルピオンの体は無傷だった

 

エルピオンは頭のなかが?で埋まる

 

だが、クロエラは説明の続きを開始する

「わかったかい?ボクは今、キミと……いや、正確にはキミの保有しているエネルギーと消滅弾(Evanescens bullet)を衝突させた」

 

「そして、ボクはこの魔法を1エネルギーあたり君の10000エネルギー相当のモノを消せるように調節して使った」

 

「つ、つまり?」

 

「君には今、99万のエネルギーが残っているってことさ……そして、さっきボクがあのエネルギー弾(魔塊)を投げた時、同じようにキミは1部分しかエネルギーを無効化できなかった……」

 

エルピオンはこの時理解と同時に衝撃を受ける

 

まず、自分の「無効化」に限界があったことに、そして、このバケモノ(クロエラ)が想像以上のバケモノの超えたバケモノだったことに――

 

エルピオンが色々諦めている中、クロエラは説明の結果を問いかける

「どうかな?キミの能力と工程が似せた魔法にしてみたんだけど……わかった?」

 

クロエラのその言葉に、最早驚くことすらできないエルピオンは素直に返事をする

「ああ、理解できた……考えてみれば、実に単純なことだったな」

 

「でしょでしょ!分かったくれたならよかっt……ん?」

普通にうれしいクロエラだが、この時ブータがこの宇宙に来たことを感知する

 

 

そのクロエラの様子に疑問を持ったエルピオンはクロエラへと話しかける

「どうした?」

 

「ああ、ごめん。ちょっとこれ離さないようにしといて」

 

そう言うと、クロエラはエルピオンへと手紙を刺した

 

「!?」

エルピオンは今日一番の驚愕を覚え、何度目か忘れたけど頭の中が?で埋まる

 

「んじゃ、話し合っといてね!」

 

「は?」

 

そう言うとクロエラはエルピオンを小突き、地中深くへと埋めたのだった

 

回想終わり!生放送後に戻りまーす

 

 

 

◇◇◇

時間は回想前の城跡

 

魔族達はクレーターの中でエルピオンを説得中だった

 

が、エルピオンはもう考えるのが嫌なのか意見を受け入れなかった

「だーかーら、あれはオレ達が闘うとかそういう次元の存在じゃねぇって……やっぱ、あいつには小細工しないでコイツ(手紙)に書かれてる通りにした方がいいって……」

 

そのエルピオンの意見に、プラッツは反論しようとする

「……しかし、勝算が……」

 

エルピオンはすぐに不利な現実をプラッツに見せる

「アイツと闘うのとどっちが高い?」

 

「クッ、それは……アイツと闘う方が低いに決まってるッ!」

 

プラッツに現実を見せつけたエルピオンは、他の魔族達にも意見を求める

「だろ?お前らはどう思う?」

 

エルピオンのその言葉に、魔族たちは全員が首(ない奴もいるが)を縦に振る

 

「よし、なら――」

 

その時であった

 

魔族達が議論していた横の空間に一筋の亀裂が入ったのだ

 

亀裂はだんだんと開かれて生き、最終的には楕円形の白い空間の裂け目ができた

 

それを見て魔族達は全員固まっていた

 

いや、違う。動けないのだ

 

空間の裂け目から漏れ出る魔力が信じられない程濃く、更に魔族達の体の構造が合わさって我々的に言うとクッソ車酔いした時の感覚に陥っているのだ

 

そんな(酔っている)中、空間の裂け目から二種類の足音が聞こえてくる

 

足音は近づき、魔族達はだんだん濃くなっていく魔力に対し懸命に気絶するのを耐える

 

そうして耐えること数秒、遂にその者は現れる

 

銀色の美しい髪をなびかせ、そこから見える端正な顔立ちは、例え人外だろうと魅了するだろう

 

そして、圧倒的な存在感を放つその上位存在は、遂に星の地面へと足を付ける

 

その上位存在、クロエラ・フォン・エフォールノは微笑みながら言葉を紡ぐ

 

「やあ、魔族諸君――」

 

「結果を聞かせてくれないか?」

 

今ここに、絶望は降臨する

 

 

 

To Be Continued




やっぱ大魔王だ(諦め)

いや~魔族視点だとどう考えても絶望ですね(他人事)

今回は全部魔族(エルピオン君)視点です!
ごめんね、魔族側からしたらどう言葉を良くしてもバケモノって表現以下にならないんや

まぁ、長くなりそうなんでそろそろ補足行くぞぉ!

1.Qえ、無効化の説明どういうこと?
A無効化するのにもエネルギー必要だから、エネルギー保有量×1エネルギーにかけて無効化できる量、を越えられると無効化できないよって話です。
つまり、エネルギー量が多ければ関係ないって話(脳筋)

2.Qクロエラ喜んじゃってたの?
A喜んじゃってた
しょうがないやろ!クロエラはエターナル美少女を夢見て日々努力してきたんや!そんな奴が容姿褒められたら喜んじゃうに決まってるじゃん……

3.Q小突く威力ってどれぐらいなん?
A言うて惑星が半壊するぐらいの威力だからヘーキヘーキ(鼻ほじ)
クロエラはめっちゃ手加減してくれた
ちなみに、クロエラは俺たちが初めて卵割る時レベルでめっちゃ最新の注意を持って殴ってくれた……ポリハチョン君!大丈夫か!?

4.Qそういや、この世界ってギャグ補正とかってあんの?
Aない(キッパリ)
ただ、頑丈な奴らが多くて回復能力が高かったりやべぇやつ(何エラだろう……)がいるから結果ギャグ時空のようなことが起こるようになった

5.Qコイツ本当に主人公?
Aフッフッフ(目逸らし)
待って!あくまで魔族から見た時こんなやばく見えるだけだから!ほ、ホントだから!ちょっとヤバいやつな(ry

6.Q涙目うるうるってどんな感じだったん?そこんとこkwsk
Aクロエラの身長的に、どうしてもデケェのが多い魔族達と話すと上目遣いになんよ……後はわかるな?()

7.Q空間の裂け目ってどんな感じ?
A BLE○CHのガルガンダ的なあれ
かっこよく登場したい+ヘルメスちゃんがいるという点を加味した結果こうなった
魔族からしたら絶望しかない

8.今回登場した魔法について
消滅弾(Evanescens bullet)
クロエラが即興で作った魔法
魔力を別のエネルギーに変換して対象を消滅させる
1エネルギー辺り消せるエネルギー量は使用者の力量に左右される
クロエラが本気出した場合、今回登場した極小ver.でも宇宙が消えるレベルまで余裕で行くから洒落にならない

9.Qそういや属性どこいった
A属性って単なる目安みたいなんもんなんよ
魔法陣さえ作れればどんなことでもできるからなぁこの小説内……
ホントに一般の目安ぐらいに思ってくだせぇ
ただ、消滅弾(Evanescens bullet)とかのよく分からん属性のやつは基本的に無属性判定食らう

10.Qおい作者!エルピオン君をなんで最後殴った!
Aエルピオン君も一緒になって同時に喋っちゃったからやで

11.Q話し合いしてなくない?
Aしょうがないやろ!ブータ来ちゃったんだからさぁ

12.Q時系列教えろください
Aとりま現在まで出てる分どうぞ
パジャパ(4時)→魔族達で楽しむ(朝~昼前)→王宮&魔族達の元へ(昼)→生放送(ブータ戦・昼)→今話ラスト→ミネル覚悟ガンギマリ
……一日のスケジュールエグくね?()

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