傍受マニアの艦これ   作:三和

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書類を片付け、寝室に向かおうとしてふと思い当たる…

 

「……」

 

俺は機材のある部屋に向かった。

 

 

 

「…んー…あー成程…やっぱりな…連中も馬鹿じゃなかったか…楽しませてくれる…」

 

改めて調整を行い、クリアな音質で奴らのくぐもった声が聞こえて来る…周波数を変えてくるとは…奴らも中々考える…良いねぇ…やっぱりこの瞬間が一番楽しいぜ…俺がこいつらの体内無線にも艦娘と同じ特定の周波数帯が使われてるのに気付いて以来、ウチの艦娘が全員割と優秀なせいもあって退屈してたが…

 

「元々姫や鬼と違い、通常下っ端は何言ってるか分からないからな…法則に気付いて解読出来た瞬間は興奮したが…やっぱりこっちも暗号を使っての無線使用を打診すべきだな…」

 

そもそも俺が提督になる前から連中はこちらの無線を傍受してる節があった…いい加減このやり方を認めさせるべきだな…

 

「幹部連中は頭が固い…少しは元帥のおっさんを見習って欲しいぜ…」

 

以前ひょっこりこっちに現れた時は本当に焦った…提督になる前にたまたま調べていて素性を知らなかったら…どうなってたか…

 

「最もあの爺さん、幹部連中には老害扱いされてるからな…お前らの方が害悪だろうに。…あー…くそ…何でこんな事で頭悩ませなきゃなんねぇんだ…俺は元々民間人だぞ…」

 

上のパワーゲームに何て興味無い。元々罪人扱いだった癖に俺がちょっと戦果出したら手の平返しやがって…大体、戦ってるのは俺じゃなくて艦娘だっての。

 

「せっかくテンション上がって来たのに下らねぇ事考えてたら萎えて来たじゃねぇかよ「だったらブツブツ言ってないで寝なさいよ」…叢雲、先に寝たんじゃねぇのか?」

 

「せっかくアンタの所に来たのに一緒に寝ないと意味無いじゃない…」

 

「…良いから先に休んでろ。俺はもう少し…どうした?」

 

叢雲が後ろから俺の首に手を回し抱き着いてくる…震えている…?

 

「また例の夢か?」

 

「…うん…」

 

「そんなにキツイなら俺じゃなくて加賀の所でも「アンタが良い」……」

 

「アンタじゃなきゃ…駄目なの…」

 

「……分かったよ。」

 

叢雲を落ち着かせ、離れた所で俺は機材の電源を落とした。

 

 

 

「ねぇ?聞いていい?」

 

「ん?」

 

「アンタは…どうしてあの時私を拾ったの?」

 

……。

 

「…あの時言ったろ。別にお前じゃなくて良い、と。強いて言うなら唯の直感だ。…お前に同情したわけじゃない…」

 

「…それだけ?」

 

「ん?」

 

「理由は…本当にそれだけなの…?」

 

……勘が良いな。

 

「…それだけ、だ…失望したか?」

 

「私はあの日言ったわ。アンタにずっとついて行きたいって。…更に好きになる事はあっても今更失望なんて有り得ない。…何があっても…」

 

「…そうか。」

 

「…こっちを向いて…」

 

「…何だ…?」

 

……暗闇の中でも映える…あの時と変わらない銀色の長い髪をした美しい少女……

 

「…私は…待ったわ…そろそろ…返事を聞かせて…」

 

「……もう少し…待ってくれ…頼む…」

 

「どうして…?私の気持ちを受け入れる気が無いならはっきりそう言ってよ…!」

 

「……」

 

「アンタ可笑しいわよ…!他の提督は複数の艦娘と関係があるのも珍しく無いのに…アンタは誰にも手を出さない…私にさえ…!」

 

「……」

 

「もういい…!」

 

布団を出てドアを開け、叢雲が部屋を出て行く…さて…

 

「…人の情事に聞き耳を立てるのは悪趣味じゃないか…加賀。」

 

「アレが情事?痴話喧嘩の間違いじゃない?」

 

その言葉と共に加賀が入って来て部屋の電気を点ける…眩しいな…

 

「…男女間の恋愛事情全般を示すのが情事の定義だろ?…肉体関係有る無しに関わらずな。」

 

「…そんな話は良いわ…追わないの?」

 

「…追っていいのか?」

 

「私に許可を取る必要なんて「アンタ、俺の監視役だろ」…あら?気付いてたの?」

 

「そもそも俺が来る前からここの内偵をしていた…違うか?」

 

「…その話は明日で良いでしょう?私に許可は要らない…早くあの子を追って…」

 

「はいはい…」

 

俺は布団を出ると上着を羽織り、加賀の横を通り、部屋を…

 

「…あの子を泣かせたら許さない…!」

 

「…約束は出来ない。」

 

俺は執務室を出た。

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