傍受マニアの艦これ   作:三和

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「…多分そうなるとは思ってたけど、やっぱりバレるのねぇ…」

 

「随分あっさり認めるんだな…」

 

「その、ね…私の方もあんまり時間が無いから…」

 

「…ま、俺も早く龍田を返してもらわないと困るからな。」

 

「あら、それも気付いてたの?」

 

「ああ。身体は俺の知る龍田の物なんだろ?」

 

「ええ、でも…どうして分かったのかしら?」

 

「説明は後でも良いか?そろそろこいつの痛みがヤバくてな…」

 

まぁ、一応ここにも薬は置いてるからな…

 

 

 

 

 

「…いや、まさかいきなり水膨れ自分で破るとは思わなかったわ…」

 

「俺の立場だと迂闊に病院も行けねぇからな…」

 

一般的に赤みを帯びるだけの火傷はI度、水膨れを伴うのからII度になり、II度火傷は更に二つに分類されて……あー…これ以上思い出せねぇな…取り敢えず軽い方みたいだが。

 

…で、普通II度からは病院に行くのが推奨されている。が、俺の場合は残念ながら立場的問題も有って行けない。

 

「えっと…今の貴方なら行けるんじゃないの?」

 

「察しろよ、本当は面倒臭いだけだよ。」

 

最も上からガッチリ行動制限されてた頃と違い、今なら連絡さえすれば行けるだろうな……許可降りるのに二、三日掛かるだろうが。

 

「っ…良いんだよ、どうせ病院行ったら破くんだからな。」

 

酒ぶっ掛けて消毒した手に薬塗って、上からガーゼ貼って包帯を巻いて行く…

 

「包帯ヨレてるわよ?ハァ…貸しなさい、私が巻いてあげるから…」

 

「悪ぃな…」

 

 

 

 

 

「…で、お前の身体が龍田の物だと気付いた理由だったか?それはな、さっきの俺と龍田のやり取りを知ってたからだ。」

 

「……それだったら私が貴方の知る彼女って考える方が自然じゃないの?」

 

「さっきも言っただろうが。龍田が天龍放置してここに来る訳ねぇんだよ…」

 

「その…それだけ貴方が心配だったとか。」

 

「…今の龍田ならそれも無いとは言えないけどな、それならあいつは天龍を連れて来るんだよ。」

 

天龍に関しては何だかんだ無条件で俺を助けに来るだろう…それくらいの信頼は有る。

 

「つかいつまでも引っ張るんじゃねぇよ、お前もさっき認めただろうが。自分は『龍田』じゃねぇってな。」

 

時間無いとか言ってる割にこれだからな…

 

「そうね「とは言え、お前も龍田なんだろ?」あら?」

 

「中味が違うのに、仕草は龍田そのものだったからな…いや、話が進まねぇんだわ…いつまでも引っ張るなって言ってんだよ。」

 

「その、ね…人と会話するの久しぶりだから…」

 

「…で、お前は嘗てウチに所属してた艦娘か?」

 

そうだとしても不思議じゃない…俺は元々ウチに所属してた艦娘についてまるで把握してないからな…

 

「いいえ。私はここに出向として来てたの…」

 

出向ね…

 

「あー…お前もウチを調べてたクチかよ…」

 

「ええ、私だけじゃないけどね…」

 

「まぁ、どうせ纏めてくたばったんだろうし、他に誰が居たかなんて聞いても無駄だろうな…」

 

「本人の前で良くそれ言えるわね…」

 

「事実だろ?さてと…で、何でお前は今になって俺の前に出て来たんだ?」

 

「言ったでしょ?心配だったからよ…」

 

「何だ、本当にそんな理由で出て来たのか…」

 

「ちょっとここは今騒がしくて…万が一の事が有ったらいけないと思って…」

 

「ま、出て来てくれたならちょうど良い…一つ、聞かせて貰おうか。」

 

「何?」

 

「ウチで嘗て何が有ったのかをだ…お前の知ってる事を話して貰おう。」

 

「多分だけど…貴方はもう何となく分かってるんじゃない?」

 

「まぁな…だが、確証が無い。」

 

「……知らない方が良いかも知れないわよ?」

 

「知っても知らなくても、別に今更俺の立場は変わんねぇよ。」

 

当時それを隠したがっていた奴らに、今更俺をどうこうする力はねぇんだからな…

 

「私も全部分かってる訳じゃないんだけど…」

 

「そうだろうな、当時相当混沌とした状況だったのは分かってるさ…」

 

正直、チャンスが有るなら他の奴にも話を聞きたい所だからな…

 

「ハァ…良いわ、この際私も誰かに聞いて欲しかったの…」

 

 

 

 

 

「ぜぇ…ぜぇ…くそ…」

 

「ちょっと休みなさい、本当に喉が潰れるわよ?」

 

「分かってる…けどよ、他に方法ねぇだろうが…それに、見ろよ…あいつうつ伏せのままろくに動いてねぇんだぞ?あのままだと窒息しかねねぇ…」

 

死んでるのかとも思ったが、幸い、叢雲の身体は微かに動いていた…それでもあのままの体勢は不味い…

 

「そもそもただ叫んでるだけってのが無理有るだろ…」

 

「そうね…」

 

「いや、お前が言ったんだろうが龍田…じゃあお前ら二人、他に何かアイデアでも有るか?」

 

「「……」」

 

「無いならお前らも声掛けしろよ、結局俺しかやってないだろ…」

 

「……ねぇ?」

 

「何だ?」

 

「何で私たちがそこまでやらないといけないのかしら?」

 

これがあの頃の龍田だ…マジで天龍にしか興味無かったんだよな…

 

「じゃあ良い、帰れ。」

 

「あら、良いの?」

 

「やりたくないって奴に無理にやらせても仕方ねぇからな…」

 

「そっ…じゃあ帰りましょうか天龍ちゃ「いや、オレは残るぞ」え?」

 

「叢雲ここに放置して帰れる訳ねぇだろ。」

 

……まぁ、ここまでで天龍の性格はある程度把握出来ていた…だから、正直この流れは予想していた。

 

「そんな…」

 

「そう言う訳だ、帰りたかったら一人で帰んな。」

 

「ハァ…分かったわよ、私も残れば良いんでしょう?」

 

「別に残れとは言ってねぇけどな…良いんだぞ、帰りたいなら帰っても。」

 

「だって…」

 

昔の龍田はとにかく面倒な奴で…いや、結局今も大して変わってねぇ気がすんな…

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