とまぁ…気合い入れて見回りに望んだまでは良かったんだがな…
結局その後はマジで何も起こらず(ずっと暗かったり、時折物音が聞こえる程度じゃ…動じるのはもう叢雲ぐらいだ…時間のズレも無かったしな)最終的に幽霊の目撃談すら消えた事を電から確認出来た所で、俺たちの見回りは終わりを告げるしか無かった…
詳しく調べようにも、俺らの中に誰一人霊能力の持ち主が居ないんだから仕方無い…後は、寮で怪我人が続出した事も有り…幽霊の話をどうこう言ってる場合じゃ無くなったのも有る…
ま、怪我つっても最初は軽い切り傷とか…ちょっとした打撲くらいの物だったんだけどな…その内、指の骨折者が出た辺りで全員さすがにヤバいと感じたらしく、当時所属していた艦娘の大半が全員鎮守府に避難して来た(半壊してるとは言え、ウチは部屋数だけは有る上…何故か寮に残った物好きも居る…)
そっからは俺が爺さんに事情を説明し、鎮守府の再建が進む事になる…ちなみに、そこに"上"の連中が口出しして来たから先ずはまとめて黙らせないとならなかったがな…一応、連中を引き摺り下ろす活動はこっから始まったと言っても過言じゃねぇな…
まぁ、俺たちが上とやり合う理由は結局ウザいとか、目障りだと言う…他の正義感に燃えてる提督連中や艦娘…後は野心持ってる奴にも逆に絶対言えない内容では有るが。てか、そんな理屈なんざ知った事じゃねぇ…と言うのが本音だったりする……いや、後で聞いてみたら、俺が来てからウチに来た艦娘も多くが同じ様な思いだったらしい…まぁ、それぞれ自分たちの事で手一杯だから無理もねぇと言えばねぇ。チラっと聞いた限りでも、それぞれ自分が所属してた鎮守府でそれ相応の酷い目に遭った連中ばかりだからな…
実際、あいつらは一文の得にもならない正義感何かで面倒事に首突っ込みたくはねぇだろう…他人の野心に躍らされるのは更に願い下げだろうな…
ま、だから最終的に他の鎮守府の艦娘が集まった時にそもそもその辺の話振られたら全力で話を逸らせと言った。まぁ、最低限指示は聞いてくれるくらい信用されてて助かった…正直、あの幽霊騒ぎが無ければここまで上手く行かなかっただろうな…
一応比較的まともな思考の出来る、叢雲を会議中に給仕に回したのもその辺りの事情が関係してたりする…いや、叢雲一人じゃ本来無理なんだが…当時、他の奴は間違っても他の艦娘や提督に会わせられる状態じゃなかった…何せ、ある意味安定してない叢雲の方がまだマシなくらいには酷い…単純に不安定ならまだしも、一介の提督を遥かに超えたレベルで頭が回る艦娘とか普通に劇物でしかねぇ…正直上よりこっちが疎まれかねねぇ…
……ま、結局の所…この幽霊騒動は良く分からんまま終わってんだよな…だから、最近暇だった事も有り…モヤモヤしてた所でこの遭遇だ…そりゃ、期待もするってもんだ…俺は今…目の前の艦娘龍田から、何を聞けるのかと期待している…
「…いやあの…何か、そんなに目を輝かされると話しにくいんだけど。」
「そりゃ失敬…でもな、俺にとってはここに押し込められる原因になった出来事だ…気にするなって方が無理が有るんだよ。」
俺がここに来て、あの一件に関して得た経験は幽霊騒動と、半分気紛れに秘書艦に選んだ艦娘に意識されるとか…正直、喜んで良いのか微妙な事ばかりだ…(てか、叢雲の奴もあの時起きてたなら言えっての…わざわざ短くない距離歩いて運んじまったからな…起きれる様な状態じゃなかったのも分かるが、何か納得行かねぇ…)
「貴方は確か、勝手に聞いてたんじゃなかったでしたっけ?」
「まぁ、そうだがな…」
必要以上に聞かなきゃ、俺も投獄されたり…元の身分取り上げられて軟禁されたりもしなかっただろうな…
「ただ、これは俺の原点だ…詳しく知りたいって思って当然だろ?」
"上"を潰しても俺に元の生活は返って来なかった。これは、俺の最後の自由だ…今じゃしがらみも多いし、俺はそろそろうんざりしてる…これくらいは好きにさせて欲しいもんだ…
「さて、いい加減話して貰うぜ?」
「分かったから…そんなに焦らないで…」
「フフ…今の貴方の姿、"彼女"に報告しても良いですか?」
「っ…分かった、落ち着くから…やめろ。」
"あいつ"は何だかんだ俺に依存してるからな…そんな事されたら面倒になるだろうが…全く、こいつに付けられたのは失敗だったな…中に入れないのも手だったかも知れねぇが、どうせ聞かれるし…中に入れた方がまだマシでは有った……まぁ、こうして横に居られると鬱陶しくてしょうがないんだけどな…