傍受マニアの艦これ   作:三和

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「…で、事態は把握出来たか? 」

 

「ん…まぁ、まだ半信半疑だけど…一応、ね…」

 

あれから、大体数分は経った頃…漸く部屋の中が静かになったので俺は中に入り、完全に気絶(死んではいない筈だ、多分…)している赤城を視界に入れないようにしつつ…困惑気味の龍田に状況を説明した。

 

「ま、とにかくだ…俺たちは今、ここに閉じ込められてるって訳だ…」

 

「えっと…こうして改めて考えてみたら、私も薄ら乗っ取られてた時の記憶は有るし…ここに居るのも納得はしてる…でも、本当にここから出られないの…?」

 

「…まぁ、まだ実際に確認はしてねぇ。あくまでそこで寝腐ってる赤城がそう言ってただけの話だ…別に嘘は吐く理由もねぇだろうしな。」

 

「……あの時からもう、それなりに時間は経ってる…その間、大した事件は何も起こらなかったのに今更になって…?」

 

「妙な話では有るけどな…しかも、この場には当時の生き残りである叢雲も加賀も存在しないってオチ付きだ…」

 

「…つまり、あの二人に隔意の有る子の仕業じゃないって事ね…」

 

「そもそも…結局初雪や雪風があの時接触しては来なかったしな…と言うか、あの時も不可思議な事こそ有ったが…結果、明確な攻撃が有ったとは言い難いしな…」

 

「…まぁ、二人は行方不明にこそなったけど無傷で救出出来たものね…」

 

「時間と空間の操作なんて大層な事が出来たんだ…あの時二人を殺すのだって十分に可能だったのにも関わらず、結局は何もせず俺たちの元に二人を返して来たしな…要するに、はなから怨みが原因じゃなかったんじゃないかと今では思ってるぜ。」

 

叢雲はともかく、加賀は今でこそ鎮守府で寝泊まりしてるが…しばらくここに住んでたのに何もして来なかったんだから、最初からどうこうする気が無かったのは明白だ…最も、そうなると…

 

「これだけ時間が経ってから、今になって私たちを閉じ込める理由は何かしらね…」

 

……コレだ。明らかな異常事態ですら普通に適応し、もう対処法を考える段に入っている…俺はコイツを信用出来無いが、それでも信頼は出来る……まぁ、実は今…俺の所に居る艦娘の大半は駆逐艦ですらこんな感じだろう…そりゃ、何処でも持て余す筈だ…ま、俺はチマチマ考えるの苦手だからこう言う人材は正直ありがたい。

 

「…まぁ、何か伝えたい事が有るんじゃねぇか?」

 

「前回、自分たちの仲間である二人を私たちから引き離したにも関わらず結局一切二人に接触もして来なかったのに?」

 

「う~む…」

 

これはやられるとムカつく奴多そうだよなぁ…海軍の提督なんて要はエリートだかんな…プライドの高い奴は多そうだ…まぁ、実際会ってみたら意外と柔軟な考えの出来る奴ばかりだったがな(それでも自信過剰な野心家はかなり居た様にも思う…)

 

「…まぁ、先ずは玄関のドア開くか確認しない?」

 

「そうだな……その前に、そこで寝てる奴起こせよ?」

 

「……この人、確か元帥のお着きよね?大丈夫かしら…」

 

「別にコイツにお前を解体する権限とかはねぇから安心しろよ。最悪、俺が爺さんに掛け合ってやるさ……まぁ、そもそも俺の部下で居るのが嫌とかなら何もしねぇけどよ。」

 

「……大丈夫なのよね?」

 

「何がだ?」

 

「その…貴方の所からも追い出されたりとか…」

 

……個人的には、出て行って貰って一向に構わない…とまでは、俺もさすがに言わない…てか、今ここに来てる奴なんてどうせ大半が他に居場所がねぇんだろうしな……何をやってここに回されたのかは別にして。

 

「ねぇよ、そんなにウチが良いなら好きにすりゃ良い。」

 

「…それなら良いけどね。」

 

コイツの目的は天龍一択…とは言え、艦娘としての任を解かれるとなれば…ウチに居る天龍は元より、他の個体にも二度と会えなくなるからな…

 

「てか、別にウチじゃなくても良いだろ?お前が今更、上官が怖いのか?」

 

「…何か勘違いしてるみたいだけど、そこまで私も色々伝手が有る訳じゃないんだけどね…」

 

……何か脱線して来たな。

 

「ま、その辺は今は良いわ。」

 

「……そうね、先ずはここから出る方法を考えないとね…」

 

「おう、だから…とっととそいつ起こせ…今回はあの時より人数少ねぇんだよ…人材は貴重だ。」

 

「ハイハイ、分かったわよ…ハァ…自分でやった事とは言え、気が進まないわね…」

 

「前にも言ったが、抱き着くなら相手確認しろよ…」

 

確か、以前は寝坊したコイツを起こしに行った電がやられてたな(あいつあの幽霊騒ぎの時と言い、色々押し付けられてるよな…)

 

そんな事を考えつつ…完全にノビてる赤城の身体を揺さぶる龍田から視線を外し、腕時計と…ポケットから懐中時計を取り出して確認する……前回、腕時計が死んだからな…今は何が起きても良いように比較的安定してる官給品の懐中時計も持ち歩く様にしている……龍田が赤城を呼ぶ声が続いている…まだ起きねぇのか…

 

「(どちらも二時を指してる…パッと見時間のズレはほぼ無し、さて…これからどうしますかねぇ…)…龍田、もうビンタしろ…時間掛けてらんねぇ。」

 

「え?良いの?」

 

「俺はさっさとここを出たいんだよ…お前もだろ?」

 

「まぁ、そうだけど……やるわよ?本当に良いのね?」

 

「ああ、俺にやれって言われたって言って良いぞ?」

 

「なら良いけど……フッ!」

 

「!…痛った!?なっ、何ですか一体!?」

 

「おお、良い音したなぁ…」

 

目線は龍田と会話してる間もずっと時計に固定されていたので見てはいなかったが…笑えないレベルの音が鳴り、さすがにそちらを見た。アレはマジで痛てぇだろうなぁ…

 

「…あー…龍田、そいつの目が覚めるまで往復でGOだ…」

 

「……本気?」

 

「ああ「ちょ!?もう覚めてます!?もう起きてますから!?」何だ、起きてたのか…残念だ。」

 

「酷くないですか!?」

 

「うっせぇ、起きたならさっさとここ出るぞ。」

 

「もう…何なんですか、本当に…」

 

「…で、先ずは玄関のドアが開くかの確認ね?」

 

「あの…龍田さん、私…貴女を起こそうとして「良し、行くぞ」……」

 

ついに黙ってしまった赤城を無視して、俺は部屋のドアに向かった。

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