「何だかんだ、特に異常らしい異常は無かったですね…」
……いや、三階のアレの時点で十分に異常では有る…まぁ、とは言え…俺たちの場合実際に出て来たりでもしない限り、正直もう大して動じないだろうとは思う。
「ま、こっちも拍子抜けでは有る…とは言え、んな事言ってる場合でも無い。」
「そもそも私たちは、ここから出られませんもんね…」
「せめて何か用が有るんだと信じたい所だな…正直、明日も暇じゃねぇからな。」
「私は休みだけど、早く天龍ちゃんに会いたいわ。」
「…あの、もうちょっと深刻になった方が…」
「あ?何でだ?」
「え「深く悩めば悩む程向こうの思うつぼだしね…と言うか、早く出たいのも確かだけど…だからって焦ったら出られると言うものでも無いしね」…う~ん…」
「結局冷静さを失ったら終わりだからな…間違い無く連中にそこをつけ込まれる。だったら緩く構えた方がまだマシだ……とは言え、こっちは向こうのやり口がヌル過ぎて正直イライラして来るんだがな…」
「いや…思いっ切り火傷させられてる癖にヌルいって…」
「つってもこの程度じゃ、別に死にゃしねぇからな。」
「まぁ、原因となったライター手放そうともしてませんしね…向こうもその方法での攻撃はもう諦めてるのかも知れませんね…」
「そもそも解せねぇんだよな…」
「何がですか?」
「お前が連中の立場だったとしてだ、仮に俺に攻撃するとしたらどんな理由が有る?」
「それは多分…貴方を憎んで、じゃないんですか「理由は?」え?」
「俺を憎む理由を聞いてるんだが?」
「それは…いや、幽霊が生者を憎むなんて良く有る話では?」
「ま、確かに一理は有るな…じゃあもう一つ聞くが、何で今なんだ?」
「え「さっきから言ってるじゃない…この人、何度かここに出入りしてるって」あ…」
「ちなみに、三階も何度か入ってるぜ?確かに基本、人は出入りしてねぇが…俺は例外になるな…あ、ちなみに言っておくが…俺は一々掃除なんてしねぇ。」
「まぁ、貴方の場合…多少埃落とした程度のベッドでも普通に横になりそうな感じはするわね…」
「面倒だしな。」
「ま、どっちみち貴方一人では無理でしょうね…一部屋だけならまだしも三階の全部屋が綺麗だったんですから……で、脱線しましたが要は…今まで何度も寮に、しかも三階にも来てるのに…貴方は今まで明確な攻撃を受けた事が無かったと…」
「そうだ…だから、何で今になってなんだと聞いた訳だ…まぁ、あくまでお前がそうだったらどうするのかと…こっちは軽い気持ちで聞いてるだけだから気楽に答えて良いぞ。」
「…まぁ、私が答える事で何かヒントにはなるかも知れませんね…と言っても、皆目検討は…いや、あるいは…追い出したかったとか?」
「じゃあ、今こうして閉じ込められてるのも変な話だと思わねぇか?」
「攻撃の仕方を変えたんじゃないの?普通ならビビって逃げ出しそうなものなのに、貴方は普通にここに残っちゃったし…」
「冗談じゃねぇ…正直カチンと来て、意地でも残ろうとか思ったわ。向こうもいい加減、俺の性格には気付いてると思ったがな…」
「普通そうはならない気がしますけどね…」
「単に天邪鬼なだけよね…」
「うっせぇな、だからヌルいって言ってんのさ。」
「…あれから結構時間経ってて、包帯巻いてても痛いレベルの火傷がヌルいなら…一体どれくらいの攻撃だったら納得するわけ?」
「……ハァ…一人の時ならまだしも、今言うとお前らも標的になるしな…だから言わねぇ。」
「…なら、結局ゆっくり進めるしかないわね。」
「チッ、マジでムカつくぜ…」
「そもそも一人の時に本気で攻撃されて、貴方が死んだら意味無いのでは?」
「ふぅ…お前ら巻き込まないなら、そこら辺多少は納得出来るから俺としては良い。」
「……叢雲ちゃんが後を追わないと良いわね…」
「いや、さすがにそれはねぇだろ…?」
「「……」」
「チッ…」