「…そう言えば、そもそもボイラー室って何処に有るのかしら?」
「…もう風呂場に入ってるのに今更言うのか?少なくとも俺は知らねぇよ…脱衣所にねぇのは確かだけどよ。」
横の龍田が聞いて来るが、俺はここの風呂場を利用した事は無いから当然知ってる訳も無い。今言った通り脱衣所にはそれらしき場所が無かったのと、大抵の昔ながらの銭湯は大体風呂場の方にボイラー室のドアが有ったと記憶してるから来ただけだ……つか、何でお前が知らねぇ?
「まぁ、私も鎮守府の方は何度か来てても…寮の方へ来るの自体は初めてなので、場所は知りませんけど…」
「……」
コイツは以前から基本、人の寝室占領してたからな…と言うかコイツは大体こっちに来ると基本、シャワーは浴びても風呂には入らないからどうにも俺の知る艦娘像とは違う印象を感じる事が多々有る(まぁ、理由はそれだけじゃないんだが…)
「…んー…恐らくアレでは?」
俺の向ける視線の意味に気付いたのか、若干居心地が悪そうにしながらも赤城が風呂場の隅の辺りを指差す……そこは距離が有る為に、俺たちの今唯一の光源であるロウソクの灯りが届かないのでハッキリとは見えないが…確かにドアらしき物がぼんやりと見える…つか、良く見たらガラス張りのドアだな。
…ま、一種典型的も言える…俺の記憶にも有るボイラー室のドアだな。
「先に言っておくが、中に入るのは俺と龍田だけだ…お前は入り口で待ってろよ?」
「え?なん「入り口でお前がドア押さえてないと閉じ込め「待って」「あん?」「この人、ちゃんと押さえてくれるか分からないわよ?もしかしたら…普通に閉めようとするかも」…ちょ…この非常時にそんな事「確かにな」…ホントに!全く信用無いんですね、私!?」
まだドアの前に着いてもいないのにいきなり揉める羽目に…ちなみに最後の赤城の発言はツッコミ待ちかとも思ったが、ここでその辺つつくといつまでも話が終わらないのがさすがに目に見えてる……ふぅ…締まらねぇが、今はハッキリ言って安心するぜ…ま、こいつらとにかく頼もしくて何よりだよ…
「まぁ、ここでコイツを疑ってもしゃあねぇだろ…さすがにそこまでのバカではねぇと信じようぜ……大丈夫だよな?」
コイツを信じる…そこまで言ってはみたものの、どう考えても俺たちの命運を託せる様な奴とは思えず…俺は一応聞いてみる…
「……そんなに疑うなら、いっそ…本当に閉めてあげましょうか?」
「…龍田、お前がロウソク持て…後、ついでに…コイツは中に入れずにお前が外で見張っててくんねぇか?俺が一人で中に入るからよ。」
「ええ、分かったわ「ちょ!?冗談で…」この状況でそんな冗談言える人、信用出来る訳無いでしょ?」
「……」
「…うし、決まりだ…赤城、とっとと龍田にロウソク渡せ。」
あからさまに落ち込む赤城を見てて、罪悪感が浮かばないとは言わん。ただ…俺はマジでコイツが信用出来無いし、少なくとも今のはコイツの自業自得だ…今ので、俺からの又聞きでしか無い為コイツが信用出来るかどうか決めあぐねていた龍田の評価まで地に落ちた…マジでバカとしか言えねぇ…放心状態の赤城から(これが演技なら女優になれるかもな…)半ば奪う様にロウソクを受け取って歩き出す龍田を見ながら、そんな事を考えていた…