最初のシウスの事故を装った一撃で一人はそのまま昏倒したが…残りは後四人もいる…シウスと最初に会った時囲んでいた連中は更に倍以上はいたが…如何せんここは場所が狭過ぎる…こんなところで応戦しようものならすぐ壁に追い詰められる…それに…
「止めてくれぇ!ワシの店がぁ!」
こうやって強面の店主が、明らかに怯え切り…声が枯れそうなくらい必死で叫んでいる声が聞こえるとやはり堪えるものが有る…こっちは巻き込まれただけなんだけどな…横をチラッと見ればシウスがさすがにバツの悪そうな顔をしていた。
「…先ずはこいつらを店から叩き出す…この店への賠償金は折半…良いか?」
「皮算用だぜ?今後の事は終わってからにしようや…」
「バカ。ここは城下町だろ?すぐに兵士に連行されるんだから今話し合っておかないとな…」
「テメェら!何ゴチャゴチャ喋ってやがる!」
小声で会話していたら、真っ先にシウスにダガーで斬りかかり…俺が剣の柄を握った拳で横から殴り飛ばした男が立ち上がり、叫ぶ…どうもこいつがこのグループのリーダーっぽいな…それなら貫禄発揮して許して貰いたいんだけど…パッと見、最初のシウスのアレはまぁ、事故だし…
「…あー…連れが悪い事をしたな…たださっきのはあくまで事故だし、酔っ払いが多少ムカつく事言ったからって、寄って集って殴ろうとするのはさすがにやり過ぎだと思わないか?」
白々しいなとは思う…ただ、ここでシウスを庇わなかったらそれはそれで面倒な事になるんだろうな、と思う…さて、と。
「取り敢えず…外でやろうか。」
俺は剣を一旦仕舞い、リーダー格の男の元まで一気に踏み込んで腹を蹴り、怯んだそいつの服の襟を両手で掴み、店の窓に向かって叩きつける…
「ぎゃ!?」
店の窓を割り…外に転がり出たそいつを俺も窓から出て、追う…後ろを振り向くと店の中で大暴れしているシウスの姿が目に入った…出られる様に窓割ったのに…これじゃ何の意味も無いな。
「チッ…やるじゃねぇか…」
どうも窓から投げ捨てたのが良くなかったらしく…色々吹っ切れたのか、今そいつは明らかに冷静だった…
「…頭が冷えたならここで引いてくれないか?多分、すぐにでも兵士が来るぞ?」
剥き身の状態のダガーを持った男がいきなり町中に現れたものだから、少し騒ぎになっている…
「うるせぇ!」
つい、少し上から目線で言ってしまったか、と反省していたら向こうがまた激高した…やれやれ…
「悪いがとっとと眠ってもらうぞ? 」
「ほざけ!」