キリトがスターオーシャンの世界に転生した   作:三和

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「ハァ…本当に面倒な事になったな…」

 

静かになった部屋で一人…溜め息と共に口から愚痴が零れる…そこで喉の渇きに気付き、水が注がれたまま手の付けてないコップに口を付けて一気に飲み干す…ふぅ。少し温いが、悪くは無い。部屋は暑いから弱冠物足りないが…俺は籠に手を突っ込むと中の飴の包みを広げて、口に放り込んだ。

 

「……塩飴かよ。」

 

甘いのを想定していた為、舌に感じる濃い目の塩っけと少しの苦味に顔を顰める…まぁ、気候を考えれば悪い選択では無いか…

 

「ゴミ箱は何処だ…?」

 

付近に見当たらな…あ、アレか…机の下に袋を被せられた円筒形の容器が有る…中身の入ってないそれに包みを放り込んだ…さて…何があったか知らないが、あの兵士は何時戻るのか…手持ち無沙汰になりながら俺は左腕に手を触れる…

 

「何時も包帯を持ち歩いてるのか…?」

 

あの時やって来た兵士は怒ってこそいたものの…詰め所に連れて来てラティとシウスと別れてから、この部屋に入る前に途中の食堂らしき場所の水場で俺に傷を洗わせると、何処から出したのか薬らしきものを塗って包帯を巻いた…

 

結構雑に扱われる事を覚悟していたが…あの兵士と言い、取り調べを担当した兵士も含めて犯罪者だからとぞんざいに扱う奴はいない様だ…当たり前と言えば当たり前だけどな…

 

「傷自体は深くは無かったし、ちゃんと手当してくれたからすぐ治るかな…」

 

当たり前…か…?破格の待遇な気はして来たな…

 

「イリアさんはどうしているだろうか…」

 

まさかラティもここに来るなんて…きっとイリアさんは一人で困っているだろう…やれやれ…マジで逃げてれば良かったよ…最も、巻き込まれたのは事実だが途中から俺もノリノリだったのは否定しない。ラティも何となくノリで参加したんだろうな、とは容易に想像が着く…あいつは決して馬鹿じゃないが、俺程じゃなくても昔からそう言うスイッチが入りやすい奴だからな…

 

「さて、と。」

 

俺はこれからの事に思いを馳せる…あの兵士の雰囲気から察するに多分悪い様にはしないだろう…ちゃんと公平に…先入観無しで裁いてはくれそうだ…問題なのは確実に怒るだろうイリアさんをどうやって宥めるかと言う事と、店の修理費をどうするかだ…

 

「シウスの奴…結局店の中で暴れてたからな…」

 

本来なら俺が割った窓と、テーブルや椅子が少し壊れただけで済む被害がああまで暴れたんだ…俺の予想以上に店の修理費は嵩んでいるかも知れない…

 

「店の営業は出来る程度の被害に収まっていれば三人で頭を下げて、働いて返すって手も有るけどな…」

 

あの時のシウスの暴れ方を見るにとても営業が続けられる程度で済んでいるとは思えない…本当にどうするか…そう考えているとドアが開かれ、そちらを見ると先程の兵士が廊下に立っていた。

 

「……待たせたな。」

 

「いえ、大丈夫です。」

 

「そうか…」

 

兵士が中に入って来て椅子に座り、溜め息を吐く…いなかったのはせいぜい数分くらいの筈だがかなり疲れている様だ…

 

「あの…何かあったんですか…?」

 

「ん…そうだな、お前には伝えるべきか…お前と同じく店で暴れた仲間…シウス・ウォーレンだが、たった今収監された。」

 

「…は?え?シュウカン…?」

 

シュウカン…週間…習慣…収監!?

 

「本来なら…店主に金さえ払えるならせいぜい厳重注意と数日拘束するぐらいで済むかもしれんが…アレでは駄目だな…残念だが、しばらくは外には出せない。」

 

「……シウスは…何をしたんですか…?」

 

「…こちらにも非が無かったとは言わない。奴の取り調べの担当者がかなり奴に高圧的に当たった様でな…奴がそいつを殴って怪我をさせてしまったんだ…奴は今さっきまで部屋で暴れていた…一応内容が内容だから上に掛け合ったが、まぁ…決定は覆らんだろう…そう長くはならんだろうが奴はもう…しばらくは牢から出られん。」

 

「そう、ですか…」

 

「先に言っておくと…この事でお前がとばっちりを食う事は無いからそこは安心してくれて良い…店の損害費は店主と話し合ってどうするか決める事にはなるだろうし、お前に対する処遇も正式には決まってないがそうだな…お前たちは仕事を請け負っているのだろう?この取り調べが終わったらお前とラティクス・ファーレンスは一度釈放する…明日早朝、お前らにはもう一人の仲間…イリア・シルベストリとこの町を発って貰う。荷物を届けたらまたここに顔を出せ。」

 

「…分かりました。」

 

「…さて、残りをさっさと済ませよう…次は町に入ってからの行動を教えてくれ。」

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