自然を利用したトラップは殺傷性が高く、脅威度も当然高い。…が、その分どんな物が出て来るか…比較的予想しやすい…何なら予測も不可能じゃない。
と言うのもだ、自然系トラップは基本的に遠隔性は無い。まぁ、もう少し簡単に言えば…この世界の文明は俺が元居たあっちと比べて遥かに遅れている…故に、こちらを監視するカメラや向こうでこちらがトラップ設置場所に入った際にその罠を離れた所から起動するリモコンの様な物は…普通存在しない。
……従って罠が作動する時は俺たちが謝ってスイッチを押してしまうか、極近くにいる敵が俺たちを発見し罠を起動する…の二択しか無い。
「だから…今俺たちが居る地帯に潜んでいる敵を排除して行けば罠に引っかけられる確率は大幅に減る…だろ?シウス。」
「……こっちが説明する前に大体分かってるのはありがたいけどよ、二つ程聞いて良いか?」
「何だ?…あ、イリアさん。迷路では壁に手を付けるのは確かに定石ですけど…ここでは止めてください…罠のスイッチが有ったりしますから。」
「!…ごめんなさい。」
俺が真っ先に罠に引っかかると言う事態が有った為か、慎重に行動する様になった様だが…目を離すと彼女がこう言う行動を取るのでこっちも気が抜けない…ちなみに今はシウス、俺、イリアさん、ラティの順に隊列を変更している…この並びなら、一番不安なイリアさんを重点的にカバー出来るからな…
「…と、話を折って悪かった…で、何だ?」
「…お前、本当にこう言うアジトに入った経験無いのか?結構対処法把握してるから驚いたぜ…」
「森の方には入った事が有るって言ったろ……あの時もトラップ地獄だったし、何ならそこに居るラティの親父さんにも色々習った事が有るからな。」
まぁ実際はそれだけで無く…あの世界でのゲームでその手の罠は腐る程有ったから必然的に学ぶ羽目になってしまっただけだ…最も親父さんはかなり脳筋な対処法を教えて来たから頭抱えたくなったのも今では良い思い出だ…確かに一番効果的では有ったけどな…
「へぇ…で、もう一つ聞いて良いか?」
「どうぞ。」
「ラティは大丈夫なのか?何かリラックスしてると言うかのほほんとしてると言うか…」
「…ああ、あいつは大丈夫だ。何と言うか、昔からあいつはとにかく勘が鋭いんだ…寧ろこう言う時に下手に意識させた方がやらかすからアレで良いんだよ。」
チラッとイリアさんから少し後ろに居るラティの方を見る…シウスの言う通りさっきの様に欠伸をして完全にリラックスモードだが、こう言う時のあいつは本当に凄い…土壇場でのあいつの鋭さは嘗て死線を潜って来た筈の俺でも敵わないと感じる程だからな……初めは戦闘時以外ならどんな時でも自然体で緊張感の無いあいつにドーンと二人で注意した事も有るが、ある時にあいつはあいつなりに"良く分かっている"のを俺とドーンも理解した為…あまりうるさく言うのは止めた。
必要な時はミリーが大体言うし、最終的にあいつの悪癖はキレた時の手の付けられない暴走と、後から出て来た寝坊癖だけになったしな…さすがに寝坊だけはいい加減どうにかして欲しいが(段々耐性着いて来て何しても基本起きなくなったから尚更な…ミリーのプレスもいつ効かなくなるか…)
「本当に大丈夫なのか?」
思索に耽りそうになっていたところで、シウスの声が聞こえて我に返る。
「ああ、問題無い「あ、イリアさん…そこ踏まないでください…地面の色が違います、多分落とし穴だと。」「え!?」…な?」
俺とシウスが半ば無意識的に避けた恐らく落とし穴の有る地面をイリアさんが踏もうとしていたらしくラティが声を掛ける…ボーっとしてる様で周りの事もちゃんと見てるからな、本当にコイツは侮れない。
「確かに問題はねぇ様だな…」
何処か釈然としない顔のシウスに苦笑する…まぁ、昔は俺もそうだったしな…
「とにかくラティなら大丈夫だ…先へ進むぞ。」
「おう。」