騎士王の弟   作:テムテムLvMAX

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マーリン「わわっアルティシアが食べられるぅ!」

アル(姉)「アルティシア!死ぬなぁぁぁ!マーリン!私は行きます!」

マーリン「ダメだ!この異界は既に僕の手を離れあのクソ蛇に支配された」

拳の騎士アルトリア「アルティシアが死んだら我が生涯をかけて呪うぞマーリン・・・っ!」

まーちん「ピエッ」

アル(弟)『滅びのバーストストリーム!』

マーリン、アル(姉)「は?」



今回はオリジナル要素が9割です、残りの一割?Fate五分東洋要素五分かな



アルティシア幻想(ファンタジー)

 ─アルティシアは立ち向かう、あの魔なる大蛇に。─

 

 

「魔術師に肉弾戦は似合わないがチートもらって強靭な体なんだ、使うしかないよな。強化、加速、災禍、幸運、保護の魔術の同時発動、からの増幅の魔術で二倍ドン!」

 

シャァァァァァァ! 

 

「さぁ始めようか、俺も奥の手を使うからよ。全力でこい」

 

 

 姉さん顔で全能を語る者よ! 見ておられるか、あんたに貰ったチート……品が無い言い方だな、『祝福』をフルに使う時が来た! 与えられた力を使いこなしてやるからな! 

 

 

 ─大蛇を前にし飄々と構えるアルティシア、今の彼は細心の注意と何事にも動じない胆力が備わり、心の余裕を身に付けた─

 

 

「蛇よ、お前がどこから来たのか知らないがこれだけは分かる、俺を殺しに来たな? マーリン先生は無理難題を吹っ掛けるが実行はしない人間だからな、お前がいるのはおかしい訳だ、はてさて誰の思惑か……」

 

「フシュルルル……フシュルルル……」

 

「まぁ言葉は分からないか、今襲って来ないのもただ俺の隙を狙っているんだろ?」

 

 

 ─対峙する一匹と一人、スケールがあまりにも違いすぎる戦いに虚空から見ているマーリンとアルトリアは固唾を飲んで見守っていた。

 大蛇は先程の逃走劇の間に山を食らう程巨大になっていた、飲み込んだ全てを魔力へ変換し自らの体を大きく成長させたのだ─

 

 

「フシュルルル……ッ!」

 

『来る』ッ! さぁ始めるか神話の再演! 

 油断と慢心はダメだって前世から分かってんだ、あの金ぴかさんのお陰でなっ! 

 

 

 ─蛇は喰らう、大地を抉りアルティシアを飲み込まんと。それを軽やかな身のこなしで避け蛇の頭へ三度拳を叩き込む─

 

 

「硬ッ!? 何食ったら鉄みたいな皮膚になるんだ!?」

 

シャァァァ! 

 

 

 ─大蛇は喰らった大地を吐き出しアルティシアへお見舞いした、それは平地で起きた土砂崩れ、山を一つ使った土の大津波だった。避けなければ森林もろとも埋め立てられていたことだろう─

 

 

「派手ぇ! 飛行の魔術! 空中戦と行こうや!」

 

 

 ─アルティシアの十八番、飛行の魔術で空へ逃げた。あの大蛇と地上で争うのは“今のまま”では無理だと判断した。大蛇の周りを縦横無尽に飛びながら火の魔術を次々と放つ、しかし大蛇はそれを意に介せず。一進一退の攻防な良かったがこれではジリ貧、アルティシアの魔力切れ……現状のままならそうなる事は明白だった─

 

 

「やっぱりダメだ、今のままで勝てる気がしない!」

 

シャァァァァァァ! 

 

「土と火の複合魔術! 喰らえマグマシャワー!」

 

 

 ─アルティシアの手から高温に熱し液体化した金属が滝のように大蛇の顔目掛けて降りかかり、これにはたまらずその巨体でのたうち回る。地震か何かと間違えそうな衝撃が大地を揺らしここが異界でなければ街が一つ消えていただろう─

 

 

シャァァァァァ??!! 

 

「うし、この隙を待っていた……っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《この身に宿る『龍』の力よ、その全てを我が意思の元に、そして今こそ解き放たん》

 

 俺、龍になるぞー! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─アルティシアは唱えた

 

 自らに宿る龍の力、その全てを解き放つ言霊を。

 

 その言霊は本来は不必要なもの、しかしアルティシアはあえて唱えた。

 

 彼にとって龍に変ずるは特別な意味を持つ、彼には龍とは恐ろしいものではない、また崇め敬うものでもない、そして討ち滅ぼす邪悪でもない

 彼にとって龍とはすなわち『とってもつよくてとってもカッコいい生き物』なのだ

 

 弱くてはいけない、不恰好ではいけない

 

 誰より強く、誰より凛々しくなくてはいけない、また雄大で何より強大でなくてはいけない

 

 幻想種としてではない、彼自身の『幻想』として最強であらねばならない

 

 そうこの言霊は彼の『幻想』をより強固にするもの、龍と言う『とってもつよくてとってもカッコいい生き物』を『ハチャメチャに強くて果てしなくカッコいい生き物』にするための儀式。カッコよさは全てにおいて優先されるのだ。

 

 そしてそれは間違いなく彼に力を与える─

 

 

「『術式・龍想』」

 

 

 ─彼の体は『龍』として新生を果たした

 

 人の殻を捨て龍となった彼は体をうねらせ空へ向かう、その光景はまさに昇龍のごとく。

 背に蒼、腹に黄土の鱗を輝かせ厄や穢れを払う。

 頭から尾の先まで白い毛が走り、天の守りをもたらす。

 双眼は汚れない翠色をたたえ幻影を暴き嘘を見破る。

 その双角は威厳を轟かせ天を操り

 口元より長く延びる髭は叡智を感じさ言の葉に力を与える。

 翼は魔力を蓄えると同時に魔力を光の粒子として翼膜から放出、常に自然界へ干渉するエネルギーとしている。

 

 その大きさは小さくせいぜい大人が十人乗れる程度、されど侮ることなかれ。世界最高の魔術師の技術の半分に加え龍の身にも全能存在から受けた『強靭であれ』と言う祝福は龍になっても変わらず効力を発揮する、この全てが噛み合い重なり束ねられ一つの力となる。

 

 並みの竜は尾を巻いて逃げるがいい。

 

 賢き竜は引くがいい。

 

 善き者は安堵せよ。

 

 邪悪よ恐怖せよ。

 

 善の心にて力を振るうはこの龍なり。

 

 そして受けよ、暴食なる蛇よ。彼の意思が天罰となって汝を裁く─

 

 

 ☆☆★

 

 

 OH MY GOD! お兄さんの想定外が規格外に踏み倒された! それだけじゃない、デタラメだ。彼はデタラメすぎる! 

 

「おおっと」

 

「ちょっ! あ、もう! マーリン様! 見えないではないですか」

 

「すまないねーどうやら弾き出されたようだー彼らの魔力に魔術がもたなかったねー」

 

「むぅ……」プクー

 

「膨れっ面になっても無理は無理ー」

 

 

 ─アルトリアとマーリンは異界の出口を自分の部下、エスター卿の邸宅、つまりアル姉弟の生家に定めそこから遠見の魔術で観戦していた。

 しかしアルティシアと蛇の魔力に圧され遠見が出来なくなってしまった……と、マーリンは言うがその実アルトリアにこんなトンデモ大戦を見せたくなかっただけだった─

 

 

 全くアルトリアの教育に悪い、そもそもアルティシア君さぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何で龍になってんだアァァァァァァ!!! 

 

 そんな素振り一ミリも見せなかったろーがぁぁぁぁ! 

 

 花のお兄さんの千里眼をなんだと思ってんだクソォォォォ!!! 

 

 

「マーリン様? 如何しました? 熱にうなされたような表情ですが? あ! 夜風で風邪を引かれたのですか!」

 

「……いや、大丈夫、大丈夫だよ」

 

 

 今までは大丈夫とたかを括っていたけどこれは……これ……あーでも過去に自分に誓った約束があるし……えぇい! 付き合える所まで付き合ってやる! 

 

 

 ★★☆☆

 

 

 我は……我は……龍なり……や

 

 ん? 意識が龍に寄っていたか。さ、龍になったしバリバリ行こうか。この全身を駆け巡る変身前の数十倍、いや数百倍……へたしたら数千倍の量と質の魔力、そして龍の力たる自然環境への干渉力。

 そしてこの力全てを引き出す方法が元々知っていたかのように頭に入っている。こうなれば苦戦も敗北も無い、完勝あるのみ。

 

【我が威光、ここに示す。これはその一歩なり】

 

 あるぇ? やっぱり龍に言葉を持っていかれた、精神が龍になっちゃううう! まぁ伝わるならいいや(龍並感)

 

「シャァァァァァァ!」

 

 ホホホ、あの蛇もここから見れば小さいものよな。では、参ろうぞ。

 

 

 ─遥か天空に漂う龍がその前肢をくるりと廻せば、晴れ渡る夜空に雲は渦巻き、静かに揺らぐ木々を巻き上げる竜巻が地に這いずる─

 

 

【渦巻け渦巻けりゅうの渦、雷携え雲よ来れ】

 

 

 ─龍の言葉で自然の脅威は力を増していく。

 

 竜ではなく龍なればこそ、自然の中に見出だされた存在だからこそ、自然の力を自在に操り己が力とする。

 呼べば雨が、風が、大地が、草が、自然界がかの龍に答える

 

 今より見せるはその力の一端、雷の力─

 

 

シャァァァァァァ!!! 

 

 

 ─蛇は根源的な恐怖を感じた、あの龍は自分の殺す者だと本能が知らせる。だからこそあれを喰らわんとトグロを巻き、狙いを龍に定める。

 

 そして一息に天空の龍へ飛びかかりその牙が龍に届かんとする直前に─

 

 

【止まれ】

 

 

 ─その一言で蛇の巨体は空へ固定された、有り得ないともがく蛇だがピクリとも動かせない。訳の分からないナニかで自分が捕まったと気付くまでそう時間はかからなかった。

 

 そしてその間に事は済んでいた─

 

 

【蛇よ、汝の健闘を讃える。そしてその命を我に差し出すとよい】

 

 

 ─視線が合う、蛇に睨まれたカエル。いや龍に睨まれた蛇は硬直し思考はどこかへ飛び去った、あるのは恐怖、畏怖、想像を絶する強者への念。そして……自分の末路を想像する。

 

 天罰は執行される─

 

 

【我が雷、受けよ。それが汝を浄化せん】

 

 

 ─蛇は解放され地に堕とされ森へ叩き付けられる、すぐさま雷雲立ち込める電獄はたかが一匹だけに万物を焦がし砕く大天災を引き起こす。

 

 眼を焼く閃光と耳を破く轟音。天が怒りを示すように十、百、千、万、絶えず落ちる雷は留まるところを知らず、ただひたすらに蛇を撃つ。空を雷雲に埋め尽くされ星の光すらない中にギラギラと稲光は良くは映えた。

 

 地を穿ち、山に孔を空け、驚天動地を極め破壊をもたらす嵐はマーリンの造り出した異界を隅から隅まで蹂躙し、何者も生存を許さない大天災、終末に至る災いの訪れなり。

 

 この天災を締めくくる最後の一撃─

 

 

【万の雷をもって裁きはここに終わった、地を這う者よ。天を見よ、我が威光を焼き付けよ。汝に判決を下す】

 

 

 ─龍は体をひねり空に上がる、翼を目一杯に広げその長い胴体は前後の手足で『空間』を掴み固定する。

 翼は魔力の放出と蓄積を担い、角は自然への干渉を行う、髭は言葉をより強く紡ぐ、その鱗は災いをはね除ける、毛は天の守りをもたらす、なればその口はなんとする。

 答えはこれだ─

 

 

【雷光、雷雨、雷鳴、雷天、雷轟を束ねるはこのアギトなり、この一撃が全てを無垢なる白へ還そうぞ『白の雷(ライトニング・オーバー・サン)』】

 

 

 ─口から溢れる輝きが光る玉になって蛇に向かう、サッカーボールほどの大きさしかないそれは蛇と比べれば砂粒同然だが、それでも確かにしっかりと優しい太陽のような輝きを放ちながら、敵を撃滅する為に加速度的に速くなる─

 

 

「シャァァァァァァ……ッ!」

 

 

 ─最後の抵抗とばかりにその玉に持てる魔力全てを使い土砂を吐き尽くす、国一つを支える大地と遜色無い量が吐き出されているにも関わらずそれらは全て分解され、程なくして蛇とその周りの大地も同じ末路をたどり、音もなく消え、玉も役目を終えると光の粒となって自然へ帰った。

 残されたのは穴だらけの大地と天に輝く龍だけ……ではなかった─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【手加減は足りたようだな】

 

「しゃー? しゃー、しゅるる???」

 

 

 ─なんとあの大蛇が小さな白蛇になっていた、巨大なクレーターにポツリと何が起こったか分からないまま右往左往としている、龍はそれを見つけるとゆっくりと天から降り蛇の前まで来た。その光景は始めと構図がまるで逆転していた。

 

 それから龍は言葉を編む、巧みな話術でも粗野な話し方でもなくただ幼い子供に語るように優しく問いかける─

 

 

【蛇、我と来るか? 汝は見るに生まれてまもなく、かつ何も殺しておらぬのだろう? 誰に差し向けられたかは不問とし浄化の雷撃をもって汝の呪詛を払った、我は汝を気に入ったのでな】

 

「……しゃー!」

 

【そうか、ははは! 真に元気のよい蛇よ。では名を与えねばな、我の配下に下るからにはいつまでも名無しではいかん、我が猛々しく勇壮な名をつけてやろう】

 

「しゃあー!」

 

【む? 自分はメスだと? ハッハッハ! それはすまんな、出来るだけ愛らしいモノにしようぞ! ……ふむなら、我が名より分け与えよう、我が母の命名故我が考えるよりより愛らしかろう。今日よりルティと名乗るが良い】

 

「しゃー!」

 

【気に入ったか! ははは、善きかな善きかな!】

 

 

 ─かくしてこのアルティシアの試練は終わりを迎え─

 

 

「おーいー! 私がアリアちゃん見つける前にぶっ殺す気かコラー!」

 

【おっと、かの存在をうっかりすっかり忘れておったわ……】

 

 

 ─……迎えるはもう少し先かもしれない─

 

 

「もうあんた達のドッタンバッタン天地がひっくり返る戦いのせいで怖かったんだからねっ! 主に死の恐怖!」

 

【許せよ、エナ殿】

 

「? 私の名前をどうして知ってるの? 私にドラゴンの……あなたドラゴンよね? ドラゴンの知り合いは居ないわよ」

 

 

 ─龍化をといてルティを抱き上げるアルティシア、腕のなかにスッポリはまってご機嫌そうだ─

 

 

「俺だよ俺、見たことアルティシア? 何てな……寒っ」

 

「ひえぇー!? アルティシアさんんん!?」

 

「ふしゅー」ウトウト

 

「よしよーし、良い子だねー……俺は疲れたよ……」グッタリ

 

 

 ─驚愕するエナをよそにルティを撫でながら焼け焦げた切り株に腰を下ろす、この戦いでくたびれたのだ。休憩をして何が悪いのかと言わんばかりにぐったりと座り、そのまま眠りについた─

 

 

「まさかアルティシアさんとは……って寝てるし、はあ全く……まぁお疲れ様。さてさて私も雷避けるのに必死で寝てないし、お隣失礼しますよ」

 

 

 ─エナもその切り株の横に座りアルティシアにもたれ掛かるように眠った。

 このあと無事にマーリンとアルトリアに怒られ異界の試練は終わりを迎えたのだった─

 

 

 

 

 




マーリン「どれどれ戦いは終わったかな?って寝てるやないかーい!」

アルトリア「迎えに行きましょう!あの女性もこんなことに巻き込まれて不運でしたね、さぁ異界を解除してください」

マーリン「全く、あれを収めるとはアルティシアはスゴいよ(ボクの想定外しかやらないのは頂けないけどね)」

アルトリア「流石我が弟です、いずれあのような大蛇も私は拳で乗り越えます!その時までアルティシアには大蛇殺しの称号は預けます」

マーリン「どこに向かっているんだアルトリア?!」





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