騎士王の弟   作:テムテムLvMAX

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ケイ「やっちまった、試合に使う剣を忘れてきちゃったぞ・・・オーマイ神さまどうしよう」

アーサー(アル姉)「兄上、お久しぶりです。これをお使い下さい、剣を忘れるとはおっちょこちょいなんですから」

ケイ「え?誰だお前(真顔)」

アルティシア「嘘だろケイ兄さん?!」




聖剣伝説、あるいはテイルズオブアーサー

 ─騎士達が集まるこの教会、ブリテン中の教会をまとめる大教主により運営されるいわゆる総本山。

 ここで毎年行われる模擬試合は日本で言う正月に行われる特別なもの、ここで優勝したならばその武と名前はブリテンに轟くことになるだろう。

 

 それだけでなく単純に見世物としてもトップクラスで毎年かなり人が集まる、その人達目当てに屋台が並び街が普段より賑やかになり、その時のお布施で教会が潤う、潤い余ったお布施でまた来年の模擬試合を行う循環が出来上がっていた

 さてそんな模擬試合、会場もまた特別である。ぶっ飛んでカッ跳んでいくブリテンナイツ達に常識的は会場では半日も持たない、ので、教会の魔術師総出でガチガチの会場を毎年設営するのだ。もちろん簡素だがキチンとした観戦席もある。

 

 そんな会場の片隅に少し騒がしくなる所があった─

 

 

「ねっ……兄さん、会場はここのようです」

 

「そうみたいだ、ケイ兄さんの勇姿をここから見てやろう。試合前に剣を忘れるとは我が兄ながらおっちょこちょいだな」

 

「もうやめてあげて本人も自覚してたよから! ……それよりエナさんも来てるかな? ろくにお別れしてないから出会えたらラッキーなんだけど」

 

「そうだな、私もチラチラ探してみよう」

 

 

 

「おい、見ろよ見ろよ……」

 

「美しい……」

 

「美とはあれを言うのか……」

 

「どこかのお姫様と騎士様でしょうかねぇ」

 

 

 ─騒がしさの原因はアル兄妹だった、彼らは自分たちの美しさを把握して対策しなかった為に見たものを惹き付けてしまっていた

 

 彼らを見て足を止める人が居て足を止めた人が何を見ているのか気になり足を止めた人が居て、更にそれに足止めされ止まる人が居て……そうして連鎖が続き大通りが人でごった返した。

 

 アルトリアは自然の美しさを持ち、アルティシアは魔性の美と言うある種の呪いを全能から授かっていた、この二人が揃えば足止めもやむ無しである、もう顔を隠せディルムット(飛び火)─

 

 

「アルティシア、見られてますね」

 

「ですね、ね「ん゙?」兄さんにみんなやられているようです」

 

 

 おい全能さんミロヨミロヨ、これが本物アルトリアの実力やで~? 愛らしさと美しさ同居してる完璧美少女はこっちや。いやー最高最高、でも残念や。周りの観衆達は認識改変によってスーパーイケメンに見えている筈、アルトリア姉さん本来の美しさの半分も分からないだろうよ。

 

 

「すいません、そこのお方。少しお時間良いですかな?」

 

「む? 貴方は?」

 

「この街で絵を仕事にしているものです、貴方の出で立ちを見るに高貴なお身分とお見受けしました。いやそんなことはよいのです、その美しさを是非私めの絵に納めたい、どうかモデルとなって貰えないでしょうか? お礼はいたしますぞ」

 

「そうか、私で良ければいくらでも顔を貸そう。礼はいらない、それに私はただの騎士(の卵)だ」

 

 うわぁ姉さんウッキウキだよ、人前だからキリッとしてるけど内心ニヨニヨしてるわ、ちょっと口角上がってるから間違いない。ちょっと身分を偽ったのはご愛敬と言うことで俺は黙ってます。

 

「では、そちらの姫君の護衛ですかな?」

 

「……姫君? どこに……まさか俺か!?」

 

「魔術を嗜まれるのですかな? いやお転婆姫様とはなかなか良い、私の好む題材ですぞ……おおっと出すぎた事を申しましたな」

 

「すまないな、この子は我が弟。魔術師として名をあげる為に私に着いてきたんだ、どこの姫でも無い」

 

(ナイスカバー! グッジョブ姉さん!)

 

(ふっ、造作もない)

 

「いやしかし……むむむ、男と言うにはいささか……なんと言うか、らしさが無いですな? 深窓の令嬢と言われればまだ納得がゆく」

 

「ふっ、そう見えているみたいだぞ? アル?」

 

「そうかな~? そうなのか~? そんなに女に見える?」

 

「「うんうん」」

 

「二人してうなずくな! 特に兄さんはダメだろ!」

 

「さぁ私の絵を描いてもらうか、場所はどこがいいか?」

 

「会場をバックに剣を構えて頂ければ、細かい事は書きながらと言うことで。その大剣はさぞかし映えますぞ」

 

「おーい! 無視かよー!」

 

 こんのアルトリアぁぁぁ! そこの絵描きのじじぃぃぃ! 許さん! フォローグッジョブとか言っていた己が憎いぞ! もうしばらく口を聞いてやらねぇ! なに言われても答えてやるもんか! (かしこさ3歳)

 

 

 ☆★☆★

 

 

 ─賑やかなる会場はその喧騒とどまる所を知らず、遂に始まる模擬試合で会場のボルテージは最高潮を迎えた。

 騎士達の騎士達による騎士達の為の祭りの本番が始まる─

 

 

「さぁ! 皆のものよ! 最大最強の騎士を決める戦いの幕開けじゃ! 私はブリテン大教会の教主じゃ、早速毎年お馴染みのルール説明といこうかの! 

 

 まず第一! 『殺しは避けるべし』神の御前で殺し合いは許されぬと心得よ! 

 

 第二に! 『正々堂々、剣の腕を競え』神は不正を嫌う、心得よ! 

 

 第三に! 『勝者に栄光を! 敗者には機会を!』勝者は祝い敗者には次なる挑戦を与える。神は勝利に喜び、敗北に容赦を与える、ここはそう言う場所である、命のやり取りはしてはならんぞ! 

 

 以上を持ってこの模擬試合のルールとする! さぁ! 腕に自信ある強者達よ! 存分に競え! 飛び入り参加も待っておるぞー!」

 

 

 ─老人とは思えぬ声量で雄々しくルールを読み上げた大教主、毎年恒例のスタートの合図でもある。

 これを聞いた騎士達はたちどころに闘争心が沸いてくる、我こそはとやって来た彼らの試合。腰を据え特と見よう─

 

 

「凄いそのように剣を振るのか!? アルティシア見たか! あの剣技!」

 

「あーはいはい、見てます。凄いけどそこまで熱を込めて見れないよ……」

 

「おー! まただ! アル! 剣筋が見えない! あの身のこなし実に面妖!」

 

「兄さん、座ってくれ。頼むから、他の人が引いてる!」

 

「ケイ兄さんんんん! ファイトー!」

 

「待ってましたケイ兄さぁぁぁん! ファイト!」

 

「「いよっしゃゃゃゃ! ケイ兄さん大勝利! 希望の仕官先にレディゴー!」」

 

「おい誰かこの二人を止めろ! まともに観戦出来ねぇぇぇぇぇぇ!!! 観戦席が揺れるんだよ! 止めてくれぇぇ!」

 

 

 ─こうして模擬試合を存分に楽しんだ二人は明日の模擬試合の続きに備え宿に帰ろうとしていた、が、それを呼び止める大教主。観戦席に居てまさか呼ばれるとは思って居なかった彼らは胆が冷え冷えになっていた─

 

 

「まちたまえ、そこのふたり! そう、君たち! 騎士と魔術師のコンビ! 君たちに挑戦者がいるぞ! 前大会の優勝者だ!」

 

 

 ─優勝者、騎士達に勝ち抜いた騎士、ナイツ・ザ・ナイツ。その様な人物から挑戦されるとはどういう事かと頭を捻る二人に、人混みをかきわけその挑戦者が現れる。─

 

 

「さぁこの挑戦受けるだろ? アル……今は違うか、アーサー!」

 

「ケイ兄さん!? 優勝経験者だったんですか!?」

 

「おうよ! お前らの兄さんが弱いわけないだろ! こい! その鎧が伊達でないなら、その剣が伊達でないならば! 俺と戦え! この場で!」

 

 

 ─その挑戦者とは彼らの兄、エスター家の長男ケイだった。

 前回大会優勝者と会場を騒がせたちょっとした有名人の組み合わせ、更に兄妹と言うこともあり会場は大いに盛り上がっていた。ここで拒めばブーイングは避けられずケイの顔に泥を塗る行為だろう。

 ケイは純粋に力比べを望んでいる、なら答えよう。アーサーは観戦席から一歩飛び出し戦場の真ん中へ立った

 

 アルティシアは乗り気なアルトリアが羽目を外しケイがケ/イになってしまうんじゃないかと戦々恐々としていた、しかしその心配はすぐに解消されることになった─

 

 

 

「ではこれよりエキシビションマッチを行う! 東に立つは前回優勝者! ケイ! 基礎基本を叩き上げそれで勝ってきた猛者! 対する西に立つはアーサー! ケイの兄弟にしてこの会場を騒がせていたその人だ! 

 

 それでは参るぞ……双方構え、始めっ!」

 

 

 ☆☆★★

 

 

 

「こうしてやり合うのは初めてだな」

 

「ええ、ケイ兄さん」

 

「さぁ来い! ファーストアタックは譲ってやらぁ! お前の『全力』見せてみろ!」

 

「……っ! はいっ!」

 

 

 全力、ふふっ……いい、全力をぶつけても良いとはこれ程気分が清々しいのか。ケイ兄さんなら大丈夫、私の全力程度受け止めてくれるだろう……アルティシアと二人で鍛え上げたこの力、どこまで通じるかやってみよう。

 

 

 ─アルトリアは剣を強く握り締め体をそらし構え直した、一撃一撃に必殺を心掛ける、それがアルトリアの剣技だった。

 

 始まりはアルティシアの提案だった、どうせなら力を活かした剣技がいいと。マーリンも協力してアルトリア用に剣技を研究し編み出した、それはアルティシアが前世聞きかじった示現流をマーリンが実践的に組み上げた剣技。『ブリテン覇王流』騎士道を貫きたいアルトリアにぴったりなものだった─

 

 

「行きます、チェェスト!」

 

 

 ─大地を踏みしめ駆ける、一歩で刹那的な加速をかけ全力を込めて振り下ろす大剣はそれ以上の速さを持ってケイに向かう。単純な動き、距離を詰めて切る、ただそれだけだ。しかしアルトリアは人並み外れた力でこれを成す故に並みの騎士なら認識すら叶わないだろう─

 

 

「ウオォォッ!」

 

「っ!?」

 

 

 ─甲高い金属音、火花が散り、二人の剣が交差する。ケイは正面から一撃を受け止めた。受け流すでも避けるでもなく受け止めたのだ、それがアルトリアにショックを与える。絶対の自信を込めた一撃が止められてしまったからだ。

 

 しかしケイは余裕と言うわけではなかった、剣にヒビが入り身に付けた鎧は肩から腕にかけて吹っ飛んで、踏ん張っていた足場は耐えきれず砕けていた─

 

 

「グフッ……アーサー、全力は出せたか?」

 

「えぇ」

 

「ふは、よかっ……た、一つ……ちゅ……うこく……周りを見ろ、受け止めな……いと被害が出ていた、加減を……覚えろ……兄さ……んと……の……約束だ……もうむり」バタリ

 

「兄さん、ありがとうございました。ご教授感謝します、アルティシア! 兄さんの治療を!」

 

「あいさー!」

 

 

 ─ケイは倒れ付しアーサーは立っていた、この事が意味するのは、勝敗が決したと言うことだ。

 

 普段なら観衆達は沸き上がり騎士達は高揚しているが、アーサーが前回優勝者ケイを防御の上からダウンさせた、一撃で。

 速すぎて誰も思考が追い付いていない、何が起きたのか分かっていない。ハッキリ言って状況が飲み込めないのだ、あまりに想像を絶するナニかが起きたのとしか理解出来ていないだろう─

 

 

「しょ……勝者! アーサー! ……速すぎて何が何やら、しかしうむむ……ウーサー王のような騎士よのう」

 

 

「「「「うぉぁぉぉぉ! アーサー! アーサー! アーサー!」」」」

 

 

 ─いち早く現実に戻ってきた教主の言葉で皆が勝敗が決したと理解した、教主が速く戻れたのは大昔にウーサー王が遊び半分で出場し全員を一人でぶちのめした事を知っていたからだ、その時も同じように一撃で終わる刹那的な試合しかなかった。

 アーサーはウーサーの再来なのか、教主は一人思っていた─

 

 

「復活! アルティシア助かったぜ」

 

「まぁ、うん、想像より頑丈で良かった」

 

「おう! 兄さんはバッチリ鍛えてるからな、いやしっかしアルトリアの、アーサーの剣が見えなかったわ」

 

 

 ─会場横のテントにて治療を受けるケイ、治療をするのはアルティシアだ。教会の魔術師も常駐しているがアルティシアの方が何倍も速く治せるのでケイはすぐさま復活した、アーサーは見舞いに来ていたが前優勝者一撃のインパクトは凄まじく人集りが出来てしまうため現在身を隠してどこかにいる─

 

 

「あ、見えてなかったの?」

 

「見えてねぇ見えてねぇ、勘だよ、あと目線もか、経験値は俺のが上ってこった」

 

「流石優勝者、言うことが違う」

 

「なぁアルティシア、お前もあれぐらいだったりする?」

 

「そんな訳ないよ、半分も真似出来たらいい方だって」

 

「半分も真似出来るのか……魔術師見習いなのに」

 

「魔術込みならアーサー兄さんより上かもね、あはは」

 

「やめろー! 聞きたくねー! 兄貴の立場が崩れるぅー! こんな立派になりやがってチクショー!」

 

 

 うわおケイ兄さんが見事に兄プライドを崩壊させている、南無。しばらくそっとしておこう……ん? アル姉さんだ、なんだあれ隠れてるつもりなんかな? おっと、あれは中庭に向かったのか? 

 

 

 ─アルティシアがテントから出たときに遠目でアルトリアが見えた、こそこそと隠れながら教会の側面に来ると飛び越えて中へ入っていく、その中庭は未だにカリバーンが存在し自らを引き抜く王を待っていた。

 アルティシアは不審に思いそのあとに着いていく事にした─

 

 

 

 

 




以下、即思い付いてボツにしたネタ


「ほら、アルティシア!ちっちゃい時に遊べなかった分遊ぼうぜ!そら背中に乗せてやる」

「ケイ兄さんその・・・恥ずかしいですよ?どんな羞恥プレイ何ですか?」

「構うことはねぇよ、お前はまだまだお子様よ、そらっ名馬ケイに乗り会場を一回りしよう!」

「これがほんとのケイローン・・・いやあれは半人半馬か・・・」

「おい!ケイ!てめぇ鎧のツケを払いやがれ!何ぶっ壊されてんだ!」

「おおおい!待ってくれ!払う!絶対払うからこいつの前では言わないでくれぇ!」


これが本当にケイとローン(ツケ)でケイローン・・・ダメだ俺はオヤジ達の仲間入りしたみたいだ



閃いたけど書くタイミングないのでボツ、思い付きで小説は書いちゃダメだね・・・ちゃんと筋書き作ろ・・・

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