騎士王の弟   作:テムテムLvMAX

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アルティシア「しぬー」

モルガン「ホムンクルスいっぱい作った」

「「「わーい!」」」


Fate無双~提供はきっとコー〇ーテク〇ゲームス~

 ─戦いの合図と共に一斉に動き出す騎士達、アーサー側は迎え撃つ構えだ。押し寄せる騎士の波はそれぞれが軽く馬の速さを超え迫るが焦りや恐怖は微塵も感じさせないアーサーとアルティシア。

 それも当然だ、4年に渡り二人はマーリンの修行を受けきた、最高の知識を若さと才能で蓄積しマーリンの魔術であらゆる状況と状態を再現し考えうる全てと想定外要因になりえる相手に仮想ではあるが戦闘経験や技術を磨いてきた、マーリン基準ならまだまだ未熟だが人並み以上の力は既に備わっている─

 

 

「先頭の数百人は中々やりそうだな」

 

「魔術の強化は必要?」

 

「いやこの二本の剣さえあれば良い。なぁ私としてはお前はやっぱりこの戦いに参加しないほうがいいと思うんだが、お前が怪我などさせられたら私は……」

 

「大丈夫大丈夫、俺は兄さんの弟だよ? それに兄弟は支え合わないとね」

 

「ふっ、大丈夫か……よし、私の専属魔術師(おとうと)なら軽く千は余裕だろう? 背中は預ける、それだけ倒せば第一の側近にしてやるぞ? アーハッハッハ!」

 

「緊張感~っ!」

 

 

 ─ユルいやり取りとはうってかわって迫り来る騎士達を鋭く見つめ、出方を見極める。アーサーは背中の大剣を抜き右手で構え左手はフリーにしておく、アルティシアは魔術師らしくその身長より1.5倍ほど大きな杖を両手で構え、いつでも魔術を使える様にしておく。

 

 騎士達が広い試合会場を瞬く間に駆け抜けアーサーへ辿り着く、先頭の騎士何十名かが突っ込んできて地上の四方を囲み、その後続が囲みを飛び越えて上空から襲い掛かる─

 

 

「おらぁぁぁっ! ぶっ飛びなぁ!」

 

「ヒャッハー!」

 

「イキった騎士様は俺が焼きいてれやらぁ!」

 

「囲んで叩くかっ! 愚かなりっ!」

 

「その構えって、あっ待て兄さ」

 

 

 ─飛び掛かる騎士をアーサーは大剣を振りかぶる、それを見たアルティシアは急いで屈むと─

 

 

「どおぉぉりゃぁぁぁあっ!」

 

 

 

 ─体ごと横に一回転に大剣を振るえば、軽く音速を越え地面を抉りとり巻き上げる竜巻を起こし上空と囲みをしていた騎士をもろともに蹴散らした。

 

 その竜巻はすぐに収まったがその一撃で先頭の数百人の騎士が上空に飛ばされて十秒ほど風に遊ばれていた、アルティシアも行って帰ってきた─

 

 

「はぁぁ……『風王撃滅(インビシブル・ブレイカー)』」

 

「うひょぉぉぉぉっ!? おっぶぇ!」

 

 

 ─『風王撃滅(インビシブル・ブレイカー)』とは一切の魔術は使わずに物理的に竜巻を引き起こす風の剣技、『ブリテン覇王流』の基礎である、最低限これが出来ねば『ブリテン覇王流』は習得出来ないだろう。ちなみにこのインビシブルの意味は相手に見えない攻撃をぶちかますと言うところから来ている

 アーサーは混乱している戦線に向けて間髪入れずもう一撃、アルティシアは察して逃げだした─

 

 

「『風王降誕(ストライク・パニッシュ)』」

 

 

 ─今度は魔力を風に変え剣へ纏わせ両手で剣を地面へ深く突き刺し刀身から地面へ風を送り込み、間欠泉のような大爆発を招く。爆発が連続して起き騎士達の足場は崩れ、打ち上げられた人より二回り巨大な土塊が無数に降ってくる事でフィナーレを迎えた。

 マトモな足元ならば避けられただろうがボコボコの穴だらけな地面で回避は間に合わず次々と下敷きにされる騎士達。

 ここまでで既に四分の一が戦闘不能の重傷を負い実力の差をまじまじと見せつけたアーサーにしり込みする観客席だが当の騎士達は士気は衰えていない─

 

 

「いつ見ても凄まじいぜ……考案したのは俺だけど想定以上なんだよなぁ」

 

「へっ! あの程度でやられるなら雑魚だ! おらおら怯んだら敗けだぁ!」

 

「「「「うおぉぉぉっ!」」」」

 

 

 ふむ、腐っても騎士ですね。士気は高いまま、手こずるかもしれない、いやいやアルティシアの手前カッコ悪い所は見せるわけにはいかない、姉の威厳と王の威厳を知らしめ、必ずやアルティシアに『すごいわお姉さま! 素敵! 好き!』と言わせてみせようホトトギス。

 

 

 ─アーサーが単機無双で千を葬り残りの三千の騎士と争う一方で観客席からこの戦いを眺める二人の騎士がいた、片方は小柄で若い女性でもう片方は濃い髭を生やしている老練な男性だった─

 

 

「思ったよりやるぅ、ひげ団さんはどう思います?」

 

「ダメかもしれん。あとひげ団は止めろ、団長と呼べ」

 

「いやですよ? しっかしこれは負け戦ですかねー」

 

「だろうな、数を揃えても頭がいないなら意味はない」

 

「あの子はつくづく化物だねぇ、うひひ」

 

「どの口が言うか、『魔女騎士』のお前も変わらんだろうが。それに選定されし騎士とは別にあの魔術師は殺せとの命令だ、奴らが仕損じたらお前に出て貰うからな」

 

「えー『あれ』渡したんでしょ? だったら絶対に死ぬよ? みーんなまとめておさらばバラバラだよ?」

 

「それでもだ、絶対は無いと思って行動しろ」

 

 

 ─数の前には如何なる強者もひれ伏す、神でさえも数には勝てない。しかしブリテンにはそれ以上の化物が居るのだ、かつてのウーサー王が数を食い破る化物だった事を知っている者からすれば究極の一を侮ること無いだろうが、ここにはいない─

 

 

 

 ★☆☆

 

 

 

 俺様魔術師、お前騎士、でも接近戦は我が間合い。アイキャンフライでユーはパンチングでフライだ(ジャニー並感)

 

 ─アルティシアは騎士達の格好の的だった、魔術師は歴史と知識、そして才能と研鑽がモノを言う職業。それが誰かも知らぬ十年も生きていない子供、となれば程度も知れる。大半の騎士はそう考えていた。だが、間違っていた。何にでも例外は存在するのだ─

 

 

「ガキをやれ! 人質にするんだよ!」

 

「観念しなぁガキ!」

 

「イヤーッ! ブリテンカラテ!」

 

「「「アバーッ!?」」」

 

「他愛なし……」

 

「ちくしょーなめやがってぇ! オラッ!」

 

「踏み込みが足りていない! 足元がお留守!」

 

「ごばっ、あ、グハッ」

 

 

 ─アルティシアの巧みな飛行魔術は無重力を思わせる、遊ぶような空中機動に翻弄される。ふわりと羽が漂う動きから一気に弾丸となって突撃するアルティシアに追い付ける者はいない─

 

 

 アワレ! 子供と油断したブリテンクランの騎士=サンはしめやかに爆発四散! ワザマエ! ゴウランガ! この程度のアンブッシュに対応出来ないならば俺の相手にはならんぞ? 戦場で油断したサンシタはこの有り様よ! ネギトロめいた死体にならなくて良かったな! ムッハハ! 

 

 

 ─アルティシアなら余裕だろうと襲い掛かる大人げない騎士達を全て徒手空拳で迎撃する、彼は魔術師ながら接近戦をこなす事も出来る芸達者なのだ。

 今の彼は衝撃の魔術により鎧を無視し内臓にダメージを与える地味ながら効果的な戦法を取っていた。

 既に二百人程は彼の餌食になって地べたで腹を抱えのたうち回っている、回復にはしばらくかかるだろう─

 

 

「ええい! ガキも強いのかよ!」

 

「いってぇ……っ! 内臓をやられたっ、絶対に許さねぇ……おえっ」

 

「見ておれんな、耳を貸せ」

 

 

 ─見慣れない騎士が手をこまねく騎士たちにひそひそと作戦を伝えて回っていた、入り乱れる乱戦の中でもそれを見つけ出した。対応しようとも騎士達の壁は単純に数が多く突破するにも時間がかかると考えた彼は、挑発により隙を産み出そうとした─

 

 

「ん? 囲まれた、おーい! かかってこないの?」

 

「言ってろガキ」

 

「もう助からないからなぁ?」

 

 

 今までの無闇な突撃が来なくなった……様子見か? それとも何か策があるのか? 

 

 

「次はどうするんだ?」

 

「アイツの気を引け。私がトドメを刺す」

 

 

 ─見慣れない騎士が騎士達に指示を出すとまた乱戦になるが今度は付かず離れずアルティシアの自由を制限する立ち回りが目立った。あの見慣れない騎士は懐から『黒光りする小さな結晶』を取り出してアルティシアの背後から投げた、それを慣れた動作で右手で弾く彼だが直後に体に異変が起きた─

 

 

「おっとスゲー呪物だな、俺の防御魔術を……あ、まず……ぐぁあがぁっ!? うぁぁぁぁっ!? 腕がっ!?」

 

 

 ─次第に痛みが強くなる、体を駆け巡る血管と言う血管が浮き出て心臓が限界まで鼓動する。

 声にならない声、悲鳴とも絶叫とも言い難いアルティシアの聞くに堪えない音が会場に響く、あのアイテムを払った右腕を起点に侵食されていき黒く蝕まれた肌は加速度的に悪化していた。

 起点になった右腕はみる影もなく爛れて膿ができ肉が腐り落ち骨が見え始め、もう見るに耐えない姿に騎士たちも唖然とするしかなかった。

 

 マーリンは千里眼で一部始終を見ておりいざ助けようとすると『マーリンに匹敵する魔術』が即座に彼を金縛りにしてしまい動けずにいた。今のマーリンが出来ることは弟子がただ苦しむ様を見るだけだった─

 

 

「な、なんだよあれ……おい! お前が何かしたんだろ! 何をしたんだ!? ……どこへ消えた!」

 

「まさか、まさかあれは『魔女の涙』なのか……っ!? 命ある全てに呪いをもたらす災いの元、唾棄されるべき呪物っ!」

 

「呪いを止める方法はあるのか! 呪いを撒き散らさせれたら俺たちも巻き添えだぞ!」

 

「『魔女の涙』はその名前の通り魔女の涙を元に作られた呪詛の塊だ。呪いの元を断つ事が唯一有効と聞く……だが……」

 

「あるんだろ! 早く言え!」

 

「『魔女』と言われる存在はこの広いブリテンと言えど一人だろう?」

 

「は? ……おいまさか、その『魔女』ってあの『魔女モルガン』だって言うのかよっ!」

 

「そうだ、残念ながらな。もうあの呪いから逃げられるはずもない。そんなものを用意したあの見慣れぬ騎士……思い出してみればあれは北の大国オークニーの紋章を刻んだ鎧だった……あれは魔女の使いだったのか」

 

「おいおいもう無理か……って諦めてる場合じゃねぇ! 俺は逃げるぞ!」

 

 ─アルティシアの異変に気付いた騎士は我先に逃げていく、蜘蛛の子を散らすを体現する光景であるが観客席では何が起きているか良く分かっておらず、情報が交錯しパニックとなっていた。

 その混乱は会場全体から街の人々へと拡大していく─

 

 

「行ったか、逃げ場など意味はない。呪いが発動した時点でターゲットになっているのだ、逃げた所で早いか遅いかでしかない……」

 

 

 ─博識な騎士たちは彼に掛けられた呪詛を見抜きはしたが、もはや逃げられないものだと悟っていた。

 訳の分からない呪いに掛けられた彼は体の主導権を渡すまいと必死に呪詛と争っていた─

 

 

「あぐヴぅぅぅぅあああっ! クソがっ! あがぁぁぁっ!?」

 

 ─気合いで呪いに抗い、体が完全に侵食される前に進行を遅らせる為に結界を体に部分的に区切る形で施し侵食を防ぐ、更に呪いを払うべく杖に術式を込めてありったけの魔力を持たせた─

 

 

『異界化魔術・レベルⅢで設定し空間固定、広域集光魔術陣構築、稼働開始』

 

「頼むぞ……うっ」

 

 

 ─最後の気力を振り絞りアルティシアは杖を突き刺すと気絶してしまった、しかし杖を起点に地面へ大中小の魔法陣が張り巡らされ光柱が空へ放たれる、雲より高い遥か上空に超特大魔法陣が現れた─

 

 

『太陽光集束率、50……60……80……95……120』

 

「おい! 奴はナニをするつもりだ?!」

 

「分からん、だがここに居ては不味い気がするっ! 呪いより先にあれで死ぬぞ! にげろぉぉ!」

 

『スタンバイ』

 

 

 ─杖の詠唱が止まった、呪いと異様な魔法陣に不安と恐怖を煽られていた騎士達が固唾を呑んで見守る─

 

 

『聖なる日の力にて悪しき呪詛を焼き尽くす、術式反転、聖光放射』

 

 

 ─空に浮かぶ超特大魔法陣が回転し光を放つ、溜めて集束している日光はレーザー光線に似た光の線になりアルティシアを撃つ─

 

 

 ★☆☆☆

 

 

 ─同日某所にて─

 

 

「チッ、死なぬか。クソ忌々しい奴め我が呪いを『焼き切った』か……まぁそれを見越してあ奴を送ったのだ、ここは座して待つか」

 

「モルガン様、ご用意出来ました」

 

「ふむ、よい香りだ。ご苦労『モーアット』」

 

 

 ─どこにでもありそうでどこでもない場所、ここは彼女の、『魔女モルガン』の魔術工房。魔女たる彼女の魔術要塞とも言えるそこはブリテンの果てにある島、『アヴァロン』と呼ばれし地。人と妖精の血を引く彼女が産み出した最強最大の異界、モルガンの全てはここにある。

 

 海に浮かぶ島は決して広くもないが狭くもなく、豊かな森があり小高い丘から川も流れる、森の奥には色とりどりの花が咲誇る庭園あり宮殿を囲み見る者を圧倒する絢爛豪華な雰囲気を漂わせていた。

 その宮殿のバルコニーにて寛ぐ魔女こそ最悪と恐れられる魔女モルガンその人である、自らが作り上げた魔術で生まれた人間の様な生き物、ホムンクルスらに宮殿の一切を任せ今は休憩をしていた。テーブルには上等な紅茶を最高級のティーカップに注ぎ、魔女はそれを楽しみながら自分の野望への計画を見返す─

 

 

「ふぅ……疲れた時は紅茶に限る……『九人の魔女騎士(モルガン・ナインズ)』は大方完成、後は細かな調整か、送ったのは戦闘用ホムンクルスの第一号『モーゼット』だったか、奴めの目付け役に団長を付けたが……まぁあれも大概戦闘狂だったな」

 

 

 ……人選を誤ったように思えてきた。キルマシーンを戦闘狂に任せていては殺戮と惨殺の限り尽くせと言うているようなもの、望む結果はそうであれやり過ぎてしまうのは私としても後が面倒でな……ふむまあ良かろう、死ねば全ては無に返る。あのマーリンも封じた今、イレギュラーたるあの幼い魔術師は確実に殺さねば。

 後々障害になるに決まっておるのだ、我が王道は誰にも邪魔させぬ

 

 

 ─魔女モルガンはマーリンとは互いに善悪を超えた視点で相反する目的を持っている、牽制しあう仲であり狙い狙われるのが常なのだ、最近になってマーリンがいつも以上に活動している事を察知したモルガンは当然アルティシアに目を付けていた。アルトリアは出自からして見逃しても問題はない、寧ろ流れに任せた方がよいと判断した。その流れを変えるアルティシアはモルガン的に大河をせき止めるダムのような存在でありこれ以上ないほど邪魔だと思っている。

 

 なので、あらゆる手を使いアルティシアを葬り去るべく今日を選んだのだ。

 

 その結果は既に知る通り。されどモルガンは二手三手先を読む事には長け、始まる前から手を打っていた。そうでなければ個人として恐れられる事もないだろう─

 

 

「さて『モーベット』、お前の試運転といこうか。ここぞと言うときに“それ”を使いモーゼットの支援をしろ、よいか? 支援に留めよ。本領をみせるでないぞ?」

 

「承りました、では、行って参ります」

 

 

 これでチェックメイト……アルティシアなる魔術師は死に、絶望したアルトリアは争いのない良い治世を心掛けるだろう、そして、それを私が……くははっ、笑いが止まらぬとはこの事よのう! 

 

 

 

 

 

 




モルガンは完全オリジナル()
そのホムンクルスたちも当然オリジナル

次回は未定なり
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