たった1本のお酒から起きた過ち   作:黒トリガー使い

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タイトルが思いつかね〜


少し悲しくなります。

宮藤がハルトマンと食事をして半年ほど経過してハルトマン達新入生への講義の日

宮藤 「新入生の皆さんこんにちは。私は4年前にローザンヌ大学病院に就任した精神科の宮藤芳佳です。本日は特別講師として来ましたお願いします。」

 

ハルトマン「本当に宮藤が来た…、ちゃんと授業聞かないと…」

 

ハルトマンが小声で驚いているとハルトマンの横の席に座っていた1人の生徒がハルトマンに聞こえるぐらいの声で悪態を着いた。

 

女子生徒「医者が怪我してるってウケるんだけど。患者に対して説得力ないだろうな〜。」

 

その言い分にハルトマンは当然ながら反論した。

 

ハルトマン「あんた、負傷者が医療に関わっちゃいけないって誰が決めたの?盲目でも看護に献身した偉人はいるし、ハンデを抱えても社会生活する人はごまんといるんだよ?あんたの方が、患者の気持ちを理解できないと思うよ?」

 

女子生徒「は?あんたには言ってないでしょ。どんな考えを抱こうが私の勝手でしょ?」

 

ハルトマン「なら、わざわざ口に出さなくてもいいんじゃない?誰かがそれを耳にして、不快に思うとか考えられないの?そんな人間が医者になっても、大成はしないだろうね」

 

女子生徒「口に出す出さないのも私の自由でしょ?ていうか、あなたさっきからなんなの?あの先生を擁護するけど点数稼ぎかなんかなの?」

 

ハルトマン「点数稼ぎでこんな事言うわけないよ、あなたこそ、そんな事を言って先生の機嫌損ねるって発想はないのかな?」

 

女子生徒 「ちっ!五月蝿いわねこのチンチクリンが!」

 

二人が大声で話していると教壇にいた宮藤がマイク越しに2人に注意した。

 

宮藤「そこの2人!さっきから五月蝿いですよ!人の話を聞く気がないならこの教室から出ていってください!」

 

ハルトマン「あっ、ごめんなさい。真面目に授業を聞きます」

 

女子生徒「ちっ!分かりました」

 

宮藤 「2人とも授業が終わったら教室に残って下さい。それでは、授業を始めます。まず、・・・」

 

授業終了後

 

宮藤「2人とも、一体なんで喧嘩なんてしてたんですか?」

 

ハルトマン「この人が『傷ついた人間は、医者になる資格はない』なんて言うから、つい反論したくなったんだよ」

 

女子生徒 「は?そこまで言ってないでしょ。私は怪我人の医者は患者に対して説得力が無いとしか言ってないじゃん!拡大解釈も程々にしてよ!」

 

ハルトマン「説得力がないなら、それはもうなっても意味が無いと同義じゃない?人を見かけで判断するのは良くないでしょ。医者も人間なんだから、ケガや病気の一つや二つはするもんだよ」

 

宮藤「はぁ。あなたの言い分もわからなくは無いです。確かに患者さんの中には私が怪我人という理由で見下してくる人はこの病院に就任してから沢山居ました。」

 

ハルトマン「宮藤の優しさにつけ込む人は少なくなかったんだね、悲しいよ…」

 

宮藤「でも、私はその度に患者さんと真摯に向き合ってきちんと診療をしたら、最後には分かってくれましたよ。」

 

ハルトマン「宮藤は本当に聖人だよ、医者の卵って皆宮藤みたいな人かと思ってたけど…、現実は非情だね…」

 

宮藤「とりあえず、今回の件は学校側に報告させてもらいます。その後の判断は教職員の人達にお任せしますので。…それと、明日も私の授業がありますけど、もしそこでも揉め事を起こすようなら明日、最後に行うテストに参加させませんからね。」

 

ハルトマン「分かりました、こんなのの近くには行きません」

 

女子生徒「私だって近付かないわよ!」

 

宮藤「では、もう解散してもらっても大丈夫です。・・・あ、やっぱりハルトマンさんだけは残ってください。この後はもう講義はないはずですが大丈夫ですか?」

 

ハルトマン「うん、大丈夫です」

 

女子生徒「それじゃあ、失礼しますね。」

 

女子生徒は部屋を出て行った。

 

宮藤「ふぅ〜。すいませんハルトマンさん。態々残ってもらって。」

 

ハルトマン「宮藤、授業妨害になったなら申し訳ないと思ってる。ただあの子が、わざわざ聞こえるように宮藤を揶揄したのがどうしても耐えられなかったんだよ」

 

宮藤「ありがとうございますね。…実はさっき私一つだけ見栄を張ってしまったんですよね。実は私の事を見下してた患者さんとは殆どの人には分かって貰えず終わってしまったんですよね。・・・ハルトマンさん。私って医者に向いてないんでしょうか?」

 

宮藤は涙を流し始めた。

 

ハルトマン「いや、宮藤こそ本当に医者になるべき人間だよ。宮藤は、医者に本当に大切なものを持っているから。私も医学校に入って初めて分かった。派閥や利権の事しか考えない医者も少なくないし、中には患者を実験動物くらいにしか考えてない人までいた。そんな中で本物の医者を務める宮藤は、戦場に咲く一輪の花だよ」

 

宮藤「そうですかね?ありがとうございますハルトマンさん。…実はアルテアちゃんが2年前、病院内での派閥争いに巻き込まれて医者を辞めちゃったんですよね。だから、相談出来る相手が誰も居なかったんですよね。」

 

ハルトマン「アルテアが辞めちゃうなんて…、本当にこの世界は怖いよ…。私達の戦いはまだ終わらないね、今度の敵は、医局派閥という名のネウロイの巣なんだね」

 

宮藤「中々に的をいているような例えですね…でも、幸運なのか私がいる精神科とハルトマンさんが志望してる小児科は派閥争いに対しては無関心なんですよね。だから、余程の事がない限りは巻きこまれるという事は無いと思います。」

 

ハルトマン「確かに、1番酷いのは外科と内科、それと循環器科に心療内科だもんね。特に心療内科なんて、成績下位者の流刑地とも呼ばれてるし、あそこはとんだブラック診療科だよ…」

 

宮藤「・・・これは、私の勝手で傲慢な考えですけど、これからお医者さんになっていく全ての人に変な派閥争いに巻き込まれず幸せになって欲しいんですよね。」

 

ハルトマン「私も同感だよ。医者の本分は患者の救命。汚い権力や私服に溺れて醜く争うのは見てられないからね」

 

宮藤「何とか、変えていきたいですね。…でも、私達2人じゃ直ぐには変えれないでしょうね。時間が掛かってもいいので変えていきましょう!」

 

ハルトマン「そうだね!あと、辞めちゃったアルテアからも、少し話を聞いておきたいな、何か情報を得られるかもしれないし。あと、あの子とはなるべく距離を置くよ」

 

宮藤「・・・ハルトマンさん。実はアルテアちゃんはここを辞めてから極度に人を嫌うようになってしまったんです。私も診察に行こうとするんですけど、毎回門前払いされてしまうんです。」

 

ハルトマン「もしかしたら、単に派閥争いに巻き込まれただけじゃないのかもね。考えたくもないけど、力のある教授の誘いを蹴ったら性暴力を受けたとか。それくらいやりそうな俗物教授、心療内科や内科あたりにはいそうだしね」

 

宮藤「分かりません。内科の人に聞いても教えてくれず、アルテアちゃんには接触できないので。」

 

ハルトマン「…何だか医学界の闇って怖いね。私も気をつけないと…」

 

宮藤「…そうですね。でも、私は汚い大人の下に降るのは絶対に嫌です」

 

ハルトマン「宮藤は曲がりなりにも扶桑の英雄だし、優秀なウィッチだったから、狙う人は少なくないかもね。そう言えばトゥルーデ達が言ってたよ『何か自分1人で手に負えない事が起きたら、構わず自分達に相談して欲しい』って、魔法はなくなっても、やれそうな事はあるからって」

 

宮藤「バルクホルンさん達が・・・そうですね。1人で抱え込まず昔の仲間も頼っていいんですね!」

 

ハルトマン「そうだね。あんまり大きな事は出来ないけど、多少の助けにはなれるかもって言ってたから」

 

その時、講義室のドアがノックされた

 

女子生徒2「ねぇエーリカ。まだ終わらないの?早くしないと食堂閉まっちゃうよ?今日はエーリカが大好きなふかし芋があるのに〜。」

 

宮藤「あっ、もうこんな時間なんですね。とりあえず今日の所は終わりにしましょう。大好物を楽しんでくださいね?」

 

ハルトマン「そうだね。宮藤は晩御飯どうするの?あれなら一緒に食べる?」

 

宮藤「せっかくなので、ご一緒させていただきましょう」

 

ハルトマン「よし!じゃあ私の友達と3人で食堂に行こうか!」

 

宮藤「ありがとうございます!」

 

そして、2人は講義室から出て外にいたハルトマンの友達と会った。

 

女子生徒2「あ!宮藤先生もおられたのですね。すいませんでした!」

 

宮藤「大丈夫ですよ、殊勝でいい子ですね」

 

ハルトマン「それじゃあ、食堂に行こっか〜。」

 

宮藤「今日の食堂のご飯何かな~、楽しみだな~」

 

3人は食堂に移動して晩御飯を取り始めた。

 

女子生徒2「あの、宮藤先生。1つお聞きしたい事があるんですがいいですか?」

 

宮藤「何でしょうか?分かる範囲でなら答えられますよ?」

 

女子生徒2「えっと失礼な質問かもしれませんがいいですか?。・・・その、宮藤先生はどうして、そのような体になっても医者を続けるんですか?」

 

宮藤「…私は昔から、誰かを救いたくて行動したかったんだよね。色々な事もあって、何度も死にかけたし、何度も夢を諦めかけた事もあった。それでも私は、自分が諦めた事で、助からずに死んでいく人が大勢いると思ったの。世の中には、まっとうな日常をハンデのせいで送れない人もたくさんいるから、そういう人達の希望にもなれたらいいなって思ったの。なんかしんみりさせてごめんね?」

 

女子生徒2「いいえ。こう言ったら差別に聞こえるかもしれませんけど、障害者でもきちんと医者になれる人もいるんだなって思って安心しました。・・・実はエーリカにしか話してませんが、私は6年前ネウロイの攻撃に巻き込まれて左足を失ったんですよね。」

 

そう言って左足のズボンを上げるとそこには偽足があった。

 

宮藤「貴方もネウロイの被害者だったんですね…。その気持ち分かります…。私も、大勢犠牲者を見てきましたから…」

 

女子生徒2「・・・あの、私は将来、宮藤先生と同じ精神科希望なんですけど、なにか心構えを教えて貰っても良いですか?」

 

宮藤「そうですね、まずはやはり『相手の立場に立つ』事が肝要だと思います。そのためにも、相手の話を謙虚に聞く事を心がけてください。もっとも、何でも鵜呑みにするのではなく、アドバイス出来るようにきちんとまとめましょう」

 

女子生徒2「成程。患者さんの話をしっかりと聞くべきですか・・・あの、もし此方を見下して来る患者さんがいた場合はどうしたらいいんでしょうか?」

 

宮藤「出来る事なら、気にせず応対したいけど、そこまで出来る人は少ないからね。私なら、とりあえず誰かに相談しますね」

 

女子生徒2「・・・あの、宮藤先生!もし、私が研修医として宮藤先生がいる病院に入れたらその時は上級医として着いて貰えませんか?」

 

宮藤「ええ、その時は快く歓迎しますよ?でも、まずは実力で私の所にたどり着いてください」

 

ハルトマン「それは大丈夫でしょ宮藤。だってこの子入学試験で試験の総合成績2位の私を抜いて1位だったんだよ。」

 

宮藤「それはすごいですね!楽しみですよ!」

 

女子生徒2「ちょっとエーリカ!いくら私たちより年下でも先生だから、呼び捨てとタメ語じゃなくて敬語使わないと!」

 

宮藤「いいんですよ、彼女とは昔、背中を預ける関係でしたから~」

 

女子生徒2「え!てことは宮藤先生も昔は501のウイッチだったんですか?」

 

宮藤「そうですよ~、私もウィッチをしてたんですよね~」

 

女子生徒2「てことは、私の地元のカールスラント南部も取り戻してくれたんですか!ありがとうございます!」

 

宮藤「残念ながら、私は現役だったのがベルリン解放戦までだったんですよね。南部戦の前にある事があって部隊を辞めざるを得なくなったんです。南部の空でハルトマンさんの背中を守れなかった事、今でも悔しいと思っています」

 

女子生徒2「あぁ、そうだったんですね。ゴメンなさい。嫌な事を聞いてしまったみたいで。」

 

宮藤「大丈夫ですよ、気にしてませんから~」

 

女子生徒2「ありがとうございます!それじゃあ私は用事があるのでこれで失礼します。明日も宮藤先生の授業楽しみにしてます!」

 

宮藤「こちらこそ、では、お疲れ様です~」

 

ハルトマンの親友は食堂から出て行った。

宮藤「いや〜、あの子すごいグイグイ来ましたね。少し驚いちゃいました」

 

ハルトマン「あの子は将来有望そうだよね、ああいう子はきちんと守らないといけないね」

 

宮藤「そうだね。もう、アルテアちゃんのような被害者を出さないようにしないとね」

 

ハルトマン「何とか私たちも、生き延びないとね。この医療界という戦場を」

 

宮藤「そうですね。けど、まさか味方と相手が誰かも分からない戦場を掛け回らないといけないとは夢にも思いませんでした。」

 

ハルトマン「501時代の方が、まだネウロイという明確な敵がいたから楽だったかもしれないね。今は見かけからは判別不能な敵の渦中だし…」

 

宮藤「あの頃が懐かしいですね〜。・・・そういえば他の皆さんはなにをしてるんでしょうか?」

 

ハルトマン「基本的に皆原隊復帰してるね。ただペリーヌは、ガリアで孤児院をしてるよ。あとシャーリーは整備兵に転科してるね」

 

宮藤「孤児院を経営するなんてペリーヌさんらしいですね。・・・今度なにか差し入れを持って行ってあげようかな」

 

ハルトマン「ペリーヌも、何かあったら宮藤の力借りたいって言ってたよ。相変わらず素直じゃなかったけどね」

 

宮藤「だったら、来週から休みが重なるので少し会いに行ってみようと思います。」

 

ハルトマン「多分ペリーヌも何だかんだ喜ぶかもよ~?」

 

宮藤「ですね。ペリーヌさんは優しい人ですから」

 

ハルトマン「じゃあ宮藤、明日も早いだろうから、ここらで一旦解散だね。お疲れ様~」

 

宮藤「そうですね。お疲れ様です〜。」

 

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