エルデ教授の情報を知るために宮藤はガリアに向かった。
宮藤「確か、この辺りにペリーヌさんが経営してる孤児院が・・・居た!お〜い。ペリーヌさ〜ん。」
ペリーヌ「あら宮藤さん、何か用ですの?」
宮藤「ペリーヌさん久しぶり〜。実はね探している人がいてエルデ教授って人なんだけど知らない?」
宮藤はペリーヌにエルデ教授の顔写真を見せる
ペリーヌ「エルデ教授ですか?顔は見た事ありますね。この人のパトロンはガリア人ですから」
宮藤「本当!実はこの人が先月から行方知れずなんだよね。それと、もうすぐ手紙が届く筈だけど、ペリーヌさんには言っておくね。・・・実はリーネちゃんが生きていたの。」
ペリーヌ「なんですって?!それは一大事ですわよ!リーネさんが生きていたなんて!早く対処しないと大変ですわ!それと、エルデ教授が行方不明ですって?私は流石に具体的な消息は分かりませんわね。ただ、この方のパトロンが住む場所は分かりますわ。ボルドー南部の白いお屋敷です。何なら私も同行しますわよ?」
宮藤「お願い出来るなら、一緒に来て欲しいな。ガリアは土地勘があまりないから。」
ペリーヌ「では、案内しますわ。車に乗ってくださいまし」
宮藤「ありがとうねペリーヌさん。移動しながら詳しい事は話すから。」
ペリーヌ「ハルトマンさんの連絡では要領を得ない部分もありましたから、細大漏らさず話してほしいですわ」
宮藤はペリーヌが用意した車に2人で乗り込んで説明をした。
ペリーヌ「そんな怖い計画が…、そんな事をしたら、連合軍に勝機はありませんわ!何としても阻止しなければなりません!それと、ローザンヌの腐敗は闇が深いのですね!」
宮藤「私もローザンヌがここまで腐ってるとは思わなかったよ。けど、この腐った病院を私が望む理想の病院に近づけたいから頑張るの!」
ペリーヌ「そうですわね。まずはその、シャイタンという悪の枢軸を討たねばなりませんわね!」
宮藤「けど、そこに辿り着くまでが厄介なんだよね。強化人造ウィッチの部隊を押しのけないといけないからね。」
ペリーヌ「全盛期のハルトマンさんやマルセイユさん並のウィッチが1500人以上というのが恐ろしいですわね…。半端な兵器では軽くあしらわれかねませんわ。しかも、イルミナとやらを破壊しない限り死なないんですって?!私たちは人を撃つ訓練なんてしてませんわよ?!」
宮藤「・・・そして、それを指揮するのは恐らくリーネちゃん…いや、リネットさんだろうね。」
ペリーヌ「いくらシャイタンでも、軍人を指揮する力はないですわね。そこは腐ってもプロ軍人のリネットが率いているでしょう。最悪、世界大戦も覚悟しなければならないですわね」
宮藤「せっかくネウロイが消えて平和になったのに、今度は人類同士の殺し合いなんて絶対にさせない!」
ペリーヌ「ただその前に、エルデ教授の足取りを掴みますわよ!そうこうしてるうちに到着です、ここがエルデ教授のパトロン、ドーレス氏の屋敷ですわ。粗相の無いようにお願いしますわよ?」
ペリーヌは車を駐車場に停めると宮藤を車から降ろした。
宮藤「うう。緊張するな。・・・ペリーヌさんちょっと手が震えてるから車椅子押してくれたら助かるな」
ペリーヌ「構いませんわよ。うちの孤児院にも、車椅子の子が何人かいるんですわ。その子達は、車椅子バスケなるものの選手になりたいって言ってましたわね」
宮藤「ありがとうね、ペリーヌさん。・・・うん。やっぱり、障害がある人でも真っ当に生きる権利はあるんだよね!」
ペリーヌ「当たり前ですわ!ハンデなんて些末なものです!では、ドーレス氏を呼びますわよ?」
\ピンポーン/
ペリーヌ「ペリーヌクロステルマンと申します、ドーレス氏はご在宅でしょうか?」
少しするとドアを開けて執事がでてきた
執事 「ペリーヌ様、お久しぶりですね。ドーレス様はご在宅でございますが、今はお食事中の為、後10分程お待ち下さい。」
ペリーヌ「分かりました。ありがとうございます」
宮藤「さて、何か情報が分かるといいですね」
それから10分後・・・
執事「お待たせしました。ドーレス様は今、食堂にいらっしゃいますので、ご案内致します。」
ペリーヌ「ありがとうございます。では宮藤さん、行きますわよ」
宮藤「粗相の無いようにですね…、。緊張します」
そして、2人は執事に案内され、食堂に到着した。
ドーレス「待たせて済まないね。久しぶりだなペリーヌ君。それと・・・すまないが、車椅子のお嬢さん名前は?」
宮藤「あっ、私は宮藤芳佳です。ペリーヌさんの元同僚で、今はローザンヌ大学病院で精神科医を務めています。ドーレスさん、エルデ教授の事をご存知との事で伺せてもらったのですが。今の消息などご存知でしょうか?」
ドーレス「エルデ教授か。確か一昨日私の方に電話があってその時はたしかシャイタン先生について何か重大な秘密を掴んだと言っていたな。そして、今はオラーシャのモスクワにある知人の家のリトヴャク家という所に匿ってもらってると聞いたな」
ペリーヌ「リトヴャク家…、サーニャさんの家ですわね!ありがとうございます!」
宮藤「ありがとうございますドーレスさん!モスクワに行ってみます!」
ドーレス「ああ、待ちたまえ。見たところ、君の車椅子かなり傷んでるようだが?」
宮藤「そうですね。もうかれこれ5、6年は使ってますから。そろそろ新しくしたいと思うのですが…」
ドーレス「なら、良い物がある。少し待ってくれたまえ」
数分後
ドーレス「待たせたね。この、最新の電動車椅子を君にやろう。」
宮藤「いいんですか?こんな高そうなものを頂いて?」
ドーレス「構わないよ。君は見た所、ここに来るまでに色んな不幸に見舞われてきたんだろ?」
宮藤「…分かっちゃいます?そうですね、確かに私は、仲間と思っていた人に2度裏切られました。そのせいで、たくさんのものを失いました。だから、また何かを失うのが本当は怖いんです、だから…。私は絶対にこの災禍を止めたいと思うんです」
ドーレス「そうだな。私もシャイタン医師の悪行には許せないものが多い。だが、私は医者でもなければ軍人でもない。だから、君達に任せる。この電動車椅子はその餞別だと思ってくれていい。」
宮藤「本当にありがとうございます!リトヴャク家で、シャイタン先生の真実を必ず知ります!なので、ドーレスさんもお気を付けてください!」
ドーレス「ああ、頼んだよ。おい、宮藤さんを電動車椅子に乗せ変えてやりなさい。」
メイド「分かりました。」
メイドは宮藤を抱えて、電動車椅子に乗せ変えた。
宮藤「ありがとうございます!わあ、前のより座り心地がいいですねこれ!」
ペリーヌ「全く、はしゃぎすぎですよ宮藤さん。まるで、新しいおもちゃを買ってもらった子供みたいに。」
宮藤「だって、ある意味新しい1歩なので、嬉しくなりますよ~。本当は直しながら使う事も考えましたが、ガタが限界なのでいずれは新しくしたいと思いましたね。それに、今まで使っていたのは、アルテアちゃんを思い出すのでもう…」
ペリーヌ「そうですか。・・・それでは、ドーレスさん。ありがとうございます。我々はこの足でモスクワに向かおうと思います。」
ドーレス「ふむ、こちらもいい話が出来て良かったよ。それと最後に一つだけ伝えよう。これは私の妻シュトラールくんが散歩中偶然聞いた話なのだが『リネットは過去最高のイルミナを宿した。時代が時代なら、単騎で巣を潰して英雄間違いなしだ』と話す声を聞いたそうだ。リネットとは、かのリネットビショップの事ではないかね?私はイルミナなどというものはよく知らんが、何やら不穏な空気に思えるのだが」
宮藤「っ!やっぱりリネットがシャイタン先生に辿り着く手前のボスと言ったところですね。」
ドーレス「シュトラールは空から少し見ただけだからよく分からなかったようだが。自分でも勝てるかどうか分からないと言ってたな。何でもアリの眉間を撃ち抜くような正確射撃をしていたようだからな。気づかれて撃ち落とされる前に、すぐ退散してきたと言ってた」
宮藤「昔のリネットにそこまでの腕はなかった筈。・・・てことは、狙撃の腕がかなり上がってますね。」
ドーレス「シュトラールくんは世界に6人しかいない竜人種の末裔で、戦闘能力も素手でネウロイを破壊するパワーとスピードがある強者だ。そんな彼女でも勝てないとなると、気を引き締めないといかんな」
宮藤「そうですね。それに、リネットはもう戦友なんかじゃなくただの犯罪者です。この手できっちりケリをつけてきます!」
ドーレス「その意気だ宮藤くん。きっちり裏切り者とはケジメをつけてきた方がいい。最悪シャイタン教授は他の人に任せても、リネットくんとアルテアくんの2人に関しては、君自身が引導を渡すべきだろう」
宮藤「はい。ありがとうございます!リネットとアルテアは必ず私の手でケリをつけて刑務所に放り込んでやります!」
ドーレス「その意気だ。必ず目的を達成するのだ、そして、君がローザンヌの頂点に立ち、腐敗した欧州医学界を救ってほしい。私の娘も、ローザンヌの医者が殺したんだ。私の娘は小児ガンだった。だが全身転移による多臓器不全で死んだと言われてな。納得がいかないから小児科を問い詰めたら、ヴェール教授が全て話してくれた。本来の見立てでは小児科の治療で十分治せたが、ヘリックが小児ガン向けの抗がん剤の治験データ欲しさに、娘を誘拐して無理やり投与したとな。激烈な副作用に苦しみながら死んだとの事だ。ヴェール教授は誘拐された事をきちんと謝ってくれたが、人の娘を実験動物にしたヘリックは未だに謝ろうとしない。それどころか、イケロスに金を渡してカルテを始末したとの事だ。宮藤くん、君にはローザンヌが失った光を宿している。腐った医者どもを浄化してほしい!」
宮藤「そんな事があったんですね。…やっぱり、医者が患者で遊ぶなんて間違ってます!私の理想は全医師が救命の為に全力を尽くしてどんな命でも救えるような病院を作りたいんです!だから、私の理想の為にも頑張ります!」
ドーレス「ローザンヌの現状を見ると、長い道のりかもしれない。だが、宮藤くんは必ずその長い道のりを歩めるだろう」
宮藤「ありがとうございます!私必ず成功させます!それでは、失礼します!」
宮藤とペリーヌはドーレスの屋敷を後にした
ペリーヌ「さて、次はオラーシャですわね。長旅になりますわ」
宮藤「取り敢えず、その前にハルトマンさん達に一報を入れとかないとね。」
ペリーヌ「そうですね、向こうも何かあったら手を打たないといけませんわ」