たった1本のお酒から起きた過ち   作:黒トリガー使い

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決戦に備えます!

エイラが異空間に飛ばされた後サーニャとリダンはその場に座りこんだ。

 

サーニャ「・・・本当に異空間に飛ばされたんですね。」

 

リダン「そうだね。ただ、彼女には時間停止能力まであった。今までの戦歴でそんなものを使った記録はない。これは僕の推測だが、イルミナの力で彼女も僕と同じ力を使える可能性がある。そうなれば…、時空間に閉じ込めるのは逆にマイナスになるかもしれないし、時間稼ぎ程度にしかならないかもしれない。最悪、彼女の存在証明そのものを世界の理から抹消する必要があるな。他の世界線へ彼女を飛ばし、現在の時間軸には歴史上初めからエイラという人物は存在しなかったという具合にね」

 

サーニャ「確かに、今までのエイラは未来予知という能力しかありませんでした…もし、リダンさんやぺチュアさんと似た力を持ってたら今回の時空間転移は意味が無いかもしれません。…私もエイラの存在を消すというのは賛成です。アレはもう私の知ってるエイラじゃありませんでした。ただの、人殺しを許容する怪物です。」

 

リダン「とりあえず今は、ベゼルシップで彼女の脳を破壊したから。しばらくは再起不能だと思うけどね。あぁ、説明してなかったけどベゼルシップは『先読みの先読みをするアイテム』。対予知能力者用の決戦武器さ。予知の限界を脳の処理速度を超えた速さで行わせる事で、予知能力で脳を自爆させたんだ。未来視とイルミナの力に限界がなくても、処理速度と許容力には限界がある。あとは、サーニャくんの強い想いに賭けたね。よくコアを見つけてくれた、ありがとう。」

 

サーニャ「此方こそありがとうこざいました。」

 

リダン「では隠れ家に戻ろうか。あちらを放置する訳にもいかないからね」

 

サーニャ「そうですね。けど、万が一に備えてエイラが使ってたこの拳銃は回収してから行きましょう。」

 

リダン「そうだな。この部屋にあった物はいくつか回収していこう。何か役に立つかもしれない。」

 

2人は部屋にある荷物を荷造りしだしてテンプホエーラーに乗り込んだ

 

リダン「荷物とサーニャくんはテンプホエーラーに乗ったね!行くよ!」

 

2人はその場から消えて隠れ家に戻って行った。

 

移動完了後

 

サーニャ「うぅ。やっぱりフラフラします。」

 

リダン「さて、とりあえずエイラくんは何とか始末してきた。しかし予定外の事態だ。彼女、時間停止能力を身につけている。それと持ち帰った中に、僕のレギュレーターによく似た道具があった。もしかしたら、彼女も時空間移動の能力を身につけたかもしれない」

 

ハルトマン「てことは、エイラを時空間に閉じ込めても出てくる可能性があるんですか!」

 

リダン「まだ分からないな。一応彼女は今、脳が破裂した上にイルミナのコアも破壊された。シャイタンに時空間に入る術がない限りは出てこれないはずだ。だが油断は出来ない。エイラくんがいた場所にあったものを押収してきたから、調べよう(荷物を置く)。それと万が一の時は、彼女をこの世界線から『消滅』させる。IBM5100で、彼女がこの世界線の歴史上に、初めから存在しなかったものとして書き換えるつもりさ。もちろん、彼女の戦歴なども全て別なウィッチの功績になるし、サーニャくんの両親探しも別なウィッチがした事になる」

 

サーニャ「私は構いません。あんな、人の形をした化け物と一緒にいた記憶なんて消したいぐらいですから。」

 

リダン「信頼出来る君たちにだけは伝えるが、エイラくんの裏切りが分かって以降、君たち以外の残ったウィッチ全員に密かに特殊なリングを付けておいたんだ。そのリングを付けていると、どこにいてもこの装置で存在を消滅させられる。他に裏切り者は出ないと信じたいが、目の届かない所は分からないからね。少しでも妙な素振りをすれば、世界線から存在は消える事になる。最悪、501のメンバーも君たち4人だけか、別なウィッチがいた事になるかもね。本当はこんな事をしたくないが、これ以上あちらの戦力が増えたらもう手に負えない。不本意だが、削除するよ」

 

宮藤「・・・それってつまり、501で過ごした楽しい思い出の殆どが無くなるか、別の人に違和感なく置き換わるんですか?」

 

ペチュア「まあ、そういう事ね。正直、この策は取りたく無かった。しかし、エイラさんの強化具合を見て確信したのよ。『イルミナの技術は、もはやこちらが知るような水準ではない』と。あなた達の戦歴は全て見てきたから、基礎戦闘力だけでも1個大隊相当になるわ」

 

ヴェール「それに、それぞれの固有魔法も強力だからね。運悪く全員があちら側なら、こっちは何をしても勝機はゼロ。強化具合を想定するなら、ゴジラに棍棒で殴り掛かるのと変わらないわね。そうなったらもう『世界線から存在証明を消滅させる』以外にとる道は無いって事」

 

リダン「歴史には復元力があるから、今までの思い出が別な人達と過ごしたものに書き換わるケースの方がほとんどだね。サーニャくんはもう腹を決めたみたいだよ」

 

サーニャ「対峙して分かった…、あちら側に堕ちたらもう私達の知るような存在ではなくなる…。昔私があげたペンダントも、エイラは処分したみたいだから…。芳佳ちゃんも、同じ体験したんだよね…?」

 

宮藤「うん。…アルテアも私がプレゼントした服や装飾品、一緒に撮った写真全てを処分したらしいから。・・・リダンさん。私も決めました。ここに居ない他の人達を全員、削除してください!」

 

リダン「いいんだな?それが君の覚悟か。そして、ウルスラくんとエーリカくんはどうするんだい?」

 

ウルスラ「・・・私も此処に居ないメンバーは消すべきだと思います。もしかしたらここに居ない他の人達は私達が知らないだけで、シャイタン側に堕ちてる可能性は十分にあります。取り返しがつかなくなる前に可能性は潰しておくべきです。」

 

ハルトマン「私は・・・」

 

3人が答えを出す中、ハルトマンだけは答えを出せずに黙り込んでしまった。

 

ペチュア「まあ、スグに答えは出せないよね。まさかいきなり裏切り者が出るなんて思いもしなかったわけだし。この戦いの行方は、もう自分達で切り開くしかないわね」

 

エルデ「私も本音を言うなら気乗りはしないわ。でも、リーネさんだけでシュトラールが戦慄するレベルの強さ。そしてエイラさん、私達では束になっても恐らく勝てないわ。人間より戦闘力は高いけど、私達の種族に魔法なんて無いからね」

 

ハイネ「私も…、個人的には消滅は悩みました。ただ、エイラさん1人を取っても異次元の戦闘力という事は、他の人も同じかそれ以上。正直、こちら側にツァーリ・ボンバが1万発あっても降伏するレベルね…」

 

ジェニー「エイラさんが予知能力者である点が例外としても、他も確か、パワー系から自然現象系、弱点看破系までいるんですよね?ジェット機に槍で立ち向かうようなものですよ?」

 

ハルトマン「・・・・・・ねぇ、宮藤。睡眠薬で私を眠らせて欲しいんだ。そして、その間にトゥルーデ達の事を消去して。」

 

ハルトマンは泣きそうな顔をして宮藤にお願いをした。

 

宮藤「…分かりました。では、ハルトマンさん、この薬を飲んでください。」

 

宮藤は瓶に入った睡眠薬をハルトマンに手渡した。

ハルトマン「ありがとうね、宮藤。…さようならトゥルーデ」

 

ハルトマンは睡眠薬を飲むと数分で眠りに着いた。

リダン「では、必要なメンバーの情報を入力する。念を押しておくが、既にあちら側にいるリーネくんとアルテアくんにリングを付けれてないから、2人は確実に残る事になる。」

 

リダンは手元の装置に情報を入力していった。

 

リダン「では、入力を完了した。約30名の旧連合軍サイドウィッチを、β世界線へ転送する(機械起動)」

 

そして、この世界から元軍人のウィッチのほとんどは消滅した…

 




少し短めですが、ここで区切ります。

え〜。リダンの力で宮藤、ハルトマン、サーニャ、ウルスラ以外の軍属ウィッチは全員消え去って、皆から忘れられました。・・・

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