エイラの首根っこを掴んで歩いてきてるミーナ中佐に宮藤を寝かせに行ってるハルトマンとサーニャの2人が気付いた。
サーニャ「ミーナ中佐…、エイラはどうしたんですか…?もしかして…、本当に自傷行為をしかけたから…、仕留めたんですか…?」
ミーナ 「そうなのよね。エイラさんを監視してたら、手持ちの小型ナイフで自分の目を刺そうとしたのよ。だから、急いでナイフを取り上げて私の監視下の元に置こうと思ったの。」
サーニャ「え!それは危険…!エイラに刃物とかの武器類を与えないようにしないと…」
ミーナ 「一応、連れて来る前に手荷物は全て確認したけど、もう刃物の類は確認されなかったから、大丈夫だとは思うわよ。ねぇ、エイラさん。一応聞いておくけど、なんでナイフで目を刺そうとしたのかしら?」
ミーナ中佐が、エイラから手を離しエイラに睨みながら事情を聞いた。
エイラ「…これ以上、受け入れ難い現実を見るのが辛くなったんダナ。目で見る物に精神が蝕まれる感覚…、それに押しつぶされるのが怖いんダナ…」
エイラが理由を説明すると、ハルトマンがエイラの元に行き、エイラの頬を思いっきり叩き、ハルトマンらしからぬ怒り口調で返した。
ハルトマン 「エイラ・・・宮藤は好きでこんな身体になったんじゃないんだよ!それなのにエイラは嫌な現実から目をそらす為だけに目を潰すの?そんなの私が絶対に許さない!」
エイラ「サーニャ…。やっぱり私はサーニャの隣にいる資格は無かったんダナ。サーニャを独り占めしたいだけのクズだから…、サヨナラ。」
エイラはそう言うとその場から駆け足で立ち去って行った。
サーニャ 「エイラ何処に行くの!…ごめんハルトマンさん。芳佳ちゃんをお願いします!」
ハルトマン「今のエイラは何をするか分からないよ!細心の注意を払ってね!」
サーニャは宮藤の乗った車椅子をハルトマンに預けるとエイラを追い掛けた。
サーニャは魔導針を使いエイラを追いかけて基地の屋上に居るエイラの元に辿り着いた。
サーニャ「エイラ…基地の屋上に来て何するつもり?…もしかして、自殺したりなんかしないよね?」
エイラ「私がサーニャにとって不要な存在なら、サーニャの前から居なくなるしかないんダナ」
サーニャ 「違う!私はエイラを不要だなんて思ってない。…ただ、今は芳佳ちゃんが大変だからエイラに構ってあげる事が出来なくて…」
サーニャが弁明するとエイラは膝から崩れて突然泣き出してしまった。
エイラ「…うん、私もそれは分かっていたんダナ!でも、私の頭と心がそれを拒むんダナ!サーニャが遠くへ行ってしまう、私を忘れてしまうと頭の中で響くんダナ!それでいつの間にか、私はナイフを持っていたんダナ!」
エイラがそう言うとサーニャの後ろからハルトマンがやって来た。
ハルトマン「サーニャンごめん、宮藤の事はミーナに託してついてきちゃった。エイラはもしかしたら、PTSDにも似た精神病になった可能性があるよ。一度病院で検査した方がいいね。」
サーニャはエイラの元に近寄り、抱きしめると、こう言った。
サーニャ 「エイラ、ハルトマンさんの言うように1度病院に行こ?明日芳佳ちゃんがヘルウェティア医学校に行くからついて行ったら?」
エイラ「うっ、うん。一応行ってみるんダナ。迷惑かけたから、ちゃんと向き合わないといけないカラナ」
ハルトマン 「うんうん。これでとりあえず問題は解決だね。それじゃ2人とも早く戻ろうよ。夜の屋上は冷えるから寒いよ。」
ハルトマンはさっきまでの真面目な口調から何時ものおちゃらけた口調に変わった。
エイラ「分かったんダナ」
サーニャ「うん…、分かった」
そして、エイラの自傷騒動の翌朝
サーニャ 「芳佳ちゃん。おはよう。それじゃあアルテアちゃんに会いに行こっか。」
宮藤「うん、サーニャちゃんありがとう。アルテアちゃんにも色々謝りたいなぁ」
そして、ハルトマンの運転の元、ヘルウェティア医学校に着いた、宮藤、サーニャ、エイラ、ハルトマン。
サーニャ「それじゃあ私は芳佳ちゃんをアルテアちゃんの所に連れて行くね。」
ハルトマン「了解、じゃあエイラ、診察に行こうか」
エイラ 「わかったんダナ。サーニャ、宮藤また後でな。」
そして、ハルトマン、エイラと別れてヘルウェティア医学校の学生寮の中にて
宮藤「エイラさん、大丈夫ですかね?ハルトマンさんがついてはいますけど…」
サーニャ「エイラなら大丈夫。…同じ過ちを繰り返すような子じゃないから」
宮藤「それなら大丈夫そうだね、あっ、アルテアちゃんの部屋はそろそろかな?」
サーニャ 「うん。アルテアちゃんの部屋はここみたい。」
サーニャは車椅子を止めて、アルテアちゃんの部屋のドアをノックする。
サーニャ「ゴメンなさい。私、芳佳ちゃんの友達のサーニャっていいます。芳佳ちゃんがあなたに会いたいとの事なので連れてきましたが、会ってくれますか?」
少し返事を待つが、アルテアからの返事は無かったので今度は宮藤が出せる限界の声量を出した。
宮藤「アルテアちゃん、宮藤です。お話がしたくて来ました。ドアを開けてもいいですか?」
宮藤がそう言うとドアがゆっくりと開き、中から窶れた顔をしたアルテアちゃんがでてきた。
アルテア 「芳佳ちゃんとだけなら、話をしても良い。だから、連れの人には別の所で待っててもらって」
サーニャ「私はあくまでも芳佳ちゃんを導くだけの役…。大事な話は2人だけでよろしく…。」
サーニャは宮藤を部屋の中に入れて、ドアを閉めるとその場を立ち去った。
宮藤が部屋に入ると少しの間沈黙が続いたが、アルテアちゃんから沈黙を破った。
アルテア 「・・・芳佳ちゃん。話せるようにはなったの?なんだか、前と違って声が小さく聞こえるけど?」
宮藤「うん。これ、人工声帯だからね。どうしても生声より小さくなっちゃうんだ。そして、アルテアちゃん、色々傷つけてごめんなさい。」
宮藤はアルテアに対して、頭を下げると、アルテアが抱き着いてきた。
アルテア 「私こそ、ゴメンね。芳佳ちゃんがもう私の事を見えないうえに、喋れないって聞いた時はとても辛かった。でも、またこうしてお話しできるだけでも私は嬉しい!」
宮藤「アルテアちゃん…、本当にごめんね!もうアルテアちゃんの顔もろくに見れないし、話しても聞こえるか不安で不安で!こんな私を許してくれてありがとう!」
宮藤も涙を流しながら抱き締め返した。
アルテア 「大丈夫だよ。芳佳ちゃんの声、きちんと聞こえてるから!」
宮藤「ありがとう、ありがとう!アルテアちゃん大好き!」
それから、お互いに泣き出してしまい、泣き止むのに数分かかってしまった。
アルテア 「・・・ねぇ、芳佳ちゃんはこれからどうするの?もし芳佳ちゃんが良いならまた、一緒に医学校に通わない?ここなら、芳佳ちゃんが入院してた附属病院が目と鼻の先だから万が一の時は直ぐに行けるよ?」
宮藤「私は今知っての通り視力がひどく低いから…、医者になろうにもかなり制約されそうなんだよね…。だから、悩んでるんだ…」
アルテア 「・・・じゃあさ。私が医学校を出て医者になったら、私専属の看護師になってくれる?」
宮藤「それは魅力的なお誘いだけど、注射作業とかは多分許可されないかもしれないよ?」
アルテア 「ううん。大丈夫だよ。芳佳ちゃんには私のサポートや私が苦手な患者さんに寄り添うって事をして欲しいの。」
宮藤「アルテアちゃん…、うん、ありがとうね!しっかり考えておくよ!」
アルテア 「うん。芳佳ちゃんの人生だから芳佳ちゃんが進みたい方に進んでいいんだからね。・・・でも、私は芳佳ちゃんと一緒に仕事が出来たら嬉しいな。」
宮藤「私は今でも扶桑が好きだし、501が第2の家族だからね。だから、皆の平和の橋渡し役として貢献していきたいな」
アルテア 「それが、今の芳佳ちゃんのやりたい事なんだね・・・ねぇ、芳佳ちゃん少し2人で外に散歩に行かない?私が車椅子押してあげるから。」
宮藤「アルテアちゃんとお散歩?いいよ!一緒にお散歩しよう!」
そう言うとアルテアはずっと来てたパジャマを脱いで私服に着替えた。
アルテア「それじゃあ行こっか!」
アルテアは宮藤の車椅子を押して外に出て行った。
アルテアちゃんのしゃべり方、殆ど覚えてません!