ブルーロック─龍の始動─   作:へるしぃーぼでぃ

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作者のサッカー知識はブルロとアオアシとWeb表面上で調べられる程度です。よしなに。

※字下げ出来てません。あしからず。


ブルーロック、入寮

『さぁ、“オニごっこ”の時間だ』

 

青い監獄(ブルーロック)”総指揮、絵心甚八の低い声がコンクリート部屋に反響する。

場所は第伍号棟、チームZ。入寮テストと称して突如始まった“オニごっこ”に、全員が困惑を隠せずにいた。

 

「は?ど、どういう事だよ!?」

「ちゃんと説明しやがれ!」

「300位……俺からかよ!?」

 

天井から落ちてきたボール、画面に表示されたカウントダウンが無慈悲に彼らを追い立てる中、その男はただ1人つまらなそうに寝そべっていた。

その男──士道龍聖は退屈していた。

 

(直感的にオモシロそーだから来てみたが、このメンツがツマンネーな。失敗だったか?)

 

絵心甚八の独断と偏見によるランキング──通称BLランキングで290位に位置する士道は、始めはソレを喜んでいた。

自分より『上』と評価される生物が200人以上いる──。サッカーを生命活動と豪語する彼にとって、その現実は滾る展開だったからだ。

だからこそ、出鼻をくじかれた気分だった。このチームZのメンツのレベルの低さに。

 

(ま、しゃーねーか。楽しみは後に取っとけってな)

 

「なに余裕ぶって寝てんだ!やる気ねぇなら当たれ!」

 

残り時間01:42──

まだ誰にも当てていなかった300位が、ついに寝そべる士道へ殺到した。「あぁん?」と気だるげに反応した士道へ「うらァ!」とシュートが放たれる。

 

「つまんねーよ、お前」

 

ギュルリッと士道の上半身が下に、下半身が上となって回転。

 

──倒立直撃蹴弾(アクロバットダイレクトシュート)

 

放たれたシュートがそのままシュートし返され、300位の顔面に突き刺さる。「ガはァッ!?」と彼は倒れ、そのまま起き上がることはなかった。

 

「な……なんだよアイツっ」

「寝てた状態からイッキに逆立ちで蹴った……!?人間の動きじゃねぇ!」

 

驚く周囲を余所に、プアァーーン……とカウンターがゼロになった。入寮テスト“オニごっこ”が終了、気絶している300位の彼が脱落となる。

士道が心底つまらなそうにため息を吐いていると、見るからに筋肉質な男が話しかけてきた。

 

「スゴいな、アンタ。あんな姿勢から正確に顔へ命中させるなんて」

 

佇む士道へ糸目の偉丈夫──チームZトップ289位の男だ。

士道が面倒そうに視線を向ける。

 

「あん?誰だオメー?」

 

「あ、まずは自己紹介からだよな。俺は葛城当(かつらぎあたる)、一応岐阜県大会の得点王ってコトで鳴らしてるんだけど」

 

彼の言葉に周囲が「あの葛城!?」「生で見るとスゲー体格だな……」とやにわにザワつく。

確かにこの葛城、今この場にいる誰よりも身体(フィジカル)が大きい。筋肉の量もひと回りサイズが違う。

得点王は伊達ではないらしいが、しかし士道の反応は芳しくなかった。

 

「あっそ。得点王サマは逃げるのもウマいんだな」

 

士道の言葉に葛城の眉根がピクリと動いた。先程の“オニごっこ”、士道は寝そべりながらも強かに観察していたらしい。

確かに葛城はボールに触れないよう標的にされないよう、人影に隠れてやり過ごそうとしていた。

一瞬はにかんだ葛城は参ったように言葉を捲したてる。

 

「……はは、ポジショニングと言ってほしいな。ストライカーにとってソレも重要だろ?それにまだ右も左も分からない状況だし、体力は温存するに越したことはないよ」

 

「じゃあお前はいつ“爆発”すんだよ」

 

「え?」

 

「一瞬の爆発のために動けないなら死んでんのと同じだ。お前は一生体力温存してろ、得点王」

 

言いたいだけ言って葛城とスレ違う士道。

周囲も士道の圧に圧倒され、誰も何も喋らない。喋れない。コンクリートの無機質さが空気にまで浸透していた。

 

「……ッ」

 

その静寂の中。葛城の焦点の定まっていない見開かれた目が、虚空の一点を見つめていた。

チームZ、波乱の幕開けである。

 

 

 

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