一人称と一般作の練習の為に。
アドバイスがある方はできれば言ってくださると嬉しいです。
豆腐メンタルで受け止めます(瀕死
今日がずっと続くと思っていた。いや思いたかったかもしれない。未来に希望が無いわけじゃない、ただ今に満足して変わらない毎日を望んでいただけだった。親友のあいつは"変わらない日常なんて死んでいるのと同じだ"なんて言っていたが、
「俺にとっては明日になった事が死んだようなもんだよ」
十一月になり、早くも雪の降る季節になった。
いつまで俺は終わった今日を思い願うのだろう。過ぎてしまった今日より今を考えるべきなのに。
真広が失踪して一ヶ月。あいつが死ぬとは思えない。むしろ、さっき先生に奴の事を聞かれた時に思ったが
(あいつ、犯人を殺して無ければいいけど)
あいつが失踪したのとあの事件が関係してるのだろう。
不破家之墓と大きく書かれた墓石の前で二人の場違いな少年がいた。膝をつき真摯に祈る少年はいいとして、タバコを咥えヘラヘラと笑う少年は墓前とは思えない姿だ。誰もが思わないだろう、彼が凄惨な事件に巻き込まれ亡くなった不破家の唯一の生き残りだということに。
「....なぁ、吉野。なんで親父とお袋と愛花は殺されたんだろな」
タバコを咥えたまま、彼は墓前で祈る少年に声をかけた。
「警察は金銭目的の強盗殺人って言ってたろ。現金も無くなってたし、そっち方面で捜査進めてる」
真広が何を聞きたいかわかった上で吉野は少しズレた話をする。
「わかってんだろ吉野。そういう話じゃないってことは。オレと違い親父もお袋もまともだった。愛花もまとも...ではなかったかもしれねーが、15の若い身空で死ぬ程じゃなかった」
いつもと変わらない世間話をするように話す真広。
「意外だな。真広は生死に関してはもっとシビアだと思ってたよ」
意外と言いながら、驚き薄く返す。
事実、対して驚いていないのかもしれない。
「ああ、お前の言う通り、生きるってことがそんな甘ぇもんじゃねぇって事は知ってるよ。だが、有る程度生きた人生に見合った死に方があるってもんだろ。平凡な人生のやつは平凡に死に、オレのような奴は畳の上じゃあ死ねねぇ。親父たちは金の為に殺された。金持ちとしてあり得る死に方かもしれねえが、犯人が逃げ切るのはちげえだろ。」
いつもと同じだような口調だが、その目だけは違った。強い感情を秘めていた。
「....犯人は捕まるかもしれないぞ」
「はっ、事件から十ヶ月。証拠になる指紋、遺留品、目撃者、何一つわかってない。単独犯か複数犯かもわからん。この先、事件を警察が解決することはないだろうな。犯人が何処かでのうのうと生きてやがる。そいつは面白くねぇ」
そう言ってタバコを握りつぶす
「面白くねぇって、何する気だよ。自分で事件を解決する気か?そんなご都合主義が起きるのはフィクションの中でだけだぞ。まさか、自分は主人公だ!なんて寒いこと言う気か?」
からかい混じりに真広に聞く吉野。
握りつぶしたタバコの代わりに新しいのを吸いながら
「さあな。まあ、オレは主人公って柄じゃねえからな。むしろ主人公はおめえの方だろ。ミスコン3位の吉野ちゃん」
っと真意を隠し、吉野をからかい始める。吉野も話す気がないことを理解し、とりあえず売られた喧嘩を買うことにした。
んな話をして、すぐに真広は疾走したわけだが。いくら非常識の塊の奴とは言いえ、一ヶ月で何かできるわけでもないだろうな。何かできた所でそれが奴に望む結果になるとは思えないが。まぁ、そう言いながら毎日、彼女の墓に通う僕も大概だが
「君が不破真広くんかしら?」
「っ!」
気配には敏感な方だが考え事をしていたせいか、話しかけられるまで全く気づかなかった。
「って、違うわね。ごめん人違いだったわ。不破真広にしてはちょっと女々しいしね」
....第一印象は嫌いだ。
「失礼。私はエヴァジェリン山本。親しい人はフロイライン山本と呼ぶわ。怪しさのかけらも無い28歳無職よ」
と怪しさ100%の彼女は言う
「私は訳あって、不破真広を探してるの。あなたは彼とはどんな関係なのか、教えてくれないかしら?」
どんな関係と言われても、自分にもよくわかっていない。とりあえず
「ただの腐れ縁の友達ですよ。あ、一応名乗られたのでこちらも名乗らせてもらいます、滝川吉野 高2です」
胡散臭いが真広の関係者などそんなんばっかなのでさすがになれたが
「荒っぽいけど、こっちも手段を選んでる余裕は無いの。知ってることを全部話してちょうだい」
居場所を聞かれて、知らないと答えたら銃を突きつけられるのはさすがに予想外だった。また、あのバカはめんどくさい事に首を突っ込んだらしい。
そこで彼女から聞かされた話しは、頭の痛くなる話だった。
二週間前と一週間前に別々の地域において真広が目撃されたという話だった。それだけなら何の問題も無いのだが、その二つの地域が封鎖されたということだ。なぜ真広かとわかったかというと、二つ目の地域において、一人の少女を助け、その際に名乗ったようだが
「人違いだと思いますよ」
「なんでそう思うのかしら?助けられた少女が目撃した格好、年齢から絞り込んだ結果、所在不明のふわまひろは一人なの。特徴的な格好だしね」
確かに顔にイレズミを入れた高校生は珍しいだろう。しかし、あいつが無関係の女性を救うとは思えない。
「真広はそんな人助けするような分かりやすい善人じゃありませんから」
はっきり言うとフロイライン山本(フロイラインって年か?)は微妙な顔をしながら
「親友が言う?それ」
と問われるがむしろ
「親友だから言うんですよ。ずっと見てましたから」
「....助けられた子は十五歳の綺麗な女の子だったわ。亡くなった妹さんを思い出してうっかり助けようと思ったとかないかしら?」
....妹、か。確かに彼女は綺麗だったが、あいつはそんな感傷で行動するやつじゃない。
「それもないと思います。でも、あいつは恩や借りはちゃんと返す主義です。人を助けたなら、そっちの線じゃないですか?」
あいつはテキトーで快楽主義者の問題児だったが、守る線はちゃんと守る奴だ。
知っている事を話し終えたから解放してくれる事を期待したが
「本当に何も知らないのね?」
銃を突きつけられ、確認される。地域封鎖のニュースは、一般には知られていない。そんな情報を握った人をただで返すとは思えない。
少しでも時間を稼ぎ、道をみつけなくてはならない。
「...蝶」
「いきなり、どうしたの?」
「いえ、揚羽蝶が飛んでたんで」
「それだけ?」
そう、蝶が飛んでいるだけだ。だが今は十一月だ。雪まで降っている。そんな中、揚羽蝶が飛んでいるのは異常な事だ。
「一匹ぐらい見間違いなん、じゃな...」
一匹ぐらいなら見間違いと俺も思っただろうだが、この周り中飛び回る、蝶々の群れ・・・・はなんだ!
「まさか、ここでも!」
彼女も蝶々を見つけたようだが、驚きすぎじゃないだろうか?だが、これはチャンスだ。注意が俺から離れた。
「ハァッ!」
持っていた傘で一閃。銃を飛ばせたので、出来ればもう一押し
「甘いわね」
瞬間、傘を受け止められ、投げられる。
「それに銃は一挺だけじゃないのよ」
そう言って、ショットガンを突きつけられる。まさか、もう一挺あるとは思わなかった。...どこから出したんだ?銃口突きつけられ、とっさに目をめを瞑る。
「おいおい、人の家の墓の前で痴話喧嘩か?」
....こんな状況でも、ふざけた口調をする奴なんて一人しか知らない。
「真広!」
「よお、いくら美人なねーちゃんとはいえ、浮気はいけねーぜ」
っ!気づかれていたのか?
「...知ってのか?」
「ああ、二ヶ月ぐらい前にクラスの奴らが話してんの聞いてね。ひどい奴だねぇ吉野ちゃんは。し・ん・ゆ・うのオレに隠しちゃって」
誰と付き合ってのは知られてないみたいだ。
「ていうか、お前が蹴っ飛ばした人の事とか、気になんないのかよ?」
蹴っ飛ばすだけ蹴っ飛ばして放置してるが、いいのか?
「ん?ああ、出待ちしてたからだいたい聞いてたよ」
とか言いやがった。こいつのその辺はもう諦めてるので、いいが別で気になる事がある。
「お前、この蝶々が何か知ってんのか?」
「まあ、一応追ってきたからな」
聞こうとすると
パァン!
真広に吹き飛ばされていたフロイライン山本さんが気絶してなかった様で、真広に向かって発砲したが
「弾が止まった?」
そう、弾が真広に当たる寸前で止まっていた。
「やっぱりあなた、『魔法使い』にあっていたのね」
魔法使い?
「答えなさい。キミは『黒金病』の何を知っているの?」
また意味がわからない単語が出てきた。
「そいつを知ってるつー事は、あんた、政府の人間か?」
「いいえ、ただのボランティアよ。政府のお偉いさんがたが『魔法』なんて信じると思う?」
....フロイライン山本(28歳・無職)は政府のボランティアだったのか。完全に蚊帳の外なのでどうでもいいことを考えてたら、なんか山本さんが気絶してた。
「お前、飛んだりバリアはったり、何お前?マジで魔法使いになっちゃたわけ?」
「残念ながら、オレはもう魔法使いの資格を失っちゃたんでね。ま、とりあえず街に降りるぞ」
「死ね。...そこで分かるんだな?この一連の厄介事が」
いつものように他愛ない話をして街まで、降りるとそこはもはや日常ではなかった。街中を蝶々が舞、ビルや車が燃え上がっていた。倒れた人を起こそうにも、皆、全身が金属になっていた。真広曰く、これが黒金病らしい。
「これが黒金病か。地域封鎖されるわけだ。もはや病じゃなく、呪いだな」
そうつぶやくと
「クク、呪いか。確かにこいつは呪いだな。こいつは魔法を扱う一族の馬鹿どもがやらかしたもんだ」
笑いながら真広は語る
「少しでも大きな力が欲しいと起こしちゃいけねえもんを起こそうとしてんだ、奴らは。こいつはただの前兆だ。そいつが起きれば、この世界の全部がひっくり返るぜ」
手の尽くし様がない程の被害だが、
「で、お前は何する気だ?」
そう、こいつが笑ってる時点で、何か対策を練ってるに決まってる。乱痴気騒ぎが大好きなこいつだが、自分以外で盛り上がるのは嫌いなこいつなら、絶対に首を突っ込むに決まってる。
「まあ、一つ秘密道具があってね。
でででーん、まほーつかい、鎖部葉風ぇ〜」
バカ丸出しで取り出したのは木の人形だった。
「何が秘密道具、何が」
と人形がいきなり喋り出した。
「...なにそれ?」
「だから秘密道「それはいい」っち、つまらない男になったもんだぜ」
つまる、つまらないの話しじゃさすがにもうないって。
「こいつはさっき言った魔法使いの一族の姫にして最強の魔法使いだ。まあ、人望はなかったみたいで、一族に裏切られ、孤島に流され魔法も使えない状態になっちまって、オレが手助けしてやってんだけどな」
ドヤ顔で言う真広に人形(葉風さん?)は
「おい!恩着せがましい事を言いよって。私がいなきゃ、貴様の家族を殺した犯人は見つからんのだぞ」
...どうやら真広は彼女とそのような契約を結んだようだが、少し真広らしく無い。
「別にオレはお前の協力をしなくてもいいんだぜ。だいたいの犯人の目星はついてる。お前との協力はただのショートカットとこたえあわせにすぎない」
犯人の下りについて詳しく聞こうと思い真広に近づくが
ゴゴゴゴゴと地鳴りが響き、地震が起きると同時に街中の蝶が海の一箇所に集まって行く。どうやら二人はその蝶々が集まる場所になにがあるか知っていて、その行き先を調べてるらしい。
「なあ、一つ聞きたいんだが?」
さっきの話でどうしても腑に落ちない事があった。
「なんだ、オレがどこでこの人形を拾いこの女と協力関係になった経緯でも知りたいのか?」
それも少しは気になるが、無人島から瓶詰めにでもして流して、それを真広が拾ったとかの話だろう。一番聞かなければならないのは
「お前、奇跡とかで得た力を嫌ってたよな?貰った力で偉ぶって、自分は素晴らしいなんてタイプじゃないだろお前は。なのにたまたま手に入れた魔法で全部解決なんて、お前は満足なのか?」
と問うと、珍しく神妙な顔で答える
「..警察は証拠を一切つかめなかった。オレも散々考えてもなにも突破さくは見つからない。そんな時出会ったのがこの魔法だ。オレの知らない世界がここにあった。なら犯人の手がかりもそっちにあるかもしれない。魔法に頼るのでなく魔法を使い、解決までの道にしてやるよ。っていうか、さっきも言っただろ、犯人は絞り込めたって。これはあくまで保険だ」
いつものにやけ面で人形を叩く。
「それに...
なにかを言いかけた所で海の方に目を向ける真広。釣られてそっちを見ると
「見ろよ 野。あれが世界を変えちまう力の一部だ。こいつが世界をどうしようか知らねえが、オレの邪魔するなら、ぶっ壊してやるよ。
こいつは愛花風に言うなら
『世の中の関節が外れてしまった。
ああ、なんと呪われた因果か、
それを直すために
生まれついたとは!』
歌い上げる真広だが、俺にとっては
『世界は穏やかに安らげる日々を願っている
自由な民と自由な世界で
どうかこの瞬間に言わせてほしい
時よ止まれ 君は誰よりも美しいから』
多分続きません