Fate/kaleid angel   作:本と魚

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第6話

 

 第6話

 

 

 

詩織君は剣を突き出して言った。

 

「さあ―俺の戦争(デート)を始めよう」

 

そう宣言したあと2人は互いに走り出して武器をぶつけた。女性は鎖の付いた杭を短剣のように持って詩織君は手に持っている大剣を切り上げた。力比べは詩織君が女性が押しそのままぶっ飛ばした。その瞬間さっきよりも圧倒的に速い速度で走り出し敵に向かって大剣を振り下ろしたが相手は杭を地面に打ち付けてアクロバットのように遠心力で大剣から逃れた。私がさっきまでしていた戦いと全然違うのがすぐにわかった。

 

「どういうことなの!?ステッキの力を使っていない人間それも一般人がなんで英霊と戦えているのよ!?」

 

『わかりません。あんな物わたしは初めて見ました』

 

「姿が変わったと思えば今度は英霊を圧倒するほどの力ってなんなのよ!?」

 

魔術や魔法などそっちの世界をよく知る凛さんとルビーも戸惑っている様子を見てもコレが異常なのだと理解する。

 

それに私も2人と同じように混乱していた。

 

普段一緒に学校に行ったり一緒に家でご飯を食べたりする好きな人がいつもと違う姿で戦っているのだから混乱するなというほうが無理がある。

 

そんな風に考えていた時女性は行動を起こした。体を低い姿勢にし目の前には赤く禍々しい魔方陣を展開した。

 

「宝具を使う気よ!!逃げな「凛さん」ッ!」

 

「大丈夫です」

 

凛さんが距離をとろうとしたところを詩織君が優しい声で大丈夫だと言った。その瞬間詩織君の持つ大剣の刃が光だした。

 

「この一撃で終わらせる!」

 

そう言って振り下ろすように大剣を持った。

 

騎英の(ベルレ)――――‥」

 

 

敵が動こうとしたところを

 

「‥‥‥クラスカード《ランサー》限定展開(インクルード)

 

冷たい声がそう囁き

 

刺し穿つ(ゲイ)‥‥死棘の槍(ボルク)!!!」

 

その瞬間深紅の槍が敵の胸を貫いた。そして女性は消えてカードが現れた。

 

「《ランサー》接続解除(アンインクルード)対象撃破クラスカード《ライダー》回収完了」

 

「え‥‥‥だ‥‥誰‥‥?」

 

突如現れた私と似た魔法少女に困惑しその格好が私の服のピンクをメインにしたドレスではなくその少女は全身が紫色のタイツのような姿だった。

 

「オーッホッホッホ!!」

 

そんな考えをしていると唐突に響く高笑いが聞こえてくる。

 

「わっ!?なに?」

 

「今度は何だ!」

 

「このバカ笑いは‥‥‥」

 

現れたのは金髪を何度もロールさせたいかにもお嬢様のような人が出てきた。

 

「無様ですわね遠坂凛!まずは一枚!カードはいただきましたわ!」

 

 

 

 

 

 

 

「オーーーッホッホッホ!!」

 

「な、なんかすごっいハデな人までてきたたんだけど!」

 

『相変わらず肺活量の大きい人ですねー』

 

「もうなんなんだ」

 

だがそれより‥‥あの子が持っているやつ‥‥イリヤの物と一緒ってことは

 

「ここしかないというタイミングで如何にして必殺の一撃をいれるか‥‥その一瞬の判断こそが勝負を分けるのですわ。だというのに―」

 

「相手の宝具に恐れをなすどころか子供に安心させられるなどとんだお笑いものですわね遠坂凛!!」

 

「やっかましぃーーッ!!」

 

「ホウッ!?」

 

なんか凛さんに思いっきりマウントをとり始めたら凛さんの綺麗なマジ蹴りがクリーンヒットした。その後2人は喧嘩を繰り返していたら

 

「ル、ルビーなんか地面が割れてきてるんだけど!?」

 

「空も割れるってヤバいんじゃないのかコレ!?」

 

『あらー。原因(カード)を取り除いたので鏡面界が閉じようとしてるみたいですね。』

 

そんな会話をしてると少女が

 

「‥‥サファイア」

 

『はいマスター。半径6メートルで反射路形成通常界へ戻ります』

 

地面に先程よりもデカイ魔方陣が浮かびもとの世界に戻ってきた。

 

『ふう。ひとまず一戦終了ですね』

 

「も、戻ってきたの?フェンスも元通りになってる‥‥」

 

なるほど向こうでどれだけ暴れてもこっちには影響がないってことか。

 

「それで詩織あなたは何者なの?」

 

凛さんの質問にこの場の全員が俺に目を向けた。

 

「ステッキも無しに英霊を圧倒したその時点でおかしいけど今のあなたの姿や剣もまったくわからないものばかり説明してもらうわよ」

 

「‥‥わかった」

 

俺は話す決意をしたどうせいつかばれるそれなら転生したこと以外をはなせばいいだろう。

 

「話そう俺がなんなのか」

 

みんなが俺の言葉に耳を傾けた。

 

「俺は人間だそれは間違いないだが、物心ついた時からこの力はあった」

 

「はぁ!?」

 

「この剣の名前はユダヤ教に出てくる兄弟の意味を持つ天使鏖殺公そしてこの鎧は神威霊装・十番この剣を最大限使う時に着るものだ」

 

「はぁー!?」

 

私は驚いた物心ついた時からあれほどの力を使えたことにその武器が天使だということもみんなが驚いた。

 

「それで俺をどうするの?連れ去るとか言うんだったら全力で抵抗させてもらう」

 

そう言った彼は剣切っ先を凛さんたちに向けた。

 

「はぁ~あのね‥‥そんなことしないわよ。私はあなたの力がなんなのか気になっただけでそんなゲスなことしないわ。それであんたはどうなのルヴィア」

 

「その前に自己紹介といきましょう。私はルヴィアゼラッタ・エーデルフェルトと申します。たしかになにも知らない状態だったならやっていたかもしれません。ですが先程の遠坂凛やそこの少女に対しての紳士な対応や人なりを見させてもらった後にそのようなことは絶対にいたしませんわ!!」

 

そう言った凛さんとルヴィアさんに対して向けていた剣を下ろし息を深く吐いた後私に向かい合った。

 

「イリヤはどう思った?知り合いがえたいのしれない物だったこと‥‥」

 

「えっ?」

 

私はそう言われても特に感じずはっきり詩織君に告げた。

 

「ん~?特にないかな」

 

「えっ?なんで?」

 

「だっていつも見たいに私のことを助けてくれたから」

 

「‥‥そっか‥ありがとイリヤ」

 

そう言った詩織君の笑顔は髪の色や長さが変わっているせいか前に見た笑顔よりとっても魅力的に見えた。私は顔が赤くなっていることを誤魔化すように話題を変えた。

 

「あ、そ、そういえば!あの子!?あの子誰だったの!?」

 

「あ~ルビーと似たようなステッキ持ってたあの子ね」

 

『サファイアちゃんの新しいマスターさんですからねとても気になりますね!正直詩織さんの話のせいで忘れてました』

 

 

うーんあの子私たちと同じくらいだったし

 

「このパターンでいくとこれってさ‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美遊・エーデルフェルトです」

 

昨晩の少女が転校してきた。

まさかイリヤの予想通りになるとは席はイリヤの後ろかなんかスッゲー見てんな。

 

「(な‥‥なんか見られてる!?このプレッシャーはなに!?)」

 

メンチで負けてはいけませんよイリヤさん!

 

イリヤだけじゃなく俺の方も見てくるというよりは観察かな?

昼休みになるとクラスの人間が美遊さんの回りに集まっていたあの状況だと話を聞くのは無理そうだ。

 

「詩織君ちょっと来て‥‥」

 

「ん?わかった」

 

イリヤに誘われて窓際に向かった。そこには昨晩の美遊さんのステッキも一緒にいた。

 

『紹介がまだでしたよね。こちらわたしの新しいマスターのイリヤさんです』

 

『サファイアと申します。姉がお世話になっています』

 

「ご丁寧にどうも」

 

「はぁどうも‥‥(なんかシュールな絵面‥‥)ステッキって2本あったんだね?」

 

『ええ!わたしとサファイアちゃんは同時に造られた姉妹なんですよー』

 

「それでルビーみたいにサファイアの方は美遊さんに乗り換えたってことか」

 

『はい詩織様の仰る通りです。今は美遊様にお仕えしております』

 

『しかし美遊さんも大したものですねー。初めてなのに宝具を使うなんて』

 

「「宝具‥‥?」」

 

聞きなれない単語に俺とイリヤは首をかしげた。

 

『説明していないのですか姉さん?』

 

『そういえばカード周りの詳しいことはまだでしたね。一度に説明しても混乱させるかと思いまして』

 

確かに囁告篇秩で調べられるがここ最近は忙しかったから専門用語がまったくわからないんだよな。

 

『以前凛さんに見せてもらったクラスカードがありましたよね?』

 

「うん。なんかすごく危険なちからを持ってるカードなんでしょ?」

 

『はい。そのカードはなんの前触れもなく突如この冬木市に出現したんです。異常な魔力(オド)の歪みを観測した協会は調査を開始‥‥今から2週間前のことです』

 

「2週間前‥‥」

 

そんな反応あったか?まったく感じなかったが?

 

『魔術協会は2枚のカードを回収し分析をしましたが‥‥制作者不明・用途不明・構造解析もうまくいきませんでした。ただ一つわかったのは‥‥このカードは実在した英雄の力を引き出せるらしい‥‥ということ』

 

「英雄‥‥?」

 

『神話や昔話に出てくるあれです』

 

『偉業を成し英雄と認められた者は死後に《英霊の座》と呼ばれる高次の場所へと迎えられます。そうして英霊となった者はそれぞれが力の肖像たる武器を持っています。通常の武具を超えた奇跡を成す強力な兵器‥‥それが《宝具》です』

 

「なるほど大体わかった。つまり昨晩美遊さんの持っていた朱槍が宝具ってやつで刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルク)を持った英雄はただ一人ケルト神話に出てくる半神半人のクー・フーリン」

 

『その通りです詩織さん!そしてわたしたちはカードを介することによって英霊の座へとアクセスし英霊の持つ宝具の力を一瞬だけ具現化することができるんですよ。どうもカード一枚に対して英霊1人が対応しているようで‥‥ってちゃんとついてきてますかイリヤさん!もうちょっと続きますよ!』

 

「だっ大丈夫‥‥!7割くらいは理解してるよたぶん‥‥」

 

『ではつづけましょうか』

 

「頼む」

 

「(クール‥‥)」

 

『もうおわかりかもしれませんが昨夜戦った敵‥‥あれもまたカードによって引き出された英霊の力の一部なのです。いえ英霊そのものと言っていいでしょう』

 

「だが昨夜戦った感じとてもじゃないが人の動きじゃなかった。あれは人と戦うというより獣に近かった」

 

『どうやら本来の姿から変質してる上に理性も吹っ飛んじゃッてるみたいなんですよねー』

 

なるほど確かに理性がなくなっていたならなっとくだ。

 

『英霊はカードを包み込むように実体化しており英霊を倒さなければカードを回収できません。アーチャーとランサーは協会が派遣した魔術師たちによって打倒されたのですが‥‥ライダーについてはそうはいきませんでした』

 

「それは‥‥なんで?」

 

「魔術による攻撃が効かないからか?」

 

昨夜凛さんが使った宝石による攻撃がなぜか無傷だったそれなら納得だ。

 

『その通りです。彼女には魔術がまったく効かなかったのです。おそらくは対魔力B以上‥‥《魔術を無効化する》という概念的な守りを持っていたようです』

 

『そこで白羽の矢が立ったのがわたしたちだったってわけですねー。魔術に頼らない純粋な魔力放出の攻撃ができますからそれでいろいろあって凛さんとルヴィアさんがマスターになったわけですが‥‥』

 

「あれじゃーなー‥‥」

 

『協会が感知したカードの反応は全部で7つ残りは4枚です。わたしたちも全力でサポートしますので美遊様(マスター)と協力しての回収にどうかご協力ください』

 

「うん‥‥イマイチ自信はないけど頑張ってみるよ」

 

「俺も最大限のサポートをしよう」

 

『大丈夫ですよ!わたしがついてます!』

 

残りは4枚か‥‥正直ライダー程度ならこれからいくらきても問題はないが相手の英霊にっては不味いなクー・フーリンがランサーとして出てきてくれたのはありがたい。こいつがいるおかげで相手にはもしかしたら半神半人が出てこれたのなら(・・)すらも出てくる可能性があるってことだ。覚悟を決めておかないとな。

 

「サファイアあまり外に出ないで」

 

「いッ!?」

 

「美遊さん?」

 

考え事をしていたら後ろに美遊さんがいた。

 

『申し訳ありませんマスター。イリヤ様や詩織様にご挨拶をと思いまして』

 

「誰かに見られたら面倒、学校ではカバンの中にいて」

 

「あ‥‥あの‥‥あ‥‥」

 

「改めて天精 詩織だよろしく頼む」

 

「‥‥よろしく」

 

そう言って美遊さんは廊下を歩いていった。

 

「うーん‥‥なんか話しかけづらい雰囲気?」

 

「そうかな?返事はくれるから特にそんなのないように思えるけど」

 

 

「‥‥何してんのみんな?」

 

教室の扉の前では那奈亀・雀花・龍子・美々がいた。

 

「やー美遊ちゃんにフラれちゃって‥‥」

 

「観察よ観察!」

 

「は~‥‥」

 

どうやらクラスのみんなから質問を受け付けていたが「少し、うるさいね」と言われたらしい。実際うるさいから特になにもないが目の前にいるのに言えるところはスゴいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

算数の時間

 

「―図より外接半径と線分OBの比はcos(π/n)内接半径は線分OBに等しいこのことから外接半径と内接半径の比はcos(π/n)となり面積比はcos2(π/n)よってこの場合面積比は4倍‥‥となります」

 

円周率を解く問題を解き終えた美遊さんは得意気に振り向いて答えた。わからないところが多すぎて困る。本人はどこか誉めてもらいたそうだ。

 

「‥‥いや、あのー‥‥美遊ちゃん?この問題はそんな難しく考える必要はなくて‥‥cosとかπとか使って一般化しなくていいの!」

 

「?」

 

「いやそんな不思議そうな顔されても!もっとゆとりを!心にゆとりをもちなさい!円周率はおよそ3よ!文句あんのかコラァーッ!!」

 

 

その姿は昨夜と似つかなくとてもかわいらしいと感じた。

 

 

図工の時間

 

 

「こっ‥‥これは‥‥」

 

「自由に描けとのことでしたので形体を解体して単一称点による遠近法を放棄しました」

 

「自由すぎるわ!つーかキュピズムは小学校の範囲外よ!」

 

「?」

 

「いやだからそんな顔されてもー!」

 

素晴らしさはまったくわからないがまるでピカソのような絵を書いていた。

 

 

 

 

家庭科の時間

 

 

「いや‥‥だから‥‥なんでフライパン一個でこんな手の込んだ料理がー!?しかもウメェェーッ!?なんちゅうものを喰わせてくれるのかーーーーッ!!」

 

「先生、少しうるさいです」

 

 

料理はまるで小学生のできとは思えないほどのものだった料理を少し分けてもらったが俺もまだまだだとわかった。

 

 

体育の時間

 

 

「6秒9!?」

 

体育ではどうやら今まで短距離走で誰にも負けなかったイリヤに勝ったようだそのせいかイリヤは落ち込んでいるように見えた。

 

 

 

夕方になりイリヤは座り込んで落ち込んでいた。

 

「大丈夫か?イリヤ」

 

『いつまでいじけてるんですかイリヤさん。早く家に帰りましょうよ!』

 

「別にいじけてないよ‥‥ただ才能の壁ってのを見せつけられたっていうか‥‥‥」

 

なるほど同じ魔法少女しかも同い年にあれだけの才能を見せつけられしかも今まで誰にも負けたことがない短距離走で負けたからここまでやられたのか。

 

「‥‥なにしるの?」

 

『おや?美遊さん』

 

帰りなのかたまたま通りかかった美遊さんが不思議な目をしてこちらに来た。

 

「こ、これはどうもお恥ずかしいところを‥‥ミユさんにあらせましては今お帰りで?」

 

「‥‥なんで敬語?」

 

「気にしないでやってくれ」

 

『なに卑屈になってるんですかイリヤさん!美遊さんは同じ魔法少女の仲間です。学校の成績なんて関係ありません!』

 

「仲間‥‥そっか」

 

「あなたも‥‥ステッキに巻き込まれてカード回収を?」

 

「う‥‥うん、成り行き上仕方なくっていうか、騙されて魔法少女にさせられたというか‥‥(わー‥‥確かに美人さんかもこの子‥‥)」

 

「そう‥‥」

 

この2人はまったく会話が続かないイリヤにしてみれば感情を表に出さないクールな性格の奴に会ったことがないから戸惑ってるのかも知れないな。俺がそんな風に考えていると美遊さんが口を開いた。

 

「どうして戦うの?」

 

「え‥‥?どうして‥‥って?」

 

今までの空気が消えた。今の美遊さんはどこまでも真剣な顔だった。

 

「ただ巻き込まれただけなんでしょ?あなたは戦う責任も義務もない。本気で拒否すればルビーだって諦めるはずなのに」

 

正論をぶつけられてイリヤはたじろいだ。

 

「うーん‥‥ホントのこと言うとね‥‥ちょっとだけこういうのに憧れてたんだ。ホラ、これっていかにもアニメとかゲームみたいな状況じゃない?」

 

「ゲーム‥‥?」

 

美遊さんの質問にイリヤが答えると明らかに美遊さんの雰囲気が変わった。だがイリヤは気付いていないようだ。

 

「うん。まほーを使って戦うとか‥‥‥ヘンな空間にいる敵とか‥‥冗談みたいな話だけどちょっとワクワクしちゃうって言うか‥‥せっかくなんだからこのゲームも楽しんじゃおうかなーっ「もういいよ」」

 

イリヤの戦う理由を聞いた美遊さんが会話を強引に切った。

 

「その程度?そんな理由で戦うの?」

 

「え‥‥な‥‥なに?」

 

「遊び半分の気持ちで英霊を打倒できるとでも?」

 

その声はどこまでも真剣にでも失望したように言い放ち帰ろうと歩きだし後ろを向いた。

 

あなたは戦わなくていい。カードの回収は全部わたしがやる。せめてわたしの邪魔だけはしないで

 

 

 

「な‥‥なんで怒ってるの‥‥?」

 

『わかりませんが‥‥なーんか地雷踏んじゃったっぽいですねー』

 

「本当にわからないのか?」

 

「え?なにが?」

 

俺は思わず聞いてしまったなぜわからないのかだが本人はわかっていないようだ。確かにイリヤは巻き込まれて成り行きで魔法少女になっただけどそれをゲーム感覚でやるのは違う。たった1枚で町一つ破壊できるような物を回収するのはゲームなんかじゃない確かに最近まで俺のように力をもたなかったイリヤに自覚しろというのは無茶な気がするが美遊さんは現実を見据えて行動できる人のように思えるから文字通り覚悟が違う。そんな人がゲームみたいに楽しく楽に頑張ろうと言われたら失望するのはしかたないだろう。

 

「いや、なんでもない」

 

 

 

 

イリヤが愚痴を吐き俺はそれを聞きながら家に帰ると玄関前にはセラさんがいた。この時間は家の中で家事をしてる気がするが突っ立ていた。どうかしたのだろうか?俺たちは駆け寄った。

 

「ただいまーセラ」

 

「どうかしましたか?セラさん」

 

「あ、お帰りなさい。イリヤさんに詩織さん。‥‥ええとですね‥‥あれを‥‥」

 

そう言ってセラさんが指差した方向には今日の朝にはなかった豪邸があった。

 

「なっ‥‥なにこの豪邸‥‥!?」

 

「‥‥いや‥‥え‥‥?」

 

「今朝から工事が始まったと思ったら‥‥あっという間に屋敷ができあがったんです」

 

いやいやこんなもの数時間でできるわけがないそれこそ魔法みたい‥‥あーなるほど俺はわかった。おそらく昨夜にであったルヴィアさんの家か。

 

「あ‥‥」

 

「ん?」

 

声が後ろから聞こえたので振り向けばそこにはさっき「邪魔だけはしないで」と宣言した美遊さんがいた。

 

「‥‥‥‥‥」

 

「あ!ちょっと!!え?入ってくってことは‥‥この豪邸‥‥ミユさんの家‥‥?」

 

「‥‥まあ、そんな感じ」

 

さっきの宣言で気まずい空気になったのが耐えられなかったのか逃げるように帰っていった。

 

「なんだかめんどくさいことになったね」

 

「そうだな‥‥」

 

「まあ、どっちにしろ今夜また会うだろうしね‥‥」

 

そう言ってイリヤはポケットに入っていた手紙を開いた。

 

 

 

 

 

今夜0時橋のふもとの公園まで来るべし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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