第7話
「午前0時1分前‥‥油断しないようにねイリヤ、詩織。敵はもちろんだけど‥‥ルヴィアたちがドサクサに紛れて何してくるかわからないわ」
「(なんでこんなにギスギスしてるのかなぁ‥‥)」
『お二人のケンカに巻き込まないでほしいものですねー』
「向こうも似たようなことを言っているのが目に浮かぶよ」
俺・イリヤ・美遊さん・凛さん・ルヴィアさんにルビーとサファイアは時間通りに橋のふもとの公園に集まっていた。イリヤと美遊はすでに魔法少女になっていて戦闘の準備ができていたが、
「速攻ですわ。開始と同時に距離を詰めイチゲキで仕留めなさい」
「はい」
「あと可能ならドサクサに紛れて遠坂凛も葬ってあげなさい」
「‥‥それはちょっと」
『殺人の指示はご遠慮ください』
任務だというのにこの二人はここでも張り合っているからとても不安だ。
「いくわよ3、2、1‥‥」
『『限定次元反射炉形成!鏡界回廊一部反転!』』
足下に魔方陣が展開され緊張感がたかまっていく。
「「
俺たちは見事に敗北した。俺以外のみんなは服や体の至るところがボロボロだった。
『いやーものの見事に完敗でしたね。歴史的大敗です』
「な、なんだったのよ。あの敵は‥‥」
「ちょっとどういうことですの!?カレイドの魔法少女は無敵なのではなくて!?」
『わたしに当たるのはおやめくださいルヴィア様』
ルヴィアさんはここまでの敗北に我慢ならないのかサファイアをおもいっきり横に引っ張っている。そこに高速でルビーが飛んできて、
『ルビーサミング!!』
「メガッ!?」
ルヴィアさんの目にステッキの持ち手が突き刺さった。
「レ、レディの眼球になんてことを‥‥!」
『サファイアちゃんをいじめる人は許しませんよー。それに魔法少女が無敵なんて満身もいいところです』
「当然だろ。もし無敵なら最初の2枚もステッキにやらせればよかったのに最初は魔術師がやっていたってことはステッキを使っていた人よりその魔術師の方が強かったってことだろ」
『詩織さんのおっしゃる通りです!もちろん大抵の相手なら圧倒できるだけの性能がありますが‥‥それでも相性というものがあります』
「ごめん。私も無敵だとちょっと思っていた‥‥」
「‥‥で、その相性最悪なのが――あれだったわけ?」
俺たちはさっきの光景を思い出した。
鏡面界で最初に見た光景は空一面を魔方陣で埋め尽くしその中にいる空を飛ぶ黒いロープを纏った女の姿だった。
「何あれ‥‥?すごい数‥‥?」
「ねぇルビーこれって‥‥」
『そのようですね。どうやら向こうは‥‥』
「え?」
イリヤと凛さんが会話していると空からレーザーポインターのようなものが至るところに降り注いだ。
『戦闘準備万端だったようです』
ルビーが言った瞬間空から果てしない数の光が落ちてきた。俺は一瞬で霊装を纏ってバリアーを張ったが急な攻撃に遅れ自分にしか張れなかった。
「
「きゃあッ!?」
『魔術障壁の展開規模を最大まで拡大!離れたら死にますよ凛さん』
「じょっ‥‥冗談じゃないわ!」
とんでもない数の光が撃ち終わったのか衝撃が来なくなり辺りは煙が立ち込めていてなにも見えない。
「いっ‥‥痛い!そして熱い!なにコレ!?」
「なんでランクAの魔術障壁が突破されてるのよ!?」
『あらー?おかしいですねー』
どうやら俺以外の人間は自分の張った障壁が突破されたようだだ。俺は
「はぁーー!!」
「最大出力‥‥!
「ミユさん!詩織君!」
『すかさず反撃ですかやりますね』
「遠距離戦なら望むところですわ!
俺の斬撃は敵の張った障壁を削ったが美遊さんが放ったビームは弾かれた。
「‥‥っ!?」
「なっ‥‥弾いた!?」
「あれは‥‥魔力指向制御平面!?まさかこれほどの規模で‥‥」
「なにか仕掛けてくるぞ!!」
今の出来事に驚いていると敵はなにか呟き始め俺たちの周りは竜巻で逃げられないように壁ができていた。
「たっ‥‥竜巻!?」
「まずっ‥‥閉じ込められた!」
『あ、イリヤさん上みてください上』
「うえ?う‥‥えぇぇー‥‥」
俺たちがルビーが言った言葉で上を向くとそこには敵が今までの物とはまったく規模が桁違いな魔方陣がこちらに向けて作り出されていた。
「こっこれはもしかしなくても
『完全に詰みですねーこれは』
「悠長に話してる場合かー!」
「ててて撤退ですわ撤退ーッ!!」
あまりのことに俺たちは慌てまくった。
『反射路形成!』
「「「早く早く早く!」」」
『鏡界回廊一部反転!』
「「「「「早くーーーッ!!」」」」」
そして俺たちは戻ってきた。
「まるで要塞でしたわ‥‥あんなの反則ですわよ!」
『もう魔術の域を越えてましたね。そりゃ障壁で相殺しきれないわけです』
「大丈夫かイリヤ?」
「うん。大丈夫だよ詩織君。少し痛いけどね‥‥」
『あれは現在のどの系統にも属さない呪文と魔方陣でした。恐らく失われた神代の魔術と思われます』
「あの魔力反射平面も問題だわ。あれがある限り詩織以外の攻撃が届かない」
『攻撃陣も反射平面も座標固定型のようですので魔方陣の上まで飛んでいけば戦えると思いますが‥‥』
なるほど飛べばいいのかそれならさほど難しくないな。
「‥‥と言ってもねぇ。練習もなしにいきなり飛ぶなんて‥‥」
「あ、そっか。飛んじゃえばよかったんだね」
そう言ったイリヤも俺と同じくごく普通に飛んでいた。みんなの視線が俺とイリヤに突き刺さる。いったいどうしたのだろうか?
「え、なに?」
「どうしたんだ急に黙って?」
「ちょっと!!なんでいきなり飛べるのよ!?」
『すごいですよイリヤさん!詩織さん!高度な飛行をこんなにサラッと!』
「そ、そんなにすごいことなのコレ?」
「俺はもともと飛べるからな」
「私やルヴィアでもまる一日訓練してようやく飛べるようになったのよ!?」
「強固で具体的なイメージがないと浮くことすらむずしいのに‥‥いったいどうして‥‥」
「どうしてと言われても‥‥魔法少女って飛ぶものでしょ?」
「「なっ‥‥なんて頼もしい思い込み‥ッ!!」」
確かに俺とイリヤはアニメを見て魔法少女は飛ぶものだと勘違いしいたがあれほどイメージしやすいものもなかなかないだろう。
「くっ‥‥負けてられませんわよミユ!あなたもすぐ飛んでみせなさい!ミユ!」
凛さんの代わりに戦うイリヤにまるで自分が凛さんに劣ってると感じたのか対抗心を燃やして美遊さんに飛行するように話したが美遊さんはさっきから俯いてなにも話さない。
「人は‥‥‥飛べません」
「(なっ‥‥なんて夢のない子供‥‥ッ!!)そんな考えだからとべないのですわ!来なさい!明日までに飛べるよう特訓ですわ!」
そう言うと美遊さんをルヴィアさんは掴み走り去っていった。
「やれやれ‥‥今日はとりあえずお開きね。明日はちょうど学校休みだし私もいろいろ戦略練ってみるわ」
「また明日かぁ‥‥勝てるのかなアレに‥‥」
「勝つのよ!なんとしても!!」
俺も自分が戦うんじゃなくて2人のサポートに徹するようにどう戦うか考えなきゃな。そして今日は解散になった。