カオスなメガテン世界で頑張る土師さん   作:名無しの土師

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第1話

 第1話

 突然だがアニメやマンガに出てくる異世界転生というのを知っているだろうか? 

 

 導入でトラックによる事故死や

 ブラック企業で過労死

 現実に絶望して自殺

 もしくは突拍子もない理由で死んだ人間が

 前世の記憶を持ったまま違う世界で

 人間やエルフモンスター等に転生する物語である

 

『私』も昔、学生の頃に見事にはまり、

 神から授かったチート能力で最強魔法を操り魔王を粉砕

 美しいエルフや魔法使いの女の子との魔法学園生活

 ライバルキャラと競い合ったり協力し合う冒険物語等

 様々な展開を妄想していた時期があった

 

 なぜその話をしたのかって? 

 

 それは……

 

『俺』には前世の記憶があるのだ……

 

 といっても記憶はおぼろ気ではあるがね……

 

 

 

『俺』が前世の記憶を思い出したのは

 幼く元気真っ盛りの小学校の5年生であった

 

 忘れもしない……

『俺』がまだ『僕』だった頃……

 小学5年生の遠足、天気は曇り

 

 東京の博物館に遠足をかねての歴史の授業だった

 その博物館には様々な展示されてあった

 日本の動物の剥製、縄文人、弥生人の人体模型

 貝塚から出土された美しい翡翠の勾玉、折れた銅剣、銅鏡

 どれを見ても面白く、もっと見たい色々と見たいと思い

 見学のグループから飛び出して1人で楽しんでいた

 昔の祭具に黒曜石の槍、縄文土器どれもみていて面白かった

『僕』は『何か』の展示物を見てふと足を止めた

 それを見て『僕』は不思議と魅力的に感じた事は覚えている

 そして私はそれに手を伸ばしたその瞬間…………

 

 

 ……何故か病院にいた……

 

 

 気が付いた瞬間全身がまるで強酸をかけられたような痛みと

 内臓を掻き回されるような強い不快感と吐き気に襲われた

 そのせいで思わず叫んでしまった後、直ぐに医者が来た

 

 医者から何かを話していたそうだが何も聞こえなかった

 それどころか感覚が痛覚以外鈍くなってしまっていた

 

 

 そこから地獄の日々が始まった……

 痛みを抑える筈の鎮痛剤や麻酔が効かないばかりか

 片方の肺が機能しなくなり呼吸が苦しくなる

 突然盲目になったり逆に光に過敏になった

 点滴による栄養補給が上手くいかず痩せて行く

 右腕が突然骨折したりと毎日毎日泣き叫んだ

 何度も死にたいと思った

 でも何故か死ぬことはなかった

 様々な検査をしても原因不明で血液検査

 レントゲン、果てにはMRI検査をしてもわからなかった

 

 親に会いたいと思っても面会謝絶で孤独にも苛まれた

 この痛みが永遠と続くのでは無いかと絶望した

 

 

 

 痛みに耐え続けて数日後、あれだけ痛かった筈の痛みがいきなり消えていた

 その時は思わずもう自分は死んでしまったのではないかと疑ってしまった

 しかし身体の感覚が正常に戻り、むしろ体調が前よりももっと改善していることに気づいた時は驚いた

 その日は痛みが無くなり、嬉しくて泣いてしまった

 

 

 

 痛みが無くなってからも更に数日入院して何度も検査をしても原因が分からなかったのは少し気になった

 痛みがなくなりベッドで安静していた時、今の『俺』は昔の僕とは何処か違うことに気がついた

 そこで『俺』は自身の中の記憶を思い出していると記憶がダブっていた……

 それは、『僕』という今までの記憶と『私』という前世の記憶があることに気づいた

 痛みの原因か記憶は前世の記憶は朧気であったが……

 それと病院に入院する前の記憶がそこだけ記憶が存在しない

 とても不気味に思えた……

 

 

 精密検査を終えた次の日

 面会謝絶が解け今世の父親と母親が見舞いに来ることを

 病院の看護師から聞かされたときは安心と同時に

 強い不安に襲われた……

 

 今の『俺』は今まで生きてきた『僕』と、前世の記憶の『私』が統合された人格であり

『僕』とは違う存在になってしまった

 

『僕』の親に会う時に『私』の事を伝えるか迷った……

 拒絶されると思ったがどうしても伝えたかった

 怖かった……前世の記憶を思い出した事を……

 苦しかった……全身を蝕んでいた痛みに……

 寂しかった……親に会えなかった事……

 病室に来た両親に全てを伝えた

 痛みを、苦しみを、恐怖を、悲しみを……

 そして『私』の事と『俺』の事を……

 

 

 でもそれは杞憂だった

 親が怖がっていた『俺』を両親が抱き締めてくれた

『私』を受け入れてくれた

『僕』を慰めてくれて

『俺』を家族として認めてくれた

 

 拒絶されると思った前世の『私』が

 激痛に蝕まれていた今世の『僕』が

 不安と絶望に飲まれた今の『俺』が

 強い安心感に包まれた

 

 こうして『僕』と『私』が1つになり『俺』

 土師 創太(はじ そうた)が産まれた

 

 

 

 ────────────────────────

 

 

 転生してから新しい第2の人生を歩むようになってから分かったことがある

 

 この世界は前世とは違う世界だということ

 自分の他に転生者が大人数存在することを……

 

 前世とは違う点は、テレビに出てくる芸能人

 CMと商品名が違う等で直ぐにわかった

 

 転生者が存在すると分かったのは、

 日本の景気があまりにも良い事と

 そして日本のアニメとマンガ関連の産業が発達しすぎている点である

 コミックボ○ボ○が未だに連載されていると気付いた時はとても驚いた

(中身の内容が少し違うのは残念だったが……)

 

 前世と比べて少し違う日本であるが、自分は今の家族と共に元気に過ごしてきた

 

 

 

 思い出した前世の記憶がおぼろ気であったのも幸いして、友人からは『俺』は未だに精神面では子供のままで、知識面では前世の記憶のせいで歴史の食い違いによりいつも赤点を取ってしまった

(その代わり数学、理科、図工は好成績であったが)

 

 

 小学校と中学を卒業し、高校生に入ると同じ転生者の友人が出来た! 

 クラスメイトの1人が同じ転生者だと分かったのはとても嬉しかった

 切っ掛けは彼の書いている絵が前世でプレイしたゲームキャラクターであった時に、思わずそのキャラクターの名前を呟いたからだ

(その後のキャラクターについての長い解説と愛を語られたのはなかなか大変だったが)

 

『僕』としての今の記憶と、『私』の前世の記憶

 2つの記憶を統合した『俺』は生きてきた

 

 朝起きて家族と食事を楽しみ、

 学校では転生者の友人と勉学と部活動に励み

 夜に軽く勉強した後趣味の製作活動

 土曜日は家庭菜園の畑作業を手伝い近所の温泉に行く

 日曜日は好きなことをして思いっきり遊ぶ

 

 たまに友人と出掛けてたくさん遊ぶ

 母との買い物と掃除等親孝行

 父と散歩に出かけて喫茶店で静かに読書

 

 そしてこのまま第2の人生を家族と友人と共に

 平穏に過ごすのだと……

 大人になり、働く

 

 そんな毎日を送りたいと思っていた……

 平穏に過ごせるのだろうと信じていた……

 

 高校2年生の夏

 転生者の友人から1つの掲示板を見せられる時まで……

 

 

 

 

 

 

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