カオスなメガテン世界で頑張る土師さん   作:名無しの土師

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今回は主人公とそれ以外のパートです

前半の主人公パートは短めですが…


第25話

 ショタおじと太古の神霊『イナルナ姫』によりアトリエが異界に呑み込まれ早3ヶ月……

 神奈川支部改め横浜支部へと名称が変わり、旧『中華街裏路地大迷宮』から出現する悪魔をショタおじと俺の式神として契約した『埴安神袿姫』様による幾重もの厳重に展開された幾何学模様の結界と霊地改造、ガイア連合の精鋭組織土木建築部門によって建築中の異界内と外に展開される超巨大支部、『九龍城砦』が建築が今でも続いている……

 尚、現在使用されている施設は1割しか使用しておらず、殆どが空き部屋という滅茶苦茶無駄だらけの施設である

(どうやら日本で2番目に多い人口である神奈川と東京からの難民を収容するための施設として建築するらしい……)

 

 ……ちなみにこんなとんでも建造物を建築に至った理由は、俺達転生者の悪ふざけ半分本気の要望と、袿姫様から現世の事をパソコンや書物で知ったイナルナ姫の強い希望で建築された

 それに、横浜に置き去りにされた中華系霊能力者とその家族に恩を売り、ガイア連合の傘下に加えるというメリットがあるらしい

 何人か実際に会ってみたが、誰もが突然のトップと上位霊能力者達が突然の逃亡に大混乱に陥っていた……

 金銭的に余裕がある一族は祖国の中国に戻り、別の霊的組織に入る者がいた

 そしてある程度力があり、思想がカオス寄りの一族は、全ての原因はガイア連合にありと決め付け、怒りと憎悪に染まり支部へと襲撃する者や関連施設に破壊活動を行おうとした

 尚、支部を襲った連中は全員捕縛し、ガイア連合と仲が良い中国の霊的組織に引き渡しをしたらしい……またそれ以外の支部や他霊的組織に襲撃した連中は行方不明や契約平社員として扱われているらしい

(一応中国組織にその旨を伝えたが、そんな一族は知らないとシラを切られ、有耶無耶にされたとガイア連合の運営に伝えられた)

 

 そして、そんな状況を静観していた一族の他、霊能力的に乏しく分家として表の顔として働いていた一族、外道の秘術『キョンシー』使いの道士一族等、およそ4、50人程の人員がガイア連合の傘下に入った

 尚、キョンシー操る道士一族は、転生者達の操る式神を見て敵わないと言っていた……因みに俺の作る埴輪は、異能系キョンシー3~4体で善戦するレベルと言われたときは喜んで良いのか悲しんで良いのか複雑である

 

 そうして今日も俺は、埴輪を作るのであった……

 

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 中華街のとあるマンションの地下の一室にて、2人の筋骨隆々の双子が薄暗い部屋の中話し合っていた……

 

「いやぁ、まさかあの『土塊の道士』が本当に存在するとはな……」

 

「そうだな兄者……しかも、あの方の師匠が天女の如く美しい式神だとは思わなんだ……あぁ、本当に美しかった……」

 

 彼等兄弟の内、兄は深刻そうな表情で話し、弟はどこか夢心地のように話していた

 

「ゴホン……しかし弟者よ、この小日本……いや、日本にもあんな凄まじい力を持つ奴がいるんだな」

 

「ああ、俺達は運がいいぜ兄者……もし敵対したら間違いなく全滅どころか死後も……」

 

「止めろ弟者! 不吉なこと言うんじゃねぇよ!」

 

「すまよ兄者……でもさっきの話、本当なのか? 俺達はガイア連合の傘下に加わられるのか?」

 

「ああ、間違いない……今、俺達の新当主の所に確認を取っている所だ」

 

「そうか……でも、これでようやく安心できるってもんだ」

 

「そうだな……これで俺達も肩身の狭い思いをせずに済むし、先祖代々伝わる禁書の数々も安全に保管できそうだ」

 

「それじゃあ、早速祝杯をあげようぜ」

 

「あぁ、勿論酒は持ってきているだろうな」

 

「当然だ、何せガイア連合からの報酬は相当な額だからな!」

 

「よし、決まりだな」

 

「おっしゃ、久しぶりの大宴会だぁ!」

 

 こうして、横浜支部のとある一室では、夜遅くまでドンチャン騒ぎをする2人の兄弟の声が響き渡っていた ……

 

 

 

 私達の名は、兄である私、李 宇沢と弟の李 奕沢である

 中華系の名家、李家の現当主であり、中国霊的組織の元序列第20位の座に就いていた下っ端武闘派一族である

 

 そんな我々が何故こんな所で、こんなことをしているかというと……それは数ヶ月前に起きたある出来事が原因だった……

 その日、我々はいつものように部下と共に横浜の街を巡回していた

 いつもと代わり映えのしない日々の中、突如現れた異界の出現により、我々の平穏な日常は終わりを告げたのだ

 

 当初はただの低位悪魔出現による建物倒壊事故と思われていたが、それが単なる序章に過ぎなかったことに気付くのに時間は掛からなかった

 異界の主と思わしき悪魔を討伐する毎に広がる悪夢のような異界……

 放置による異界内から出現した悪魔の進行による我等霊能力者の終らぬ戦い……

 更には霊能力者以外の非戦闘員までもが巻き添えにされ、死者・行方不明者の数は100人を超える程であった

 こんな状況でも重い腰を上げようとしない当主一族とその取り巻き上位霊能力者達に嫌気が差した我々は、根願寺の僧侶達に依頼し、『中華街裏路地大迷宮』の攻略を依頼した

 まさか依頼した根願寺の僧侶ではなく、一見一般人としか思えないようなズレたはぐれ者の霊能力者集団が来るとは思わなかったし、異界が最終的に広大な巨大異界であったとは予想もしなかった

 そして、そんな異界内では見たものは、異界から出現したと思われる巨大な悪魔の死骸とそれを倒したとされる件の霊能力者集団と彼等一人一人に随伴する式神という恐ろしきナニかであった……

 その光景を見た当主とその取り巻き達は、俺達以上に恐怖に怯えながらも、自分達の置かれていた状況を打破してくれた彼等に感謝の念を抱いていた……だが同時に、その感謝の気持ちは畏怖へと変わっていった……

 

 

 そうしてガイア連合による異界攻略から数週間

 

 突如として異界内で巨大湖と古代の巨大建造物が出現、1人の霊能力者による『中華街裏路地大迷宮』の大破壊が行われ、本当の異界の主、太古の神霊が顕現された……

 その後、ガイア連合を恐れた当主と取り巻き一族は、我等を置いて今まで貯めた膨大な資金と数々の武器道具を根こそぎ持ち去っていった……

 置きざりにされ、資金を失った我ら兄弟と一族は、絶望に打ちひしがれながらも何とか生き延びる為に必死であった……

 

 そして現在……

「兄上、そろそろ行くぞ」

 

「……あぁ」

 

「どうした? 元気がないな」

 

「……いや、何でもない。それより今日は何が食べたい?」

 

「そうだな……兄者! 俺、久しぶりに『東坡肉』が食べたいな」

 

「分かった、なら早く行こう」

 

「ああ!!」

 

 こうして、俺は弟を連れて中華街の大通りに向かうのであった……

 

「さて、これからどうするか……」

 

「兄者?」

 

「いや、なんでも無い」

 

「そうか? 何かあったら言ってくれよ? 兄者は俺にとってたった一人の兄貴なんだからさ!」

 

「ああ、ありがとう」

 

 弟の優しい言葉を聞いて、俺の心は少し軽くなった気がした…… 

 

 俺は今、幸せである……

 何故ならば、目の前には最愛の弟がいるのだから……

 

 あの日以来、我ら兄弟は金がない状態で貧困生活をしていた……

 後2~3日そのままであったら餓死をしてしまう所であった……

 俺達は当主の盾……そんな俺達は犯罪を犯すと呪いにより死んでしまう……

 このまま俺達は飢え死にしてしまうのかと恐怖に身を震えていた……

 

 そんな中、ガイア連合により我等は救われた……

 そして現在我等兄弟は、その恩人である謎多き霊能力者集団、ガイア連合に加わり、横浜支部『九龍城砦』 にて日々を謳歌していた……

 

 彼等は、我等のことをよく気遣ってくれた……

 最初は何故我等にそこまでしてくれるのか疑問であったが、後にその理由を知ることとなる……彼は我等のような行き場のない霊能力者達を保護しているのだと……

 

 ガイア連合の構成員の多くは、元々霊能力者ではなかった者達で構成されているという……

 つまりは彼等は、ガイア連合に加わることで、新たな人生を歩み始めているのだ……

 そんな彼等の姿を見て、我等も彼等のように新しい人生を送りたいと強く願うようになった……

 

「兄者!! 兄者ってば!!」

 

「ん? どうした? 弟者よ」

 

「どうしたじゃねぇよ! 兄者……俺の話全然聞いてなかっただろ!?」

 

「悪い弟者よ、ちょっと考え事をしていてな」

 

「まったくもう……で、兄者は何を考えてたんだ?」

 

「……弟者よ、お前は俺達みたいな霊能力者の居場所を作ってくれた彼等に感謝しているか?」

 

「当たり前じゃん! 俺は彼等と出会えて本当に良かったと思ってるぜ! 金くれるし、飯も美味いし!」

 

「そうか……俺も彼等にはとても感謝をしている。俺達が生きているのは彼等のおかげなのだから……」

 

「兄者、急にどうしたんだよ? らしくないぞ?」

 

「すまない弟者よ、だが今の気持ちを伝えておきたかった」

 

「そうか……でも、俺も同じだよ。だからさ、そんな暗い顔するなよ!」

 

「……そうだな、ありがとう」

 

「あ! そういえばもう一つ感謝があった!!」

 

「どうしたんだ? 弟者よ? 何があるんだ?」

 

「兄者の笑顔が毎日見られるしてくれた事!」

 

 そうして我が弟、李 陸明は満面の笑みで答えた

(あぁ……そうだな……!)

 

「そうか……私もお前の笑顔が毎日見られて幸せだぞ!」

 

 二人の兄弟はお互いとびきりの笑顔で笑い合っていた……

 

 そんな彼等の様子を中華街に秘かに配置していた埴輪から、1人の美しい女性が穏やかな表情でその営みを眺めていた……




多分こうやって、ガイア連合の勘違いが彼等の用な人達が広めてしまっているんでしょうね

因みに彼等はLv5とLv4の兄弟です
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