カオスなメガテン世界で頑張る土師さん   作:名無しの土師

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またまた遅れてしまい申し訳ございません

掲示板ネタ思い付かず、引き続き通常版です


第27話

 季節が巡り木々の葉が散り冬の兆しを迎えた今日この頃、九龍城砦の運営が順調に進み、異界 旧『中華街裏路地大迷宮』の安定化に成功、異界内に施設完成したという旨を聞き、ガイア連合の職員との打ち合わせに参加する事になった

 参加するのは俺と袿姫様、それと頻繁に外出する袿姫様の侍女兼監視用に新たに仲魔になった中級式神、『鈴木さん』を連れて参加することなった

 

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「──というわけで、現在土師様専用に建てられたこの支部の異界内出入り口に建てられたこの施設にて複数の施設を建設致しました! 

 陶石、長石、異界の土を霊的素材専用特殊粉砕機及び、大型プレス機によって一定の品質の粘土を精製する事が可能となった製造所、不純物及び廃棄物を管理・無毒化する破魔式特殊浄化槽、異界内にて作業する式神・埴輪専用の待機棟……そして一番重要な、土師様と袿姫様専用のアトリエの設置! 

 本日を持ちまして、遂に完成致しました!」

 

「おぉ……!」

 

『まぁ……なんて素晴らしいのかしら!!』

 

 中華街の側に建てられたガイア連合所属のとある雑居ビルにて、俺は目の前に座るスーツを着こなした土木課職員である男性から、その報告を受けていた

 そして俺の隣に座っている袿姫様も、提出された書類を読み込みながら感嘆の息を漏らしていた

 

『まさかこんな短期間でそこまで出来るようになるとは……ガイア連合の力は凄まじいわ……』

 

「ありがとうございます! これで埴輪製造にもっと力が入ります!」

 

 それを聞いて、土木課の職員さんは嬉しそうに笑みを浮かべた

 

『それにしても……悪魔がそこら中にいて、人が住めないような異界なのに安定化させ、更にはこれ程の巨大な施設を建てるなんて……一体どうやったらそんなことが出来るのかしら?』

 

「ははは……もちろん企業秘密ですw」

 

 そう言って、土木課の職員さんは侍女型式神の鈴木さんが注いだお茶を口に含んだ

 

 そんな彼の隣には、これまた別の職員さんが資料を手に説明を始めた

 

「土師様のご要望通り、工房の警備の為に新たに中級式神の『狛犬』『ツチグモ』それとショタおじ様製作の特殊大型式神『シキオウジ』の三体と契約していただきました」

 

「はい、ありがとうございます」

 

『ふむ……この子達なら安心ですわね……』

 

 そう言い、俺は机の上に置かれた二体の式神についての資料を確認した

 一匹は白い毛並みと黄色い瞳を持つ大きな犬の姿をした体長一メートル程の『狛犬』と呼ばれる中級式神、もう一匹はその背中に乗る事ができるほど巨大な黒い蜘蛛のような姿と大きな顔を宿した全長3~4メートルの巨躯を誇る『ツチグモ』という中級式神だった

 どちらも戦闘能力が高く、主に拠点の防衛や索敵等の任務をこなす事ができ、何より知能が高いため命令通りに動いてくれるのでとても便利だ……特にツチグモに関しては見た目とは裏腹に高い隠密性を持っている為、敵に発見されにくいのだそうだ

 しかも敵が近くにいれば気配を感じ取って施設へと知らせてくれるらしいので、非常に頼りになるだろう

 

「そして土師様にお渡しする埴輪の製造に必要な設備なのですが……」

 そう言うと、職員さん達は一枚の大きな紙を広げた

 そこには施設内の見取り図が描かれていたのだが……

 

「えぇっと……これは?」

 

「はい、土師様のご要望を元に作成した施設の内部構造になります」

 

「あ~成程……つまり、この施設の中で埴輪を製造する事が出来るんですか?」

 

「はい、その通りで御座います」

 

「へぇ……中々広いですね……それに幾つか部屋毎に区画分けされているみたいだし……凄いなぁ……」

 

「ありがとうございます……土師様の仰られた『埴輪製造工場』については既に完成し、現在は旧アトリエ地区から荷物の搬入をしております……こちらはサービスとなっております」

 

「おぉ! それは有り難い……!」

 

 どうやら俺の要望通りの工場が出来上がっているようだ……

 

『流石はガイア連合の技術力といった所かしら?』

 

「うん、本当に凄いよなぁ……さて、じゃあ次は……ん? 何ですかコレ?」

 

 俺は施設の詳細が書かれた資料を見ていて、気になった箇所を見つけた

 

「あぁ、それは先日袿姫様が希望を申された『巨大ハニワ型決戦兵器』を作るために必要な部屋を記載している場所になります」

 

「……はい? ハニワ型決戦兵器……?」

 

「えぇ、土師様がショタおじ様に以前申されていたアレです」

 

「……マジすか?」

 

「大マジです、それに現段階でも既に大型の埴輪を作っておいででしょうし、参考として袿姫様からの指導の元、設置致しました」

 

「あぁ……確かに作ったけど……彼等ウイスピーウッズ型達は中型だし、異界『パンクハザード』のウイスピーウッズは事故で巨大化したのですよ?」

 

 俺は資料に目を通しながら首を傾げた

 

「いえ、ショタおじ様と袿姫様曰く、土師様にはもうそれ程の力があるとの事でしたので……是非とも土師様の手であの大型埴輪を量産していただきたいのです!」

「それと、建築予定地の整地作業を手伝って下さった特殊大型埴輪、それをこちらで使ってみたいと思いまして、出来れば何体か購入させていただけないかと思いまして……」

 

「そうですか……」

 

 俺は職員さん達の熱い眼差しを受けながら、その資料を見つめた……まぁ、別に良いんだけどね ……でも、まさかそんな埴輪を購入希望するとは思わなかった……

 

 異界内に俺のアトリエを建築する事になったのは、ショタおじと袿姫様もとい『イナルナ姫』様とのケンカによる二次被害を防ぐためである

 本来であれば高レベルの悪魔が闊歩する異界であったが、ショタおじによる超広範囲の爆撃により異界内の中華街エリアは瓦礫の山、青かった巨大湖は茶色く濁り、中央の古墳は廃墟になっていた

 現在は袿姫様の本体である『イナルナ姫』が奈良の大仏の施工を参考にして作り上げた作業用特殊大型埴輪(力士)達によって、異界内のアトリエを建設する予定の場所の整地作業を済ませ、その後すぐに埴輪製造工場の建設を開始したのだが……でも、まさかそんな埴輪を購入希望するとは思わなかった……

 

「え~と……分かりました……少々お待ちを……」

 

 俺は資料を見ながら考え込んだ……確かに、あの埴輪達を作るには例の施設を使えばかなりの工程を簡略化出来るし、拘束時間はそれ程にないから製造は可能である……

 しかし……

 

「……あの~、一応確認したいんですけど……あの埴輪達には整地としての用途しか想定していない性能なので、戦闘用スキルは本当に必要最低限の能力しか持っていないのですが……」

 

 俺の言葉を聞いて、職員さんは笑みを浮かべながら大きく何度も首肯いた

 

「えぇ、勿論承知しております

 そもそも我々が希望する埴輪には最初からそのような機能は不要と考えております」

 

「そうなんですか?」

 

「えぇ、我々ガイア連合土木・建築チームはあくまでも土木工事や建築を主目的としております。そのため、戦闘用の式神・埴輪は必要でありません」

「そもそもショタおじ様から頂いた高級式神がいれば建築中に襲ってくる悪魔はどうにかなりますしね」

 

「成程……それでしたら大丈夫ですね」

 

 俺は大きく安堵の息を吐き、資料を机に置いた

 

「では早速、注文させて頂いても宜しいでしょうか?」

 

 俺は職員達の声を聞き、隣にいる袿姫様に目を向けた

 すると彼女は俺の目を見て微笑むと、

 

『別に構わないわ……それに、もう何体か作ってみたいし』

 

 と言ってくれたので、土木課の職員さんに向かって言った

 

「分かりました。では後日にでもこちらに送らせて頂きますね」

 

「おお! ありがとうございます!!」

 

 土木課の職員達はとても喜んでくれたようで、席から立ち上がると、深々と頭を下げてお礼を言ってきた

 

「本当にありがとうございます! これで我がチームの組織評価も上昇間違い無しですよ!! 」

「いやぁー、いい取引が出来ました!」

 

「そう言って貰えると此方としてもとても嬉しいです」

 

『ありがとう、私達の子を求めてくれて……』

 

「「はい!?」」

 

「っちょ、袿姫様!?」

 

 俺は突然とんでもない事を口走った袿姫様の言葉を聞いて慌てふためき、そして彼女を止めようとしたが、時既に遅し

 

「え? はい? 埴師様、今……何と仰いました?」

「もしかして……埴輪製造が独占状態の真の理由が……?」

 

「あぁ……しまった……これじゃあ……」

 

『ふふ……どうやら、彼等は勘違いしているみたいね……』

 

 そう袿姫様は呟くと、俺に顔を向けながらニヤリと笑い、妖艶な唇をゆっくりと動かした

 

『ねぇ、土師……』

 

 俺はその頭の奥に不思議と響く言葉を瞬間に、全身から冷や汗を流しながら目を逸らす事無く、ただ固まっていた

 袿姫様はまるで誘うかのように俺の名を呼び、妖しく微笑んだ……そして……

 

『私の事、欲しい?』

 

「うぉぉぉい!!!???」

 

「え? あ、あの……土師様? 何を叫んでいるのですか……?」

「しかもいきなりイチャイチャしているぅ!!? これってまさか……!!」

 

「あぁ、すいません! ち、違います! ……誤解です、誤解!!」

 

 俺は袿姫耳元で囁かれたその言葉に思わず叫び声をあげてしまった すると職員さん達は驚愕も表情を浮かべていた……

 そんなあたふたとしている俺の姿を見て、袿姫様は上品に笑い、 そして言った

 

『あらあら、冗談よ冗談w

 全く反応が面白いわね』

 

「うぅ……もう、勘弁して下さいよぉ……心臓止まるかと思ったじゃないですか!!」

 

『フフッ、ごめんなさいね』

 

 俺は自分の顔が熱くなるのを感じながら彼女を睨み付けたが、当の本人は気にする事も無く面白おかしそうに笑っていた……

 なんとか土木課の職員達から誤解を解き、埴輪の販売手続きを終える事が出来、商談が終わり……

 

「で。では、私達はこれで失礼します!」

「これからも我々土木課チームの御利用をお待ちしております!」

 

 そう言うと、土木課の職員さんは早足に立ち去っていった

 その後ろ姿を見送った後、俺達は数分か数十分部屋で休憩してから部屋を出ることにした

 

「さてと、そんじゃあ俺達も出るか」

『ええ、そうね』

 

 俺は軽く伸びをしながら呟き、袿姫様は貰った資料を侍女型式神に手渡しながらそう呟いた

 そして袿姫様と一緒に席から立ち上がり、軽く片付けを済ませてから施設を後にした……

 

 

 

 施設の外に出ると、辺り一面には人通りが多く、活気のある街並みが広がっていた

 ちなみに今日袿姫様は、いつもの埴安神 袿姫としての服装ではなく、黄色いセーターと翡翠色のロングスカートを着込んだ上品な姿で来ている

(いつの間に買ったことやら……)

 そんなことを思いながら、俺は隣を歩く袿姫様の横顔を見つめていた

 

『あら? どうしたの?』

 

 視線に気付いた袿姫様が首を傾げながら尋ねてきたので、俺は慌てて目を逸らす

 

「い、いや何でもないです……それより、この後どうしますか?」

 

 俺は誤魔化しながら尋ねると、袿姫様は顎に手を当てながら考え込む仕草をした

 その表情はとても美しく、仕草一つ一つが優雅で思わず見惚れてしまうほどだった

 

『う~ん……今日は特に予定はないのよね……土師の仕事依頼も昨日のうちに終わらせたし、新施設の方も機材搬入の為に明日まで作動しないだろうし……』

 

 そう言いながら、何か良い案は無いかと考えている様子だった そして数秒ほど思考した後、ふと近くに設置してあった時計を見てポンッと手を叩いてこう提案してきた

 

『あっそうだわ! ねえ土師、食事をしに出掛けましょうよ! ちょうど昼頃だし! 

 それに私、娘々店行ったことないから気になるわ!』

 

「え? 食事ですか……?」

 

『ええ、そうよ……土師の行きつけのお店でも良いし、どこか別のお店がいいならそれでもいいわ……でも私、娘々店行ってみたいわ! 

 だからお願い! 一緒に行きましょう?』

 

 そう言って、手を合わせて懇願してくる その姿はまるで子供のように無邪気で可愛らしく、とても断れる雰囲気ではなかった そしてそんな風に頼まれたら断るわけにもいかない なので俺は、諦めたようにため息を吐きながら答えた……

 

「えっと……別に構いませんが……」

 

『ありがとう! こうして2人で食事なんてだってこんな機会滅多にないもの……それとも駄目かしら?』

 

「い、いえ……そういう訳ではありませんが……まあ、いいでしょう

 あ、護衛の式神はどうします?」

 

『大丈夫よ、今連れている侍女型の方は今日は1人にさせておきましょう……たまには羽を休ませることも必要だもの』

『連れて行くのは……あの外道が作った物だけど、汎用型のを懐に忍ばせて行くわ……あの性格の悪い蟲型のは論外だけど……』

 

「はぁ……分かりました

 あの蟲型は料理店に連れて行くのは色々と不味いですからね……」

 

『無駄に高性能な分本当に癪に障るわ…………それじゃあ早速行きましょう』

 

 そう言って、1人先に歩き出す

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

『ほら、早く行きましょう? 

 鈴木さん、それでは行って参りますので』

 

『了解いたしました、行ってらっしゃいませお嬢様……』

 

 そう言って鈴木さんと別れ、楽しげな足取りで前へと進んでいく……

 

「全く……仕方がないですね……」

 

 俺は苦笑しながらも、そんな袿姫様の後を追いかけて娘々店に向かって共に歩いていった……

 

 ちなみに、店の主である青娥さんが、何故か今日やたらと話し掛けてきたのはなんだったのだろうか? 

 しきりに部屋の隅のお香と困惑している袿姫様と目を合わせていたのは気になったが……




 青娥さんが焚いていたお香は色々と気分が高騰してしまうお香であった筈だったのですが、主人公の状態異常耐性の前ではただの不思議な匂いのするお香に感じていましたw
(袿姫様と青娥さんは、主人公の状態異常耐性の高さを見誤っていた模様)


 ちなみに袿姫様が何でこのような行動を取った理由は、生き遅れである主人公(縄文時代観)が枯れていないか、男色趣味でないかを確かめる為に行った模様
 (あくまで主人公に対しての思いは師弟関係兼大切な孫みたいな関係です)

以下新埴輪ステータス

★『造魔』作業用特殊大型埴輪 埴輪(力士) Lv20

 ステータス 『体・力特化型』(速貧弱)
 耐性ー物理 
 弱点ー衝撃 

 スキルー暴れまくり ディア
     チャージ 獣眼
     一分の活泉

 耐性 無効 毒 魅了 虚弱 病 睡眠 
    弱点 呪い

 解説
 イナルナ姫の手により造り上げられた埴輪の一体
 箱根の大仏を見た事によるインスピレーションを受け衝動的に造り上げたという経緯を持つ
 低レベルかつスキル数が少ないがその巨体から放たれる一撃は強力
 しかしその巨体ゆえ異界から出せる事は出来ず普段は異界内の整地作業に務めている

 後に開発される同族達は各パーツに分解出来るという改善案が出される模様
(尚体力が低下するが少し早くなる模様)

 尚、土木チームに購入された個体達は大切に扱われている模様



以下おまけの式神ステータス
★『妖鬼』汎用長身長髪美乳個体「鈴木さん」Lv5

 ステータス 『体・魔型』
 耐性ー物理 電撃
 弱点ー衝撃 

 スキルーグラム・カット ディア
     シバブー マカジャマ
     スクンダ 

 耐性 無効 魅了 病 睡眠
    弱点 毒 麻痺

 解説
 モブ顔専な式神師が造り上げたモブ顔シリーズの一体
 モブ顔好きである製造主のこれでもかとモブ要素を注ぎ込まれた人気の式神
 そのモブ顔による存在感の薄さ故に様々な現場で活躍している

 

 

 

 尚、制作者にいかにモブ顔が素晴らしいかを答える事ができたらモブ顔●●●●ボディを特別に制作して貰えるとか何とか…

★『聖獣』狛犬(中級式神) Lv25

 ステータス 『速・技型』
 耐性ー物理 破魔 電撃

 スキルーバインドクロー アクセルクロー
     狂いかみつき ファイアブレス
     マハンマ   吸血 
     吸魔     獣眼

 耐性 無効 魅了 病 睡眠
    弱点 呪い

 解説
 式神製造チームが造り上げた拠点防衛用式神
 Lv25とは思えない程の大量のスキルと耐性
 拠点入り口の門番としての運用を目的としている

 彼等の毛並みは制作者の熱意の大半が込められている
 特にこだわりは尻尾のフサフサ加減とかて

 ★『地霊』ツチグモ(中級式神) Lv35

 ステータス 『力・魔・運型』
 無効ー呪殺
 耐性ー氷結 電撃 破魔 

 スキルーポイズンクロー タスラムショット
     マハジオンガ メギド
     エナジードレイン マハンマ
     メディラマ マカジャマ

 耐性 無効 毒 魅了 病 睡眠

 解説
 式神製造チームが造り上げた拠点防衛用式神
 元となったツチグモをベースに魔改造されている
 中レベルとは思えない程の大量のスキルと耐性
 拠点周辺の巡回としての運用を目的としている
 色々と強力なスキルを内包している
 噂ではショタおじ製のは滅茶苦茶強いそうだ…
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