カオスなメガテン世界で頑張る土師さん   作:名無しの土師

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少し時間がかかってしまいましたが、何とか投稿しました

主人公のオフ会前日譚です


第3話

 ある夏の土曜日の朝、俺はスマホから鳴り響く着信音と母さんからの声で起床した

 まだ意識がはっきりとしていない頭を母さんに布団を剥ぎ取られることで無理矢理覚醒させられた俺はスマホの着信を確認することにした

 どうやら着信音の正体はメールの着信であり、画面には転生者仲間である学友の友人からメールを受け取った事が記されていた

 朝早くのメールで少し機嫌を悪くしたが、メールには『緊急連絡』との文字があった

 その文字を見て何かあったのではないかと先程までの怒りを忘れ、冷静にメールの内容を確かめる事にした

 

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 From…………

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 To…………

 ────────────────────────

 件名『緊急連絡』

 ────────────────────────

 

 能力について分かった

 そしてこの世界のことも

 今すぐに来て欲しい

 場所は俺の部屋で

 

 ────────────────────────

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 受け取ったメールには集合場所が彼の部屋で、今すぐにでも来て欲しいとそこには書かれていた

 

 いきなりのことで驚いた俺は母に友人に呼び出された事を伝え、急いで寝間着から制服に着替えることにした

 それから数分もしないうちに着替えが終わった俺は、学生証定期入れが入ったスクールバックを肩に背負い彼の元へ行こうとした

 

 そのまま家を出ようとした所母さんに呼び止められ、「何? 母さん」と声をかけたら

 

「創太、朝食持っていきなさい」

 

 と言って、弁当を渡してきた

 この短時間にわざわざ弁当を渡して用意してくれた母さんに感謝しながら

 

「ありがとう、行って来ます!」

 

 と言って彼の住む学生寮に向かう為に駅へと向かうことにした

 

 

 電車で揺られること30分、俺は彼が滞在している学生寮の前にいた

 その建物は学生寮というよりもマンションと言って良い程の巨大である

 彼の住んでいる学生寮はとても設備が整っており、

 和洋中のたくさんのメニューを選べる大食堂

 何でも揃っている購買部

 大きな風呂に蒸気サウナ

 ゆったりくつろげる休憩室

 学生無料のランドリー

 飲み物の他にカップヌードルとお菓子も買える自動販売機

 部屋には椅子、テーブル、ベッドとパソコン付き等

 まるでホテルみたいな学生寮であった

 

 何でもこの学校、『月詠学院高等部』の創立者が転生者らしく、家に居づらい学生転生者の為に態々私財を投じて建設させた学生寮らしい

 その為。外に出なくても過ごせるように色々と詰め込みすぎて日本でも有数の設備が整った学生寮として世間を賑わせている  

 それによって入試の倍率が急増して、入学出来なかった転生者が続出してしまったらしいが……

(掲示板では学生転生者が入試の問題と答えを教えろ等勉強しろ等の転生者同士のレスバトルによる炎上祭りが起こったらしい)

 

 学生寮についた俺は待合室の受付で学生証を提示して入場した後、俺はエレベーターで彼の住む部屋まで移動した 

 彼の住んでいる階は居住区画のフロアで主に俺達転生者が多く住んでいる階層である

 その階は他の階とは違い全部屋のパソコンが高性能パソコンだったり、共有スペースには各種ゲーム機本体とカセットが充実しているらしい

(なんでも過去の転生者学生達から後輩転生者達への置き土産だという)

 しかし本来であれば普段は転生者同士の話し合いや、カードバトルやゲーム大会等で騒がしいはずなのに、今日はとても静かであった……

 良く見ていると共有スペースのテレビは起動したままの画面になっていたり、床には漫画が散らばっていたりとなんだか様子がおかしかった

 少し不気味に思いつつ、俺は彼の住んでいる部屋へと足早に向かった

 

 

 友人の住んでいる部屋の前についた俺は、彼の部屋の前に備え付けられている呼び鈴を鳴らして来たことを伝えた

 程なくして彼から部屋にあがるよう指示を貰い彼の部屋へ入ることにした

 部屋にいた彼は少し憔悴した様子であった為、何があったのか声をかけた

 

「おいおいどうしたんだ?」

 

 彼は学校の学生転生者の中でもいつも元気で普段は明るい性格の持ち主である

 しかし今日の彼は良く見ると何か動揺している様子がわかった

 何があったのか聞こうとする前に彼が俺に話しかけてきた

 

「土師いらっしゃい、突然で悪いんだけど今から話す事を聞いて欲しい」

 

 そう言い彼は、今転生者達の間で話題となっているとあるスレッドについて説明してくれた

 

 そのスレッドには

 この世界が『女神転生』の世界であると言う事

 特殊な能力を持つ『覚醒者』と呼ばれる存在の事等

 様々な事がそこに書かれていたらしい

 

「この世界が女神転生の世界…………ゲームの世界だって……?」

 

 思わず呟いた俺に対し、彼は霊視能力に目覚めた霊視ニキについて教えてくれた

 

「掲示板に書かれていることが本当なら、土師のその異常な埴輪生成能力も覚醒で得た物なんじゃないかな」

「そうなの……かな?」

 

 彼曰く霊視ニキが霊視能力を獲得する際、メシア教と呼ばれるカルト団体に拉致、そして拷問モドキによる痛みと苦痛によって覚醒したらしい

 そのまま彼の話しは続いた

 

「スレによると霊視ニキはメシア教の拷問モドキで覚醒したらしい

 だけどそうなると土師の場合は何なのか気になるんだよね?」

「え? どう言うこと?」

「だって、霊視ニキはメシア教によって拷問されたらしいけど、土師は一体『誰』に『何を』されたのか分からないじゃないか」

「あ……」

「それに前世の記憶もどうしておぼろげなのか、『何が』原因なのか未だに判明してない事も気になるんだよね」

 

 そう言えばそうだった……

 俺は何であの時痛みで苦しんでいたのだろうか……

 そのまま彼は話し続けた

 

「そして土師は能力を2つ持っている事も気になるんだよね」

 

 そう言われて俺は驚いた

 

「え、俺2つも能力を持っているの!? 」

「おいおい……自覚していなかったのかよ……

 まず1つは創作する際のブーストと何でも埴輪にする呪いみたいな能力」

「呪いって、おい……」

 

 呪い扱いって、そこまでかよ…… 

 でも……まぁ、確かに? 

 どうしても顔が埴輪になるんだけどね

 最近埴輪顔も良いかな~って思っているよ? 埴輪顔

 でもそれが覚醒能力って……そりゃないよ……

 

「そしてもう1つは土師が小学生の頃、病院で苦しんでいた時の痛みを消すもしくは無効にする能力だと思うんだよね」

「…………あの時か……」

「昔を思い出させるようなことを言って悪いけど、そうだとしたら辻褄が会うんだよ」

 

 思い出さないようにしていたが、確かにあの嫌みが急に無くなるのは本当に突然だった……

 

「つまり……俺は覚醒で同時に2つも能力に目覚めたのか?」

「でもそれはおかしいんだよね……」

「何だって?」

「見て欲しいのは霊視ニキの他にも覚醒しているスレがあるんだけど、得られた能力は1人1つ、いきなり2つ手に入った人はいないんだよ」

 

 じゃぁ、俺のこの能力は何なんだろうか……

 覚醒した時に得た能力はどっちなんだろうか……

 ……出来れば無効能力であって欲しい……

 悩んでいると彼が声をかけてきた

 

「落ち着いて聞いてくれ……」

「え?」

 

 そう言いながら彼は閉じていたウインドウを立ち上げ、とある雑談掲示板を開きながらとんでもないことを口に出した

 

「東京で大破壊と呼ばれる現象が遅くとも十年以内に起きるらしいんだ」

「……は?」

 

 耳を疑った……

 気のせいだと彼を見ていたら真剣な表情で1つのスレッドを見るように促した

 そのスレッドには転生者同士の雑談をする為に利用される雑談するサイトであり、そして話題の人物デビルサマナーの建てたスレがあった

 

 震えた手でマウスを掴み、意を決してスレを閲覧することにした

 

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 ・

 

 ・

 

 ※(スレ閲覧中)

 

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 ・

 

 そうしてスレッドの閲覧を終え、今自分達の置かれている状況を認識した

 女神転生とはどんなゲームか……

 メシア教の闇

 天使と悪魔の恐ろしさ

 そして大破壊による終末を

 

「…………マジかよ」

「あぁ、最初は嘘だと思いたかったが、メシア教が実際にこの世界に存在しているんだ、デビルサマナーの言うにはこのままだと大破壊が原因で世界が滅びてしまうらしいんだ」

「なあ、最近テレビでは報道されていないのに地方掲示板のスレで行方不明者や変死が多発しているのって……」

「十中八九霊地活性化による悪魔出没が原因と隠蔽工作だろうな」

「…………」

「悩んでいる所悪いんだけど1週間時間開けられないか?」

「え?」

 

 そう言うと彼は1枚の紙を手渡した

 

「これは……『富士山覚醒体験オフ会』?」

 

 そこには富士山のコテージで集まるオフ会について書かれていた

 参加メンバーには友人と俺の名前が記載されていた

 

「実は土師の分も応募していたんだ」

「いつの間に……」

「もしかしたら俺達転生者が覚醒をして強くなれば、大破壊に向けて対策が出来るのかも知れない!」

 

 そう言って彼、武田 勇人(たけだ ゆうと)は俺に手を差し伸べた

 

「俺と一緒にオフ会参加してくれないか? 

 そして俺と土師の家族を守ろう!」

 

 彼は覚悟を決めた真剣な表情でそう言った

 

 俺は彼の手を掴み、立ち上がりながら自分の意思を言葉にした

 

「おぅ! 

 お前と一緒なら何でも頑張れそうだぜ!」

 

 そう伝えたら彼は嬉しそうにしていた

 

 

 お互い心構えを伝え終わったら何だかお腹が空いてしまい

 武田と共に朝食をとることにした

 学生寮に住んでいない俺は食堂で食べることが出来ないので、彼の部屋で食べさせて貰うことにした

 武田は快く部屋で食べる事を許可して貰い共に食べることにした

 

 武田と共に自動販売機へと向かい、俺は緑茶とインスタント味噌汁を購入し、武田はビッグサイズの惣菜パン2個とコーンスープを購入していた

 部屋に戻った俺達テーブルの上にお互いにの朝食を広げて食べることにした

 スクールバッグから母が入れた弁当袋を取り出すと、何故か大きかった

 疑問に思い、母さんの作った弁当を袋から取り出して見てみるとなんと二人分入っていた

 中身はおにぎり3個とラップで包まれたサンドイッチ2つの弁当であった

 おにぎりには梅入りであり、サンドイッチはレタスハムチーズであった

 幸い今は朝というより昼に近い時間帯で、お腹が空いていた俺達は全部食べきることができた

 武田とおにぎりとサンドイッチどちらが食べるか少し揉めたが最終的にじゃんけんで決めることになった

 

 何故だがじゃんけんで武田が全勝してしまい、武田がおにぎり2個と惣菜パン1個と俺がおにぎり1個とサンドイッチ、惣菜パン1個になってしまった

(パンが多いから味噌汁とコーンスープを交換して貰えた

 じゃんけんに負けて悔しかったが、武田が久しぶりのお袋の味にとても嬉しそうに舌つづみしているのを見て少し嬉しかった

 

 その後俺達は今後の事を話し合い、お互いオフ会の為に準備に入ることにした

 

 

 家に帰った後、母さんに武田と一緒に弁当を食べたことを伝えたらとても嬉しそうにしていた

 

 そして父さんが家に帰った夕方に家族会議を行い、女神転生の事と、覚醒者の事をなるべく伏せて、オフ会に参加したい事を伝えた

 そしたら母さん達から

 

「あら、もしかしたら素敵な人を見つけられるかもね」

「同じ境遇同士、仲良くなれるかもな」

 

 と少しからかわれた後、

 

「1週間いってらっしゃい」

「明日電車のチケット用意しないとな」

 

 と言ってくれた

 今日は衝撃的な日だったが、絶対に忘れられない素晴らしい思い出になるだろうと感じた

 

 

 

 

 

「あ、静岡に行くんだったらお土産よろしくね」

「静岡といったら何が名物なんだ? 

 スパムだっけ?」

「ちょっとおとうさん、スパムは沖縄! 

 創太、お土産代も渡すから何か買ってきてね! 

 勿論静岡茶を忘れずにね!」

(あはは……)

 この幸せ、絶対に守らないとな……

 ────────────────────────

 

 

 

 勇人との話し合いの後、オフ会に参加するために急いで文化祭展示用の作品の仕上げ作業を行っていた。

(因みに武田は実家へと帰省している)

 

 俺が高校生活最後に作る作品は、二宮金次郎の埴輪バージョンである

 高校最後で悔いの無い作品に仕上げるために、最後の調節を気合いを入れて作業を行った

 

 

 数時間かけて、ようやく埴輪を完成した

 作り終えた埴輪はまだ焼き上げは終わってはいないが、とても満足のいく形になった

 粘土製の大きな身体と複雑な模様を拵えた服

 木の束を背負う身体を支えるどっしりとした足

 もちろん顔は埴輪フェイスだが、埴輪顔でも親しみやすい表情に仕上げられたのは嬉しかった

 そして二宮金次郎の手に持つ本も粘土製にしたのは遊び心である

 髪型はあえて美豆良(みづら)にして、服装はヘラと網み縄で細かく模様を着けた

 仕上げたこの埴輪はとても出来栄えが素晴らしかった

 特に大変だったのが身体のバランスで、背中に背負っている薪束と身体を支えるために巨大な埴輪になってしまったが、ギリギリ業者の方の仕上げを行える範囲に留めることに成功した

 

 後は細かな調整と形成を終えて後は先生を呼んで、専門の業者に頼んで素焼きして貰うだけなのだが……

 

 

 ……ふと思い付きで埴輪の二宮金次郎の持たせる本に

「悪霊退散」

「校内安全」

「無病息災」

 と見えない所に木ベラで書き込んだ

 そして埴輪の前に立ち、手を合わせながら呟いた

 

「埴輪よ埴輪、埴輪の二宮金次郎よ、どうか俺が過ごしてきた思い出溢れる学校をどうか守っておくれ……」

 

 この世界が女神転生の世界だとわかり、せめてもの願掛けとして作り終えた埴輪に学校を守って欲しいと祈り、願った

 祈り終わった後、先生に埴輪が完成したことを伝え、学校での用事はなくなった俺は、帰宅する事にした

 

 後武田と共に富士山に向かう準備に取りかかることにした

 持っていく物は何にしようか……

 製作道具も持っていこうかな? 

 それとデビルサマナーさんに何か差し入れしようかな? 

 それと……

 

「……母ちゃんに相談しよう」

 

 

 

 

 ────────────────────────

 学校の完成前のとある掲示板にて

 ○転生者 雑談スレ その○○

 

33:名無しの転生者

 というわけで

 念願の俺の考えた最高学校を建設するぜ! 

 というわけで安価>>53

 

37:名無しの転生者

 やっぱり

 私立桜が丘女子高等学校だろ

 

49:名無しの転生者

 まともな校舎名が来るかな? 

 時定高校

 

52:名無しの転生者

 巡ヶ丘学院高等学校

 

53:名無しの転生者

 私のおすすめ

『月詠学院高等部』

 

54:名無しの転生者

 夜見山北中学校

 

58:名無しの転生者

 あっぶねぇ! www

 

61:名無しの転生者

 >>53で良かった……良かったのか? 

 

62:名無しの転生者

 >>少なくとも>>52 >>54よりはましだろ

 

63:名無しの転生者

 >>52 >>54の殺意が太すぎるっピ!! 

 

64:名無しの転生者

 とりあえず>>33、良かったなw

 

65:>>33

( ゚д゚ )

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回も少し時間がかかります
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