カオスなメガテン世界で頑張る土師さん 作:名無しの土師
中部静岡の熱海城……この建物は、静岡県熱海市の錦ヶ浦山頂に建てられ、市街地や南熱海を一望できる有名な観光施設となっている
城郭は歴史的に実在したものではなく、19◯◯年に建てられた鉄筋コンクリート造建築である、天守閣“風”建築物である
そんな建造物から異界出現の報告を受け、我々ガイア連合異界探索チーム(転生者と現地人の混合チーム)は異界発生時に取り込まれたであろう数名の現場スタッフを救出した
しばらくして比較的早く気絶から回復した現場スタッフの二人に聞き取り調査を行っていた
「つまり……貴方達は、この熱海城で展示品の搬入の仕事をしていたら突然変な光に包まれて……気絶していたと?」
「は、はい……そうです」
「私も彼と同意見です」
一人は何があったのか覚えて様子であり、もう一人の方は何かに怯えながらも必死に答える様子が伺えられた
「成る程……◯◯さん、何か覚えていることは?」
リーダー格の男性転生者が、比較的落ち着いている初老の男性に問いかけると彼はゆっくりと口を開いた
「私には何がなんだか……申し訳ございません、私にはあの日の事丸一日……何一つ何も覚えていません……」
「そうですか……✕✕さん、あなたは?
何か覚えていますか?」
もう1人の女性スタッフは、ひどく怯えてながら答えていた彼女は少し間を置いてからゆっくりと答えた
それはまるで何かを躊躇っているように そしてその顔からは、先ほどまでの恐怖とは違う感情があるように見えた
悪魔に何かされたのか? しかし外傷は特に無く、呪いや状態異常の類いはアナライズによる簡易検査には何も異常はなかった筈だが……
彼女は震えた声で話し始めた……
「わ、私……あの時、私達は週に一度の展示物の搬入作業をしていただけで……
そ、その時……妙な声が聞こえた気がします……」
「!! …………声? どんな内容ですか?」
俺は、彼女に近づき耳を傾けた……すると彼女は絞り出すように、恐ろしさを思い出しながら語り出した
「えっと……よく分からない男性の声……それも、かなり歳をとった老人のような声を聞いたような……でも……あんな声、人間が出せる声じゃない!!」
「そ、そうなのか!? ✕✕君!」
「う……うぅ……」
「なるほど……(この女性、もしかして……)……無理の無い範囲で良いです……他には何か気付いたことはありませんか?」
「あ……あぁ! そういえば、その光を見た直後に、意識を失う前に……その時に私はナニか見たんです!!」
彼女が急に大声を出した為、現場スタッフの男性が驚くなか彼女は俺の手を掴みこう言ったのだ
それは、予想通りの言葉だった それは彼女の目を見て分かったからだ……彼女の目は正気を失いかけていた
まるで化け物を見たかのように、焦点が合っていない瞳孔を見開いた状態で俺に助けを求めるように掴んだ手を離さなかった。
彼女にとって、それがどれだけ恐ろしい出来事であったかを物語っていた……
「✕✕君……?」
「あ、あり得ないですよ……あり得ない!!」
「落ち着いて下さい✕✕さん!
ここは安全です!」
「救護班! 彼女にディスチャームを!」
彼女は錯乱状態に陥り自傷行為を行ってしまった為に、俺は直ぐ様拘束した
彼女はまだ錯乱しているようだったが、彼女の上司である◯◯さんの声掛けと、ディスチャームにより落ち着きを取り戻し始めた……
やがて彼女は冷静さを取り戻し、話し始めた……
「すみませんでした……」
「大丈夫ですか? 落ち着いたみたいですね」
「はい……」
「では……お話を聞かせてください」
「はい……」
その後、彼女はポツリポツリと語りだした……
それはまるで壊れたラジオのように断片的な記憶でしかなかったが、確かにそこにあった事実を話してくれた
彼女は語った……熱海城にて展示されていた"アレ"を……海外から仕入れた卑猥な絵画から出現した“悪魔”達が、フロアに展示してあった春画に群がる様子を……
「……は?」
「春画に群がった?」
「えぇ……そこまでが私が覚えている最後の記憶です……」
「あり得ないでしょう?
こんなこと……」
「い、いえ……」
(これは……下手すると不味いかもしれないな……)
俺は彼女の言葉を聞いて、真っ先に思い浮かべたのが夜魔……『夢魔』の存在である……
彼らは人間の女性の寝込みを襲い、夢の中で性交を行うとされているが……まさか絵画から出現するとは……
しかも今回の場合は、恐らく複数の夢魔が出現をしている可能性が高い……
そう考えれば、あの時聞こえた老人の声の正体は……
そんなことを考えていると、他の現場スタッフも騒ぎ出した……どうやら目を覚ましたようだ 彼等にも事情を聞く必要があるだろう……
それから暫くし、我々ガイア連合異界探索チームは、救助した数名の現場スタッフを再び眠らせ、熱海城の調査を後にするのであった……
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「はっはははは!! 流石はガイア連合の所属メンバー……彼らにかかれば悪魔共では相手にもなりませんか!!」
「ガイア連合……装備から霊具までどれも一級品……こんな我でも依頼攻略に役に立つ日が来るとは……」
「そうねぇ〜……ここで頑張れば依頼量が貰えるし、組織からの評価が上がる……ふふふ……」
「そうだな……今回はあの根願寺共からも色々と評価されるしな……だが油断するなよ? 奴等は海外悪魔の夢魔……狡猾だからな?」
「そんな格好で言っても」
「「「お前もな!」」」
異界入口付近にて……アニメキャラのような露出の激しい巫女、女侍衣装で女装した筋骨隆々な武士、物質輸送のために三体の埴輪を従えている老人、ガイア連合特製(外様専用)のパソコンに何かを打ち込みながら白衣を身に纏った陽気な若い男性、様々な出自の男女4人組が門番をしていた……
女は何かを企むように妖艶な雰囲気を醸しながら笑い、筋骨隆々の男は警戒するように周りを見ていた
男の言葉に反応するように、女の肩に止まっている啄木鳥(下級式神)は鋭い嘴をカチカチと鳴らしていた……
そして、若い男は異界で得た様々なデータを纏める作業に没頭し、老人は埴輪が設置した組み立て椅子に座りながら拠点設営を行っていた
彼らはガイア連合異界探索チームの現地霊能力者達である
その実力と実績(現地霊組織レベル)から数々のダンジョンを調査してきた集団である
実力的には、彼らは自分達の力だけでは満足に悪魔退治できず、調査のみの依頼も請け負う事で報酬を得るようになっていた
しかし、彼らにとってこの仕事はある意味天職でもあった 何故なら、彼らは常に慎重であり、わきまえた異界探索が出来るからである
故に彼らは幾重の死線を潜り抜けて、どんな環境でも生き延びる事が可能なスキルと装備を所持している
特に彼らの装備が非常に優秀で、特に女性用装備品に関しては強靭な性能を持つ装備をしていた
この世界において、このレベルの装備の入手は非常に高価であり、巨大霊組織の秘宝ともよべる性能をしている
この装備は、リーダーと副リーダーである彼等(転生者)から譲られたものであり、その性能は異常であった……何故か見た目はおかしいが……
この装備は、本来であれば我等のような才能無き人間が使用するにはあまりにも強力過ぎる代物なのだが……
その事を知りながら、彼等はこの装備を我等に使用することを許可してくれるのだ……
これはつまり、彼等が我らを信頼してくれているという証である!
ならば! その期待に応えなければならない!
その気持ちを胸に秘め、我等の任務は続くのである!
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「リーダー! 副リーダー こちらへどうぞ!」
「拠点の設営は済ましたぞい」
「お疲れ様ですわ、結界の設置も終了致しましたですの!」
「ガイア連合に送るデータの収集、および纏めおえましたぜ!」
「お、おぅ……てか凄いな! もう色々と完成しているじゃないか!」
「おぉ……凄くない? まぁ……とりあえず皆は少し休んで下さい……後は俺らがやるから……」
「「「「はいっ!!!!!」」」」
「あはは……元気だね〜……」
「う……うん……」
俺達は、熱海城で救助した人達を一旦ガイア連合経営の裏病院に搬送し、異界入り口に戻ってきたところである
最初は現地霊能力者達を単なる安い労働力としかみていなかったが、最近は認識を改めている……
彼等は本当に優秀な人達だ…
今回のような大規模な救助にも慎重かつ迅速に対応し、冷静に行動していた
彼等のおかげで、熱海城は大惨事にならずにすんだと言っても過言でない……彼等が居なければ、もっと被害が出ていたことだろう……
なので、今後何かあった時は全力で守ろうと思っている……そういえば、今回の救助活動で新たに覚醒したであろう女性がいたな……
恐らくあの子は、どこかしらの霊的組織のメンバーになるだろう……
それにしても……まさか絵画から悪魔が飛び出してくるとはな……
あれは……一体なんなんだ……
そう考えながら、俺は攻略チームの到着を待つことにした……
悪魔達の狙いは……春画に描かれた"絵”……
悪魔の狙いは一体……
ちょっと書くのが大変だったので2~3分割して投稿します
ちなみに、異界探査チームのレベル配分はこんな感じです
・リーダー(転生者)ーLv18
・副リーダー(転生者)ーLv15
・女調査員ーLv2
・筋骨隆々調査員ーLv2
・老人調査員ーLv3
・男調査員ーLv1
となっています