「む?あれは、モース!」
ベディヴィエールの日課はパトロールを兼ねた街の外の散歩です。
普通の妖精なら危険極まりないし、そもそも街の外を素早く移動できません。
ですが、彼は妖精騎士。
その上、古くからの相棒である妖精馬もついています。
「スタ、飛ばしてください!」
そんな彼が見つけたのはモースに襲われている妖精の一団でした。
「
「うわ!モースの大群が一撃で!」
「す、すごい」
妖精にとって毒であるモースも彼にかかれば一刀両断!
妖精と人間たちはあまりの強さに驚いています。
「ご無事ですか皆さん?」
「ああ!お陰さまでね!それにしても相変わらず恐ろしいほどの強さだね!」
「おや、あなたはオベロン殿ではないですか。お久しぶりです」
助けた妖精の一団にはなんとみんなの人気者、オベロンがいました。
「オベロン知り合い?」
「まあね。彼こそは妖精國最強の騎士その人だ!」
「最強とは、流石に買い被りすぎですよ。おっと、自己紹介がまだでしたね。私は妖精騎士ベディヴィエール。この國の女王であるモルガン陛下にお仕えする最古の騎士です」
「妖精騎士」
「ベディヴィエール?」
彼の何度目になるかわからない自己紹介を聞いたオベロンの仲間たちは首をかしげます。
「私の名前になにかおかしなところが?もしかして、噂の割に弱そうに見えましたか?」
「い、いえ。知りあいの名前に似ていただけです」
赤髪で糸目の男がそう言います。
「そうなのですか!それではその方はアーサー王伝説がお好きなのでしょう。私の名はアーサー王伝説に登場する円卓の騎士の名前をお借りしているものなので」
彼らは少しだけ意外そうな顔をしていましたが、特に何かを言うことはありませんでした。
すると、その一団のなかにいた少女が話しかけてきます。
「あ、あの」
「なんでしょうか?」
「私のこと、覚えていますか?」
「ええ、もちろん。お久しぶりです、アルトリア。エクターの元でお会いした時以来ですね」
どうやらその少女も知りあいだったようです。
「は、はい!やっぱりこの人・・・」
「それで、皆さんはこれからどうするのですか?コーンウォールには迷い込んでしまったというところでしょうが」
「僕らはこれからソールズベリーに行こうと思っていたんだ。コーラルに用があってね」
「なるほど。では、私が同行しましょう。モースが出ることはまだありますし、今拠点として使っていますから」
そう言うと彼は去っていきました。
「アルトリアはベディヴィエールさんと知り合いだったんだ」
「うん、まあね・・・」
(やっぱりあの人、『お父さん』だよね・・・?)
どんどん救済していくぜ