超大国日本国召喚   作:一般通過愉悦部

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間話です。初投稿です。


間話 異世界のモグラ叩き

中央暦1639年9月2日

総理大臣官邸ーーー

 

総理官邸では日本と一緒に転移した各国大使の内、G7と呼ばれる先進国の大使が集まっていた。

在日アメリカ大使のクリス・ウィリアムズが入ると在日イギリス大使のエドワード・リー・マーシャルが話しかけてきた。

 

 

「おや、エドワード大使、こんにちは」

 

「クリス大使、久しぶりですな」

 

「転移の影響で仕事が倍増しましてな」

 

「私もです。全く紳士としての流儀を持っていない奴らが多すぎる」

 

「ははっ、全くですな」

 

 

クリス大使は知らないがエドワード大使は外務省に結構ヤバいことをやっている。(8話参照)

 

 

「とゆうか、G7大使が見事に集まっていますね」

 

「そうですな、何かが起こったのでしょう。まあ十中八九ロウリアの事ですが…」

 

「やはり、そちら関連…「総理、入られます」おっと、Prime Minister(総理大臣)のご登場だ」

 

 

姿勢を正すと、奥のドアから阿部野真三内閣総理大臣が現れた。

大使らが座っているソファーの前に座ると、独特な喋り方で話し始める。

 

 

「皆様、大変な時期にお集まりいただきありがとうございます」

 

「いえいえ、何か大事なことがあるのでしょう」

 

 

この中で一番在日経験が長いアルベルト・デ・サヴォイア在日イタリア大使が話す。

 

 

「流石アルベルト大使。もう知っておられる方も多いと思いますが、先日我が国はロウリア王国を占領いたしました」

 

 

それは皆知っている。ニュースで朝から流れているのだ。いやでも耳に入る。

 

 

「実は戦後処理の関係なのですが、ロウリアはソ連のようにいくつかの諸侯が集まってできています」

 

「自衛隊は戦後処理の関係で有力諸侯の本部を空爆したため、多くの領地が我が国に降りました」

 

「ですが、我が国一か国だけでは本土の数倍もある領地は統治できません」

 

「なので、転移直後から外務省に皆様がおっしゃっていたあの案を…」

 

「ぼ…母国を作れるのですか!」

 

 

一際転移時にショックを受けていたダニエル・ジェー・クローズ在日カナダ大使が歓喜の声を上げる。

 

 

「ええ、今のところ米国、英国、カナダ、仏国、独国、伊国を建国したいと思っています」

 

「「「「「「!!!!!!」」」」」」

 

「ですがひとつだけお願いが….」

 

「なんでしょう、できる限りのことはなんでもしますぞ」

 

「実はロウリア国内にいくつかスパイがいるようなのです」

 

「スパイですか…まさか」

 

「ええ、あなた方が演習のために入国している特殊部隊。それを投入したいのです」

 

「いかんせん数が多く…特殊作戦軍では対処できないのです」

 

「成程、それでしたら我が米国は投入できますぞ」

 

「英国ももちろん」

 

「ドイツも…」

 

「皆様がた、ありがとうございます。詳しい日程は…」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

中央暦1639年9月8日

ロウリア共和国(・・・)首都ジン・ハーク 陸上自衛隊ジン・ハーク駐屯地ーーー

 

ロウリア王国が降伏し、新生ロウリア共和国が建国され、自衛隊による進駐が始まってからちょうど2週間がたったころ、陸上自衛隊ジン・ハーク駐屯地の一角に、第1特殊作戦部隊ゼロ作戦分遣隊や第1特殊作戦群、中央国家憲兵団、他にも各国のネイビーシールズやSAS、JTF-2、GIGN、KSK、フォルゴーレ空挺旅団の隊員らが集まっていた。

 

会議室に、黒髪の女性と屈強な男性が現れる。男性の胸元には輝かしくレンジャー徽章と特殊作戦徽章がある。

 

 

「総員傾注!」

 

 

第1特殊作戦部隊ゼロ作戦分遣隊長の『平井幸太郎』一等陸佐の声が会議室に響く。

声が響くと隊員達は談笑をやめ、屈強な兵士の顔になる。平井は隊員達の顔を見渡し、話し始める。

 

 

「全員いるな。初めて見る奴もいると思うから紹介する、こちらはの国家統合情報局(NInJA)松田情報官だ。今回の作戦の発案者でもあり、協力してくださる」

 

「初めまして。NInJAの松田よ、よろしく」

 

 

松田は各国特殊部隊を満足そうに見渡した後、端の演説台に行く。リモコンで天井のプロジェクターを起動する。

 

 

「今回の作戦の概要を説明するわ。今回の作戦はジン・ハーク市内で確認された謎の電波の情報収集よ」

 

 

天井から垂らされたプロジェクターシートには、ジン・ハークの地図が映し出されており、所々に赤い点がマークされている。

 

 

「この謎の電波──此処から『モグラ』と呼ぶわ、中央国家情報局(CNIA)や私たち、後、国家安全保障局(NISA)クソ野郎共の諜報員が調べた所、電波の周波数から通信電波と考えられるわ」

 

「発信先は『グラ・バルカス帝国』──我々と同じく文明圏外にある国家ですが、第2次世界大戦レベルの文明レベルを持っているわ。この世界で一番我々が脅威と考えられている国よ」

 

 

一般的に国家安全保障局(NISA)国家統合情報局(NInJA)は同じ防衛省(国家統合情報局(NInJA)は統合軍だが)所属のため、仲が悪い。

 

 

「現在は電波は全て解析中、少しだけ解析が終わった文通信を見ると我々の軍の戦力が送られているのが分かったわ。つまり電波の発信先のモグラは諜報員ってことよ。現在は空自の電子戦機で妨害しているから遅れないけどね」

 

 

その時、ひとりの隊員から手が上げられ、松田は話をやめてその隊員の発言を許可する。

 

 

「JTF-2のピーター少尉です。説明通りならば、赤い点はその発信源ですか?」

 

 

松田は質問に満足そうに頷く。

 

 

「その通り。諜報員によると敵は平均で五人ずつ。洗濯竿に通信アンテナが偽装されているわ」

 

 

松田はスクリーンにその家屋を映し出す。

ロウリアでは一般的な家屋に見えるが、洗濯物の数が不自然に多い。どうやら諜報員の潜入先で間違いなさそうだ。

 

 

「ここまで聞いたならば分かっているでしょうけど、今回の作戦はモグラ達を退治して欲しいの。可能なら忍者屋敷に招待してほしいわ」

 

「モグラがこちらを襲ってきたら?」

 

「その時は、モグラパニックでも吹っかけて退治して頂戴。最悪、証拠物品のみを回収できれば問題ないわ」

 

「他に質問ないわね?担当地点はこの資料に書いてあるわ。リーダーに家屋の見取り図を渡しとくから穴が開くぐらいよく見ておきなさい」

 

 

松田は、彼女の部下に命じて地図や家の設計図などの資料を配らせる。

 

 

「作戦開始は2日後の05:00、作戦名は『オペレーション・モグラ叩き』よ。しっかりと準備して頂戴」

 

「よし。各部隊は準備をぬかりなくしておけ。では解散!」

 

 

松田の説明が終わると、脇に控えていた平井がそう言って、松田らとともにミーティングルームを後にする。

こうして『オペレーション・モグラ叩き』はまもなく開始されようとしていた。

 

 

「日本って作戦名つけるの下手だよな」

 

お前ら(アメリカ)の影響だと思うぞ」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

中央暦1639年9月10日

『オペレーション・モグラ叩き』決行日 ジン・ハーク某所ーーー

 

 

ロウリアの住宅街の裏道。後汚い裏路地の貸家。ベランダには数多い洗濯物が並んでいる。

前々からこの家は五人ぐらい住んでいる以外の情報がなく、周囲の住民にも避けられていた。

 

 

「くそっ!まだ無線はつながらないのか!」

 

「はっ、未だノイズが酷く…」

 

「畜生!」

 

 

一室では男が無線機と睨み合っている男に言葉を投げかけていた。男は癇癪を上げながら、窓の外を見る。

現在、ジン・ハークは進駐してきた陸上自衛隊第3師団、日本国海兵隊第1海兵師団並びに遅れてきた在日アメリカ軍第3海兵遠征軍の管理下にあり、町のいたるところに迷彩服とボディアーマーに身を包みアサルトライフルを持った兵士が立っていた。中には装甲車が巡回している時もある。

 

 

「この情報は何としても本国に伝えなければならん…」

 

 

男が触れる先にはテーブルに無造作にばら撒かれた白黒写真があった。

陸上自衛隊が有する10式戦車や89式機動戦闘車、遠くから撮られた護衛艦や戦艦『きい』、AH-64D/E、F-15Eなどが映った写真が置かれている。

奥の部屋からコップとコーヒーを持った男が出てくる。

 

 

「不自然です…本国に何かあったのでしょうか?」

 

「分からん…しかし…通信機の不調と言い、なんだこの不気味な感覚は…」

 

 

彼は出されたコーヒーを呷るように飲み干すと、そういい捨てるように言った。

2人以外にもこの部屋には1人の女と2人の男がおり、その3人とも通信機に張り付いてどうにか通信をつなげようとしていた。

 

 

「すいません」

 

 

その時、ふいにコンコンと部屋の扉がノックされ、声が聞こえるた。5人の顔が強張り、服の中から94式拳銃のような見た目をした銃を取り出す。

男は部屋の扉に近づき、チェーンをかけたまま、扉を少しだけ開けて様子をうかがう。すぐにでも撃てるように室内の人員は構えている。

 

 

「はい….どうかされましたか?」

 

「近所の者ですか…これ、貴方の洗濯物ですか?落ちてたもので」

 

 

偽装用の洗濯竿を見ると何個か落ちていた。

 

 

「あっはい、ちょっと待っててください。部屋を綺麗にするので」

 

 

五人は安心し、銃を机へ置いた。

 

 

「なんだよ、洗濯物かよ」

 

「軍人ぽかった?」

 

「いや、ただの禿のおっさんだよ」

 

「やだ、落ちたの女性用の下着じゃない」

 

「とんだ変態親父だな…」

 

 

写真などを隠すと、男がドアを開ける。

 

 

「すみません。お待たせして」

 

「いいえ、大丈夫です。これが洗濯物です」

 

「ありがとうございます」

 

 

男が洗濯物を貰い、ドアを閉めようとすると声をかけてきた。

 

 

「ああ、後…」

 

「え、何か他に?」

 

よくも禿だと馬鹿にしてくれたな

 

 

そういうと、近所の人、もといKSKの分隊長はM870MCSコンパクトを取り出し、男の顔を挽肉にする。

 

 

「!!!クソが!!!」

 

 

室内にいた仲間が銃を発砲するが、すぐに避けられる。

一方、外のKSK達は分隊長の愚痴に付き合っていた。

 

 

「Scheisse!これは禿じゃねえ!スキンヘッドだ、って何回言ったらわかるんだ!お前達はわかるよな!」

 

「ええ(禿だろ)」

 

「え、はい(禿じゃね?)」

 

「あ、そうです(バリバリ禿だな)」

 

「禿げてませんよ(ちくわ大明神)」

 

「スキンヘッドですね(誰だ今の)」

 

 

皆心の中では禿だと言っているが、口に出したら基地で制裁されるので言わない。

ふざけながらも互いにカバーできる位置にいるのは彼らの練度を表す。

 

一方、室内では男の死体を片付ける暇もなく、写真や通信機器を破壊したりしていた。

 

 

「脱出の準備を…」

 

 

すると、その隙間から突然、円筒状の何かが放り込まれた。その正体が何なのか理解した彼らは戦慄した。

 

 

「まずい!グレネードだ!伏せr!!!!」

 

 

警告が最後まで続くことはなかった。その瞬間、強い光と大きな音が彼らを襲ったからだ。

 

 

「Los Los Los !!!」

 

 

KSKの隊員達がHK416やMP7A1を持ち突入する。

中にいた4人はヘルメットなどもしていなかったため、強烈な音響を食らって平衡感覚などを失って立ち眩みを起こしている。

そんな彼らに、KSKの隊員らは腕などに銃弾を撃ち込んで反撃能力を削ぐ。

 

 

「klar!」

 

「こちらKSK3!モグラ7を処理。憲兵団の派遣を要請する」

 

「了解。陸上自衛隊警務部憲兵団第4憲兵中隊が向かう」

 

 

それを横目に、ほかの隊員らは部屋の中にあった写真や資料をかたっぱしから回収していく。

ものの10分ほどで、部屋の中のものをあらかた回収し、元の部屋の主らも人目につかないように段ボールに詰め込む。

5分経った頃、緑色の制服を着た陸上自衛隊警務部憲兵団第4憲兵中隊が姿を表し、スパイに手錠をはめ、73式大型トラックに押し込んだ。

 

この日、ジン・ハークのいたるところで同じような光景が繰り広げられた。こうしてNInGA主導の『オペレーション・モグラ叩き』は成功という形で幕を下ろした。

 

 




突如やる用語解説

○陸上自衛隊警務部憲兵団

陸自のKENPEI=SAN。各自衛隊にもKENPEI=SANがいる。
外見はイタリアのカラビニエリの制服を緑色にした感じ。
ちなみに海自は黒色、空自は青色、統合軍は茶色。

◇◆◇◆

nogi-爽汰さん、戦闘護衛艦するがさん、リュンさん、ご感想ありがとうございます。

あらぎすさん、 ReAppleさん、お気に入りに登録ありがとうございます。

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