超大国日本国召喚   作:一般通過愉悦部

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あるお店で好物のモンブラン買おうと思ったら売り切れていたので初投稿です


なんか批判的な感想(資金云々)を書かれましたが、これは二次創作であり、資金云々のことはあまり考えていません。
この小説の目的は『日本を最大強化して日本国召喚に登場させたらどうなるか』ですのでそこは悪しからず。

そう言われたら原作も資金的にはおかしいですし…(BP-3などの改修費やヤマト型護衛艦)
次回作からは資金などには気をつけることにしますが、作者は初めて小説を書いているのでそこはご了承ください。


第2話 空想上の国

ある日

神聖ミリシアル帝国港町 カルトアルパス とある酒場ーーー

 

中央世界にある誰もが認める世界最強の国、『神聖ミリシアル帝国』その交易の流通拠点となっている町、港町『カルトアルパス』。

 

ここは、各国の商人たちが集う町であり、商人たちの生の声は、各国の事情を現す生の声として、情報源としても、非常に価値があるため、商人の姿に紛れ、各国のスパイたちの集まる町でもある。

とある酒場では、酔っ払った商人たちが、自分たちの情報を交換していた。白い髭を生やした男が豪快に話し始める。

 

 

「しかし、最近の衝撃的なニュースはやはり第2文明圏の列強レイフォルが、新興国の第八帝国とやらに敗れたニュースだよな。誰か、第八帝国について知っている者いないか?」

 

 

その問いにフードを被った男が答えたが、彼は200m巨大船が攻撃してきたなどホラみたいなことを吹いていたので酒場の人々は嘘と思って聞いた。

 

酔っ払いどもの話は続く。

 

 

「そういえば、ロウリア王国ってあっただろ?」

 

「東の蛮国か?あの、人口だけは超列強な国だろう?」

 

「ああ、俺が交易にいった時期に、隣のクワ・トイネ公国に喧嘩を売ったんだよ。亜人の殲滅を訴えてな」

 

「亜人の殲滅?無理に決まってるだろう。さすが蛮族の国!」

 

「で、日本っていう国が参戦して、負けたよ。圧倒的に強かったらしい。ロウリア王国は日本の兵を1人も倒すことが出来なかったし、4400隻の大艦隊も、日本のたったの1隻に大損害を与えられた。しかもその1隻は300mを超えるとか!日本も今後、世界に名を轟かせる国になるぞ!」

 

「兵を1人も倒せない、たった1隻に4400隻が退けられた、300mの船とか、どう考えても情報操作だろう。ありえなさすぎる」

 

「ロウリア王国が負けた?列強や、文明圏なら理解できるが、文明圏外の蛮族に!?信じられんな」

 

「まあ、グラ・バルカス帝国や日本がいくら強かろうと、神聖ミリシアル帝国とは、格が違うさ。絶対に勝てないよ。結局、中央世界はいつまでたっても安泰さ!古の魔帝が復活でもしない限りな」

 

 

 酔っ払いどもの楽しい夜は更けていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

中央暦1639年10月5日

ムー国東側海域 第12空母打撃群所属『りゅうじょう』CDCーーー

 

日本国海上自衛隊第7艦隊第12空母打撃群は列強『ムー』との外交のため、ムーの東側の海に展開していた。

第12空母打撃群は元々日本北米軍の在米自衛隊の所属であったが、天皇陛下即位観艦式のため帰国、その際に転移した。

元々の配属場所であったアメリカが無くなったため、暇を持て余していた。そこに防衛省に外務省からムーとの国交樹立で海自の船を使いたいと頼まれ、ちょうど防衛省に第12空母打撃群の司令官がいたため、速攻決定したのだ。

 

そんな運の悪い第12空母打撃群司令官『長谷川誠』准海将はCDCで『りゅうじょう』艦長『佐藤真一』一等海佐の報告を聞いていた。

 

 

「本当か?時速380km…『ワイバーン』は235km、最近確認された『ワイバーンロード』でも350kmだから…」

 

「飛行機械ですな、それも複葉機です」

 

「哨戒かな?発見して海軍に通報して貰えば良いんだが…」

 

未確認機(アンノウン)、まもなく本艦視認圏内です」

 

「そうか」

 

 

長谷川は艦橋に上がり、見張り場に行き、見張員と一緒に双眼鏡を除いて確認する。

 

 

「何処だ?何処だ?」

 

「あそこです!2時方向!」

 

 

見張員からの報告で皆一斉に報告があった方向に向く。

 

 

「おぉ…本当に複葉機だ…」

 

「中華地方の航空祭を見てるみたいだな」

 

「地球だと何に似てるんだ?」

 

「ソードフィッシュあたりか?」

 

そこには地球世界ではまず見ることのない複葉機が飛んでいた。

 

横切ると同時に見張員の一部が手を振る。攻撃目的ではないとアピールするためだ。

複葉機の機体の横を見ると、クワ・トイネから教えてもらったムーの国章が目に入る。

 

 

「国章確認!ムーの航空機で間違いありません」

 

「ムーの国力は一次戦前後ぐらいか…衛星の写真でわかっていたが、実物を見るとなんだか不思議な気持ちになるな…」

 

「現在では複葉機は中華地方の田舎でも見れないですからね…」

 

「…!?ムー国機着艦体制!」

 

 

なんと複葉機は、着艦の姿勢に入っていた。

 

 

「ち、着艦するのか!」

 

「不味い!航空作業員、甲板から退避!応急作業員は待機!非常用に滑走制止装置の展開を急げ!」

 

CATCC(空母航空管制室)!万が一に備えよ!」

 

 

飛行甲板はてんやわんやになり、網のような滑走制止装置が貼られる。

 

 

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数分前

ムー東側海域 ムー国空軍東側哨戒部隊第3哨戒班

 

 

ムー国空軍東側哨戒部隊第3哨戒班所属の『トーマス・ジェフリー』中尉は『マリン』戦闘機を操縦し、ムー国東側海域を哨戒していた。

東側海域はムーと国交を結ぶ船が多く来航するので大変な仕事である。だか、トーマスは他国の戦列艦が好きであり、天職と考えていた。

 

今日は何隻の船を発見するかな?など考え、哨戒していると視界の端に何やら船団が見えた気がした。

 

 

「(早速1船目かな?)」

 

 

そう思って近づくと自分の目を疑う大艦隊が現れた。トーマスは反射的に無線のスイッチを押す。

 

 

「こちらトーマス!座標3-6-7地点に大艦隊発見!どの艦も我が海軍の大きさを驚愕し、空母と見られる一隻はは300m以上!至急海軍の応援を要請する!」

 

『こちら司令部、300m以上の船など御伽噺か?』

 

「違う!本当だ!」

 

 

トーマスの物も言わぬ剣幕に司令部は真剣だと判断し、海軍に臨検命令を出す。

 

 

『こちら司令部了解、只今海軍に臨検命令を出した…未確認艦隊とコンタクトは取れるか?』

 

 

トーマスは機上用のサーチライトを取り出し、ボタンを押し込むが何も光らない。

 

 

「こちらトーマス、サーチライト使用不能、今より我が機が着艦しコンタクトを取る!」

 

『な!危険だぞ!もし相手が攻撃してきたらどうする!』

 

「司令部!300m以上の艦を作れる国家がそのまま進んできてオタハイトをやられたら、レイフォルの二の舞です!」

 

「私から10分以内に無線が繋がらなければ海軍に撃沈するよう命令してください!」

 

『…了解。死ぬなよ』

 

 

無線を切り、スロットルを上げて空母の後方に行く。

近づくとその大きさがよくわかる。

 

 

「(飛行甲板が斜めになっている…もしかして発艦と着艦で分けているのか?でもあの甲板の距離で発艦できないと思うし…よく分からないな…)」

 

 

トーマスは半年前まで海軍の航空艦隊所属であったために着艦のやり方を知っていた。

 

 

「ん?煙突がない!!??どうやって動いているんだ!!???」

 

 

よく見ると煙突がどこにもない。はっきり見える距離まで行くと艦橋から人が手を振っていた。

 

 

「こちらトーマス、巨大艦の乗組員はこちらに手を振っている…少なくとも敵対意識は無いようだ」

 

『了解、海軍が急いでいる。無茶なことはするなよ』

 

 

無線を切り、旋回して着艦姿勢に入る。巨大艦の方を見ると甲板の作業員が大慌てで退避している。

 

 

「そりゃそうか、いきなり着艦しようとしたらそりゃビビるしな」

 

 

ふと、飛行甲板の端を見ると『マリン』よりも大きい何かがあった。どうやら飛行機械のようだが、プロペラがない。

 

 

「(航空機が?しかしプロペラが無い、どうやって飛ぶんだ?)」

 

 

そう考えながら最終着艦姿勢になる。艦尾を見るとムー式の着艦誘導装置が見える。

 

 

「着艦誘導装置はムー式か…しかしマストの旗は見たことないし…一体どの国だ?」

 

 

空母を運用している『ムー』と『神聖ミリシアル帝国』とでは空母の着艦誘導装置が違い、

手旗手が見て高度を合わせるミリシアル式とランプを点灯して高度を調整するムー式があり、ムーの方が優れている。

 

ムーが誇る技術の一つのため、製作方法は公開されていないはずだが、こと巨大艦は実用化している。

 

内部から流出したかもしれない…そう思いながらスロットルを上げる。これは着艦に失敗したらいつでもタッチアンドゴーするためだ。

星形9気筒600馬力のエンジンがうねる。海軍の空母着艦用のフックがない空軍型マリンだが、飛行甲板が大きいため、ブレーキを掛ければ止まれそうだ。

 

そして前輪が着地した後、後輪が接地し、ブレーキをかける。20m滑走した後、無事に着艦した。

 

 

「ふぅ…」

 

 

無事着艦したので安堵し、ゴーグルを上げ、パイロットキャップを取る。

そうすると艦橋から青い服をした者たちが駆け寄ってくる。

 

万が一のため、右足のポーチのリボルバーを握る。

だが、掛かってきた言葉は彼を安心させる言葉であった。

 

 

「ムー国の人ですか?」

 

「え?あっはい。ムー国空軍東側哨戒部隊第3哨戒班のトーマスです」

 

「そうですか!私は日本国外務省の御園と申します、彼は私の補佐官の佐伯です」

 

「(ニホンコク?何処だ?)」

 

「初めまして。佐伯と言います」

 

「どうも…」

 

 

機体から降りて、二人から差し出された紙をまじまじと見ていると、彼は本来の目的を思い出す。

 

 

「え~オホン!貴艦隊は間もなくムーの領海に入る。国交を開通することが目的なら今から通信するが…」

 

「!はい!是非!」

 

「は…はぁ…」

 

 

その後彼は無線で日本国に敵意がないことを通信し、海軍の臨検を受けた。

 

臨検中、『りゅうじょう』見張り場では第12空母打撃群司令官『長谷川誠』准海将と艦長『佐藤真一』一等海佐と臨検に来たムー国海軍の巡洋艦(トーマスが言うには『ラ・ウォークスター』と言うらしい)を見ながら呟いた。

 

 

「ムーはこの世界でも穏健とは聞いても初めて交流するときはドキドキしますね」

 

「全くだ。ところであの複葉機、どうやって発艦するんだ?」

 

 

長谷川が指差す先にはトーマスが乗ってきた『マリン』があった。

ちなみに乗ってきた本人は食堂で臨検に来た海軍の人達や臨検艦隊指揮官・『ラ・ウォークスター』艦長と一緒に海自のカレーに舌鼓を打っている。

 

 

「…カタパルトで…」

 

「いや、カタパルトだと発艦した瞬間吹き飛ぶだろ」

 

「…どうしましょ」

 

 

彼等の不安はトーマスが見事な技で発艦するまで彼等を悩ませることになった。

 

 

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中央暦1639年10月6日

第2文明圏列強国 ムー国ーーー

 

技術士官マイラスは軍を通じて伝えられた外務省からの急な呼び出しに困惑していた。外務省からの呼び出しは、空軍のアイナンク空港だった。

 

列強ムーには、民間空港が存在する。まだ富裕層でしか飛行機の使用は無く、晴天の昼間しか飛ぶ事は出来ないが、民間航空会社が成り立っている。

民間の航空輸送は私の知りうる限り、神聖ミリシアル帝国とムーでのみ成り立つ列強上位国の証である。

 

機械超文明ムーの発明した『車』と呼ばれる内燃機関に乗り、技術士官マイラスは空軍基地アイナンク空港に到着した。しかし、わざわざ急遽空軍基地に呼び出すとは、いったい何だろうか?

 

彼が着くと、軍人などがいた。

 

 

「今回君を呼び出したのは、正体不明の国の技術レベルを探ってほしいのだよ」

 

 

マイラスは先程調べていた第8帝国のものだと思い、

 

 

「グラ・バルカス帝国の事ですか?」

 

「いや、違う。新興国家だ。本日ムーの東側海上に300mを超える空母を要する艦隊が現れた」

 

「空軍の哨戒機が着艦し、確認すると、『日本国』と言う国の特使がおり、我が国と新たに国交を開きたいと言ってきたのだ」

 

「(日本国!『キイ』を要する国だ!)」

 

 

彼は先程、グラ・バルカス帝国の『グレード・アトラスター』と日本国の『きい』という二つの戦艦を比べ、ムーの最新鋭戦艦『ラ・カサミ』と比較して危機感を募らせていた。

 

 

「我が国と国交を開きたいと言ってくる国は珍しい事では無いが、問題は、彼らの載ってきた乗物だ…全艦、帆船では無いのだよ。」

 

「まさか…」

 

「そして魔力感知器にも反応が無いので、魔導船でもない。機械による動力船であると思われる」

 

「やはり、そうですか…」

 

「そして、さらに問題なのが、我が国の技術的優位を見せるために、会談場所をアイナンク空港に指定したら、飛行許可を願い出て来たのだよ」

 

「当初は、外交官がワイバーンで来るのか、なんて現場主義な国かと話題になった。飛行許可を出してみたら、飛行機械を使用して飛んで来る様なのだよ」

 

「!!!!!!」

 

「そ、それでその飛行機械はいつ頃到着ですかな?」

 

「間もなく到着予定だ、どうやら日本国はグラ・バルカス帝国を警戒しているらしい」

 

「我が国の防空体制は完璧なのに…何故?」

 

「さあ?とりあえず空母艦載機が来るなら日本国の軍事力を図りたい。そのために君が呼ばれたのだよ」

 

「了解しました」

 

 

一向は滑走路近くの駐機場で日本国の飛行機械を待った。

 

その時、先導する空軍機から無線が入った。

 

 

『に、日本国の飛行機械は『マリン』の速度よりも早い!護衛機はもっとだ!』

 

「「「「「!!!!!!」」」」」

 

「そ、速度はわかりますか?」

 

 

マイラスが訪ねる。

 

 

『飛行機械はおよそ550kmぐらい!護衛機は計り知れない!音もなく通り過ぎていった!』

 

「!!!」

 

 

マリラスが驚愕する、音もないと言うことは音より早いと言うこと。つまり日本国はわが国を大幅に超える技術力を有すると言うことだ。

 

 

「(クソ!『キイ』が我が国より優れているなら空軍力も優れていると思うべきだった!)」

 

「!!??ナニカ!近づいてきます!」

 

 

ナニカが常識を超えた速度で近づいてくる。ソレは自分達の真上を通過した後旋回する。

その後何かが起こした行動にマイラスはまたもや驚愕する。

 

 

「な!な!な!なにぃ!」

 

 

なんと飛行機は垂直に(・・・)着陸したのである。マリンでもその様に垂直着陸などできるはずもない。

 

皆が驚愕しているとおそらく使節団を乗せた航空機がやってきた。

また、垂直着陸するのか、などの思っていたら今度はプロペラが45度回転して、そのまま着陸した。

 

 

「…………………」

 

 

マイラスは言葉を失っていた。垂直着陸航空機など、我が国やおそらく神聖ミリシアルでも真似できないであろう。

 

日本国に興味を持った時、最後に着陸した飛行機の後ろが開き、中から人が降りてきた。

 

 

「(!あれは輸送機か!成程、あれなら滑走路が無くても人員などを運べる!あの技術を知ることができたら世界の戦術が変わるぞ!)」

 

「日本国の外務省所属、御園です。こちらにいるのが、補佐の佐伯です」

 

「よ、ようこそ日本国の皆さん。私は皆様のご案内をさせていただくマイラスと言います…ところであの飛行機械はなんと言うのでしょう?」

 

 

マイラスは御園が乗ってきた飛行機を指す。

 

 

「ああ、あれはV-22オスプレイと言います。我が国の輸送機です」

 

「そうですか…垂直着陸を2機ともするなど貴国は山が多いんですか?」

 

「ええ、国土の多くが山脈地帯で…あれやヘリコプターが多く重宝されています」

 

「(ヘリコプター?なんだソレは?)へ、へえ~、あの戦闘機も興味深いですね」

 

 

マイラスの一言に佐伯が目を光らせる。

 

 

「お目が高いですね!あれはF-35B型と言って、ああ、A、B、C型があり!それぞれ違うのですよ!B型は垂直着陸型で、これまでの海兵隊主力戦闘機AV-8ハリアーⅡよりステルス性が高まり戦闘力のアップが…それとAV-8はすごくてですね!原型のホーカー・シドレー ハリアーの発展型でなんとホーカー・シドレー ハリアーは1960年、今から60年前の飛行機なんです!長生きの飛行機と言えばあと…」

 

「佐伯君、佐伯君。ムーの方達が困っているよ」

 

 

佐伯が目をやるとムーの人たちは佐伯の言葉に圧倒されていた。

 

 

「は、ははっ、飛行機が好きなんですね。では私がムーをご案内しましょう」

 

「では、具体的にご案内するのは、明日からとします。長旅でお疲れでしょうから、今日はこの空港のご案内の後に、都内のホテルにお連れします」

 

 

マイラスは、空港出口へ行く前に、空港格納庫内に使者を連れて行く。格納庫に入ると、白く塗られた機体に青のストライプが入り、前部にプロペラが付き、その横に機銃が2機配置され、車輪は固定式であるが、空気抵抗を減らすためにカバーが付いている複葉機が1機、駐機してあった。ピカピカに磨かれており、整備が行き届いた機体だと推測される。

 

マイラスは説明を始める。

 

 

「この鉄龍は、我が国では航空機と呼んでいる飛行機械です。これは我が国最新鋭戦闘機「マリン」です。最大速度は、ワイバーンロードよりも速い380km/h、前部に機銃を付け1人で操縦出来ます。メリットとしては、ワイバーンロードみたいに、ストレスで飛べなくなる事も無く、大量の糞の処理や未稼働時に食料をとらせ続ける必要も事もありません。空戦能力もワイバーンロードよりも上です。」

 

 

 

本来なら自信満々で説明できるのだが、あの日本国の戦闘機を見たからにはそう説明できない。

 

 

「は―…複葉機なのですね」

 

 

御園とかいう外交官が驚いて見ている。

 

 

「レシプロエンジンを積んでますねー。この感じが良いですね」

 

 

佐伯とかいう人間は、『マリン』を懐かしそうに見ている。

 

 

「そういえば、貴方達の護衛機は何で動いているんですか?プロペラがなさそうですか?」

 

 

マイラスの疑問に、佐伯という人間が答える。

 

 

「F-35はジェットエンジンと呼ばれる航空機に適した小型高出力エンジンで動いています……もちろん、レシプロエンジンもありますよ」

 

 

!!やはり日本は、高性能エンジンを所有しているようだ。探りを入れた甲斐があった。

 

 

「ほう…日本にも航空機に適したエンジンがあるのですね。是非構造を教えてもらいたいものです」

 

「簡単な設計図や原理であれば、日本と国交を結んでいただけたら、書店でいくらでも購入できます。あと、日本と敵対しないことなら古い戦闘機を譲渡できます」

 

 

な、なんと!日本は戦闘機を売ってくれるのか!是非分解してみたい!

 

 

「旧式の戦闘機ですか…それは面白い。個人的には是非日本と国交を結べる事を願いますよ」

 

 

やはり、あの戦闘機のように日本は航空機技術について我が国を凌駕している。マイラスは、確認のため、探りを入れる。

 

 

「さっきの護衛機はどのくらいの速度が出ているのですか?音が遅れて聞こえてくると言うことは音速を突破していると言うことですが…」

 

 

航空機は速度が重要だ。速度が上がれば、一撃離脱戦法により、速い方が圧倒的に有利である。

御園と佐伯は目を合わせる。ヒソヒソとマイラスに聞こえないように話し始める。

 

 

「どうしますか?音速を超えているのはバレていますが…」ヒソヒソ

 

「ま……まあ現代戦の速度は戦闘性能にあまり関係ないし、国内の市販本には色々F-15やF-22等の性能も記載してあるから、国交が結ばれたら判明するから隠すこともないか…」ヒソヒソ

 

「戦闘機であれば、我が軍の主力戦闘機であるF-15J改が最高速度マッハ2.5くらいです、時速2,421km。音速の2.5倍程度ですね」

 

「今回の護衛機のF-35Bの速さはマッハ1.6、時速1,931kmです」

 

「我が国最速の偵察機、SR-71はマッハ3、時速3,529kmです。これは音速の3倍の速さになります」

 

「!!!!!!」

 

絶句…

音速越えだと思っていたが、これほど早いとは思っていなかった。

 

 

「そ、そうですか…では此方へ…」

 

マイラスは、日本の使者を、空港外へ案内する。ムーの誇る自動車に乗せてホテルへ向かおうとしたが、もう嫌な予感しかしない。

空港外には、日本の使者を乗せる車が待機していた。馬を使わず、油を使用した内燃機関を車に積むまでに小型化した列強ムーの技術の結晶。

 

日本の使者は、驚く事無く車に乗車する。車は出発し、動き始める。特に驚いた様子はない。やはりそうか…

 

 

「日本にも、車は存在するのですか?」

 

 

マイラスは尋ねる。

 

「はい、乗用車であれば、3年前のデータですが、日本で約5942万台が走っています」

 

「そ…そんなに走っていると、道が車で一杯になってしまいますね・・・」

 

「我が国は、前世界においても、信号システムが世界一進んでいましたので…国交が樹立出来れば、是非信号システムについても輸出したいものです」

 

 

マイラスは精神的に疲れてきた。

この仕事が終わったらムー国内1番のアトラクションパーク『オタハイトマウスリゾート&パーク』に行くことを決意する。整地された道をホテルへ向かう。

 

やがて、高級ホテルが見えてきた。車はホテルに横付けされ、皆はホテルへ入る。

 

 

「明日は、我が国の歴史と、我が国の海軍の一部をご案内いたします。今日はごゆっくりとお休み下さい」

 

 

マイラスは、日本の使者にこう伝え、ホテルを後にした。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

翌日ーーー

 

日本の使者は、ムー歴史資料館にいた。簡単にマイラスは説明を始める。

 

 

「では、我々の歴史について簡単に説明いたします。まず、各国にはなかなか信じてもらえませんが、我々のご先祖様は、この星の住人ではありません」

 

「え!!??」

 

 

日本の使者は驚きのあまりポカーンとした顔をしている。

マイラスは話を続ける。

 

 

「時は1万2千年前、大陸大転移と呼ばれる現象が起こりました。これにより、ムー大陸のほとんどはこの世界へ転移してしまいました。これは、当時王政だったムーの正式な記録によって残されています。これが前世界の惑星になります」

 

 

マイラスは、地球儀を取り出す。外務省の御園は、見覚えのある地理配置に驚愕する。

 

「な…な…な…こ…これは!!!」

 

 

ふふん、日本人め、前世界が丸い事に驚いているな。やっと日本人を驚かせることが出来たぞ!

 

 

「前世界は丸かったのです。この世界も、水平線の位置からして前世界の2倍強はありますが、丸いはずです」

 

「地球だ!!!!」

 

「はい?」

 

「これは…地軸の位置が少し違うのか?しかし、この配置は紛れも無く地球だ。む?南極大陸がこの位置にあるということは、氷に覆われてはいなかったということか…」

 

 

なんだか、日本人が大陸を指差して驚いている。説明してやるか。マイラスは、南極大陸を指示し、説明を始める。

 

 

「ちなみに、この大陸はアトランティスといいまして、全世界では、ムーと共に、世界を2分するほどの力を持った国家でした。ムーがいなくなった今、おそらく世界を支配しているでしょうね」

 

「ちなみに…」

 

 

マイラスはユーラシア大陸の横にある4つの大きな島が集まっている場所を指示する。

 

 

「この国は、ヤムートといって、我が国一の友好国だったそうです。しかし、転移で引き裂かれたため、おそらく今はアトランティスに飲み込まれているでしょうけど…」

 

「ちょっとよろしいですか?」

 

 

御園がマイラスの発言に割って入る。

 

 

「どうぞ」

 

「日本を説明するのに、一番良い方法が出来ました」

 

「はい?」

 

「日本も転移国家です。同一次元にあった星かは不明ですが、おそらくあなた方の昔いた星から転移してきたとおもいます。あなたが指差したこの4つの島が我が国です。そして…」

 

 

御園はバッグから地図を出す。

 

 

「これが現在の日本地図、そしてこれが私たちの過去にいた世界の地図です」

 

 

日本地図、そしてメルカトル図法を使用した世界地図がマイラスに見せられる。その地図には、たしかにムーのいた、ムー大陸の存在しない前世界地図があった。

衝撃……御園が言葉を続ける。

 

「我々の元いた世界にも、1万2千年前に、突如として海に沈んだ大陸があると、言い伝え程度ですが残っています。あなたが今アトランティスと呼んだ大陸は、南極になってしまっているようですね。もしかしたら、地軸がずれたのかな?」

 

「ははは…まさかの歴史的発見ですね。あなた方日本とは、個人的には友好国となってほしいものです。まさか…そんな事が…後で、すぐに上に報告いたします」

 

 

その後、マイラスは簡単に歴史を伝えた。一通り説明が終わり、日本の使者を海軍基地へ案内する。

 

だが、魔写で撮られた日本の『キイ』を思い出す。あれは『ラ・カサミ』の何倍もある艦だ。

これから説明するのが不安でしか無い。

 

ここには、ムー国海軍の最新鋭戦艦『ラ・カサミ』が停泊していた。

 

 

「御園さん、見てください。戦艦ですよ、戦艦!!!やはり戦艦は男のロマンですね」

 

 

佐伯という名の人物がはしゃぎ始める。やはり戦艦を知っているか…

 

 

「佐伯君、ちょっとはしゃぎすぎですよ。しかし、記念艦の三笠にそっくりですね」

 

 

記念艦…もしかして日本には『キイ』以外の戦艦もあるのか!?

マイラスは『キイ』を知らないふりをして探りを入れる。

 

 

「日本にも戦艦があるのですか?」

 

「あ、はい。我が国には『きい型戦艦』2隻と『とさ型戦艦』1隻がいます」

 

 

!!やはり、日本は戦艦を3隻持っているようだ。

 

 

「その戦艦の主砲の口径は何cmですか?『ラ・カサミ』は30cmですが…」

 

「とさ型は46cm、きい型は51cmですね」

 

 

!!!!!!!!!!!!5、51cm!!なんて大きさだ!

 

 

「そうですか…ところで、先ほど日本の艦に似ているとおっしゃっていましたが、日本にも似た艦があるのですか?」

 

「あ、はい。日本では三笠と呼ばれる戦艦がありました。約110年前に日本が大日本帝国と呼ばれていた時代に存在した連合艦隊の旗艦です。この艦があそこに停泊している戦艦にそっくりに見えましたので…」

 

「ほう…110年も前の艦ですか…」

 

 

日進月歩の機械動力戦艦で、110年もの歳月をかければ、劇的な進化を起こす。日本は認めたくないが、どうやらムーよりも機械文明が遥かに進んでいるらしい。

51cmの砲を作り、音速を遥かに超える飛行機を作る国…できれば第8帝国のためにも仲良くしておきたい…

 

技術士官マイラスの案内が一通り終わり、ムー首脳陣に報告が上がる。受け入れられないような内容の報告書であったが、敵対してくる訳でもなく、高技術が手に入るかもしれない国、グラ・バルカス帝国の脅威が存在するこの状況下にあって、友好的な態度をとる日本国を拒否する理由は無く、ムーは日本との国交を結ぶ事になる。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

パーパルディア皇国 皇都エストシラントーーー

 

第1外務局は混乱の極みにあった。原因は皇国よりも西の中央世界、そしてそれより更に西の第2文明圏に2つ存在する列強国、その一つ『レイフォル』が、正体不明の国家『グラ・バルカス帝国』に敗れた事にある。

 

列強レイフォルとパーパルディア皇国は、規模で言えば皇国の方が遥かに上だが、海軍の武器の性能は良く似ていた。しかも信じられない事に、列強レイフォルは、グラ・バルカス帝国の『グレードアトラスター』と呼ばれる超巨大戦艦たった1隻に艦隊を全滅させられ、ワイバーンロードの波状攻撃を防がれ、さらに首都レイフォリアを攻撃され、首都は灰燼に帰したという。

 

超列強国が西の果てに突如として現れた。第1外務局長『エルト」の脳裏に嫌な予感が駆け巡る。第3外務局所属の皇国監査軍が東のフェン王国に対し、懲罰的行為を行った際、敗戦している。

もしも…グラ・バルカス帝国の息がかかっていればとんでもない事に…

 

 

「とにかく情報を集めよ!!!」

 

彼女は部下に強く指示するのだった。そんな中、一つの情報が彼女の元に入る。

 

 

「これは…?」

 

 

手元に置かれた簡易報告書、その内容にエルトは大きい目をさらに大きくする。

 

パーパルディア皇国国家戦略局でロウリア王国と日本のロデニウス沖大海戦に参加していた観戦武官の『ヴァルハル』なる人物から、外務局宛に当てられた文章。

 

 

【監査軍敗北の直接的原因は日本という国家にある】

 

 

彼の文章は、ロデニウス沖大海戦の戦果報告が偽りの無いものであるにも関わらず、その戦果が全く国家戦略局に信じてもらえない事が必死に記されていた。

 

 

「日本という国についてもっと調べろ!!!」

 

 

パーパルディア皇国はついに、日本国について本格的に調べ始めた。

 

 




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