超大国日本国召喚   作:一般通過愉悦部

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評価赤付いたんで初投稿です。

うせやろ(震え)。ほんま感謝しきれません。感謝の気持ちをこの話に含めました。

独自展開あり。楽しんでいってください。


第8話 エストシラント沖大海戦

中央暦1640年8月6日 午前

パーパルディア皇国 パーパルディア皇国皇都エストシラント基地ーーー

 

 

皇都防衛隊の魔信技術士パイは無誘導爆弾(Mk.82爆弾)に皇都防衛基地を破壊され、生き埋めにされていた。

 

 

「(暗い……全身が痛む……私はいったいどうしてしまったのだろうか?)」

 

 

パイは、意識を取り戻す。全身の痛みに少し混乱するが、考えを巡らし、記憶の糸をたどる。

 

笛のような甲高い連続した音が聞こえた後、私は吹き飛んで来た誰かに当たって意識を無くした。

その後、建物が崩れるような音がした気がする。

 

日本国は、警戒態勢にある皇都防衛隊基地に攻撃を加えたのだ。爆弾は運悪く、私のいる建物に当たったのだろう。

 

 

「(光!!光だっ!!)」

 

 

上を見ると、僅かに光が差し込んでいる。体は痛いが、幸い動く。

骨まではいってないと思う。

 

 

「よし!!」

 

 

意を決し、自分の上にある岩に力を入れる。少し動く!!!

 

 

「誰か助けて!」

 

 

基地にはまだ人が多くいるはず……だから、私の声を聞けば誰かが駆けつけてくれるはず……しかし、誰からも返答は無い。

 

 

「……そっか」

 

 

 おそらく敵の第2次攻撃を警戒し、戦闘態勢を整えるため、皆忙しく動きまわっているのだろう。

 

 

「う……ん!!!」

 

 

渾身の力を込める。なんとか、隙間から外に出られそうだ。音をたて、レンガと私の服が摩擦し、所々服が破れる。

外に出たら、恥ずかしい視線を受けそうな気もするけど、命には代えられない。

 

 

「もう一息……やった!!!」

 

「(外に出られた!!)」

 

 

彼女は辺りを見回す。

 

 

「そ、そんな!!」

 

 

彼女の目に映ったもの、それはすべての建物が原型を留めずに破壊された、元基地の残骸だった。

動いているものは、自分以外誰もいない。

 

 

「こんな……こんな事がっ…」

 

 

列強たるパーパルディア皇国の中でも最強の陸軍基地、圧倒的な制地能力と、突破力を誇る地竜も、他国を圧倒し続けてきた魔導砲兵団も、制空能力が極めて高いワイバーンオーバーロードの竜舎も、全てが砕け、破壊されつくしていた。

 

最強の陸軍基地に、これほどの破壊をもたらす存在を彼女は知らない。魔信技術士パイは、呆然と立ち尽くし、その情景を眺めるのだった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分前ーーー

パーパルディア皇国 皇都エストシラント レミール邸宅

 

 

皇族レミールは、自室のベッドで仰向けになり、布団を上から被る。彼女は先ほどの出来事を思い返す。

嫌な夢を見て目が覚めた。気分が悪かったため、気分転換しようと思い、自室の窓からバルコニーに出た。

 

透き通るような青い空、朝の風が少し肌寒く感じ、小鳥たちはさえずる。深呼吸~非常に気持ちいい。

南側の空を見ると、我が国最強の皇都防衛隊のワイバーンオーバーロード竜騎士団が編隊飛行をしており、皇都上空の警戒にあたっている。

その姿は力強く、誇り高く、まさしく列強たるパーパルディア皇国主力にふさわしい。

 

 

「考えすぎだったか……」

 

 

自分はムー国大使の言動を間に受けすぎていたのかもしれない。ワイバーンオーバーロードの空戦能力は申し分無く、ムー国が最新兵器を使用して攻めて来たとしても、撃退出来るだろう。

異世界からの転移国家であろうと、何だろうと、そう簡単にやられるはずが無い。

 

皇都防衛隊の竜騎士団の姿はレミールにそう思わせるだけの威容と力強さがあった。

 

 

「ん?」

 

 

突然竜騎士団の隊列が乱れ、各々が勝手に加速し、散開する。

 

 

「何かの訓練か?」

 

 

散開した竜たちが、突如として煙に包まれる。少し遅れ、連続して轟音が鳴り響く。

 

 

「きゃっ!!!」

 

 

少女のような悲鳴をあげ、レミールはかがみこみ、上空を見上げる。

彼女の目に飛び込んで来たのは、バラバラに破壊され、雨のように落ちていく竜騎士団の姿。

 

 

「まさか日本!!日本の攻撃か!!!」

 

 

全身から汗が吹き出る。そして彼女は気付く。

 

 

「(まさか!!私が、この私が震えているだと!?)」

 

 

バルコニーの手すりに掴まる手は震え、足は目で見ても解るほど、明らかに震えている。

そして、矢のような形をした何かが凄まじい速度で通過する。その速度は彼女が知りうるどの物体よりも速く、先ほど考えていた。

 

『竜騎士団が負けるはずが無い』

 

といった根拠の無い自信はあっさりと崩れ去る。

 

直後に届く衝撃波音、そしてそれから発せられる光の矢が、陸軍基地へ向かっていく光景。

 

 

「まさか、皇都防衛隊が攻撃を受けているのか!!!」

 

 

大きな炸裂音の後、陸軍基地から最大級の警戒アラームが鳴る。レミールは皇都が攻撃を受けている事を理解し、すぐに第1外務局に行こうと足を踏み出すが、足が震えて全く動けない。

 

直後、甲高い音が鳴り、雷鳴の轟きと共に空に消える日本の飛行機械。別の飛行機械が攻撃に来たようだった。

 

爆音、そして陸軍基地から上がる煙。相当な爆発だった。

かなり被害が出ているだろう。そして……

 

唸るような重低音、大きな翼をもった飛行機械が……300機を超える量で侵攻してくる。

先ほどの小さい飛行機械ですら、あれほどの威力の爆弾を投下した。

 

 

「くっ!何をするつもりだ!!!」

 

 

大型の飛行機械は各々から信じられない数の爆弾を投下する。爆弾の雨と言うのが正しいであろう。

 

恐怖を掻きたてる日本の爆弾投下音、そして陸軍基地から上がる猛烈な爆炎。おそらくとんでもない被害が出ているはずだ。

レミールは屈み込み、両膝を抱え込む。震えが止まらない。

 

自分は責任ある立場、すぐにでも第1外務局に出向かなければならない。しかし、日本軍による皇国へ向けられた圧倒的な暴力、そしてその原因を作り出したのが自分であるという事実。

 

 

「(日本は……日本は血眼になり、怒り狂って私を探している)」

 

 

考えが頭を巡り、恐怖で動けない。街は、騒然とした雰囲気に包まれ、所々で人々の怒号が聞こえる。

レミールは這うようにして、ベッドに潜り込み、今に至る。

 

 

「レミール様、レミール様!!!」

 

 

自室のドアを叩き、呼ばれる音が聞こえる。

 

 

「レミール様!!」

 

 

こんな姿を家のメイドに見せる訳にはいかない。

 

 

「今行く!!!」

 

 

レミールはその精神力をもって立ち上がる。震えながらも彼女は自室のドアの前に向かう。

 

 

「何だ!!!」

 

 

ドア越しに彼女は尋ねる。

 

 

「第1外務局から至急来てほしいとの連絡が入っています」

 

「解った。着替えてから向かう!!」

 

 

全く思いつかない今後の対策、彼女の頭の中を、日本の恐怖が駆け巡る。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数時間後ーーー

皇都エストシラント 南方の港

 

 

皇都防衛の要ともいえるエストシラント南方の海軍基地、同基地には戦列艦がひしめき、皇国海軍主力といっても差し支えない。

基地の中には列強パーパルディア皇国の海軍本部も設置され、多数の戦列艦の並ぶその姿は圧倒的の一言であり、見る者にある種の感動を与える。

 

海将バルスは、海軍本部の自室から外を眺める。

 

陸軍が攻撃を受けたとの報により、基地の海軍に全力出撃を命じた。有事即応体制にあった戦列艦たちは、迅速に準備をしている。

 

すでに主力の3分の1は警戒のために布陣を整えており、万全の体制で敵を迎え撃つ。個艦同士の展開範囲を広くとり、かつ莫大な量をもって戦うことにより、長射程砲対策を行う。

本作戦に、海将バルスと皇国の頭脳マータルは、自信を見せる。

 

続々と港を出港する戦列艦、その一隻一隻が、この世界の平均的な戦船に比べ、圧倒的に強く、圧倒的に大きく、そして圧倒的に速い。

第3文明圏最強の海軍、列強パーパルディア皇国主力艦隊は、おそらく来るであろう日本海軍の攻撃に備え、彼らを滅するために出港準備を行うのだった。

 

数時間後、皇都エストシラント南方海域、海にひしめく大艦隊、そこにはパーパルディア皇国海軍主力の3分の1が展開していた。

各艦の距離は1.0kmにも及び、とてつもない範囲の「面」に海軍は展開する。

 

同面内に敵が入ってきた場合は、複数の艦が攻撃に参加する。同質同数の量であれば、各個撃破される布陣であり、決して行わない。

この布陣は、敵よりも被害を受ける事を前提とし、しかし数で圧倒し、長射程砲を敵が持っていたとしても、確実に敵にダメージを与えうる布陣。

 

第3文明圏において、質においても量においても、他国を凌駕し続けた列強パーパルディア皇国にとって、この布陣は屈辱的でもあった。

しかし、敵は強い。間違いなく侮ってはならない。

 

第3艦隊提督アルカオンは、皇国に3隻しか存在しない150門級戦列艦『ディオス』に乗船し、前方を見る。

敵はおそらく艦隊を海軍本部に向けて来るだろう。

 

 

「報告いたします!!」

 

 

通信兵が叫ぶ。あまりの慌てようから、他の幹部も何が起こったのかと彼を見る。

通信兵は続ける。

 

 

「本国の皇都防衛隊陸軍基地が、日本国の飛行機械の攻撃を受け、全滅したとの事です」

 

「また、海軍本部はこれに基づき、展開中の本艦隊に最大級の警戒を指示すると共に、エストシラント港待機中の第1、第2艦隊に出港を命じました」

 

「な……なんと!!」

 

「主力艦隊の全力出撃は歴史上初めてだな」

 

「しかし……皇都が攻撃を受けるとは!!」

 

 

艦橋にいる幹部の面々は、驚嘆の言葉を発する。

 

 

「日本軍の艦隊の侵攻も、極めて可能性の高い状態となった。索敵のワイバーンの数を3倍にしろ!!」

 

「ははっ!!!」

 

 

透き通るような青空に向かい、第3艦隊の竜母数隻から次々と飛び立つワイバーンロード。彼らは風を掴み、空に羽ばたく。その姿は、誇り高く、力強い。

アルカオンは来るであろう日本軍に対し、敵意を燃やすのであった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻ーーー

パーパルディア皇国 皇都エストシラント 南方海域

 

日本国海上自衛隊とNWTO海軍の『第86合同任務部隊』は、波を裂きながら北進していた。

第86合同任務部隊の陣営は以下の通り

 

               【第86合同任務部隊】

 

司令官 日本国海上自衛隊『鈴木修一』海将補

 

参加部隊 海上自衛隊第1艦隊 第2軽空母打撃群

          第4艦隊 第8空母打撃群

                第14護衛隊群

                第15護衛隊群

          第5艦隊  第9空母打撃群

                第16護衛隊群

          第6艦隊  第10空母打撃群

                第17護衛隊群

                第18護衛隊群

          第7艦隊  第11空母打撃群

                第19護衛隊群

 

     アメリカ海軍 第7艦隊 第15駆逐戦隊

 

     イギリス海軍 第1空母打撃群 第6駆逐隊

 

     フランス海軍 第1空母航空艦隊 第2駆逐隊群

 

     イタリア海軍 第1航空打撃群 第4駆逐団

 

 

 

すでに敵の大船団は、レーダー上に捉えられ、おそらくは敵の空母と思われる艦隊の位置も把握し、事前の人工衛星からの偵察により、敵海軍本部の位置も判明している。

 

 

「すごい布陣と量だな。これほどの近代艦の大艦隊を相手にした海戦は、世界の歴史上初めてになるかもしれない」

 

「こっちも負けてませんがね」

 

 

おおよど型揚陸指揮艦『によど』の旗艦用司令部作戦室(FIC)で部隊司令の鈴木海将補とアメリカ第7艦隊第15駆逐戦隊司令デヴィッド・ブラウン・メイヤー大佐はつぶやく。

敵空母艦隊は、第86合同任務部隊戦闘部隊から北東方向約250kmに展開し、すでに空母任務群の艦載機の航続距離に入っている。空母艦隊からは、多数の敵航空戦力が飛び立つ様子がレーダー画面上に映し出される。

 

 

「よし!後方の空母任務群へ伝達!『艦載機により敵空母艦隊を撃滅せよ!!!』」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

第86合同任務部隊 空母任務群ーーー

 

 

『によど』ら戦闘部隊より南60kmの地点では、日本国海上自衛隊第8・9・10・11空母打撃群の空母、

 

○ CVN-74『ずいほう』

○ CVN-75『りゅうじょう』

○ CVN-76『りゅうほう』

○ CVN-77『ほうしょう」

 

 

の艦載機が出撃準備していた。

 

各空母の4基あるカタパルトには『F-14E』か『F/A-18E』が設置されている。

『ずいほう』『りゅうじょう』は『F-14E』を発艦させ、制空権を確保し、『りゅうほう』『ほうしょう』は『F/A-18E』に装備された93式空対艦誘導弾(ASM-3)で敵竜母を攻撃する。

 

数分後、出撃命令が出され、各艦のカタパルトから『F-14E』『F/A-18E』が発艦する。

傍では、護衛するイタリア艦隊の乗組員が艦載機の編隊を写真を撮ったり、投げキッスをしたり、帽子を振っている。

 

総勢48機の大編隊はパーパルディア竜母艦隊を撃滅するために、飛行していった。

 

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数分後ーーー

 

 

『F/A-18E』を護衛する『F-14E』のレーダーに機影が映る。敵味方識別装置(IFF)に反応はなく、おそらくパーパルディア竜母艦隊の哨戒機であろう。

隊長はすぐさま部下に撃墜を命令する。

 

 

「こちらウルフ1からウルフ4へ、敵機を撃墜せよ。オーバー」

 

『ウルフ4、了解。撃墜する』

 

 

数秒後、『F-14E』の機体下部から99式空対空誘導弾(AAM-4)が自由落下した後、燃料に火がつき、大きな加速力を生み出す。

マッハ4で99式空対空誘導弾(AAM-4)は敵哨戒機に向け飛行する。

 

 

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数分後ーーー

パーパルディア皇国 海軍主力 第3艦隊所属 竜母艦隊南方約50km空域

 

 

ワイバーンロードに騎乗する竜騎士『ラカミ』は哨戒飛行中、海に何らかの違和感を感じ、全神経を集中して海上を見る。

 

 

「いったい何だ!?あれは!」

 

 

彼は自分へ向かってくる超高速で飛行する矢を発見した。

 

 

「索敵隊より艦隊司令!我、超高速未確認飛行物体に追跡されている!」

 

「援軍をm」

 

 

その時、ラカミの至近距離で99式空対空誘導弾(AAM-4)が爆発する。

ラカミは絶命し、相棒のワイバーンロードと共に肉片になり、海へと落下する。

 

 

ラカミは後に『エストシラント沖大海戦』と呼ばれる海戦で初めての戦没者となった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分後ーーー

パーパルディア竜母艦隊 旗艦『フェルネス』

 

 

「応答せよ、応答せよ。繰り返す、応答せよ!」

 

「どうした!」

 

 

魔信士が怒鳴り、竜母艦隊司令の『バーン』が魔信士にどうしたかを質問する。

 

 

「実は…哨戒中のワイバーンロードと連絡が取れず…」

 

「『索敵隊より艦隊司令!我、超高速未確認飛行物体に追跡されている!』との言葉を最後に…」

 

「撃墜されたか…?」

 

 

バーンの言葉に竜母艦隊幹部は驚愕する。竜母艦隊の軍師『アモル』はバーンの言葉を否定する。

 

 

「バーン様、それはあり得ません」

 

「ワイバーンロードはワイバーンオーバーロードには劣るも、列強以外の国には脅威」

 

「それを魔信を打つ暇もなく撃墜するのは困難です」

 

「…だがアモル、貴様は大事なことを忘れておるぞ」

 

 

バーンは喋り出す。

 

 

「私たちが戦う国、日本はムーの飛行機械を使っている」

 

「ムーの最新鋭機『マリン』を使用したのなら、ワイバーンロードは不意を突かれたら撃墜されるだろう」

 

「護衛のため、竜騎士団を上らせよう」

 

「はっ!」

 

数分後、各竜母では怒声が飛び交っていた。

 

 

「上がれる竜は上がれ!!!」

 

 

各竜母からは、皇国の航空戦力、ワイバーンロードが続々と飛び立ち、上空で編隊を組む。

 

竜母20隻からは、各12騎づつ、計240騎がすでに上空に舞い上がり、さらに竜を排出し続ける。

離陸した竜騎士は、周囲を警戒するかのように、艦隊上空を飛び交う。

 

 

「これほどの竜が、正体不明の物体の迎撃に上がるのは、歴史上初めてだな」

 

 

バーンは、飛び立つ竜騎士を見て側近につぶやく。

 

 

「そうですね、敵のお手並み拝見といきましょう」

 

 

アモルは、自信のある態度をもって、司令のつぶやきに答える。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻

パーパルディア竜母艦隊より南方約45km空域ーーー

 

 

第86合同任務部隊空母任務群の第1次攻撃隊長の『山本進』は、F/A-18Eのコックピット内のレーダーに敵竜母艦隊から多数の反応が出たのを見ていた。

彼は直様、全艦載機にミサイルを放つよう命令する。

 

 

「こちら隊長機、敵艦載機が発艦した模様、撃墜許可。各隊はミサイルを発射せよ」

 

「なお、戦闘飛行隊は発射後残りの敵機を仕留めるために上昇、戦闘攻撃隊は空対艦ミサイル(ASM)発射の為、降下せよ」

 

「攻撃開始!!」

 

 

数秒後、『F-14E』は機体下部から、『F/A-18E』は内側から2個目のハードポイントより99式空対空誘導弾(AAM-4)が発射される。

発射後、2発がシステムの不具合で海に落下したが、残る143発の99式空対空誘導弾(AAM-4)はその役割を果たすために、飛行していった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分後ーーー

パーパルディア竜母艦隊

 

 

数百機にも登るワイバーンロードの大編隊を見ている艦隊参謀のアモルは気分が高揚し、艦隊司令のバーンに話しかける。

 

 

「バーン様、ご覧下さい。あの竜騎士の量、凄まじいまでのワイバーンロードの数を!!!」

 

「……フ、我々はすでに人の領域の戦いを超えています。これは……まさに、神々の領域の戦いだ!!!これほどのワイバーンロードがいれば、ムーの飛行機械も、もう存在しえないでしょう」

 

「そうだな(何か嫌な予感がするな…)」

 

 

パーパルディア竜母艦隊司令バーンは嫌な予感を感じながら竜騎士団を見つめていた。

 

彼の嫌な予感は的中する。数秒後、上空に展開していたワイバーンロードの何騎かが弾ける。

 

 

「なぁっ!!!」

 

「何だ!」

 

 

弾けたワイバーンロードと竜騎士は肉片となり、海上へ落ちる。残った竜騎士団は狼狽する。

その時、艦隊で一番目が良いとされている者が何かを発見する。

 

 

「何だあれはっ!」

 

「何処だ!」

 

「艦隊南方です!」

 

 

バーンとアモルがムー製の双眼鏡を覗くと矢のようなものが高速で飛来していた。

 

 

「?矢?それにしてはかなり高速…」

 

「!!まさか!不味い!!」

 

 

バーンがあれがワイバーンロードを撃墜した物だと考え、ワイバーンロード隊に撤退を命じようとするが。時すでに遅し。

99式空対空誘導弾(AAM-4)は143発はワイバーンロード143騎を撃墜。その役目を終えた。

 

 

「……」

 

「馬鹿なぁ…そんな…」

 

 

ワイバーンロードが何も反撃できずに100騎以上もやられたことは、艦隊に大きな狼狽を齎す。

 

静まり返った艦橋に、机を拳で叩く音が響く。ドン!!と大きな音がし、艦橋の皆は音の発生源を向く。

艦隊司令バーンの拳は、血で赤く染まる。

 

 

「バ……馬鹿な。おのれぇ!!上空待機中の飛龍隊に、全騎南へ向かうよう指令しろ!!敵を見つけしだい、各小隊判断で攻撃を行うように伝えるのだ!!」

 

「ははっ!!」

 

 

上空の竜騎士に、命令が伝達される。そもそも命令を出しても最高速度350km/h以上のワイバーンロードに音速を超える第4世代主力戦闘機に追いつけるわけが無かったが、バーンらは知る由もない。

その瞬間、上空を隈なく捜索していた見張員が高空から接近する光の矢を見つける。

 

 

「!!光の矢!6時方向多数!!」

 

「!!」

 

「避けろっ!!」

 

 

バーンは祈る。その祈りに呼応するかのように飛龍隊は回避する。バーンは祈りが通じたか…と安堵するが、光の矢は意思を持つかのように姿勢を変え、ワイバーンロードに突っ込む。

 

ワイバーンロード48騎は『F-14E』から発射された90式空対空誘導弾(AAM-3)によって肉塊に変化させられる。

 

 

「くそっ!!」

 

「…残るは3騎か…」

 

 

バーンは考える。そのまま命令を続けさせ、光の矢の元を攻撃させるか?それとも竜母に避難させるか?

だが、考えていると見張員の悲鳴が聞こえる。

 

 

「て、敵飛行機械!高空よりとてつもない速さで急降下!」

 

「な!」

 

 

双眼鏡を覗くと、矢のような形をした飛行機械が迫ってくる。

 

 

「(ムーのよりも断然早い!!ムーから輸入したのは嘘であったか…上層部め!何がムーの機械を使用している可能性があり。だ!ミリシアルや古の魔法帝国並みの天の方舟ではないか!)」

 

 

バーンは上層部に悪態をつくも、飛行機械の攻撃は止められない。

 

 

「ああ!」

 

 

飛行機械から光の雨がワイバーンに降り注ぎ、ワイバーンロードと竜騎士は絶命する。

ワイバーンロードを撃墜した飛行機械は真っ直ぐこちらに向かってくる。

 

 

 

「!!!」

 

「伏せろぉ!!!」

 

 

パーパルディア竜母艦隊の上空20mの地点を『F-14E』は音速で通過し、衝撃波が竜母艦隊を襲う。

戦列艦は衝撃を喰らい、転覆しそうになる。

 

パーパルディア竜母艦隊所属のワイバーンロード240騎は海上自衛隊の空母から発艦した『F-14E』の前に全滅した。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻

パーパルディア竜母艦隊より南方約20km空域ーーー

 

第86合同任務部隊空母任務群の第1次攻撃隊の戦闘攻撃隊長の『小林 美里』は海上から15mの低空で飛行している『F/A-18E』のコックピットのレーダーを見ていた。

レーダーには大編隊を誇っていたパーパルディアのワイバーンが『F-14E』の空対空ミサイル(AAM)で撃墜され、そこには敵味方識別装置(IFF)によって味方と判断された青の光点が映し出されていた。

 

右を見るとハードポイントに各機2発の93式空対艦誘導弾(ASM-2)が括りつけられている。

 

 

「よし…攻撃開始!」

 

 

小林の命令により『F/A-18E』が少し上昇し、ハードポイントから93式空対艦誘導弾(ASM-2)が落下する。

数秒落下した後、燃料が点火し、48発の93式空対艦誘導弾(ASM-2)は1,150km/hで竜母艦隊へ向かっていった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分後ーーー

パーパルディア竜母艦隊旗艦『ワーグナー』艦橋

 

軍師アモルはうろたえていた。

 

200騎以上の大編隊を誇っていたワイバーンロードが短時間で全滅したのだ。無理もない。

その時、先程光の矢を発見した見張員から報告が上がる。

 

 

「見張より艦隊司令!海上を我が艦隊方向へ向かう超高速未確認飛行物体を発見!総数40以上!!!」

 

「なんだと!もうワイバーンは残っていないぞ!!」

 

 

アモルは敵がどうしたかを考える。バーンはその時、ある考えに至る。

 

 

「対空用じゃない!対艦用か!」

 

「「「!!!!」」」

 

「回避運動!急げ!」

 

「了解!回避運動!!」

 

 

急いで艦隊の戦列艦は回避運動を取るも、戦列艦はそう簡単に動かない。

 

海上スレスレを飛翔してきた1発目の対艦ミサイルは、大きく上昇し、斜め上空からバーンらが乗る竜母艦隊旗艦の隣を回避運動中の竜母『アビス』に突入した。

猛烈な閃光がバーンらを襲う。

 

竜母『アビス』は、船よりも遥かに大きな爆炎に包まれる。少し遅れて、海上に轟音が木霊する。

 

 

 

「ひぃぃぃぃぃ!!!!」

 

 

アモルは恐怖のあまり、情けない声を出す。アビスは跡形も無く、木っ端微塵に破壊され、海上から姿を消す。

 

驚愕が艦隊を支配する。誰も、何も言えない。

 

 

「……竜母アビス、轟沈」

 

 

通信士がつぶやくように報告する。光の矢は竜母の2倍の数で襲ってくる。1発であの威力、至近弾でも致命傷だ。

 

回避運動をようやく行うが、対空用と同じく、光の矢は姿勢を変え、竜母に突っ込んで来る。

 

 

「竜母『ガルガオン』轟沈!!竜母『セイレーン』轟沈!!」

 

 

海上では、敵から放たれた攻撃が連続して着弾し、次々と竜母が沈む。

 

 

「くっ!!これまでか」

 

 

バーンは、竜母艦隊旗艦『ワーグナー』で飛んでくる敵の矢を見つめる。矢は船に突き刺さり、パーパルディア竜母艦隊司令バーンと艦隊参謀アモルは、猛烈な光と共に、この世を去った。

 

 

パーパルディア皇国海軍竜母艦隊の竜母20隻は日本国海上自衛隊空母艦載機『F/A-18E』から発射された93式空対艦誘導弾(ASM-2)によって全艦轟沈。

同じく竜母艦隊の艦載機ワイバーンロード240騎も『F-14E』から発射された90式空対空誘導弾(AAM-3)99式空対空誘導弾(AAM-4)、JM61A1 20mmバルカン砲の攻撃を受け、全騎撃墜された。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数刻後ーーー

パーパルディア皇国主力海軍第3艦隊 旗艦『ディオス』

 

パーパルディア皇国海軍第3艦隊旗艦『ディオス』の船尾楼甲板で、第3艦隊提督アルカオンは、前方の海を睨んでいた。

間もなく日本海軍と接敵するだろう。正体不明の超音速飛行機械と飛行物体が通り過ぎて行ったので、この先に敵が居るのは間違いない。

 

 

「報告します!」

 

 

通信兵が声を上げる。

 

 

「何だ?」

 

「我が第3艦隊所属の竜母艦隊が、正体不明の攻撃を受け、全滅しました………!!すでに上空にあった竜騎士250騎も、全騎撃墜された模様です」

 

「な……なんと!!」

 

「そんなバカな!竜母艦隊は主力戦列艦よりもはるかに後方だぞ!!攻撃が届くはずが無い!!!」

 

「ワイバーンロードが全滅だと!何があったんだ!」

 

 

同じ甲板にいた幹部達は、とても信じられないと言った表情で声を上げる。アルカオンが手をあげると、場が静まる。彼はゆっくりと話し始める。

 

 

「敵には、長射程かつ正確に攻撃できる兵器があるのだろう。しかし、一気に全ての戦列艦を叩かず、海戦において最も重要なコアである竜母艦隊のみを狙った……敵の長射程攻撃の数に余裕が無い証拠だ。狼狽えるな」

 

 

悲壮感に溢れていた甲板は、アルカオンの一言で精神的に立て直す。

 

 

「飛龍隊が全滅したのは痛いな…」

 

「報告!飛龍隊が全滅したので援護のため、ロデコロイツ基地からワイバーンロード100騎とワイバーンオーバーロード50騎が応援に来るようです!!」

 

「何!本当か!」

 

 

悲壮感は無くなり、変わりに高揚感が溢れる。

 

 

「ワイバーンロードだけでなく、ワイバーンオーバーロードも50騎!…何としてでも勝たなくては…」

 

「ワイバーンオーバーロードが有れば飛行機械も怖くありませんな!!」

 

 

幹部たちは恐怖を振り払い、現場の監督作業に戻って行った。

 

 

「戦列艦『アディス』から報告!!」

 

 

通信士は続ける。

 

 

「『アディス』前方約40km地点に艦影を確認!艦数不明!!」

 

「ほう、見つけたか!!」

 

 

アルカオンは手を突き出し、勇壮に宣言する。

 

 

「全艦隊、第1種戦闘配備!目標、敵艦隊!針路修正、右5度!」

 

「右5度修正了解!」

 

「艦隊左翼、足並み揃えろ!少し外れにいる竜騎士団にも位置を共有し、航空戦の準備を指示せよ!」

 

「隊列揃え次第、最大船速!空と海から波状攻撃を仕掛けるぞ!!」

 

「「「はっ!!」」」

 

 

命令は正確に伝達され、各艦が緩やかに向きを変え、一斉に加速する。

 

 

「竜騎士団の応援が来たのはまさに天啓だな……海と空からの同時攻撃、歴史上今回のような大規模攻撃を受けた者はいない。日本よ、貴様は耐えられるか?」

 

 

アルカオンは眼光鋭く、水平線の彼方を睨みつけた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻

第84合同任務部隊ーーー

 

 

艦隊は波を裂いて進む。総数50隻の艦隊はすでに戦闘態勢に移行しており、3つの輪形陣を組み、敵の大艦隊へ向かう。

 

中心部の輪形陣には海上自衛隊第4・5艦隊の護衛隊群、右翼の陣にはアメリカ海軍・イギリス海軍、左翼にはフランス海軍・海上自衛隊第6・7艦隊の護衛隊群で構成されている。

 

中心部の陣の真ん中を航行しているいずも型軽空母『かが』には、海上自衛隊のAV-8B ハリアーⅡ 5機の他に、海兵隊のAH-1Z ヴァイパー20機が配備され、発艦を開始する。

 

最前方の護衛艦と、敵艦との距離が20kmになった時、第84合同任務部隊司令官『鈴木修一』海将補から一斉指令が繰り返し、はっきりと大きな声で流される。

 

 

「攻撃開始!!各艦は砲の射程に入り次第、順次攻撃を開始せよ」

 

 

各陣の最前列を行くこんごう型護衛艦『きりしま』、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦『ヒギンズ』、フォルバン級駆逐艦『シュヴァリエ・ポール』の、艦前方に設置された、127mm単装速射砲・Mk.45 127mm単装砲・62口径76mm単装速射砲が動き始める。

 

FCS射撃管制システムにより、敵艦と自艦の相対速度が算出され、砲の飛翔速度、弾道、そして着弾予想地点を計算、砲が寸分違わず斜め上空を向く。

 

 

『主砲撃ちぃ方はじめ!!』

 

『Be sure to guess!!Fire!!』

 

『Montrez les compétences de votre flotte dans un autre monde ! Feu!』

 

 

次の瞬間、轟音と共に、4発の砲弾はパーパルディア皇国海軍主力第3艦隊の戦列艦『アディス』に向け、発射された。

 

後に世界に『日本』という国を強烈に印象づけ、歴史書には『エストシラント沖大海戦』と記された海戦が始まろうとしていた。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻

パーパルディア皇国海軍主力第3艦隊 戦列艦『アディス』ーーー

 

 

「敵艦発砲!!!」

 

 

我が方の艦と、敵艦はまだ20km以上離れているにも関わらず、日本の軍艦は発砲した。

艦長は副長に話しかける。

 

 

「奴らはこれほど距離が離れているのに砲を放ち、いったい何のつもりだ?威嚇か?」

 

「全く理解できませぬ。敵の砲が我が方の射程距離よりも長かったとしても、あまりにも離れすぎています」

 

 

微かにいやな予感がする。今まで戦場で感じる事の無かった確かな死の予感。

 

 

「面舵いっぱい!念のため回避行動をとるぞ!!」

 

 

艦長の命により、戦列艦アディスはゆっくりと向きをかえる。突然艦が激しく揺れる。

 

 

「一体連中は何をk」

 

 

その時、127mm単装速射砲・Mk.45 127mm単装砲・62口径76mm単装速射砲の127mm・76mmの砲弾4隻が『アディス』を貫いた。

戦列艦にはオーバーキルすぎる攻撃により、皇国の戦列艦『アディス』はこの世から消えた。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分後

パーパルディア皇国第3艦隊 旗艦『ディオス』ーーー

 

 

「戦列艦『アディス』轟沈!!て……敵の攻撃は砲撃によるものと判明!!射程は20km以上!!たった4発の発砲で全弾命中させています!!!」

 

「な……なななな……なんだと!?20km!?砲の射程距離が20km以上もあるというのか!!!我が方の10倍も……」

 

 

さすがのアルカオンも頬を引き攣らせ、冷や汗を浮かべる。

 

 

「しかも、たったの4発で命中!?海上に大砲の外れた水飛沫はないから4発全てを着弾させているぞ!動目標に対する命中率は、距離2kmで発射した我が方の100倍もあるのか!!」

 

「20kmでの命中率は我が方が2kmで撃った時の100倍以上か。距離2kmで比較したらどうなる!?まあ、1発では計れないが」

 

「敵の砲はたったの1発で戦列艦を沈めるほどの威力がある。純粋な火力については、認識以上の開きがあるのかもしれない!」

 

 

幹部たちは、敵の強大さに対する純粋な驚きと、戦列艦で戦うには難易度があまりにも高すぎる艦の性能差に絶望する。

議論をかわしている間にも、3艦はそれぞれ別の目標を攻撃し、すでに10隻の戦列艦がそれぞれたったの1発で轟沈している。

 

 

「間もなく竜騎士150騎が敵上空へ到達します。」

 

「たのむぞ……」

 

第3艦隊提督アルカオンは竜騎士による空対艦攻撃に望みを託すのだった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻

パーパルディア皇国 第3艦隊所属 竜騎士団

 

 

「見えたぞ!!」

 

第3艦隊司令部からの魔信により、誘導された竜騎士団150騎は、水平線上に艦影を認める。今までに見た事が無いほどの大きさと速さがあり、彼らの緊張は頂点に達する。

 

敵艦は友軍から20km近く離れているにも関わらず、砲撃を行い、友軍を沈めていく。彼らは右翼陣形後方ーーーイギリス艦隊の方角から突撃する。

 

竜騎士団長『ダイロス』は覚悟を決める。

 

 

「全軍突撃!!日本軍を滅せよ!!!」

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

 

自分たちは最強の竜騎士団、自分を信じて彼らは向かう。

パーパルディア皇国軍第12竜騎士団約150騎は、イギリス海軍第1空母打撃群第6駆逐隊の45型駆逐艦『ダイヤモンド』に目標を定め、攻撃しようとする。

 

 

「何!?敵艦が爆発しただと!?」

 

 

ダイロスの目には、日本(実際はイギリス艦だが、日本以外の国をダイロスは知らない)の艦が勝手に爆発したように見えた。

しかし、次の瞬間、猛烈な速さで上空に打ち上げられる光の矢を目にしたとき、それが自分たちに向けられた攻撃であることを理解する。

 

 

「何だ!矢が!向かってくる!!???」

 

 

ダイロスは竜母艦隊飛龍隊の壊滅理由を知らないため、狼狽する。各竜騎士は上空で散開する。

光の矢は信じられない速さで距離をつめ、ダイロスの斜め後方を飛行していた竜騎士に着弾、その体をワイバーンもろとも原型を留めないほどの木っ端微塵に粉砕した。

 

 

『ちくしょう、速すぎる!!あんなものが避けれるか!!!』

 

『くそっ!くそっ!』

 

 

様々な声が魔信で流れる。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻

第86合同任務部隊 右翼後方 イギリス海軍 45型駆逐艦『ダイヤモンド』ーーー

 

 

45型駆逐艦『ダイヤモンド』の艦橋では艦長の『フィリップ・キャンベル・ハリス』中佐が紅茶を入れた愛用のtea cupを右手に持ちながら指揮をしていた。

 

 

「Shit!!折角のtea timeの邪魔をしやがって…」

 

「Fire!Fire!Fire!どんどんぶち込め!日本が弾薬を負担してくれるって言うから、好きなだけ撃て!」

 

 

前部の『シルヴァーA50』VLSから『アスター15』艦対空ミサイルが発射され、パーパルディア竜騎士団に向かう。

 

 

「他の我が海軍艦艇・アメリカ艦隊も射撃を始めました!」

 

「what!?我が王立海軍はまだしも、ハンバーガー野郎までだと!あの肥満比率33%め!コーラとチーズの食べ過ぎてデブになって、クソトカゲを撃ち落としてダイエットしようって言うのか!!」

 

「shit!急げ急げ!女王陛下への戦果を稼ぐのだ!主砲だけではなくM2とCIWSも撃て!」

 

「はっ!」

 

 

ふと、ハリスは自分のtea cupを見ると、愛飲しているteaがなくなっていることに気がつく。

 

 

「Bloody hell! 副長!tea potとお前のcupを持ってこい!」

 

「了解です」

 

 

すぐに副長はtea pottea cupを持ってくる。

potからcupteaが注がれ、艦長はその匂いに興奮する。すぐさま、口に注がれハリスは震える。

 

 

「oh… agreeable flavor!!うまい!!」

 

「agreeable!良いもんですなぁ!!」

 

「「hahahahahahahahaha!!!!」」

 

 

一部分だけ見ると紳士達が紅茶を嗜んでいるように見えるが、艦橋の窓からはVLSから艦対空ミサイルが発射され、55口径114mm単装砲が咆哮する。

 

今日も英国紳士達は絶好調だ。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分後ーーー

 

パーパルディア皇国海軍第3艦隊旗艦『ディオス』ーーー

 

「りゅ……竜騎士団は全滅しました。敵艦に被害なし…」

 

 

沈黙する艦橋、誰もが絶望し、なす術が無いと理解し始めていた。もし彼らが敵は紅茶を飲み、ハンバーガーを食べながら迎撃したと知ったなら言葉を失うであろう。

 

 

「戦列艦『マルタス』、『レジール』、『カミオ』轟沈、『ターラス』に敵砲着弾……」

 

 

絶望的な通信士の声だけが、艦橋に響き続ける。あの歴戦の獅子、第3艦隊提督アルカオンでさえ、額に汗を浮かべ、沈黙している。

 

皇国の頭脳『マータル』の考えた作戦も、列強ムー相手ならば効果があっただろう。しかし、100発100中の長射程砲と、1発で沈むほどの威力のある砲弾なんて、反則すぎるではないか。

作戦は全くの無意味となり、撃沈が続く。

 

敵の砲は、射程距離が20km以上あり、ほぼ100発100中、かつ装填がとてつもなく速い。皇国の魔導砲の射程距離まで近づこうと思ったら、最大船速で40分以上かかってしまう。

敵との相対速度を利用すれば、もっと早く到達できるだろうが、戦場で甘い期待をするべきではないだろう。あんな正確な砲撃を40分以上も避け続けるのは不可能だ。

 

 

「……くそ!!」

 

 

アルカオンは覚悟を決める。そもそも、皇国主力が皇都の目と鼻の先で、戦力を残して降伏や撤退が許されるはずなどない。

選択肢などは、初めから無いのだ。

 

 

「全軍、進攻してきた日本軍に突撃せよ!!!皇国海軍の意地を見せてやれ!!!」

 

 

各船の魔石が輝く。風神の涙と呼ばれる風を起こす魔石により起こされた風を帆いっぱいに受け、最大戦速で敵の巨大船に向かい、加速を行う。

しかし、味方艦はなおも轟沈し続ける。

 

面のように薄く展開した皇国艦隊、その面に棒が突き刺さるかのように第86合同任務部隊が進攻する。

任務部隊の10km圏内のパーパルディア皇国艦船は次々と粉砕、轟沈され、日本軍の通った後の海上には戦列艦の残骸のみが浮遊する。絶望に包まれる第3艦隊。

 

あまりの惨劇に、皇軍戦列艦の中には命令を無視し無断で撤退を始め、結果的にそれが艦隊同士での接触・衝突事故を多発させ更なる混乱を招くに至った。

 

 

「間髪いれるな! 次弾攻撃、始め!!」

 

「Welcome to the party, glorious US Navy people! !!」

 

「All-you-can-eat buffet! Don't leave it behind!」

 

「Ça va? Lorsque vous dites cela, le premier est le barrage, le second est le barrage et le troisième est le barrage!」

 

 

完全なパニックに陥っていた皇国海軍人と異なり、逆に合同任務部隊の人間らはまるでこの戦場を楽しむかのように、艦長から新米水兵まで皆ハイになっていた。

 

 

「日本艦隊、我が艦の正面に来ます!!」

 

 

パーパルディア皇国主力第3艦隊 旗艦 超F級150門級戦列艦ディオスに、第86合同任務部隊が正対する。その距離は間もなく20kmに達するだろう。

 

 

「左に進路を変え、日本艦隊との距離をとる事を申言します!!!旗艦が指揮能力を失う訳にはいきません!!!」

 

 

幹部の1人が提督アルカオンに上申する。

 

 

「ならん!進路そのまま維持、皇国主力の旗艦が引いてはならん!!!」

 

「し、しかし!!!」

 

「敵艦の主砲、我が艦に向きます!!!」

 

「提督!速く進路を変えてください!!!」

 

「ならん!!!」

 

 

アルカオンは吼える。その時、見張り員が悲鳴のような声で報告する。

 

 

「敵艦発砲!!!!」

 

 

全員に緊張が走る。

 

 

「砲弾が来るぞ!!取舵いっぱい!!」

 

 

艦長が吼え、操舵員が操作する。艦がもどかしいほどゆっくりと、進路を変え始める。

 

その時、閃光と爆発音が辺りを巡らす。

 

艦が激しく揺れる。アルカオンは激しい揺れで、頭を柱にぶつけ、額から鮮血が流れる。

 

 

「状況報告!!!」

 

「船体右後部に被弾!火災発生!!また、破口から多数の浸水を認める!!!」

 

 

『ディオス』の船速が、目に見えて落ち、船体が傾き始める。船内で、火薬が転がる。圧力を受けた火薬は、その能力を解放し、付近の火薬を巻き込み、その炎は弾薬室をかけぬける。

炎は上部天井を突き抜け、最上甲板を突き破り、大きな火柱となって出現する。

 

パーパルディア皇国主力第3艦隊の旗艦『ディオス』は、その猛烈な火柱と共に、船体が真っ二つに折れ、轟沈した。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分後

パーパルディア皇国 海軍本部ーーー

 

 

パーパルディア皇国海軍海将『バルス』は港を眺めていた。続々と出港していく皇国の主力艦たち、間もなく第1、第2艦隊も出港も完了する。

すでに第3艦隊外円部では日本艦隊との戦闘が始まっているとの報告があがっている。

 

作戦会議室には、海軍本部の主要幹部が集まり、海図を睨んでいる。その中には、皇国の頭脳と言われた『マータル』も含まれていた。

 

次々と入る戦況報告に、マータルは焦りの色を隠せない。これほどまでに個艦能力に差があるとは思わなかった。

 

この列強たるパーパルディア皇国と、日本軍の個艦性能差は、列強と文明圏外国の差よりも大きい。

 

 

「……第3艦隊旗艦ディオス、撃沈されました」

 

 

沈黙。

 

 

「…よし!」

 

 

意を決したようにマータルが発言を始める。

 

 

「海将!第1及び第2艦隊は最密集隊形で、日本軍に突入させましょう!!これほど差があるとは思いませんでした」

 

「幸い日本軍は数が少ないようです。奴らを倒すには、数で押しつぶすしかありません」

 

「……許可する」

 

 

『バルス』の言により、皇国主力第1艦隊と、第2艦隊は、密集隊形で日本軍に向かっていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数時間後ーーー

おおよど型揚陸指揮艦『によど』の司令部作戦室(FIC)

 

 

戦場の刻一刻と変化する状況が、司令部作戦室(FIC)に伝えられる。

現在のところ、作戦は順調に推移しているようだ。しかし、敵国首都の港から続々と出てくる敵艦の量は、彼らを緊張させ続けるには十分な脅威だった。

 

敵艦の隊列の報告があがると同時に、幹部に緊張が走る。

 

 

「密集隊形をとってきたか!!それにしても、進路上に敵が多すぎる」

 

 

艦隊はすでに、薄い面のように広がった敵に食い込む槍のように突っ込んでおり、どの方向に向かっても敵がいる。にも関わらず、撃滅目標手前に、さらに密度の高い敵の量。

司令の鈴木は意を決したようにつぶやく。

 

「海兵隊のヘリにより、艦砲射程圏外の進路上の敵を攻撃、進路をこじ開ける。艦隊にあっては、砲の節約のため、前方については射程限界、側面については6km圏内のみの攻撃とし、進路上の敵を撃破しつつ突っ込むぞ!!」

 

「了解です!」

 

 

上空に待機していたAH-1Zヴァイパーが敵艦隊の方角へ飛行する。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数時間後ーーー

パーパルディア皇国 海軍本部南方150km先海域

 

第86合同任務部隊は、皇国の艦隊を沈め続けていた。海上には絶えず砲撃音が鳴り響き、音の数だけ皇国艦は沈んでいく。

 

上空には攻撃ヘリが飛びまわり、敵の射程圏外からの攻撃を加える。戦列艦は、対戦車ミサイルや、ロケットの攻撃で燃え上がる。

 

しかし、彼らは勇敢だった。1回の音で、数百人が死んでいくにも関わらず、勇敢に立ち向かっていく。

彼らは正に、列強パーパルディア皇国の守護者にふさわしい、壮絶な最後を遂げる。海上には、皇国艦の残骸が多数浮遊する。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻

パーパルディア皇国海軍本部のある港ーーー

 

臨時職員として雇われていた『シルガイア』は、港で掃除をしていた。

 

 

「おい、おまえ!!その地面にゴミが落ちてるじゃないか!!掃除という、簡単な単純作業が仕事なんだから、掃除くらいきちんとしろ!!」

 

「すいません」

 

 

シルガイアは、海軍の下っ端兵から罵声を浴びながら掃除をする。情けない。今の自分があまりにも情けない。

彼は、パーパルディア皇国海軍本部を見上げる。

 

 

「奴は……出世したな」

 

 

彼は、目に涙を浮かべ、先日の同窓会を思い出す。同窓会には、皇国海軍の将、バルスが出席していた。学生時代、バルスとはライバルだった。成績、運動能力、ほとんど変わらなかったが、少しだけ自分が劣っていた。

 

学生時代のほんの僅かな差、この差の積み重ねが、今の圧倒的な差となって現われていた。

月とスッポン、天と地、神と虫けら、それほどの差があるように、彼には感じられた。

 

同窓会で戦死の話が出た時の海将バルスの言葉が思い出される。

 

『はっはっは!!前線に出る事の無い列強国の海将が戦死する事などありえぬよ。もしも、私が暗殺以外で戦死し、断末魔をあげるような事があれば、その断末魔は列強パーパルディア皇国の滅びの呪文となろう』

 

「すべてを手に入れた者と、何も手に入らなかった者か……」

 

 

彼は、人生の不条理に、嘆きたくなる。

シルガイアは、ふと違和感に襲われ、海を見る。彼は目が良い。

 

 

「!?何だ?あれは!」

 

 

沖合に巨大な艦が展開しており、砲をこちらに向けている。皇国海軍あんな巨大艦は無い。

その時、艦から巨大は砲煙が上がる。

 

 

「!!!!」

 

 

シルガイアは本能的に、それが皇国へ向けられた攻撃であると理解する。

バルスは、シルガイアにとって、ライバルではあったが、良き友だった。バルスはシルガイアの誇りでもあった。

 

彼は、海軍本部へ向かうそれを見て、海将の身を案じ、本能的に叫んでいた。

 

 

「バルス!!!」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

数分前ーーー

日本国 海上自衛隊 第4艦隊 第14護衛隊群所属戦艦『とさ』艦橋

 

 

戦艦『とさ』はパーパルディア海軍本部を砲撃するために皇都エストシラント南方5kmを航行していた。

 

艦橋では絶世の美女と所謂イケメンと呼ばれる顔立ちの美男子が佇んでいた。ある者が見れば一枚の絵画のようであろう。

だが、美女が放った次の言葉で絵画はネタ絵に変わる。

 

 

 

あれがあの女のハウスね

 

「艦長、おやめください」

 

 

美女ーー『とさ』艦長『松田美麗』一等海佐は美男子ーー『京極隆史』二等海佐に不貞腐れた目線を送る。

 

 

「だって!この艦異世界に来てからずっと対地攻撃だよ!今回も!だから鬱憤を晴らそうと思って…」

 

「だからあのセリフは関係ないでしょ…」

 

 

松田と京極は幼馴染で距離は近い。

 

 

「まあ…任務に集中しますか…」

 

「主砲左砲戦用意!」

 

「弾種、榴弾。目標敵海軍本部!」

 

「了解!主砲左砲戦用意!弾種、榴弾。目標敵海軍本部!」

 

 

『とさ』に4基ある46cm3連装砲が回転し、海軍本部へ向く。

 

 

「撃ち方始め!」

 

「撃ち~方始め!撃てぇ!!!」

 

 

耳をつんざくような轟音と腹に響くような衝撃と共に放たれた12発の46㎝砲弾が放たれる。

 

次の瞬間、46cm砲弾が連続して海軍本部に突き刺さり、猛烈な閃光を放つ。

轟音。そして悲鳴。

 

装飾が施された海軍本部、威厳と威容を放っていた同建物よりも、遥かに大きな爆炎が吹き上がる。猛烈な爆発に耐え切れず、建物は音をたて、跡形も無く崩れ落ちる。

 

他国を恐怖で支配し続けてきた列強パーパルディア皇国、その恐怖、力の象徴であった海軍本部が崩れ落ち、爆発音は再び皇都エストシラントに木霊する。

ここにおいて、パーパルディア皇国は、海軍全体の指揮能力を失った。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同時刻ーーー

 

 

魔導砲を発射するかのような戦闘音が皇都エストシラントにこだまする。

先ほどの陸軍基地攻撃の恐怖から、外にでて確認する住民はおらず、皇国臣民は自宅に入り、窓と鍵を閉め、ただただ震える。

 

海軍本部のあった港では、崩れ落ちた本部建物を見て、皆唖然としている。

 

臨時職員の『シルガイア』は海を見る。

 

戦闘音は徐々に、そして確実に港に近づき、その音を出している原因が水平線上に現われる。灰色で、大きく、そして速い。

敵が発砲した音の数だけ味方の船が沈んでいるようだ。

 

 

「やばい!!化け物が来た!!!」

 

 

シルガイアは立ち尽くす。その傍ら、港の兵は慌しく動き回り、陸上に設置され、海へ向く砲を稼動させる。

 

シルガイアは敵の脅威を正確に理解し、動かない足を手で叩き、ようやく動かし始める。彼は兵舎、弾薬庫、そして陸上設置砲台等の重要施設から走って離れる。港から離れ、高台に上り、振り返る。

 

敵の攻撃が港の砲台に連続して命中し、砲台は火柱をあげる。続いて弾薬庫に命中し、港全体が猛烈な爆発と黒煙に包まれる。

 

 

「ちくしょう!ちくしょう!!これではなす術が無い!!!」

 

 

日本国海上自衛隊による、敵海軍本部のある港に対する攻撃により、港湾施設、武器弾薬貯蔵庫及び兵舎は完全に破壊され、パーパルディア皇国主力海軍のうち、600隻全艦を撃沈。

本攻撃により、第3文明圏列強パーパルディア皇国主力海軍は、実質的に壊滅状態となった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

同日夜ーーー

皇都エストシラント 皇城

 

 

「それでは、これより緊急御前会議を始めたいと思います」

 

 

国家の危機的状況となった時のみ開催され、根回しも何も無く、生の情報をぶつけ合う会議が始まろうとしていた。

会議は国のトップ、皇帝ルディアスを筆頭として、国の重役が顔を連ねる。

 

 

皆、顔は暗く、だれ1人として笑顔を見せる者はいない。

会議の面々には、皇族レミール、第1外務局長エルト、第2外務局長ランス、第3外務局長カイオスも含まれている。

 

今、皇国の未来を左右する、日本対策の会議が始まろうとしていた。

 




猿でも分かる今回のあらすじ(謎に高評価のため常設)ーーー

F-14E「おっ開いてんじゃーん(制空権の喪失)」

ワイバーンロード「ああ逃れられない!(カルマ)」

F/A-18E「まずうちさぁ...ASMあんだけど...焼いてかない?」

竜母艦隊「やりますねぇ!(壊滅)」

第86合同任務部隊「お ま た せ」

第3艦隊「イキスギィ!イクイクイクイク…ンアッー! 」

第1・2艦隊「いいよ!こいよ!」

第86合同任務部隊「おっ(制海権)開いてんじゃ~ん! 」

とさ「動くと当たらないだろ!動くと当たらないだろ!」

海軍本部「ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ アーイクッ…」

港湾施設「(≧д≦) ンアッー!」

筆者「これもうわかんねぇな」

◇◆◇

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あと返信自分の状況(週2回の小テスト)によって遅れます。すいません。

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赤にして下さりありがとうございます

モルゲンスタインさん、トリアーエズBRT2(5個も…ありがとうございます)誤字報告ありがとうございます。助かります

前書きにも書きましたが、赤評価をいただきありがとうございます。この色に合うような小説を今後とも描いていくのでよろしくお願いします。

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