これからオリ展開になるので更新速度が遅れますが、ご了承ください
中央暦1940年8月20日──
北京府より250km北側海域 水深20mの地点
たいげい型原子力潜水艦3番艦『じんげい』は、音響測定艦の過労死寸前の測定によって近海だけだが海域の海底、海流、水温とかの詳細の海図が出来た為、試験航海をしていた。
航行中、試しにアクティブソナーを発信すると、40隻以上の反応があったので、『じんげい』艦長『野田俊之』一等海佐は潜望鏡深度につくよう命令した。
「メインタンク、ブロー。潜望鏡深度につけ」
「了解、メインタンクブロー、潜望鏡深度に付きます」
メインタンクが動き、船体が浮上する。光学マストが海上に出されて、メインモニターに画像が映る。そこには、約30隻以上の戦列艦の姿があった。
「どこの国だ?」
「モニター、ズームします」
モニターが拡大され、戦列艦のメインマスト頂上に付いた国旗が見える。地龍と呼ばれる竜が炎を上げ、上を向き、上の真ん中に城のようなものが書かれた国旗。
資料で見たことがあるこの国旗の国は──『パーパルディア皇国』だ。
「パーパルディアか、帆船だから推進音がなかったのか」
「至急、本部へ打電『我、北京北部250kmの地点で敵船発見、指示を請う。1321』」
「了解、『我、北京北部250kmの地点で敵船団約40隻を発見、指示を請う。1321』、本部へ送ります」
数分後、『じんげい』が所属する第2艦隊司令部から通信が入る。
「司令部より下令、『敵船団は先日報告されたデュロ艦隊と思われる。陸上自衛隊第12地対艦誘導弾連隊と本艦隊第36フリゲート隊が対応する。貴艦は帰港せよ』とのことです」
「了解、本艦は魚雷は殆どないからな。深度200に付け!」
「はっ!」
『じんげい』は推進200mまで潜航し、海上自衛隊北京基地へと戻った。
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『じんげい』帰港より数分後──
日本国中華地方河北県奏皇島市
陸上自衛隊南部方面隊南部方面特科団第12地対艦ミサイル連隊は88式地対艦誘導弾システムを設置していた。奏皇島市最大の山の桟東山の約8合目付近の位置に、捜索標定レーダーが設置されていた。
すでに部隊から北の方角約250kmの位置からこちらへ向かっている敵艦については海自の『P-3C』哨戒機とリンクしているため、完全に捕捉している。山の中腹には中継装置、射撃指揮装置、ミサイル発射機搭載車4両、弾薬運搬車4両がすでに配置についていた。
88式地対艦誘導弾は水平線外射撃が可能な150kmを超える射程と、対艦ミサイルとしては本システムだけが持つ地形回避飛行能力を持った地対艦ミサイルである。
攻める側からすると非常にやっかいな兵器であり、たとえば自衛隊に敵対する艦が射程内に侵入してくると、内陸数百キロまで面としての領域を確保しない限り、どこからともなく大威力のミサイルが飛んでくる。
転移前の戦争では、敵艦船を徹底的に沈め、2014年の日中尖閣紛争では、多数の敵艦を撃破して、各国海軍との演習では、海面スレスレをどっかから飛んでくるこのミサイルに各国海軍は戦々恐々としていた。
「発射準備完了しました」
「わかった。やってくれ」
「はっ!!、目標、敵艦船」
「てーーーっ!!!」
88式地対艦誘導弾24発が山の中腹から発射される。個体ロケットブースターで十分に加速された地対艦誘導弾は、ターボジェットエンジンに推進法式が切り替わる。
誘導弾はあらかじめプログラミングされたコースを進み、海上へ出た。
地を這うように進む88式地対艦誘導弾は、目標に向かって突き進むのだった。
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地対艦誘導弾発射直後──
パーパルディア皇国海軍・監査軍混成日本懲罰艦隊旗艦『ムーライト』
デュロ防衛隊の42隻にも及ぶ大艦隊はデュロ沿岸から東の海上約300kmの地点を航行していた。
先ほどから、デュロの陸軍基地や海軍基地と連絡が付かないが、先ほどの嵐のせいだろうと判断され、目標は依然として日本国中華地方香港府香港市だ。(嵐のお陰で日本の偵察機から逃れられていた)
42隻の大艦隊は見てるだけで勇気づけられ、普通の文明圏国であれば普通に勝てるであろう。
『ムーライト』の艦橋ではムーライト艦長兼懲罰艦隊司令官『サクシード』が話をしていた。傍には歴戦の猛者の副官も見える。
「確か…日本軍はムーの兵器を使用している可能性が有るんだったな…」
サクシードは何年か前に『神聖ミリシアル帝国』の港町カルトアルパスで行われた『先進11ヵ国会議』が行われた際、担当艦の航海長として参加したが、その時見たムーの機械文明艦隊は凄かった。航空機もワイバーンロードよりも早かった。
他の国々が『魔法文明』の中、『機械文明』により、第2文明圏の覇者になり、列強第2位に付く強国である。
「確かに、ムーの戦艦を奴らが使ってくるなら戦力の面では難しいでしょうが、海戦では人員の練度で戦力差を覆すことができます。日本の軍人は最低でも1~2年しか使っていないと思いますが、我々は10年近くもここで戦っています。練度でなら覆すことができるでしょう」
副官は淡々と話す。現場から叩き上げてこの地位まで上り詰めた人だ。彼が言うならそうであろう。
「そうか…」
艦隊は強い風を受け、進む。自分達に脅威が迫ってきていると知らずに…
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数分後──
パーパルディア皇国海軍・監査軍混成日本懲罰艦隊 戦列艦『ケイトヤル』
皇国海軍・監査軍混成日本懲罰艦隊『ケイトヤル』の見張員『ウェルネス』は東の方角の低空から超高速で自分達の艦隊へ向かってくる矢の様なものを発見した。
「なんだ?」
そう言った直後、矢は少しだけ上昇し、ムーライトの右側の艦、『ラルバイト』に突き刺さり、巨大な爆発を生む。
「う、おぉぉぉぉぉ!!??」
ウェルネスは叫び声を上げる。ラルバイトが爆沈した周辺には破片と人だった一部しか無い。
「な!何が!!」
「『ラルバイト』!轟沈!!」
艦橋に大声で叫び、ラルバイトが沈んだことを伝える。ふと、また東海域を見つめると、無数の矢が飛来してくるのが見える。
「!!敵の攻撃多数飛来!!」
「何だと!面舵いっぱい!いそげぇぇぇぇぇぇ!!」
ケイトヤル艦長の指示も虚しく、右舷中央部に88式地対艦誘導弾が突き刺さる。誘導弾はその威力を発揮し、ケイトヤルは短時間で海の藻屑になる。
『ケイトヤル』『ラルバイト』など、24隻は敵を見る暇もなく、陸上自衛隊第12地対艦ミサイル連隊の88式地対艦誘導弾の攻撃より沈没したのであった。
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同時刻──
パーパルディア皇国海軍・監査軍混成日本懲罰艦隊旗艦『ムーライト』艦橋
艦橋でもムーライト艦長兼懲罰艦隊司令官、サクシードはウェルネスと同じく、地対艦誘導弾を目撃していた。彼の額に汗が垂れる。
「な…なんだ?今のは…?」
「ほ、報告します!」
通信兵がサクシードら懲罰艦隊幹部に先程の超高速飛行物体による被害を伝える。
「我が艦隊は42隻中、『ケイトヤル』『ラルバイト』『ウォークランド』ら24隻が沈没!生存者は残り少なく、艦隊は半数以上の被害を出しました!!」
「な…何だと…半数以上が…」
サクシードは被害の多さに驚愕する。幹部も相当騒つく。
「24隻がやられたとなれば、当初の作戦は無理だ!!この後海軍も来るだろう!無駄な被害を出すよりかは、一旦デュロへ帰り、体制を整えてから出港した方が良い!」
「貴様!それでも皇国海軍軍人か!この作戦は皇帝陛下が了承し、陛下の注目度も大きい!そんな作戦で、おめおめと逃げ帰りました。となど言う気か!!」
「残りの艦船で敵地を補足するなど無理だ!!敵はムーの機械艦艇を保有しているのだぞ!!それならば貴官だけで突撃したらどうだ!!皇帝陛下の耳にもきっと入るぞ!無駄な戦死をした大馬鹿者としてな!!」
「何だと!!貴様!!そこに直れ!!この回転式拳銃でその額かち割ってやるわぁ!!!」
幹部の一員がムーから輸入したコルトM1848のようなリボルバーを懐から出した時、それまで黙って見ていた副官が吼える。
「貴様ら一旦落ち着かんかぁぁぁぁ!!!!!」
隣の艦まで届きそうな大声が響き渡り、幹部は一瞬にして黙る。
「いいか、先ほども司令に申し上げたが、海戦では練度がものを言う!!日本海軍がムーの艦艇を使用しても、我が艦隊の練度であったら必ず勝機はある!!だがら、くだらない事などするでは無い!」
「……チッ」
拳銃を抜いていた幹部は舌打ちをしてからリボルバーをしまう。
「ありがとう、助かったよ」
「いいえ、当然のことをしたばかりです」
その時、マストの先で監視をしていた見張員が大声を上げる。
「敵艦発見!!国籍を日本国と確認!距離、我が艦隊の進路方向約19km!!船数3!大きさは100mを超える!!」
「!ついにお出ましか!!総員第1種戦闘配置!!」
サクシードの命令に慌てて兵士達が戦闘の準備を進める。
「しかし3隻とは…我々を見くびったか?」
「もしかしたらあまりムーから艦艇を輸入できていないのかも知れません。私達には好都合ですが…」
サクシードと副官の会話を予想に、艦隊は『風神の涙』を最大限使い、敵艦隊との距離を詰める。
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同時刻──
海上自衛隊第2艦隊第36フリゲート隊旗艦『さつき』
むつき型フリゲート4番艦さつきの
「なんか映画の撮影みたいですな」
率直な感想を立川2佐が漏らす。安元司令は戦闘配置が下礼されたため、被った鉄帽を一回外して被りながら答える。
「そうだな、だが戦列艦と見くびってはいけない。我々の装甲は無いに等しいし、旧式の大砲でも死傷力は十分だ」
「そのために私達がここにいます。日本の地には髪一本でも落としはしません」
安元司令はすぐに立川2佐に命令する。
「『ゆうぎり』『あまぎり』に砲戦準備を伝えろ。勿論本艦もだ」
「了解、2艦に通達します。砲術長、聞いたか?砲戦準備!」
「分かりました!砲戦準備急げ!目標、敵艦!」
さつきの54口径127mm単装速射砲と、ゆうぎりとあまぎりの62口径76mm単装速射砲が動き、敵パーパルディア艦隊に照準を合わせる。
「目標パーパルディア艦隊、距離19km、弾種榴弾、主砲砲撃射線確保!」
「主砲、撃ちぃ~方、始め!」
「撃ち方始め!てぇ!!」
3発の127mmと76mmの砲弾はパーパルディア艦隊へ向かう。
「命中!」
「よし。砲術長、良いぞ!」
「ありがとうございます!」
「続いて連射にて撃て!敵に敗走の機会を与えるな!」
「了解、連射に切り替えます」
パネルを制御し、単射から連射に切り替える。
「撃ちます!」
「やってやれ!」
「はっ!」
45発/分を誇る主砲が唸り、次々とパーパルディア艦隊を撃破する。
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数分後──
パーパルディア皇国海軍・監査軍混成日本懲罰艦隊旗艦『ムーライト』最上甲板
最上甲板で作業をしていたハーゲルトは戦慄していた。たった1発で対魔弾鉄鋼式装甲を貫通する相手の魔導砲は艦隊の全員を恐怖に陥れていた。
司令から敵艦を仕留めるよう命令されたが、側面の魔導砲を打とうと転舵すると真っ先に狙われ、撃沈される。
まるで意志を持っているかのように飛来する砲弾により、次々と攻撃を仕掛けようとする艦から沈没する。
レンジ先輩は『日本国を文明圏外国と侮るな、ムーの兵器を使っている可能性がある』と言っていたが、ムーの戦艦でもこんな芸当の射撃は不可能だ。
皇国は今までに数えきれないほどの蛮族を滅ぼしてきた。魔導戦列艦の主力兵装の魔導砲は、未だに旧式の矢避けの盾やバリスタを使う文明圏外国海軍に圧勝してきた。
その戦力差は圧倒的で、味方に一個の被害も出さず、敵艦を撃沈した後に海上を漂う敵兵をも殺してきた。
今でも、あの殺した敵の顔を思い出すが、今回は自分があの兵士の役だ。弱い国に生まれてきたのだから殺されて当然だと思ってきたが、今度は自分が弱い国になるとは…
殺す側が殺される側になった恐怖。
敵は命中精度、速度でも皇国軍戦列艦に優っており、攻撃を加えるどころか、照準にも入らない。
その時、近くの艦が爆発四散する。
ハーゲルトの脳内に一つの結論が生み出される。列強たる、世界に名だたるパーパルディア皇国の戦列艦が一方的に3隻の艦にやられる。
こんなことができる国はただ一つ──御伽噺話上であった、世界最悪・最強の国家『
「おい!ハーゲルト!何突っ立っている!動けるなら応急処置を手伝え!!」
「…魔法帝国」
「は?何言ってんだ!立て!」
「こんなことが出来るのは
「!!??頭狂っちまったのか!!良いからこっち来い!!応急処置の手が足りねえんだよ!!」
ハーゲルトは間違った結論を出す。その時、悪魔──悪魔の艦の魔導砲が此方を向く。
「ひっ!ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
「おい!おい!どこ行く!!おいこら!!」
今までに出したことがない、情けない声を出し、ハーゲルトは右舷から海へ逃げ込む。後ろから爆発音がした。
少し経ったあと、彼は海上から顔を出す。流れて来た流木に身を預けて、ムーライトを見ると、真っ二つに折れて沈没している艦の姿があった。
パーパルディア皇国海軍・監査軍混成日本懲罰艦隊、戦列艦42隻は24隻を88式地対艦誘導弾、残る18隻も海上自衛隊第2艦隊第36フリゲート隊と交戦し、全艦撃沈された。
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中央暦1640年8月22日午後8時──
日本国中華地方 遼寧県鞍山基地
中華地方で2番目、日本国内でも4番目の大きさを誇る鞍山基地。
その基地には、航空自衛隊とNWTOの輸送機が並び、輸送機の機内には各国の空挺部隊が待機している。
C-130やC-2、エアバス A400M、C-5の姿も見える。その中でも一際異彩を放っているのは、世界最大の飛行機『An-225』の日本版、『C-225』である。
この機体は、ソ連崩壊時に放置されていた未完成の2号機とライセンスを日本が高値で買いたいとウクライナ政府に申し出があり、とにかく経済を回したい政府が承認して、日本で完成させた輸送機である。
An-225の近代化・改良型であり、戦略輸送機型で、後部にカーゴドアが設置されている。余談だが、ウクライナはこの出来事により経済が救われ、親日国となった。
その巨人機の中には、陸上自衛隊アジア・太平洋方面軍の空挺部隊、アジア・太平洋空挺軍第1空挺師団第1空挺団らが待機していた。
団と言っても大隊規模の勢力を誇る精鋭部隊である。機体側面と中央部に設置されたシートには空挺団員が座ったり、寝ていたりする。
空挺団員2人が話をしていた。
「離陸が02:00、降下地点到達が03:00、到着後即降下だ。忙しいな」
「そういや、デュロでF-15が対空砲火食らったらしい、もし対空砲があったらこんなデカブツ、即オジャンだぜ」
「安心しろ、軽空母艦載機が先に防御施設を破壊してくれるそうだ」
2人が横を見ると、第1空挺団の副団長、『中村大輔』2等陸佐が立っていた。
「「中村副団長!!」」
空挺団員は敬礼しようとするが、中村は手で彼らの敬礼を妨げる。
「ああ、敬礼はしなくて良いぞ。あと6時間もある、ゆっくり寝とけ」
「はっ!」
「副団長、気掛かりはありませんか?」
「無い、自分の力を信じろ。相手は俺達より文明レベルが下だ。精鋭の空挺軍が勝たなくてどうする」
「はっ…頼もしいな」
「ああ、流石元ゼロ・フォースだぜ」
中村は元
6時間後、陸自やNWTOの空挺部隊を乗せた輸送機は次々と飛び立っていった。
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中央暦1640年8月23日 午前2:50分──
元ルーアルス共和国領 スミッド 廃墟
元ルーアルス共和国。この国はパーパルディア皇国が最初に獲得した属領で、そのためまだ属領統治軍が占領していた。
その地には陸上自衛隊陸上自衛隊特殊作戦軍団第1特殊作戦部隊第1特殊作戦群1個大隊が敵地対空火砲捜索・敵兵所在確認の潜入をしていた。
第1特殊作戦群第1狙撃班第1組に所属する『榊原康雄』2等陸曹は、相棒兼観測手の『野上拓真』陸士長と共に狙撃位置についていた。
「狙撃予定時刻まで10…9…8…7…」
野上が号令を掛け、榊原は息を止め、ゆっくりと引き金に指を掛ける。
「3…2…1…
パシュ、という音と共に敵兵の頭が弾ける。また、コッキングをし、万が一、敵兵が生きている事態に備える。だが、 7.62mmもの弾丸はヘルメットをも貫く。
装着していなかったパーパルディア兵の頭はザクロの様に弾け、野上は見るのがナイトヴィジョンで良かったと安心した。
その時、野上の耳に装着してあった無線機に通信が入り、榊原に報告する。
「2曹、第1狙撃班全員が敵兵排除を確認したとのことです」
「そうか、司令部に連絡。『時は来れり』以上」
「了解、『時は来れり』送信します」
数分後、廃墟に陣を構えている司令部の無線機に連絡が入り、通信員が第1特殊作戦群長『江島明弘』1等陸佐に報告する。
「第1狙撃班より電報、『時は来れり』との事です」
「そうか、上空空挺部隊に連絡。『下準備は整った、調理を開始せよ。敵対空火砲無し』」
「待機中の第1・2中隊にも送れ、『空挺部隊、調理を開始せり。皿の盛り付けを頼む』以上!」
「了解、空挺部隊、第1・2中隊に通信します!」
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数分後──
上空4700m 陸上自衛隊・NWTO合同空挺部隊
空挺部隊を乗せた輸送機はまもなく降下地点に到達しようとしていた。輸送機の近くには、護衛の『F-15J改』が飛行している。
各輸送機の後部カーゴドアが開き、空挺団員は自由降下の準備を整える。
彼らの目標は、敵の陽動のための敵陸軍基地制圧。制圧後の後続の輸送機による機甲部隊と物資の投下までに塹壕を築き、とてつもない数の敵兵の攻撃を小銃一本で防御しなければならない。
時間との勝負。降下してから最速で制圧し、物資投下を早め、機甲部隊で戦線を開き、敵の本格攻撃だと思わせる。本命は上陸部隊だ。
「前方スミッド陸軍基地、距離20km!」
「目標地点到達!」
「良いか!全て自分の経験通りにやれ!一刻も早く基地を制圧!物資を受け入れる準備を施せ!」
「「「「おぉっ!!!」」」」
「アルターエゴ1番機、コースよし、コースよし、用意、用意、用意、降下!降下!降下!」
巨大な機体から空挺団員が飛び降りる。中村も第1空挺団全員の降下を確認し、カーゴドアを蹴って空中に飛び出す。
数十m自由落下した後、紐を引っ張り、背中の自由降下傘を出す。
個人暗視装置 JGVS-V15を付けているが、降下中は着けないため、高度などが把握しづらい。
腕に付けた計器のみが頼りだ。
陸軍基地脇の大きな広場に五点接地をして着陸後、すぐにパラシュートを畳む。畳むと、暗視装置を付ける。
周りには各国の空挺部隊が降下しており、自分の方に5人が駆け寄ってくる。
「やあ、中村2佐」
「こんばんわジェームズ中佐、被害は?」
「無い。他国もない様だ」
集まってきたのは各国の空挺部隊幹部達。集まったのは自分含め
○ アメリカ陸軍第82空挺師団1/504落下傘歩兵大隊副大隊長『ジェームズ・アロング』中佐
○ イギリス陸軍第16空中強襲旅団落下傘連隊落下傘連隊第2大隊長『ストロング・A・ウィルソン』中佐
○ フランス陸軍第3機甲師団第11落下傘旅団第1猟兵落下傘連隊第1中隊長『アンドレ・ル・シモン』大尉
○ イタリア陸軍フォルゴーレ空挺旅団第183空挺連隊『ネンボゥ』副連隊長『ロッコ・デ・カゼッリ』中佐
○ ドイツ陸軍特殊作戦師団第26空挺旅団第261降下猟兵大隊副大隊長『マンフレート・ネリウス』中佐
○ 陸上自衛隊アジア・太平洋方面軍アジア・太平洋空挺軍第1空挺師団第11空挺旅団第1空挺団副団長『中村大輔』
の6人である。先ほどの輸送機から少しだけ投下された物資の机を出し、作戦図や行動内容を書いたプリントを配る。ここに簡易テントで司令部を置く。
途中で第1特殊作戦群第3大隊第2中隊長『平野淳』3等陸佐が合流し、計7名で作戦会議を始める。
「これが基地の見取り図です」
平野3佐が図面を取り出して机に広げ、それを6人が覗き見る。
「基地の中央が司令部、その隣の建物が兵舎です」
「我々の存在は察知されたか?」
「いいえ、まだされていません。ですが監視塔員を狙撃したのでバレるのは時間の問題でしょう」
司令官の中村2佐は考え込む。
「…AM5:00に襲撃する。米軍と仏軍は西門。英軍と伊軍は東門。自衛隊と独軍は正門を襲撃し、確保後速やかに司令部へ侵入し、それを制圧する」
「兵舎は?数で来られたら厳しいぞ」
「空自のJDAMの精密爆撃を要請します。5時に爆撃をしてもらい、それを合図に突入します」
「基地制圧後は?」
「スミッド都市部はスミッド開放隊に制圧してくれる様頼んであります。なので制圧後は都市周辺に防御陣地を構築し、また、機甲部隊・補給物資を要請」
「到着までは防御陣地で耐え抜きます。陣地構築は工兵隊に襲撃時刻の5時から構築してもらいます」
「機甲部隊・物資投下後は、機甲部隊を前に前進。都市『グリアース』まで進行し、上陸部隊が上陸するまでグリアースで防御します」
「どうでしょう?」
「俺は賛成だ」
「私もだ」
「意義無し」
「問題ないぞ」
「任せろ」
「第1特殊作戦群を代表して賛成します」
中村は周囲を見渡し、一息をついてから声を上げる。
「よし、各部隊の作戦成功を祈ります。では各部隊、配置に付け!」
各部隊が配置に付く。間もなく『トンガ作戦』の真骨頂が見えてくる。
猿でも分かる今回のあらすじ──
じんげい「こ↑こ↓に敵艦いない?」
司令部「やりますねぇ!」
哨戒隊「艦砲射撃痛いのは分かってんだよオイオラァァァァァァ!!(激怒) YO!(日顕)」
パーパルディア艦隊「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!(デスポイス)」
哨戒隊「キモティカ?(古代都市)キモティ=ダロ?(古代遺跡)for iPhone?」
パーパルディア艦隊「痛いんだよおおおおおおおおおおおお!!!!!(マジギレ)」
空挺部隊「お ま た せ」
スミッド「はぇ~すっごい多い」
◇◆◇
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