降伏文書はポツダム宣言を添削したものです。
あとHALOの所はBF3、潜入の所はハーメルンに投稿されている『日本国召喚×不沈戦艦紀伊』のオマージュです。
第2話修正したから見てね♡
中央暦1640年9月5日夕刻──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント レミール宅》
レミールは震えていた。先日入った73ヶ国連合軍(属領反乱軍)およびリーム王国軍の皇国の地方都市『アルーニ』侵攻。
更に一週間前の皇都近くの日本軍の上陸。悪夢としか言いようがない。
彼女は考える。いったい何が悪かったのか……と。
自分はいつものように、皇国のためを思い、『仕事』をしただけ。それだけのことであった。
恐怖による支配の歴史を重ねてきた皇国にとって、敵対の可能性のある国民に『教育』することは、当然の行為であり、7名程度に死者がとどまった事自体、行き過ぎるほどの慈悲だった。
圧倒的な国力で従属を求めるのも、弱肉強食のこの世界では当たり前のことであった。
しかし現状は、皇国海軍は存在自体が無くなり、陸軍も90%近くが壊滅。
さらに、属国のすべてが反乱し、15か国が落ち、残りのすべてが宣戦布告してくるという、皇国の存亡に関わるほどの状態になってしまった。
もはや皇国は風前の灯だ。しかも日本は私を探している。
犯罪者として、この列強たるパーパルディア皇国の、しかも皇族を裁くつもりらしい。
「(日本が憎い。日本が怖い!)」
レミールは今までの気力なく、小娘の様に布団へくるまっていた。
その時、ドアが叩かれる音がする。
涙を拭い、従者を入らせる。
「何事か?」
「皇帝陛下より緊急招集です。緊急御前会議が開かれる様です」
「何が起こった?日本軍が皇都へ攻め入ったか?」
「それが…」
従者が言葉を一旦止め、ゆっくりと話し出す。
「日本国が我が国へ、降伏を要請して来ました」
◇◆◇
同日午後6時──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント 皇城パラディス城 謁見室》
日本との戦争後、何度開かれたか分からない緊急御前会議が開かれる。
だが、これまでと違い、かなり重々しい雰囲気が漂っていた。
それもそのはず、ムーで日本と和平交渉を行なっていた第1外務局職員がやっと日本大使と会えたと思ったら、すぐに降伏要求文書と要求を口にし、パーパルディア側が何も発せぬまま、退室したのだ。
皇帝ルディアスは、彼の相談役であるルパーサに降伏要求を読ませる。
「ルパーサ、読め」
「はっ」
【パーパルディア皇国への降伏要求の最終宣言】
パーパルディアの降伏のための定義および規約
中央暦1640年8月26日、東京における宣言
第一条 我々、日本国内閣総理大臣、アメリカ合衆国大統領、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国首相兼第一大蔵卿兼国家公務員担当大臣らは、数億数千万人の国民を代表し協議の上、パーパルディア皇国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
第二条 3ヶ国の3ヶ国連合軍は増強を受け、パーパルディアに最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、パーパルディア皇国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
第三条 パーパルディア皇国が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた帝国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来した。
第四条 我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。
第五条 パーパルディア国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。
第六条 第五条の新秩序が確立され、戦争能力が目的の達成を確保するため、パーパルディア皇国のパールネウス共和国時代の領域内の諸地点は占領されるべきものとする。
第七条 パーパルディア皇国軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和で生産的に生活出来る機会を与えられる。
第八条 我々の意志はパーパルディア人を民族として奴隷化し、またパーパルディア国民を浄化させようとするものではないが、パーパルディアにおける捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。パーパルディア政府はパーパルディア皇国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重が確立されるべきである。
第九条 パーパルディアは経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段が保有出来る。
第十条 パーパルディア国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退する。
第十一条 我々はパーパルディア政府が全パーパルディア軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動についてパーパルディア政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。
第十二条 降伏条件は、皇帝ルディアスと外務局監査室所属、皇族レミールの日本国への引き渡しを絶対条件とする。
第一三条 上記が中央暦1640年9月9日午前12時までに、パーパルディア政府が受諾せぬ場合、パーパルディア皇国の都市パールネウスへ
この言葉に、謁見室は凍りつく。
事実上の無条件降伏。会議参加者は降伏か抵抗するかを迫られる。
「今すぐ降伏すべきだ!軍は崩壊しているぞ!!」
「なんだと!!我が栄ある皇国をこうも簡単に滅亡などさせて堪るか!!!」
「国を存続させると書いてあるだろう!!この降伏を飲まねば逆に滅亡するぞ!!」
「こんなのは無条件降伏だ!!国民が許すはずがない!!」
会議は大荒れになり、乱闘も起きる。
その時、皇帝ルディアスが動き、会議室内は一瞬で静寂が支配する。
「ふ…ふははははは」
「ふははははははははははははははははは」
皇帝は
その光景に、会議参加者は遂にルディアスが狂ったかと思案する。
「はははははは…はは…は…」
「巫山戯るなぁ!!!!」
突然皇帝の大声が響き、参加者は沈黙する。
ルディアスの顔は、怒りに包まれ、右手は強く握られたおかげか血が出ている。
「皇国が無条件降伏だと!!そんなものは許されん!!」
「余は認めぬ!!亡国になろうとも!降伏だけは許さん!!」
喚く皇帝を他所に、カイオスは考えていた。
「(…もう持たんな…)」
「(反乱……か……皇国の裏切り者としての汚名を背負う事でしか皇国を救えぬ……皮肉な事よ)」
カイオスは、現政権の打破を目的にし、反乱を決意した。
◇◆◇
中央暦1640年9月9日深夜──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント沖 浅海》
ある一隻の漆黒の艦が、浅海に浮上し、ある兵器の発射準備を整えていた。
せいりゅう型弾道ミサイル潜水艦2番艦『とうりゅう』である。
降伏文章第12条に記載された星とは、SLBM。潜水艦発射型弾道ミサイルであった。
SLBMは値段が高く、コスパとして最悪だが、地球では行えない実戦でのテスト、73カ国連合軍がもしも日本に逆らう場合の示威効果を狙っての行動であった。
とうりゅう艦長の『川上晴人』2等海佐はため息をつく。
「まさか地球では無く異世界で使うとは…」
「まあ核ではありませんし…地球で使うと核戦争の危機ですから」
「…そうだな。SLBM発射用意!」
「了解、SLBM発射用意!」
船体後部の24基設置されたSLBM用垂直発射型ミサイルハッチが開き、『UGM-222トライデント II (D5)』が顔を見せる。
既に、砲雷長と副長が二箇所の鍵穴に鍵を刺しており、発射準備が整えられている。
「トライデント発射初め!」
「てぇ!!!」
ロケット燃料が加熱され、爆発的な速度を生み出す。
飛翔開始から2分以内に
本来のトライデントは多弾頭弾であり、14発のW88核弾頭を搭載するが、流石に核は使用できない為通常弾頭である。
だが、通常弾としても侮る事なかれ。再突入体の質量と、超音速での衝突速度が十分なエネルギーにより、街一つは破壊できる。
既にパーパルディア皇国側に退避勧告を出し、ご丁寧に上空からビラを散布したが、まだ予想都市人口の3割しか避難してない。
パールネウスは北部の都市であり、未だ日本国の兵器を視認してないからであった。
トライデントは、かつて皇国がパールネウス共和国であった頃の首都へ落下して行った。
◇◆◇
5分後──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント 皇城パラディス城 テラス》
皇城パラディス城の北側に設置してあるテラス。そこには皇帝ルディアスとレミールがいた。
ルディアスは大気汚染が無い綺麗な空を見ながら話し始める。
「ふん。星を落とすと言っていたが嘘では無いか」
「はっ、彼の国は進軍で自信をつけ自分を神だと思ったのでしょう」
「当然だ。ならば神話の真似をしない」
日本側は意図していなかったが、あの星を落とすと言う文章は、神話上のラヴァーナル帝国が神の怒りに触れ、神がラヴァーナル側に転移を告げる文書と一致していたのである。
それを知らないルディアスは、日本が調子に乗って神話を再現しようとしたと解釈していた。
「ん?」
その時、北側に何かが見えた。
「流れ星か?」
違った。トライデントSLBMである。成層圏へと再突入した
流れ星では無いのかとルディアスが思った時、パールネウスの方角から地響きが聞こえる。
「なっ…」
「ひっ」
本当に星を落として来た日本に、ルディアスは言葉を失い、レミールは短い悲鳴を上げた。
夜である為、はっきりは分からないがキノコ雲も発生している。
ルディアスとレミールは、側近がパールネウスと連絡が取れないと報告に来るまで、固まっていた。
◇◆◇
中央暦1640年9月12日午前3時──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント 上空》
亡国間際の国の首都上空を一機の輸送機が飛行していた。
『C-3』輸送機。アメリカのC-17に対抗して製造された4発輸送機である。
その輸送機の荷物室では、陸上自衛隊の
全員が酸素マスクをしており、
「操縦士が通信の受信を確認。5分後に作戦開始だ」
「良いか?任務は敵首都内にある重要施設の細かい位置の調査と重要施設の特定・味方の誘導・ターゲットの拘束だ。それまで俺達は現地協力者と共に敵首都内で活動する」
「その協力者は信用して良いんだな」
「ああ、問題ない。万が一の場合は殺しても良いとさ」
「了解」
パーパルディア皇国
「
「いえ…資格は持っていますが、あまりやったことがありませんので…」
なぜ警察の
「よし、時間だ。作戦開始」
「高度センサーを確認。500mだ」
各々が、腕につけた高度センサーを見て、高度と風を確認する。
「目標周辺の風は弱い。誤差は最小限で済む」
「高度センサーの数値で判断。一定速度で降下しろ」
「酸素マスク起動」
「赤点滅!赤点滅!」
降下準備を知らせる赤いランプが点灯する。
隊員が側面に設置されたボタンを押し、プラットホームを下ろす。
「緑点滅!緑点滅!」
「降下!降下!降下!!」
武器が入った円柱状のカバンを掴み、一気に降下する。
マクス越しに大気が打ちつけられ、寒く感じる。
その後、高度500mでパラシュートを開き、減速。五点着地で、カイオス邸の裏山に着陸した。
カバンから、20式小銃、M4A1、SIG MCXを取り出し、装備する。
100mほど山を降りると、小洒落た高級そうな住宅が目に入る。
「あれか?」
「そうだ。行くぞ」
敷地を囲っている塀の裏にあるドアをこじ開けて、建物の勝手口の前で立ち止まる。
勝手口を一定のリズムで叩き、現地協力者を待つ。
「君たちか」
口髭の初老の男が、出てきて彼らを招き入れる。
「第三外務局長カイオスさんですね」
「ああ。君たちは?」
「…軍機について答えられませんが、日本国の者です」
「同じく」
「私はアメリカ合衆国の者です」
「そうか…」
カイオスは、目の前にいる者達が報告にあったロウリア王国王城を襲撃し、ロウリア王を確保した部隊の兵士だと考える。
「作戦決行日は今日、馬車で皇城へ侵入。貴方は味方の近衛兵と共に皇帝ルディアスとレミールが居る議会正門から侵入。我々は別ルートで行動します」
「…その事だが…皇帝陛下は助けられぬか?陛下が居なくなれば皇国は崩壊するぞ」
カイオスは、本来ならばルディアスは幽閉しようと考えていた。
だが、それは日本国政府が許さなかったのである。
「愚問ですな。我々の降伏要請文書では2人の降伏が絶対条件。条件付き無条件降伏では無く、真の無条件降伏しか認めぬと上層部から厳命を受けています」
「しかし…」
「本来ならば言いたくありませんが…貴方は本来敵です。利害が一致している為協力しているに過ぎない」
「要請文にも書いてありますが、本当にこの国を滅ぼしたいのなら核を落とせば良いだけです。徹底抗戦をする様ですしね」
「ですが流石に核は民意が許せない。徹底抗戦を唱えられてゲリラ戦化したら面倒ですので、こうして反乱に協力しているのです」
「…そうか…」
「本日12時に決起する。それまで待機していてくれ」
◇◆◇
同日11時30分──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント 皇城パラディス城 裏口》
エストシラントの街中にある皇城へと続く大通りでは、カイオスを乗せた馬車と、後ろからもう一台の馬車が走っていた。
後ろから続く馬車は、一見すれば幌付きの商人が使う馬車に見えるが、その荷台にはパーパルディア皇国兵に変装した複数人の人間と木箱が置かれていた。
「止まれ!止まれ!!」
「私だ」
「こっ、これはカイオス殿下。失礼しました、お通りください」
「すまんな」
裏門の警備を潜り、荷物搬入口に馬車は進む。そこには荷物を運搬している兵士達が居た。
カイオスは兵士達に声をかける。
「これはこれはカイオス様。どうかされましたか?」
「うむ。実は書類を運びにきたのだが、私の兵士だけでは運べん。手伝ってくれないかね?」
「はっ、分かりました」
二台目の馬車に居た
全員が木箱を持ち、集積場所に運ぼうとした時、桑原が右手を上げる。
「それにしてもカイオス様。この箱、とても重いのですがそんなに書類がっ!!」
「ぐおっ!!」
懐から出した消音器付きのHK45で頭を撃ち抜く。
他の兵士が気づく合間に他の任務部隊の兵士が接近し、
その後、任務部隊員達は来ていたパーパルディア兵の服装を脱ぎ、箱から小銃を取り出す。
「では案内してください」
「承った」
「
『こちら
既に、突入班の
カイオスと重要指名手配犯捕獲第1任務部隊員は、皇城へ侵入した。
◇◆◇
5分後──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント 外れ》
皇都エストシラント郊外の森では、重要指名手配犯捕獲第1任務部隊所属の監視部隊
「バイキング6、こちらサッチャー3-1。警備詰所を攻撃せよ、南門だ」
『了解、3-1。標的を確認、攻撃まで10秒』
「空爆するって言ってたけど、何発投下するんだ?」
「さあ?でも捕獲対象と突入班が死んだら不味いからJDAMでピンポイントだろ」
話していると、南からエンジン音が聞こえた。
「お。来た来た」
上空をF-2Aが通過し、爆弾を投下する。
警備詰所が爆発し、死体が上空へ飛散する。
「うおっ、グロいな」
「…目的達成のため。仕方ないですな」
◇◆◇
同時刻──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント 皇城パラディス城内》
爆撃は城内でも感じられた。城全体が震え、上から埃が降ってくる。
その時、奥の通路から何かが見え、突入班は銃を構える。
「待て!味方だ!」
「カイオス様!ここに居られましたか!」
「ああ」
「して…この人達は?」
「彼等は日本とアメリカの協力者だ」
「なんと!」
見えたのは近衛兵の中でもカイオス側についた者達であった。
潜入班は、協力者に青いバンダナを手渡す。
「これは?」
「バンダナです。誤射する可能性があるので、付けていただきたい」
「うむ、わかった。付けてくれ」
「はっ」
右腕にバンダナを付けたのを確認した潜入班は、作戦を伝える。
「正面からは、カイオスさんの部隊だけで突入して欲しい」
「まて、君達はどうするのかね?」
「おそらく魔信?とやらで応援を呼ぶでしょう。議会室内は議員と少数の近衛兵だけでしょう?それならば君達で制圧できるはずです。カイオスさんからしても、議会を占領するのは我々では無く味方の方が市民からの評価も高いはずです」
「そうだな…」
「いざとなったら我々も突入しますがね。ですが、皇帝の逮捕だけは我々がしますよ、宜しいですね」
「うむ」
一方議会では、空爆によっで議員達が恐慌状態であった。
「なんだぁ!!」
「敵襲か!」
議員が慌てる中、気分が180°回って冷静になったルディアスは命令を出す。
「落ち着け!直ぐに警備隊に緊急命令を出し、城の守りを固めるように伝えろ!」
「了解しました!」
近衛兵が正面門から出ようとドアを開けた時、外にいたカイオス側の近衛兵がその仲間を押さえつける。
近衛兵達はパーパルディア皇国歩兵に正式配備されているマスケット銃を構えながら、会議室に押し入る。
「各人動かないでいただきたい!!勝手な行動をされると命の保証はない!!!」
「なんだ貴様らは!!皇帝陛下の面前であるぞ!!」
議員達はカイオス側の近衛兵を恐れた目で見る人たちと、激昂する者たちで分かれる。
そんな中、ルディアスは冷静にカイオスを見つめる。
「陛下……皇国のために、しばし動かないでいただきたい」
「革命か?小癪な…私を逮捕したって指導者のいない国は全く動かぬぞ。お前らは、パーパルディア皇国を滅ぼしたいのか」
「私が……日本との戦争を止めます。そして、反乱軍からも皇国を救います。もうあなたには任せておけない」
「なんだと!カイオス貴様!!ただ行政機構を押さえただけでは何の解決にもならん!!!」
「相手がいるんだぞ!相手が!!!何か案を示してみろ!!!それが出来なければお前は本当の大馬鹿者だ!!!」
第2外務局長のリオスの言葉に、カイオスは俯きながら答える。
「案ならあります。私は既に日本国と話をつけている。後は皇国内の……部内を大掃除すれば、皇国は救われる」
「なに!あの無条件に等しい降伏案を呑むと言うのか!!あれでは国が続いたとしても日本の属国になるぞ!!」
「しかも相手は日本だけでは無い!!日本を押さえただけではどうにもならんわ!!!」
「反乱軍を……73ヵ国連合軍と、文明国を押さえない事には我々の未来はないぞ!!」
「降伏したとしても今の皇国軍では到底立ち向かえぬ!」
「仮にそれが成功したとしても、我が国は日本国に対し、殲滅戦を宣言している!!彼らが皇国を守るとは到底思えぬわ!!」
リオスの言葉に、カイオスは顔を顰めながら反論を始める。
「貴方方は、私よりも日本の事を知らないと見える。情報は上に行くほど簡素化され、都合の良いように捻じ曲げられるのだな」
「なんだと!!」
「このままあなた方に任せると、日本と73ヵ国及びリーム王国の連合軍によって、近い将来、皇国はこの世から消え去る」
「私が国を掌握すれば、必ず日本や他国とも講和し、国を存続させる事を約束しよう」
その時、後門から異変を感じ取った近衛兵が入ってくる。
カイオス側の近衛兵と銃を向け合うが、仲間であったからか、引き金を引かず、只見合うだけであった。
「何をしている!!早く撃たぬか腰抜け共め!!」
「くっ…」
「………」
「カイオス殿…」
「っっ…」
このままではいけない。カイオスは日本軍とアメリカ軍が何処にいるかを尋ねたくなった。
その時、会議室の天窓が勢いよく破れる。
「なんだ!!」
瞬間、上からロープが垂れ、ラペリングで降りる突入班は、正確に5.56mm弾をルディアス側の近衛兵の頭に撃ち込む。
その突入に、議員は驚愕し、後門から逃げようとするが、すぐに突入した突入班に取り押さえられる。
「目標確認」
「対象だな…此方ファルコン1-1。対象確認」
「レミールは居ないな」
後門から突入した中央憲兵団もルディアスを視認する。
ルディアスの顔を写真で確認すると中西が前に出る。
「日本国、中央国家憲兵団だ。ルディアスだな」
「ふん…そうだ」
「貴様とこの会議室に居る議員達に、日本国に対する戦争犯罪の重要参考人ならびに被疑者として出頭命令が出ている。ご同行願う」
「……………」
中西に声をかけられたルディアスは特に抵抗する素振りも見せず、ただ黙ったまま項垂れた。
その時、カイオスがルディアスに声をかける。
「皇帝陛下。レミールは何処に」
「ああ…何か忘れ物があると言って邸宅に戻ったよ」
「なっ!!」
カイオスは驚愕する。ルディアスとレミール2人の日本側の確保が無ければ、降伏は認められないと通達されたからだ。
中西の方を向くと、彼も困った表情でいた。
「2人の逮捕がない限り、本国は降伏を認めませんよ」
「っっ!!(不味い不味い不味い!!)」
ただでさえ、此処まで持ち込めたと言うのに、彼女に逃げられたら元も子もない。
彼女は皇国の外交の顔として顔も広く、美貌もあるが故に、文明圏外国に逃亡されたら、本当に日本は皇国が滅び、彼女を見つけるまで攻撃を辞めないであろう。
「(くそっ!あの女め!!いつまでも手間をかけさせやがって!!!)」
カイオスは顔を顰め、レミールに悪態を突きながら、そばにいた近衛兵に伝える。
「レミールを絶対に見つけ出し、必ず捕らえろ!!!」
「はっ!!」
「フハハハハハハハ、カイオスよ、現実というものは、計算通りにはいかないものだな。貴様がどう皇国を運用するのか、牢獄で見てよう」
後日レミールは無事捕まり、シルガイアが昇進し人生が大幅に変わる事になるのはまた別のお話。
◇◆◇
中央暦1640年9月15日──
《パーパルディア皇国 皇都エストシラント湾》
カイオスは日本国側が準備した連絡艇に乗って、戦艦きいに乗艦しようとしていた。
彼は、きいの巨大さに驚愕する。
「このような国と戦争をしていたのか我が国は…」
最初から勝ち目はなかった──そう彼は思うと共に、この戦争で亡くなった戦死者に、哀悼の意を捧げる。
「お待ちしていました。どうぞ此方に」
連合国軍最高司令官である『松坂忠道』上級陸将が出迎えた。
その後、第2砲塔と艦橋の間の右舷側のテーブルと椅子に掛ける様通達される。
署名し、それを確認すると、松坂は連合国軍兵士の方を向き、こう伝える。
「此処にパーパルディア皇国は降伏文章に著名した!!我々の勝利だ!!」
そう言うと、歓声が上がり、シャンパンの音も聞こえる。
大規模な祝賀会が開かれ、カイオスも巻き込まれ、翌日の執務は二日酔いで大変だったと言う。
リオスくん登場。原作では出番が無かったから此処で登場させました(なお今後も出番がない模様)
◇◆◇
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次話は、3話を修正した後、間話→フォーク海峡編へ入ります。フォーク海峡の第1話は40%ぐらい書いてあるので、順番が逆になるかもしれません。
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