超大国日本国召喚   作:一般通過愉悦部

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ちょっと文字数少ないので初投稿です。

自分学生なので学校が始まった為に執筆活動の時間が取れず、月に2~3回ぐらいしか投稿できなくなりますが、今後も今作を応援してくださると嬉しいです。

また、もうすぐで日本国召喚総合評価検索1p目行きます。ありがとうございます


第5話 フォーク海峡迎撃戦 後編

中央暦1642年4月25日──

《神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス湾》

 

グラ・バルカス帝国第1次攻撃隊は、既に殆どが撃墜されていた。

 

その中で、隊長機が撃墜されたために最先任になってしまった『ヤルドル』は、乗機の『リゲル07式艦上雷撃機』の機長席で悪態をついていた。

 

 

「くそっ!なんなんだあれは!?」

 

「分かりません!矢のように見えましたが…」

 

 

169機の機数の内、73機しか残っていなかった。彼は帰還することも考えるが、母艦と無線が繋がらない。その時、彼は一つの可能性に至る。

 

 

「(まさか…機動部隊が全滅した!?)」

 

 

機動部隊所属の母艦である『アクイラ』が撃沈されれば、当たり前であるが無線は繋がらない。

 

 

「(いや…世界最強の第5機動部隊が全滅するか?)」

 

 

グラ・バルカス帝国内で『最強の艦隊は?』と尋ねると9割以上の割合でその言葉が返ってくる部隊である。その部隊がそうやすやすと全滅するとは考えにくい。

 

 

「(それにしても敵は何で艦載機を撃墜しているんだ!?)」

 

「(まさか──無人機か!ロケットをつけた無人機を飛ばしている!?)」

 

 

ミサイルを知らない場合、上手い表現である。だが、彼にそれを考える暇はなかった。

 

 

「敵飛行物体接近!!」

 

 

パイロットの報告に、ヤルドルは前方を注視する。前方から、矢のような物体が飛んできているのが確認できた。ただの矢ではない、必中の魔矢だ──

 

 

回避(ブレイク!)回避(ブレイク)!低空へ移動しろ!」

 

 

ミサイル()を確認した瞬間、ヤルドルは無線で生き残っている機に命令を伝える。

前世界では近接信管の対空砲火を回避する術は低空で飛行することであった。

 

ユグドでケイン神王国が援助する国と軍事的衝突があった時、ケインから輸入された近接信管でグラ・バルカス帝国航空部隊が思わぬ損害を食らった為に、上層部はパイロットに対空砲火を受けた場合は低空へ避難することを教えていた。

 

あの矢が近接信管を使っている場合、それが通用する筈──そう信じてヤルドルは命令した。

だが対空砲は無誘導だが、ミサイルは目標を捉えて向かってくる。

 

ふぶき型ミサイル護衛艦『ひびき』とながと型ミサイル護衛艦『むつ』から発射されたESSM(発展型シースパロー)は、48発全弾が指向された目標近くで近接信管を作動させ、爆発した。

 

 

「畜生!クソッタレ!!」

 

 

ヤルドルは行き場のない怒りを覚える。死んだ者達は全員が顔見知りだ。死人も出る厳しい訓練も乗り越えてきた仲間であった。それが敵の姿も見えずにやられるなんて、こんなクソッタレなことは無い。

 

 

「くっ、仕方ない!突撃!敵艦隊を叩く!」

 

 

本来であれば敵艦隊の側面を取り、そこから攻撃であったが側面空域に行く前までにこのままでは全滅する。そう判断したヤルドルは突撃を指示する。

 

だが、この世界最強の防空網を打破するには、些か武器の性能差が違いすぎた。

数秒後、ESSM(発展型シースパロー)の第2波が着弾、ヤルドルも乗機が近接信管に巻き込まれて即死した。

 

再度指揮官を失った編隊は、次の指揮官が選ばれる暇もなく殲滅された。

此処にグラ・バルカス帝国航空部隊第1次攻撃隊は全滅したのである。

 

◇◆◇

同時刻──

《神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス湾 臨時世界連合艦隊》

 

 

「敵編隊の殲滅を確認、対空戦闘用具収め」

 

「日本艦隊司令部より世界連合艦隊へ、敵機の殲滅を確認」

 

 

魔信で送られた言葉に、世界連合艦隊の将兵達は大いに湧いた。だが、それを素直に喜べない者も居る。当事者の神聖ミリシアル帝国、エモール王国、そしてアガルタ法国だ。

 

神聖ミリシアル帝国南方地方隊第3魔導巡洋艦艦隊司令であるハデスは混乱していた。

 

 

「あれは古の魔法帝国(ラヴァーナル帝国)の誘導魔光弾ではないのか!?」

 

 

伝承上に語られる世界最強・最悪の国、古の魔法帝国(ラヴァーナル帝国)。その圧倒的な軍事力の要因の一つであった対空魔船に搭載されていたのが誘導魔光弾である。

 

伝記によると、自ら目標に向かって進路を変えて、確実に目標を射落とす兵器であったそうだ。それは目の前の光景に当てはまった。日本艦から発射された矢のような物体は敵編隊の方へ向かい、またその方角には黒い煙がうっすらと確認できた。

 

 

「まさか…この神聖ミリシアル帝国が魔導技術で遅れをとるとは…」

 

「そもそも日本は機械文明国であった筈。なぜ魔光弾を…」

 

 

部隊参謀達が考察する中、ハデスは一旦落ち着き、通信士に命令を伝える。

 

 

「通信士、カルトアルパスの外交官に伝えろ。日本が誘導魔光弾を実用化している可能性があると」

 

「はっ、了解しました」

 

 

通信士を見送り、ハデスは双眼鏡で日本艦隊を見つめた。

 

◇◆◇

同時刻──

《神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス湾 上空 エモール公国公国外交部隊護衛第16風竜戦闘団》

 

エモール王国風竜騎士団長『ウージ』は、もしもの場合の為に、艦隊近くの上空に風龍22騎を展開させていた。

 

その為に、日本艦隊が発射したミサイルを間近で見ることとなった。

 

 

「相棒!あれは誘導魔光弾か!?」

 

 

ウージは相棒である風龍に話しかける。風龍は知性が高く、念波を介して人と会話を交わすことが出来るのである。

 

 

「──そうだな。少し形などが違うが誘導方法は同じであろう」

 

 

相棒の風龍の言葉に、ウージは動揺する。

 

 

「まさか実用化しているとは!」

 

「うむ…それに下の艦は凄いな…」

 

「あの日本艦か」

 

 

ウージは下を見て日本艦を見る。艦隊を囲む輪形陣から大きな戦艦を中心とした輪形陣への入れ替わりの最中であったが、恐ろしく素早く、練度を思い知らされる。

 

 

「あれの船からは其方からは見えまいが線状の光が様々な方向に高速で照射されている」

 

「我々が遠くの同胞と会話をする際に使用する光に酷似している。普通の種族であれば不可視の光だ。何かが飛んでいるかも確認も出来るであろう」

 

「なっ…」

 

 

ウージは言葉を失う。それは伝説に語られる正に古の魔法帝国(ラヴァーナル帝国)の対空魔船の原理と同じであったからだ。

 

 

「ど、どのくらいの距離まで把握できるか分かるか?」

 

「ふむ…我であると120kmぐらいは把握できるが…それ以上であろうな」

 

 

ウージはまたも言葉を失う。先ほど飛来した日本の飛行機械も高速であった。まさか風龍が敗れるかもしれない。

彼は直様この事を先進会議に出席していたモーリアウルに、エモール独自の魔信で伝えた。

 

◇◆◇

同時刻──

《神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス湾 臨時世界連合艦隊 アガルタ法国海軍外交官護衛魔法船団》

 

アガルタ法国海軍外交官護衛魔法船団の船団長『バクタール』は、大魔導師を見つめていた。

大魔導師は、船団員が声を掛けられないほどにブツブツと何かを呟いていた。

 

理由は日本が使った誘導魔光弾と思われる兵器である。

アガルタ法国1の大魔導師である彼は、法国の一大国家プロジェクトであり、また彼の人生を賭けた大魔法、『艦隊級極大閃光魔法』の主任開発技師であった。

 

だが、前回試作で発射した艦隊級極大閃光魔法と日本の誘導魔光弾では、ワイバーンとミリシアルのエルぺシオを比べるぐらい性能が違った。

 

 

「パクタール殿、ワシは一旦休む…声をかけないでくれたまえ」

 

「は、はっ」

 

 

トボトボと自室に歩いてゆく大魔導師に、誰も声をかけることはできなかった。

 

◇◆◇

5分後──

《神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス湾 フォーク海峡》

 

 

「針路上に味方航空部隊確認できません」

 

「…航空部隊は壊滅したか」

 

「恐らく」

 

 

カイザルの言葉に、ラクスタルが同調する。

レーダーは先ほどから使い物にならなくなっており、対空指揮所の高倍率双眼鏡でカルトアルパス湾上空を確認させることとした。

 

結果は恐らく航空部隊が壊滅した。

前世界でも精強であったグラ・バルカス帝国海軍航空部隊が壊滅するなど俄には信じられない。

 

 

「エアカバーは期待できんか」

 

「アルカイド中将が気を利かせてくれれば良いのですが」

 

「そうだな」

 

 

無線も使用できず、もしかしたら機動部隊も壊滅している可能性がある。

 

 

「ラクスタル君。航空部隊が壊滅した理由はなんだと思う?」

 

「──日本。そしてNWTOでしょう」

 

「君もそう思うか。同意見だな」

 

 

カイザルは、肩を鳴らしながらラクスタルに話しかける。

 

 

「小口径の砲ばかりであって機銃が少ないと思ったら…命中精度が高いのかね」

 

「この戦い──厳しくなるかもな」

 

 

軍神と呼ばれ、帝国一の将軍とも呼ばれるカイザルの言葉に、艦橋内の空気が一変した。

それを感じたラクスタルは、カイザルに言葉をかける。

 

 

「ですが、我々は軍人です。軍人と言うのは強い敵と戦う程燃える者達です」

 

「それに──自分達より強大な敵を撃破した時は爽快です」

 

「………そうだな」

 

 

そう言うと、カイザルは眼光を鋭くして艦橋内に響く大声で号令を告げる。

 

 

「全艦隊連動、第一戦速!第一種戦闘配置に着け!」

 

「陣形を単縦陣に変更!フォーク海峡へ突入する!」

 

「了解。全艦隊連動、第一戦速!陣形を単縦陣に変更!」

 

「総員、第一種戦闘配置!!」

 

 

次々と号令が行き渡り、それを見たカイザルはラクスタルを一瞥する。

 

 

「──征くぞ」

 

「はっ」

 

 

グラ・バルカス帝国海軍東部方面艦隊先進11カ国派遣部隊第1戦艦部隊21隻は、フォーク海峡へ突入する──フォーク海峡海戦第2幕、『フォーク海峡砲撃戦』の幕が開かれようとしていた。

 




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