超大国日本国召喚   作:一般通過愉悦部

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待たせたなぁ!(本当に申し訳ございません)
実は当方受験があってその影響と投稿意欲の大幅な減少によって設定集や既存話の修正は書いていたんですが、最新話の意欲が全くなかったです。はい。本当に申し訳なく思っています。

実に6話を投稿したのは去年の9月17日!日数だと194 日、週数27週と5日、月数 6ヶ日13日。
ほぼ半年ですねクォれわ。たまげたなぁ。

思えば最初はこういったものが面白いなぁって書いていた適当な作品でしたが、この1年で多くの方から評価してくださり『日本国召喚』の中でも総合評価上位にまで入ることができました。本当にありがとうございます。


第7話 フォーク海峡砲撃戦-2

中央暦1640年4月25日──

《神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス湾 グラ・バルカス帝国海軍東部方面艦隊先進12カ国会議派遣部隊》

 

 

「敵艦発砲!」

 

 

対空指揮所からのの報告と、ラクスタルの双眼鏡に砲炎が見えたのはほぼ同時であった。

 

 

「(やはり我が艦より主砲口径は大きいか)」

 

「総員衝撃に備え!」

 

 

無線によってグレード・アトラスター全体に通告すると同時に、近くの物に捕まり、衝撃に備える。数秒後、グレード・アトラスターに就役後2度目となる大規模な衝撃が加わった。

 

 

「ぐっ!」

 

「(初弾から命中だと!?)」

 

 

通常艦砲は、初段で命中することは無い。普通は初めに対水上レーダーで標的の距離を確認、その後何発か試射、その情報を元に修正して当てる。

 

それまでの時間を短縮させ、どちらが早く敵に当てるかが砲撃戦の基本だ。その時間を短縮させるには、射手の練度を上げる方法がある。

 

レーダーによってかなり測量は楽になったが、砲を撃つのは射手だ。だからこそグレード・アトラスターの主砲主任射手『フラグストン・ノートレダム』や砲術長『メイル・ヴォーカルズ』は高い練度を持つ。

 

だが、日本はそれを上回る練度の射手を持っている事となる。

 

 

「被害報告!」

 

「はっ!右舷対空銃座に1発、後部に2発、至近弾1発です」

 

「特に右舷対空銃座の被害は甚大で、もう対空砲は使用出来ないと責任者は言っています」

 

「それに後部に着弾した内の1発は貫通し左舷外側の缶2基を破壊、速力が18ノットまで落ちました」

 

「ちっ…ボイラーがやられたか」

 

 

グレード・アトラスターは、推進軸1軸に対して機関室1、缶3基がセットで割り当ている。缶・機関はすべて独立した区画に設置され各缶が1基ずつ防水区画を持つという、他に例をみない贅沢な配置をしている。これは一つの缶が損害を被っても、他の缶に損害を与えない為である。

 

その12基の内2基が破壊された。先ほどの艦首の損害と合わさり、グレード・アトラスターの速度は18ノットまで落ちる事となった。

 

 

「最初からこの被害か…」

 

「ラクスタル、グレード・アトラスターは戦えるか?」

 

 

カイザルと問いに、ラクスタルは重々しく答える。

 

 

「正直微妙です。本艦は未だ射程に入っていないのにも関わらず、相手は打ち放題。本艦の射程に入るのには後3分ほどかかります」

 

「それまでの間に主砲弾薬庫にでも当たったら…お陀仏ですね」

 

 

グレード・アトラスターの46cm砲の装填時間はおよそ30秒。敵艦の主砲が約51cmなので5秒ほど遅くなるにしても先程は交互一斉斉射──つまり半分の火力での射撃だ。すぐにでも第2波が襲いかかってくるであろう。

 

 

「どうする…」

 

 

艦橋内が沈黙で覆われる中、見張所から無線である報告が聞こえた。

 

 

「グレード・ウォールが本艦の前に出ます!」

 

「なんだと!?」

 

 

カイザルとラクスタルは直様側面の窓からグレード・ウォールを見る。そこには速力を上げ、グレード・アトラスターの前へ出ようとする艦の姿があった。

 

◇◆◇

中央暦1640年4月25日──

《グレード・アトラスター級二番艦グレード・ウォール第一艦橋》

 

 

「本艦、グレード・アトラスターの前へ出ます」

 

「うむ」

 

 

操舵員からの報告に、グレード・ウォール艦長『ベリアル・ドットスミス』はうなづいた。彼はグレード・アトラスター艦長『ラクスタル・ノーレッジ』、艦隊主席参謀『ウィルックス・ポートウェル』と同期であり、海軍兵学校では三人で色々ヤンチャした仲であった。

 

そのような事からグレード・アトラスターがやられる様を黙って見過ごせなかった彼は、速力を上げ、グレード・ウォールがグレード・アトラスターの盾となる様にした。

 

 

「対空指揮所、敵艦から発砲があったら直ぐに報告せよ」

 

「はっ」

 

 

グレード・アトラスターは巨艦である、そのために旋回も時間がかかり、被弾する事も多い。そのために装甲は類を見ないほど強力なのだが、相手が46cmを超える巨砲を持っているために無力だ。

 

また、グレード・アトラスター級は巨大な為、舵が完全に効くまで90秒はかかる。敵艦との距離と先程の敵弾の弾着の時間から計算するに、発砲から数秒以内に転舵しなければ至近弾や直撃の可能性がある。

 

ベリアルはグレード・アトラスター級が回避に徹しなくてはならない事に苛立ちを覚えながらも、敵艦を双眼鏡でしっかりと視認する。その時、敵艦から大きな砲煙が上がる。発砲の印だ。

 

 

「敵艦発砲!」

 

 

彼が認識したと同時に対空指揮所の見張員が叫び、第一艦橋に無線で伝えられる。それを確認したベリアルは、操舵室の操舵員に無線で指示を送る。

 

敵弾がここに着弾するまではおおよそ90~100秒。一方、グレード・アトラスターは船体が大きいために舵を動かしてから旋回するまでに90秒はかかる。

 

そのために敵弾が発射されてから少ない時間で転舵を指示しなければ確実に当たる。

 

 

「右舷スクリューそのまま!左舷スクリュー後進一杯!!」

 

『!?艦長、本当によろしいですね!?』

 

「ああ、やってくれ!」

 

『はっ、右舷スクリューそのまま!左舷スクリュー後進一杯、宜候!!』

 

 

通常の旋回ではなく、片側を前進、片側を後進とする事によって旋回半径を少なくする。速力は落ちるが、1発で戦闘不可能にさせられるよりはマシだ。

 

グレード・ウォールの巨体がゆっくりと旋回し、左側に旋回する。その時間をもどかしく思いつつも、ベリアルは弾がグレード・ウォールに当たらないように願う。

 

 

「(当たるな…当たるな…)」

 

 

全乗員の想いが一つになった瞬間、衝撃がグレード・ウォールを襲う。ベリアルは咄嗟に羅針盤を掴み、転倒を免れたが他の艦橋要員は転倒したり壁に額を打ち付けて血を流している者も見える。

 

 

「艦橋より医務室!負傷者多数発生、至急治療を頼む!」

 

 

立ち上がったベリアルは医務室に連絡を取り、衛生兵を艦橋に派遣させる。衛生兵が負傷した者を治療する中、ベリアルは砲術長を呼び出す。

 

 

「主砲は発射できるか!」

 

「射程内に入っていますが測距が間に合っていません!40秒ほどかかります!」

 

「では30秒で済ませ」

 

「了解であります!」

 

 

既に主砲は3基とも右舷に旋回しており、最大仰角で発射を待ち構えている。ピッタリ30秒後、砲術長からベリアルに主砲発射準備完了の報告が挙げられる。

 

 

「主砲発射準備完了であります!」

 

「了解、全主砲交互一斉打方!てぇ!」

 

 

耳をつんざくような発射音と反動が艦橋に響き渡る。グレード・ウォールは彼女初となる射撃をきいへ向けて撃ち放った。

 

◇◆◇

同時刻──

《海上自衛隊『きい』CIC》

 

 

「敵2番艦発砲、しかし全弾着弾する針路ではありません」

 

「見過ごせ。SAMを無駄に使うわけにはいかん」

 

 

実は第5空母打撃群は全艦兵装は満杯では無い。リークはあれど本当にグラ・バルカス帝国が攻撃してくるのかは不明であったために7割程しか兵装は搭載していない。しかも敵空母航空部隊迎撃に3~4割は使用してしまった為に残り3割ほどのSAMで迎撃しなければいけない。

 

 

「(くそっ……ミリシアルがちゃんとしていれば…)」

 

 

東郷は世界最強と自負していようと、日本からの目線では80年も前の航空機を碌に撃墜できないミリシアルに怒りをぶつける。

その時、『ひりゅう』からの報告がCICに伝達される。

 

 

「司令、ひりゅうより第325戦闘攻撃飛行隊(VFA-325)『ディープインパクト』所属のF-2D12機が発艦、武装は()()()()()()()()()()です」

 

「そうですか、VFA-325には編隊構成後速やかに攻撃位置につくように伝達を」

 

「はっ、了解しました!」

 

 

VFA-325と通信を取る通信員を横目に挟みながら、東郷は自身が山本と図上演習した時にやられた奇策を実行したことに気づいた。彼と山本の図上演習の戦績は7勝6敗。第1合同特務任務部隊(JSTF-1)を構成する前にやり、勝ち越しされた試合だ。

 

 

「(まさか…戦艦をSSMで撃沈できないことを見込んで──?)」

 

 

東郷が考察する中、46cm砲弾9発はその身を海に打ちつけるに留まった。

 

◇◆◇

数分前──

《第5空母打撃群ひりゅう型航空母艦『ひりゅう』第三エレベーター》

 

 

「久しぶりの対戦艦戦だ!気合い入れていくぞ!」

 

「と言っても現代の戦艦ではなくて80年前の技術の艦なんだが…あいつ聞いてねぇな」

 

 

第325戦闘攻撃飛行隊(VFA-325)『ディープインパクト』の第3飛行小隊2番機である『村上英輝』二等海尉と『大山元昭』二等海尉が第三エレベーター上で談笑していた。既にエレベーターは上昇を開始しており、しばらくすると甲板上の様子が見受けられた。

 

既に第1小隊のF-2Dは発艦しており、第2小隊の機がカタパルトに設置されている。エンジンの排気によってムアッとした空気が肌に当てられる。二人はJHMCSを被り、収納ステップで操縦席に乗り込む。

 

 

「DEEP IMPACT3-2、Request a startup(スタートアップをリクエスト)

 

「DEEP IMPACT3-2、Cleared for startup(スタートアップを許可する)

 

 

航空管制室(プリフライ)からスタートアップの許可を貰い、スタートアップを開始する。

 

 

「バッテリーオン、JFS(ジェット燃料始動装置)、START Ⅱ」

 

グリーンライト点灯よし(起動確認)、右エンジンクランク開始(始動)

 

回転数(RPM)20(トゥウェンティ)確認(チェック)

 

「右エンジン回転数(RPM)正常、右エンジンアイドル」

 

 

先ずはエンジンを起動する為にAPU(補助動力装置)を起動する。起動を確認するグリーンライトが点灯したのを確認したら右スロットルをアイドル位置に動かす。徐々に右エンジンの回転数が上がっていき、音が大きくなるのがヘルメット越しでも確認できる。

 

 

「電力供給エンジンに転換完了、左DDI、右DDI(デジタルディスプレイインジケーター)HMD(ヘッドマウントディスプレイ)AMPCD(高度多目的カラーディスプレイ)起動」

 

「PLOBE HEATオン、FLCS BIT RUN、IFF NORMセット」

 

「UHF BUP BOTH、カウンターメジャー MAN、CH・FLオン」

 

「|MWS・JMR・RWRオン、RWR起動」

 

「STORES CONFIG CATⅢ。武装アライン開始」

 

「レーダーSTBY(スタンバイ)INS(慣性航法装置)CVセット」

 

 

DDIの起動に時間がかかる為、村上は左エンジンのクランクに移行し、酸素供給(OBOGS)も起動する。また、INSのアラインを行う為、DDIからHSIを開き、STD HDGを選択して90秒待つ。次にキャノピーも閉め、FCS(フライトコントロールシステム)とトリムをセットする。

 

 

「ブリアードドア、リセット。FCS-MCスタート」

 

「両エンジンスタート!APU停止」

 

 

自己診断が可能なFCS-MCによってスラットやパイロンが稼働し、異常が無いから確認される。同時に両エンジンが正常に始動したのを確認したので、APUを停止させる。  

 

 

「フラップ、ハーフ確認。ADI(姿勢指示器)正常よし」

 

「気圧高度計、QFE(高度計規制値)27.75セット」

 

「レーダー高度計300ft設定、HMD起動」

 

 

フラップ、ADI、気圧高度計、レーダー高度計を順番に起動・操作し、HMDも起動させる。

 

 

「INSアライン終了確認。INS、IFAへ移行」

 

D/L(戦術データリンク)オンよし。輪止め解放をお願いします」

 

『了解、今外す』

 

 

車輪を固定する輪止めを甲板作業員が外したことを確認し、パーキングブレーキを解除してカタパルトへ向かう。

 

 

「DEEP IMPACT3-2、Request taxi(リクエストタクシー)

 

プリフライよりDEEP IMPACT3-2(DEEP IMPACT3-2 from Pre-Fly)Cleard for taxi(タクシーを許可)Use the 4th for the catapult(カタパルトは4番カタパルトを使用せよ)

 

「DEEP IMPACT3-2、Copy(了解)

 

 

プリフライから発艦の承認とカタパルト番号がコールされたら、LAUNCH BARを下げて指定されたカタパルトにタキシングする。カタパルトに近づいたら速度を落とし、慎重にカタパルトに入って行く。機体がカタパルトに固定された時点で既にホイールブレーキがかかる。

 

 

プリフライよりDEEP IMPACT3-2(DEEP IMPACT3-2 from Pre-Fly)プリカタパルト(Precatapult)カタパルトの射出準備中(Preparing to eject the catapult)

 

「DEEP IMPACT3-2、了解。待機する(I copy. Stand by)

 

 

カタパルトにLAUNCH BARが固定され少しだけゆっくりと前進する。機体の後方ではジェット・ブラスト・ディフレクターが立ち上がり射出準備が行われる。

 

 

「主翼展開」

 

「主翼展開確認」

 

「トリム調整よし。DEEP IMPACT3-2、離陸をリクエストする(Request takeoff)

 

『DEEP IMPACT3-2、準備出来次第発艦を許可する(Cleared for takeoff when ready)高度計規正値は29.92で300まで昇れ( climb 300 at QFE 29.92)

 

「右コンソール、左コンソール、HUD確認、異常無し!」

 

 

そうすると、カタパルト・オフィサーが氷室に向かって指を差して、右の掌を速い速度で揺らす。それを見た氷室は左側にあるスロットルを前に押し込んで、エンジンのパワーを上げる。

 

 

プリフライよりDEEP IMPACT3-2(DEEP IMPACT3-2 from Pre-Fly)射出準備完了(Cleard for the shooting)いつでも発艦せよ(Launch at any time.)

 

「DEEP IMPACT3-2、発艦する(Take off)

 

 

氷室は準備が整ったことを報告する為、カタパルト・オフィサーに向かって敬礼をする。また、センター・デッキ・オペレーターもカタパルト・オフィサーへ敬礼する。スロットルを開き、フルミリタリーパワーまで上げ、パワーを上げたらホイールブレーキを解除する。また、操縦桿から手を離し、風防の手すりに捕まる。

 

カタパルト・オフィサーはそれを確認後、カタパルト・セーフティ・オブザーバーが安全を示す青色のランプが点灯していることを確認し、指を艦首側に指す有名な動作をする。それを見たデッキ・エッジ・オペレーターがカタパルトの射出ボタンをクリックする。一気にF-2Dに加速が加えられ、2秒で約300km/hまで速度が上がる。

 

強烈な重力(G)がかかり、機体と二人の体は一気に前方に押し出される。そして艦を離れると同時に縮んでいた前脚が一気に延びることで機首が跳ね上げられ、自然と機体が浮き上がる。

 

 

「ギアアップ、フラップアップ。RWRオン、レーダーオン」

 

『DEEP IMPACT3-2、そのまま編隊へ合流せよ(Join the formation as it is.)

 

了解、誘導を頼む(Okay, please guide me.)

 

 

秘策を載せたF-2Dは、編隊合流地点へと変針した。

 




《長いので活動報告に記載。今後の展開など》

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