【完結】転生者がカービィ世界で生き抜く話   作:紅絹の木

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虫歯

大変だったけれど、ワドルディたちのおかげでお城が元通りになった。ちゃっかり陛下たちも帰ってこられて、日常が戻ってきた頃。

 

閣下が頬に手を当てて、唸っていた。

 

「閣下、大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃないでゲスよう」

 

朝食を配膳しているときだった。閣下の顔をよく見ると、手を当てている頬が腫れている気がする。

 

「あんまり痛いようでしたら、医院に行った方がよろしいかと」

「痛いのは嫌でゲス!」

「早く処置しませんと、もっと痛くなります。賢い閣下なら、おわかりいただけますよね?」

「ぐううう」

「なんの話ゾイ?」

 

配膳されてすぐに朝食を食べ始める陛下。すでに口周りが汚れている。

リーノはデデデ大王に向き直り、願いを口にする。

 

「陛下。今日は村に寄るとき、医院にも寄ってくださいませ」

「なぜゾイ?」

「閣下の調子が良くないからですわ」

「一人で行きたくない!リーノも一緒に来て欲しいでゲス……」

「わたくしもですか?いいですよ。丁度、歯の定期検診をお願いしようと思っていたところです」

「歯の定期検診?リーノはちゃんとしてるでゲスなあ」

「ただ虫歯になるのが怖いだけですわ」

 

アーニャとランタンのことは、今日の掃除当番であるワドルディたちに任せた。

リーノは装甲車の、エスカルゴンとデデデ大王の真ん中に座る。

 

「狭いゾイ!」

「お許しください。陛下」

「ちょっとの我慢でゲス」

 

閣下は安全運転で、医院まで乗せてくださった。

 

 

 

 

医院に到着する。中は繁盛しており、待合室の席は埋まっていた。

 

「これは、しばらくかかりそうですね。閣下」

 

私がそういうと、順番を待っていた村人たちが我先にと立ち上がり、閣下に順番を譲る。みんな歯の治療が怖いのね。

 

「リーノも虫歯かな?」

「そうではありません。歯の検診に来ました」

「えらい!お先どうぞ!」

「あ、ありがとうございます」

 

譲る理由は何でも良いらしい。私と閣下と、なぜか一緒に入ってきた陛下と共にヤブイ先生がいる診察室に入った。

部屋の中では、ヤブイ先生が椅子に座り何かを書かれていた。それもすぐに終わり、立ち上がって私たち三人を見る。

 

「いらっしゃい。今日は誰をみればええんかな?」

「わたくしと閣下です。わたくしには歯の検診を、閣下には歯の治療をお願いできますか」

「うん。任せなさい。まず、すぐに終わるリーノからにしようかの」

「なんですぐ終わるってわかるでゲスか?」

「リーノはええ子でな。医者から言われたことはきちんと守るんじゃ。だから、歯の状態はいつも健康そのもの。今回も大丈夫じゃろ」

「虫歯がないことを願うばかりですわ」

 

ヤブイ先生の合図で口を開けて、口内を診てもらう。一分ほどで終わり、私は口を閉じた。

 

「うむ。よく歯を磨いておるな。これなら今日は簡単な汚れの除去だけで、ええじゃろう。していくか?」

「はい。お願いします」

 

歯を綺麗に磨いて貰うだけでも、機械の高音が耳を刺激する。それでも我慢して耐えた。処置が済み、私は口をゆすいだ。今日の検診は終了だ。

 

「お疲れ様じゃの。さて、次はエスカルゴン殿か」

「あひー!!!や、やっぱり歯はもう痛くな……」

「どーんとやってくれゾイ!!」

「それじゃ、遠慮なく」

「あが!あが!」

 

陛下は閣下の口を大きくこじ開けた。閣下は抵抗するが、陛下の方が強く、口を閉じれない。そこにヤブイ先生が素早く処置を施していく。

 

処置は二十分ほどで終わった。すぐに済んでよかったと思う。閣下は疲れた顔で、しかも陛下を恨めしそうに睨んで装甲車に乗り込んだ。

 

「おやつを買いに行くゾイ!」

「ハイハイ」

 

今日ぐらいは、 私が運転を代わってあげられたらいいのだけど、生憎この世では運転免許を持っていない。大人しく装甲車に揺られた。

 

 

 

村唯一のコンビニに到着する。店内は相変わらず綺麗に掃除されており、居心地がいい。

陛下はお店に入ると、すぐさまカゴいっぱいにお菓子を入れだした。

 

「そんなに買ったら、虫歯になるでゲスよ!」

「ワシの歯は丈夫だから、心配ないゾーイ!」

「陛下。甘いものばかり食べると、栄養のバランスが……」

「お前がなんとかすればいいゾイ」

「でしたら、食べ過ぎたおやつ分のデザートは出しません。いいですね」

「んぐ!」

 

言葉に詰まった陛下は、手に持ったお菓子と私を見比べた。そして、そっと手に持った分のお菓子を棚に戻す。すでにカゴには山盛りのお菓子が積まれているけれど、それは見ないフリをする。

 

閣下は店主に歯ブラシのコーナーへ案内させた。そこで超音波電動歯ブラシに釘付けだ。それを陛下がからかう。

 

「陛下、閣下は真面目に選んでいらっしゃるんです。そのように笑ってはなりません」

「うるさいゾイ。リーノもさっさと選ぶゾイ」

 

ぷいと、陛下は顔を背ける。そしてまた閣下の後ろについてまわる。その賑やかさにため息を吐きつつ、私は自分用に、普通の子供用歯ブラシを一本購入した。

 

「ん?リーノはそれでいいでゲスか?」

「はい。わたくしの様に奥歯もある人は、奥もよく磨けるように、小さくて薄い歯ブラシが良いそうなんです。なので、これでいいのです」

「ほほ〜」

「閣下は奥歯がありませんから、好きな歯ブラシを選べますね」

「あっ、なるほど」

 

閣下は、子供用の歯ブラシに伸ばしかけた手を引っ込めて、超音波電動歯ブラシをカゴに入れた。

 

 

 

昼頃には戻り、すぐに昼食を用意しようと厨房に走った。しかし、すでに厨房からいい香りが漂っていて……。扉を開けて香りの正体を追った。

 

「まあ、これは……!」

「おかえり、リーノ。ちょうどカツ丼定食ができたところよ」

「陛下の好物だと聞きましたので、作ってみました。味見していただけますか?」

 

アーニャとランタンが先に昼食を作ってくれたらしい。しかも私たちの分まである。なんて有難いのだろうか。

 

「ありがとうございます。アーニャ、ランタン。とっても助かりました。すぐに陛下にお出しできますわ」

「そろそろお城ぐらしにも慣れてきたし。この位はできるようにならないとって思ってね」

「ですねえ。成長している姿をリーノに見せたくて頑張りました」

「本当に凄いです。二人とも花丸です」

 

味見させてもらった。カツ丼は、外はサクサクでふわとろ、中はジューシーでたいへんおいしい!

すでに食堂で席についていた陛下と閣下に、素早く配膳する。いつもより早く料理を出したため、二人は喜んで箸を持った。

 

夜は早めにあがって、メタナイト卿たちとの食事会を開く。

いつも通り、地下の厨房に六人が集まった。今日はワンプレートを作る。一つのお皿にサラダとお肉を盛り付けるのだ。

ワンプレートと、スープとパンに決まった。

サラダはポテトサラダに決めた。ポテトサラダは過程が多いので、みんなで作る。芋を潰す作業は、力に自信がある男性に任せて、私たちはポテトにいれる材料を切った。ついでにスープの材料も切る。

何度も作っていれば、戦士たちも作業に慣れてきて。包丁を持つ手も今は全然危なくない。

 

最後の盛り付けは、自分の手でおこなった。戦士たちの分は大盛りになっており、よっぽどお腹が減っていたんだな、と思った。

 

「アーニャ、その量で足りるか?……いや、俺が取りすぎたのか?」

「私はこれで充分です。それよりも、残ってしまうのは悲しいので、良かったらたくさん食べてくださいね」

「そうか!わかった」

 

アーニャとブレイドナイトさんの会話が聞こえた。二人の仲は良いみたい。

全員で「いただきます」と言って、食べ始める。

 

ソードナイトさんと、ブレイドナイトさんの食べっぷりはとてもよくて、人数の倍は用意したパンをぺろりと食べた。余りが出なくて助かったので、私たちは喜んだ。

メタナイト卿は静かだった。噛みしめるように、味わうように丁寧に食べてくださったようだ。最後に心を込めて「ご馳走様でした」と、手を合わせた。

今回も食事会は上手くいった。

私たちのお腹と心はいっぱいになった。

 

地下の厨房の掃除を済ませて、さあ帰る時間。ソードナイトさんが私とアーニャとランタンを部屋まで送ってくれることになった。

 

「悪いわね。ソード」

「いや。この位はなんてことないさ」

 

前をソードナイトさんとランタンが、後ろに私とアーニャが並んで歩く。

アーニャがこそりと囁いた。

 

「……良い雰囲気ですね」

「そうね。素敵だわ」

「そこ、なにコソコソ話しているの?」

「あら、えーと。食事会が成功して良かったと話していました」

「そう、そうです」

「ふーん?」

 

怪しむランタン。後ろを向きながら歩くのは危ない。注意しようとした。その前にソードナイトさんがそっとランタンの背を支えて、顔を前に向かせた。

 

「ランタン。今日も美味かった。リーノ殿、アーニャも、ありがとう」

「どういたしまして」

「お口に合ったのなら良かったです」

 

ほんの少し、されどその時間、ソードナイトさんはランタンの背中に触れていて。ゆっくり手を離した。ランタンの横顔が、名残惜しそうに見えたのは勘違いだろうか。

 

部屋の位置的に、ソードナイトに最後に送ってもらうのはリーノだった。

リーノはここに来るまで精一杯考えた。もう少しだけ、ランタンとソードナイトが一緒にいられる時間は作れないか、と。

そして思い出した。ランタンが前に借りたいと言った、刺繍の本の存在を。

 

帰り道へ一歩踏み出す戦士の足を、言葉で止めて。急いで件の本を見つけ出し紙袋に入れて、戦士に持たせる。

 

「これ、良かったらランタンに渡していただけまさんか?」

「はあ……?」

「でしゃばりかもしれません。でも、二人とももう少し話したいのではいかと、そう見えたんです。ですから、これ、お話するきっかけに使ってください」

 

そういうと、ソードナイトさんの動きが止まった。

私はキリッと表情をつくって言った。

 

「お話するだけですよ。それ以上は恋人同士になってからです」

 

 

 

 

 

翌日。朝一番、顔を合わせたランタンに抱きしめれた。

 

「ありがとう!私のキューピッドちゃん!」

 

私はたいへん驚いた。それから、私のお節介はうまくいったんだと理解して、喜びが体の底から湧き出た。

ランタンを抱き返す。

 

「うまくいったんですね!おめでとうございます!」

「そうよ!リーノのおかげ!ありがとう!!」

 

はしゃぐ私たちに混じりたそうなアーニャも巻き込んで、三人で抱きしめあった。

 

厨房に行く道中で、アーニャにランタンが説明する。

 

「私とソード、付き合うことになったの」

「まあ!おめでとうございます!まあ、まあ……こんな時、どんなお祝いをすればいいんでしょうか。リーノの時も散々悩んで、何もできなくて……」

「祝ってくれるだけでいいわよ。ねえ、リーノ」

「ですです。アーニャ、結婚が決まった時まで、その気持ちは大切に持っていてくれると嬉しいです」

「わかりました。その日が来たら、たくさんお祝いしますね」

「さあて、私とソードは落ち着いたし。あとはアーニャとブレイドナイトね!」

「わ、私とあの人がですか?」

「あら、好きなんでしょ?バレバレよ」

 

アーニャはもじもじと手をいじる。

 

「そうなんですけど……私、まだこの気持ちが恋なのか、ファンとしての好きなのかわからなくて」

「そうなんですか?それは難しいですね」

 

言葉を弾ませて話すことは楽しかった。あっという間に厨房についてしまったので、アーニャとブレイドナイトの話はまた今度。

 

「あっ、そういえばサトさんからハナさん主催のお茶会に誘われているんです。一緒に行きませんか?」

 

二人とも快く了承してくれた。

 

 

 

陛下たちの朝食中。

突然、デデデ陛下が苦しみだした。悶える姿が痛々しくて、傍に駆け寄り背中をさすった。

閣下はニヤリと笑い、昨日歯を磨かず寝たせいだと仰る。

それは陛下の自業自得ですね……。

いざ、ヤブイ先生の所へ連れて行こうとすると、脱兎のごとく逃げられた。なぜあんなに俊敏になれるのか。

後を追うと、陛下の私室についた。布団に丸まっている。これではお連れできないので、ワドルドゥ隊長を呼んだ。

 

陛下は装甲車に無理やり乗せられて、閣下が村まで運転された。

それが今朝の出来事。

その二時間後に陛下は、城に帰ってきた。

ちょうど洗濯物を干し終わった時だったので、私は一階にいた。つまり、帰ってきた陛下と顔を合わせたのだ。

 

「えっ?!お早いお帰りですね。歯はもうよろしいのですか?」

「治ったゾイ!デハハハハハ」

「それは良かったです。ところで、閣下はどちらに?なぜお一人なのですか?」

「え、エスカルゴンは急用ゾイ!!」

 

そう言って陛下は素早く走っていきました。まるで逃げるように。これは、もしや……。

 

「あの様子じゃ、医院から逃げてきたようね……ですね」

 

陛下たちに対しては敬語を使おうと努力しているランタン。

私は振り向いて、困った顔をする。

 

「やっぱり。そのように見えますか?」

 

アーニャが深く頷いた。

 

「間違いないと思いますよ」

 

三人はそれぞれため息を吐いた。

 

 

陛下は、それから何事もなく普通に過ごされた。

歯が痛いとも、しみるとも言わずに昼食を食べて、お菓子を食べる。

閣下を含めた私たち四人は、その姿をただ見守った。

 

 

 

夜。夕食中。

デデデ陛下が苦しみだした。それは尋常ではなく、陸で魚が跳ねるように、体がばたばたと跳ねている。

閣下がなんて事ないように言った。

 

「そろそろ薬が切れる頃だと思ったでゲス」

「では、やはり陛下は治療を受けていないんですね」

「ああ、逃げ出したでゲス」

「まあ……陛下ったら」

「リーノ!!!なんとかするゾイ!!!!」

「えーと、冷やせば少しは痛みが引くかと。今氷をお持ちします」

 

その後、氷でも痛みが引かなかった。なので閣下が頬を引っ張り、別の痛みで誤魔化そうとしたけれどダメだった。

 

「しょうがない!奥の手でゲス!」

 

そう仰って、陛下のハンマーを振り上げたので、すかさず割って入る。

 

「お止めください!それはあんまりですわ」

「どくでゲス!日頃の恨み、晴らすでゲスよ!!」

「それもう治療じゃないゾイ!!!」

 

陛下は逃げ出した。なりふり構わず逃げた。

閣下はその後を追う。私も心配で、後を追った。

 

城の中庭まで陛下が逃げると、陛下が突然転倒した。誰かにぶつかったようだ。倒れた陛下に駆け寄る。

 

「陛下ご無事ですか?」

「痛くない……歯が痛くないゾイ!!!」

「本当だ!痛くない!」

 

声の先にはブン様と、その後ろにフーム様とカービィがいた。

陛下とブン様は互いに手を取り合い、踊りだす。

よっぽど歯が痛かったんですね。

しかし、それも束の間。両者は再び苦しみ悶える。

 

「さっきより、痛い!!かくなる上は……!」

「陛下、どちらに!?」

 

陛下は立ち上がり、どこかへと走り去ってしまわれた。

残ったのは、まだ苦しんでいるブン様、エスカルゴン閣下、フーム様、カービィ、そして私でした。

 

「陛下ったら、一体どちらに行かれたのでしょうか」

「さあ、知らんでゲス。……そっちも、でゲスか?」

 

フーム様に問いかけるエスカルゴン閣下。そちらも、ということはフーム様もブン様の痛みを紛らわそうと、何かなさっていたんだろう。

フーム様は疲れたように頷く。

 

「そうよ。ブンが痛いって言うから」

 

当の本人は、まだ地面にうずくまり「痛い、痛い」と呻いている。

私は、ブン様の背中をさすった。そしてできる限り、優しく言葉にする。

 

「明日、医院に行きましょうね」

「……いや、だ〜」

「まあ」

「ブン、まだそんなこと言うの?」

「だって怖いんだもん」

「その痛みがなくなりますよ。我慢、できませんか?」

「うう〜」

 

痛みに悶える間、ブン様は悩ましそうにしていた。

その痛みが引いた頃。

 

「た、助けてくれゾーイ!」

「あの声は、陛下?」

 

陛下が再び、走ってきた。まるで誰かから逃げるように。

陛下が私たちの後ろに回ると、背後にいた誰かが見えた。

一つ目、機械的な体、肩辺りからドリルと歯を抜くためのペンチが生えた何か。

フーム様が全員の問いを言葉にした。

 

「なに!?」

「デンタル魔獣、ハーデーゾイ!」

「デンタル魔獣!?」

「チ、リョー!」

「うわわ!!!」

「ブン様危ない!」

 

ブン様の前に回り込む。ハーデーから伸びた手は私を掴んだ。そしてハーデーの上に寝かされる。

 

「チ、リョー!」

 

「リーノ!」

「こいつ、離すでゲス!!」

 

私は怖くて身がすくんだ。耳鳴りがして、よく周りの声が聞こえない。

 

「ハ、ミセテ」

「は、はが……」

 

口を開ける。魔獣の一つ目が光を放つ。ドリルとペンチが口の中に入り、内側の頬肉に当たる。

 

冷たくて、怖かった。

体が震える。

 

ほんの五秒だったと思う。それらはなんの危害も加えずに、私の口内から出ていった。

 

「ムシバ、ナイ」

 

そう言って、私をゆっくり地面を下ろした。へたり、と座りこむ。

そこに閣下が来てくれた。

 

「大丈夫でゲスか?」

「はい。何も、されませんでした」

「うわあ〜!!」

「ブン!」

 

今度こそブン様が捕まった。けれど、さっきの恐怖はない。

ドリルの鋭い音が、鼓膜さえも削るようだ。それは十秒ほどで鳴り止んだ。

ブン様もゆっくりと地面に降ろされる。

 

「歯が、痛くない!ありがとう!!」

「チリョー、ムリョー」

 

魔獣は軽く手を振った。

……いい魔獣なのかしら??

 

「ツギ」

 

そして、魔獣は陛下を鋭い視線で射抜いた。

エスカルゴン閣下が先回りして、陛下の腕をとる。

 

「ささ、陛下も……」

「麻酔ナシは嫌ゾイ!!」

「あ、陛下!」

 

陛下はハーデーから逃げ回る。噴水を一周して、こちらに戻ってきた。そして、カービィの後ろで唐突に止まる。

 

「カービィ、吸い込みよ!」

「ぽよ!」

 

そして私は察した。ハーデーが吹き飛ぶ未来を。

 

 

 

 

 

 

次の日。

陛下は朝早くから、ワドルドゥ隊長に鎖でぐるぐる巻にされて、医院へ運び込まれることとなった。

治療は無事に済んだらしい。

 

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