【完結】転生者がカービィ世界で生き抜く話   作:紅絹の木

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回転寿司

 

 

 回転寿司が村にオープンしました。

 

 昼間。

 チャンネルDDDを、わたくしの部屋でメイド三人が集まって見ていました。そこで放送されているカワサキさんのお店には、長蛇の列が続いていました。

 

 ランタンが言いました。

 

「回転寿司っておいしいのかしらね」

「寿司は、カワサキさんの店で出している物と変わらないように見えますが……」

「こうして見ていると、食べたくなっちゃいます」

「ねえ、今度の食事会は寿司にしない?」

「寿司……とてもいい考えですが、わたくしたち作れませんよね。どうしましょう?」

「では、海鮮丼はいかがですか?あれなら、切って乗せるだけですわ」

「いいですね、リーノ。そうしませんか?ランタン」

「賛成よ!じゃあ私たちからの食事会の案は、海鮮丼で決まり!」

 

 ランタンは手帳にさらさらとメモをとりました。

 今回は、ランタンが三戦士たちに食事会で食べたい物を聞きに行ってくれます。なので、忘れないように書いたのです。

 

 ランタンは立ち上がりました。

 

「さっそく聞きに行ってくるわ。あの人たち、いつ捕まえられるかわからないもの」

 

 

 

 その日の夕方。

 陛下は寿司を食べたいと仰られました。正直に寿司は作れないことを伝えます。

 代わりに海鮮丼を作りました。食事会の予行練習になったので、作れて良かったです。

 

 陛下がにこにこと笑って海鮮丼をかきこみます。

 わたくしはそれを温かい気持ちで見ていました。

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 次の日。

 夕方に帰城された、フーム様とブン様にお会いしました。

 わたくしはにこっと微笑んで、お二人に声をかけます。

 

「おかえりなさいませ。フーム様、ブン様」

「ただいま。リーノ」

「ただいま〜。くたびれたよ」

「まあ。何かあったのですか?」

 

 ブン様の疲れた様子に、わたくしはお二人の様子を窺います。

 フーム様は手を振りました。

 

「たいしたことじゃないの。今日もカービィが魔獣を倒したんだけど……」

「すみません……」

「いいのよ。カービィが倒してくれたからへっちゃらよ!それでね、倒した魔獣がイカの魔獣だったの」

「倒した魔獣は空中で爆発したんだ!そしたらイカの切り身がたくさん落ちてきてさ」

「さっきまで、その切り身を集めていたのよ。カービィが食べられるように、洗ってあげたの」

「それはそれは……大変でしたね。ですが、お友達のために頑張られたんですね。すごいですわ」

「まあね」

「へへ!」

 

 お二人は満更でもない様子で、照れていらっしゃいました。

 その姿は可愛らしくて心を打たれました。

 

 

 

 その日の夜。

 地下の厨房にいつもの六人が集まりました。先に集まったメイドチームがみそ汁や副菜を作ります。後から来た三戦士たちが魚を切りました。

 切り方はわたくしたちがそれぞれ教えます。初めは切り身の線がガタガタとしていましたが、数をこなすうちに綺麗に切れるようになりました。

 

 どれもおいしそうです!

 けれど、三戦士たちは申し訳なさそうにしています。

 ソードナイトさんが言いました。

 

「この端がガタガタしているというか、ボロボロなのは俺が食べるよ」

「あら気にしなくていいのに」

「君には上手く切れた所をあげたいんだ」

 

 その言葉にブレイドナイトさんも頷きます。

 

「俺も。アーニャにあげたいな」

「ありがとうございます。ブレイドさん」

 

 その微笑ましい光景に胸が温かくなります。

 隣から視線を感じました。振り返るとメタナイト卿がこちらを見つめています。

 

「何か?」

「そなたが幸せそうに笑っていたから、見ていた」

「そ、そうですか」

 

 恥ずかしくなって、わたくしは俯きました。

 そしてお腹が鳴りました。

 

「ひう」

 

 驚いて変な声も出ました。

 アーニャは微笑み、ランタンはやれやれと肩を竦めつつ笑顔で言います。

 

「あたしもお腹減っちゃった。盛り付けて食べましょ」

「賛成です。器を用意しましょうか。さ、リーノ」

「は、はい……」

「海鮮丼の盛り付けは任せた。ソード、ブレイド。こちらはスープや副菜を盛り付けるぞ」

「はっ」

「かしこまりました」

 

 こうして楽しい食事会は始まりました。

 海鮮丼はおいしくできあがり、三戦士たちは満足してくれました。もちろん、わたくしたちも満足がいく丼を作れて嬉しかったですわ。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

 次の日。

 早朝から大勢のワドルディたちが、工具と木材などを持って村へ出かけていきました。

 

「一体どうしたのでしょうか?」

「ワドルドゥ隊長なら、何か知っているかも知れませんね」

「あら、隊長ならさっき先頭でワドルディたちの指揮をとっていたわよ」

「なら、何事か聞けないですね」

 

 わたくしたちは洗濯物の手を止めてワドルディの行列を見守りました。そこに、車に乗った陛下と閣下が現れました。わたくしたちは整列して頭を下げます。

 

「おはようございます。陛下、閣下」

「おはようでゲス」

「うむ。今から村に行ってくる。そちは昼飯を用意して村まで持ってくるゾイ」

「かしこまりました。あの、村に行く目的は何なのですか?」

「昨日、回転寿司のレールで民家に穴開けたから、その修復に行くんでゲスよ」

「え……」

 

 とんでもないことを聞いてしまいました。

 わたくしは両手で顔を覆います。そして力なく声を出しました。

 

「陛下、なんてことを……」

「だから!すぐ直してくるゾイ!リーノ、弁当を忘れるな!ゆけい!」

「はーい。じゃ、リーノ。弁当はハンバーグにしてくれでゲス」

「わしはステーキがいいゾイ!」

 

 車は発進しました。

 遠ざかる陛下たちの姿を見送ってから、わたくしは急いで洗濯に戻ります。

 

「あ、ちょっと!リーノどうしたのよ」

「急いで仕事を終わらせるのです。そして、お弁当の準備をして、被害にあった村のみんなに謝罪とお菓子の差し入れを……!」

「今からお菓子を作るのですか?」

「いいえ。それは間に合いません。なので、今日は一家庭何人分のお菓子が必要なのか、聞いて回ります」

「手伝うわ。アーニャはどうする?」

「もちろん、一緒に。いいですか、リーノ?」

「助かります!よろしくお願いしますわ!」

 

 わたくしたちは急いで洗濯や掃除の仕事を終わらせ、お弁当を作ります。

 ……そういえば、ワドルディたちのお弁当は良いのでしょうか?わたくしたちは相談した結果、今からあの数のお弁当を用意できないと判断しました。

 

「せめて、ちょっとしたお菓子を差し入れしませんか?飴を一つとか」

「無いよりかはマシね……」

「そうしましょうか」

 

 わたくしたちは自宅からお菓子を持ち寄り、残りはコンビニで購入することにしました。

 

 

 

 昼頃にお弁当を持って村に行きました。

 先にコンビニによってから、広場にいる陛下の元へ向かいます。

 

 陛下と閣下はボルン署長さんの家にいらっしゃいました。いつもはボルン署長が座っている椅子に、陛下は座っていらっしゃいます。閣下はその隣で、うちわをあおいでいます。

 

 民家の修繕は終わったらしく、ワドルディたちは槍を片手に、広場の石畳の上に座っています。お疲れ様です。

 

「陛下!閣下!」

 

 大声を上げると、こちらに気づかれました。

 わたくしたちは陛下たちの近くに寄ります。

 

「おお!待っていたゾイ。……手に持っている物はなんゾイ?」

「これはワドルディたちのお菓子です。お弁当までは用意できなかったので」

「ワシの分は?」

「お二人には、デザートにプリンがございますよ」

「許す!」

 

 警察署の前を借りて、お弁当を食べました。

 メイドの分は、お弁当の余った料理を詰め込んだ小さなお弁当です。

 ワドルディたちも、食事中は一旦休憩です。お菓子を配って、食べてもらいました。

 

 食事を食べても、メイドたちの仕事は終わりません。

 民家を一軒ずつ尋ねて歩き、必要な人数分のお菓子について聞き回ります。

 もちろん謝罪も忘れません。頭を下げて回ります。

 

 その仕事は昼から夕方遅くまでかかりました。

 帰り道は、アーニャとランタンと三人で、どんなお菓子を作ろうか話し合います。

 

 見た目も楽しんでもらえるなら、アイシングクッキーが一番だろうということで、アイシングクッキーに決まりです。

 

 謝罪のためのお菓子作りではありますが、今から作るのがちょっとだけ楽しみですわ。

 

 

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