11月はあっという間に過ぎ去っていった。
11月に入ってから到来したクィディッチシーズンにホグワーツ生の多くが沸いていたが、アリアはあまりクィディッチに興味がある質ではなかった。
ハッフルパフは暫定首位になっていることもあり、次の週の半ばのグリフィンドール対スリザリンの試合は今や注目の的だ。
「ねえアリア、ハリー・ポッターがシーカーってホント??」
就寝前のスーザンの質問は最早定番と化している。
「さあな、来週にはわかることだろう」
アリアの返答もテンプレートだ。ハッフルパフの一年生で最もハリーと親しいと目されるアリアだったが、この問いにはもう飽き飽きしていた。
そんな訳で、ここ数日は図書館にこもることが多かった。注目の試合前、生徒たちは質より速さだと言わんばかりに宿題をさっと仕上げ、練習の見学やクィディッチ談義に花を咲かせている。
グリフィンドール等と違い、ハッフルパフの現キャプテンは開放的だ。練習はほとんど公開され、生徒はよくそれを見に行っていた。
アリアはそれを尻目に、ホグワーツの図書館の蔵書と格闘していた。今までの人生で手に入る書物は限られていた。非常にマニアックな蔵書まで存在するホグワーツの図書館は、アリアにとって天国とでもいうべきものだった。
また、いつも一人で勉強しているのが気になっていたグリフィンドールの女子生徒がハリーやロンと図書館に来始めたことも喜ばしく、アリアの足を図書館に向ける要因の一つだった。その子はいつも大量の本を周りに積み上げ、人を寄せつけなかったので、アリアも様子が気になっていたのだった。
クィディッチ試合前のハリーを手伝っているのか、少女は生き生きとレポートを指導している。なんとも微笑ましく、アリアはそれを見てアルカー孤児院の子どもたちを思い浮かべていた。
アリアが図書館に籠もりきりになっている間に、季節はあっという間に冬に差し掛かり、クリスマス休暇が近づいてきていた。
先日のグリフィンドール対スリザリンの試合には噂通りハリーがシーカーとして出場し勝利したようだ。クィディッチ杯の暫定順位はハッフルパフが1位、グリフィンドールが2位、レイブンクローが3位、スリザリンが4位に落ち着いていた。
生徒たちは課題を放ってクィディッチに熱中していたツケが来たようで、ハンナたちハッフルパフの一年生は再び図書館に舞い戻ってきていた。最近はグリフィンドールのハリーたち三人組も良く図書館に来ていることにもアリアは気づいていた。
ハッフルパフの生徒はよく図書館で勉強している。談話室の居心地が良すぎて、どうにも睡魔に襲われてしまうのだ。
加えて、アリアが常に図書館にいる。助けがほしければ図書館に行け、とハッフルパフ生はまことしやかに囁くほどだ。
「アリア、クリスマスはどうするの?」
ハンナが魔法薬学のレポートを大きな文字で埋め終わり、誇らしげにピリオドを打ちながら問う。
「今年は孤児院に一度帰ろうかと思う。忘れ物もあるし、チビたちが寂しがっているだろうからな」
「忘れ物なんてふくろう便で送ってもらえば……ってそうか、あなたマグル育ちだったわね」
ハンナはよくそれを忘れているが、今回は特に残念そうだった。ハンナはクリスマスに寮に残る予定なのだ。両親の仕事が忙しいらしく、不承不承といった感じが滲み出ていた。
アリアは手を止めてクリスマス休暇に思いを馳せた。
孤児院に帰ることもそうだが、今年は久しぶりに実家に帰れるだろう。
今回は短めです。また、明日の投稿はもしかしたら日付を超えるかもです。
月日が過ぎるのが早い気もしますが、アリアおばあちゃんの日常は特に変わりないのです。つまり書くことがない……