やあ、僕の名はピーター。しがないアルバイターさ。
ブーン
僕は、スクーターでピザのデリバリーをしていた。ところで僕が働いているピザ屋は割と時間にルーズなことがあるんだよ。
ドガン!
…こんなことが多いからね。
「ヒャッハー!金を沢山ゲット!ずらかるぜ。」
「「「アイ、アイサー!」」」
あ~あ、なんでよりによって白昼堂々強盗なんかしてんのかな。もっと、夜の方にやった方がいいのに。でも、止めなきゃね。え、お前アルバイターじゃないのかって。ああ、そういえば言い忘れていたね。僕には秘密がある。僕は…
「やあ、諸君。今日もいい天気だね。」
「な、誰だお前は!」
「親愛なる隣人!スパイダーマン!」
そう、僕はスパイダーマンだ。
「スパイダーマンだと。へ、俺たちとやろうってのかい。俺は元害虫駆除人だぜ。」
「害虫駆除は僕も得意だよ。特に強盗という害虫は。」
「言わせておけば!」
鉄パイプと、火炎瓶で武装しているけど。まあ、一話を見ている君ならわかると思うけどこれくらいの強盗程度なら。
「ごめんなさい、もうしません。」
「これで、反省した?なら刑務所でバカンス楽しんでね。」
ほら、この通り。まあ、毎日こんなことが起きているってわけ。僕は、龍門近衛局の無線とかを傍受して現場に行っていることが多いけど、目の前で起きることも少なくはないね。
ピーポーピーポー
おっと、近衛局だ。僕もこの場から離れないと。
パシュ
僕はいろいろやらなきゃいけない。バイトに勉強にスパイダーマン活動、本当に忙しいよ。おかげでまともに自炊ができなくて、今日もカップ麺だ。
「ん?」
そこにいたのは、昨日助けた女の子だ。僕よりも年下だろうその少女は、やや痩せており余り健康的とは言えない。また、昨日のチンピラのことを考えると彼女は感染者なのだろう。僕が住んでいるアパートはスラムに近くて、ピザ屋に出勤するためにはスラムを進まないといけないんだ。まあ、スラムにはそれなりに感染者はいるし、あまり気にしたことないけど。
「君、どうしたの。」
僕は彼女に話しかけた。彼女から見て僕は赤の他人だが、僕は彼女に手を差し伸べたかった。
「えっと、私は…」
彼女は戸惑っていた。恐らく、ずっと一人で生きてきたんだろうね。スラムにはそんな奴は悲しいけどいる。僕みたいな奴の方が少数だ。
「…何でもないです。」
どうやら、僕にちょっとだけ警戒しているようだ。まあ、無理もないか。昨日の今日だ。警戒するなというのが無理な話だ。ならば作戦変更だ。僕は鞄からある物を取り出した。
「はい。」
「…?これは。」
僕が彼女に見せたのはチョコチップクッキーだ。バイト先の先輩からもらったものだ。彼女はおずおずとクッキーをもらうとそのまま食べだした。
「…おいしい。」
「それは良かった。」
彼女が少し微笑んだような気がした。よっぽどお腹がすいていたのかもしれない。
「僕はピーター、ピーター・パーカー。君の名前は?」
「…シャ。」
「え?」
「…ミーシャです。」
ミーシャは、つい最近龍門に来たばっかりで、今は子供たちと暮らしていたらしい。彼女の寝泊まりしている所に案内してもらったけど、屋根すらないという状態だった。だから僕は、ウェブの原液を使った段ボールでちょっとした家を作ったよ。水に濡れても大丈夫な上に、かなり丈夫に作ってある。
「す、すごい。何ですかこれ、本当に段ボールなの。」
「段ボールだよ。特別性だけどね。」
ミーシャも気に入ってくれて何よりだ。
「…でも何で助けてくれたの?私は」
「いや、気にしないよ。僕は君が困ってそうだったからね。」
「うん、でも…」
「…おじさんも、そうしたはずだ。」
「え?」
「あ、いや何でもない。おっと、いけない。僕これから用事があるんだった。またね!」
僕は「用事」のために一旦、家に帰ることにした。
僕は今、スパイダーマンとしてパトロールをしている。近衛局の無線だけでは限界もあるからね。さてと、今日は特に異常はな『スパイダーマンはどこだ!』
うわ、びっくりした。いきなり大声で叫ばれるとびっくりするよ。スパイダーセンスも激しく反応しているし。僕は声のする方に顔を向けてみた。そこには…
…武装しているごついトレーラーが道路を爆走していた。
トレーラーの荷台には、チンピラやモヒカンが乗っていて、手榴弾やボウガン、大砲であたりを破壊しまくていたって、これ出る作品違うでしょ!
「やっほー、僕のことを呼んだ?」
「スパイダーマンだ!攻撃しろ!」
ドーン!ドーン!
「うわ!危ない!君たち、僕のためにサプライズをしてくれたのはいいけど、いくら何でも激しすぎない!?」
「知るか!タコ!」
「てめぇを殺せばどうとなる。やれぇ!」
ドーン!ドーン!
いつものチンピラじゃあなさそうだ。時速80キロで走行している車に追い掛け回されながら戦わなきゃいけないて、どういうことなの。
「…まあいいか、この車を止めればいいだけだ。」
ピーポーピーポー
『そこのトラクター、止まりなさい!』
「誰が、止まるか!タコ!」
もっと早く来て欲しかったな。さて、これで奴らは挟み撃ちにされているけど…
『大至急、応援を!パトカーが一台やられた!』
「近衛局の連中も大したことないなぁ。」
…早く止めないと。よし、せっかくだし新型ウェブでも使うか。
「いいぞ、このま」
パシュ!
「うげ!」
「な、早い!」
「まあまあ、ここは落ち着いて。せっかちな男は嫌われるよ。」
今、発射したのは「インパクトウェブ」。通常のウェブの数倍のスピードと密度で飛んでいき、着弾すると人一人は包み込んで拘束できる。今みたいにね。
「生意気なこと言いやがって。お前ら!スパイダーマンに集中砲火しろ。」
「大変です!ボス!」
「なんだ!」
「いつの間にか、武器が無くなっています。」
「何だと!」
「あそうそう、君たちのアクセサリー似合わなかったから僕が回収しておいたよ。」
「な!こいつ…」
パシュ!パシュ!パシュ!
僕はトラクターの荷台にいる奴らを次々に捕まえといたよ。ひい、ふう、みい、よし!これで全員かな。あとは運転席の奴らを…え!
「おい見ろ!こっちに突っ込んでくるぞ!」
「嘘!逃げないと!」
「ママァー!どこー!」
なんてこった!あいつらトラクターをこのままビルに突っ込ませる気だ!急いで車止めないと!
僕はすぐさま運転席の奴らを気絶させて、ブレーキを引こうとしたけどこのトレーラーにブレーキがついていなかった。
しょうがない、プランPをするか。まずは、トレーラーの先端に立ち、力ずくでトレーラーを止める!この手に限る!
「うおぉぉぉぉ!」
あと、100m。持ちこたえろ!
あと、80m。まだ、止まらない!
あと、50m。なんで、止まらないんだ!
あと、30m。いい加減にしろ!
あと、10m。止まってくれ!
あと、3m。やっと止まってくれた。
「はぁ、はぁ。な、何とかなった。」
「ああ、そうだな。」
僕は声のする方に顔を向けてみた。そこにいたのは、龍の少女だ。僕は何度か見かけたし、何なら話したこともある。
「や、やあ、チェン隊長。」
「スパイダーマン。すでに連中は逮捕している。お前もついてきてもらいたい。」
やっぱりか。ま、したかがないか。でもそのまま付いてったら、スパイダーマン活動ができなくなるだろうから…
「表彰状は欲しいけど、僕は忙しいんだ。また今度ね!」
パシュ!
「あ、待て!」
さて、逃げるか。
「…ただのチンピラじゃあ無理だったか。」
でも、考えてみたらこれが始まりだったかもしれない。
「奴らはすでに龍門に入国している。あとは見届けるだけだ。」
…僕の人生でもっとも、過酷な戦いが。
To Be Continued
ピーター/スパイダーマン
種族:不明(もともとは、エーギルだった。)
本作の主人公。龍門で、育ての親のベンおじさんと暮らしていたがある日、「スーパースパイダー」という生き物に噛まれてしまい、常人よりもはるかにすさまじいパワーを手にすることになる。紆余曲折を得て、力を使い「スパイダーマン」として活動することにした。
次回からはスパイダーマンに登場するヴィラン(アレンジが強めですが)が登場します。電光石火の戦いをお見逃しなく。