アークト村に帰ってきたアイナは森での出来事を父親で村長のイクシアと自警団団長のダリスに話し、これからどうするべきかを考えながら冒険者の治療に入った。
一方リュートは街道にまで吹っ飛ばし過ぎた魔獣「ラッシュベアー」を追いかけて街道に出たとき商人の護衛と戦うラッシュベアーを見かけ、先に商人と護衛を逃がし、ラッシュベアーを風のスキルと二刀流で討伐を完了させた。
その様子をどこからか覗いていたものがいたがそのことを彼らは知らない。
~街道、リュートサイド~
リュート「んー!んー!」
ラッシュベアーを討伐したはいいが、全然動けずにいた。
リュート「こういう時風の力で浮かせられたらいいんだけど…そこまでの力ないんだよな~…はぁ…」
その時、村の自警団の人が何人かやってきた。荷台を持って。
サク「リュート、無事か?」
ライ「へぇ、こいつがあの森にいた魔獣かい?」
リュート「まあな。」
イリア「それにしてもどうして一人で討伐しようとしたの?危ないでしょ?」
サク「イリア、忘れてないか?こいつもスキル持ちだぞ?」
ライとリュートが荷台に魔獣を乗せてる間にそのことについて少し話している。
ライ「なぁ、どうして俺らにはそのスキルのことを教えてくれないんだ?」
リュートは少し考えたのち答えた。
リュート「本当は教えてもいいんだけど、少々面倒なんだよね…トラブルの種にもなったし、また、この力は今王都が探してる力の一つでもあるから。」
ライ「王都が求めてる?」
イリアはそのことについて聞いたことがあるため説明を始めた。
イリア「確か、最近五人の英雄を集め始めたって聞いたわね。何でも火の英雄、水の英雄、風の英雄、土の英雄、光の英雄を探し始めたとか。ある王宮魔術師が占いで予言をしたとかで。」
サク「その予言って百発百中っていう?」
イリア「ええ。でも英雄っていうのは語弊よね。まだ何かしたわけじゃないんだから。」
ライ「そうとも言えないぜ?リュートは魔獣討伐を一人でこなした村の英雄じゃねーか!」
サク&イリア「話聞いてた?」
リュート「俺はこのスキルで人を傷つけたことがある。…自衛をしようとしてたまたま覚醒したんだけど、その一件で王都では全員に蔑まされた…スキルはそれだけで脅威なのにこれじゃ伝説のドラゴンと変わらないって…ただでさえこの眼でトラブルが多かったのにさ…だから旅をしてアークト村に着いたってのに…その後王都でこの力を欲しているんだよ?自分勝手には付き合いきれないよ…」
リュートが話し終えるとイリアは言った。
イリア「なら無理に言ってとは言わないわ。でもこれだけは信じて。私達は貴方を信じるし、追い出したりもしない。王都に連れて行ったりもしないわ。」
サク「そうだな。行くも行かないもお前が決めろ。」
ライ「だが、村の英雄だってのは変わらないかもな。」
リュート「大げさすぎだよ。」
リュートは久しぶりに笑った。そして自分のスキルは風を操れるものだというのを話し、村の人に公開することを許し、それでもなおここにいる事を許してもらおうと決意し、魔獣を乗せた荷台を引いて帰るのだった。
~アークト村にて~
リュート「ただいまー」
マキシム「リュート?大丈夫だったの?」
リュート「はい。この通りピンピンしてますよ。」
村に着くとみんなが迎えてくれた。そしてそこには治療を終えたアイナの姿と寝ていたはずの冒険者、キグナスの姿もあった。
リュート「ただいまアイナ。」
アイナ「おかえりリュート。」
リュート「傷は大丈夫なんですか?」
キグナス「ああ。この子のおかげて大体ふさがったよ。俺はキグナス。迷惑をかけたみたいでごめんな?」
リュート「いいえ、あのまま放置してたらもっと被害が出てたかもしれません。あの状況でこの村に来たのと治癒能力持ちがいたのはラッキーだったと思いますよ?」
キグナス「そうかな?」
その後、リュートのスキルをみんなに公開し、キグナスは王都に来てほしいと言っていたがリュートはもちろん断った。キグナスもすぐに出発できるわけではないので少しの間アークト村にお世話になるのであった。
STAGE1クリア
これでSTAGE1は終わりです。さてさて次ではリュートはどこで何と戦うのか、はたまたキグナスが村にいてどのような影響を与えるのか、アイナは自衛方法を学び戦いに参戦できるのか。次回もお楽しみに。