リュートがなぜ天中山から落下した経緯を王都に向かう道中にアマネから話してもらった。そしてアマネが天竜覚醒をしない理由を知ったが、リュートはあまり気にしていないようだった。
~王都・マルクスの鍛冶屋~
マル「いらっしゃいませ!あ!前にも来てくれたお兄ちゃん!」
リュート「あれ?名前言ってなかったっけ?」
ドマキ「いらっしゃいリュート!今日は剣を見に来たのかい?それならもうできているぞい!」
リュートはキグナスに剣のことを頼み、ドマキに連絡だけを入れておいたのだが、流石というべきか仕事が早かった。
ドマキ「耐久値を重視する片手剣となると若干重くなるのと切れ味も早く落ちてしまうのが難点なんだがな…」
リュート「いえ、十分です。ありがとうございます。」
ドマキ「背中に携えてる剣は?」
リュートはコノハのことはすでに知っているはずだと思ったが、牙狼の方は見せたことなかったのでその剣をドマキに渡した。
リュート「一応昔から持っていた剣です。ただなくしてたので持ってきてませんでしたが。」
ドマキはじーっと剣を見つめていたが、やがてこういった。
ドマキ「あんちゃん。この剣の出来はいいが設計ミスってないか?この剣一つじゃ不十分なはずだ。」
リュート「その通りです。実は本来もう一本あったんですがそっちもなくしちゃいまして…」
ドマキ「ならその剣預けてもらえないか?もう一本の剣がどんなものかその剣と組み合わせることで完成に近づけるはずだからな。もっとも模造品になることには変わりはないのだけどな。」
リュートは少し悩んで…
リュート「わかりました。少しの間お預けします。ただ、魔王軍がいつ進行するのかわからない以上、なるべく早めにお願いします。」
ドマキ「おうよ!あと、あんちゃんに渡すものがあるんだ。」
そうしてドマキが奥から持ってきたものは解体などに使われるハンターナイフだった。
受け取って刀身を見て、
リュート「これってもしかしてマルちゃんが?」
マル「はい!お兄ちゃんのおかげで人と話せるようになったお礼に!」
リュート「別に何もしてないんだけどな…でもありがとうね。」
リュートは作ってもらった剣の代金をおいて店を出て、目的地である王立魔導士学園に向かった。
~王立魔導士学園~
リュート「お待たせ。」
アマハネ「大丈夫です。あとはレイちゃんだけですね。」
カグラ「スイラのやつがめんどくさがって来なかったのじゃよ。何とか説得しているみたいじゃが、さすがにこれ以上は待ってられないな。」
エンラ「俺らもちょっと説得…というか引っ張り出してくるわ。」
そうしてエンラは呼びに行ってしまった。
話を聞く限り、二人の同調率は割と高く、エンラはおろか、リュートよりも早い段階で同調に成功したとのこと。ただ五分だけしか活動できない…はずなのだが、20分経過しているとのこと。
リュート「こりゃ、レイの方がダウンしているな…」
アマハネ「先に行きます?」
アマネ「寄り道なしでね?」
だが、アマネのその願いは届かなかった…なぜなら向かう途中に魔導書の図書館があったからだ。
リュート「わあああああ!☆☆」
デューク「まぁ、そうだよな…」
アマハネ「どうしてリュート君は目をキラキラさせて図書館を見ているのでしょう?」
アマネ「この子の悪い癖です…」
デューク「この馬鹿は戦闘面では天才なんだが頭脳もよくてな…魔法の知識を蓄えようとするんだよ…使えるのは風系統だけだってのに…」
リュート「ねえねえ!読んでいい?読んでいい?」
先生「ここにある本はある生徒が全て記憶してますよ。エレメンターの皆さんが探しに来た子がね。」
アマハネ「!!その子はどこに!?」
先生「それが…」
部屋に案内はしてもらえたが、どうやらずっと実験室に引きこもっているらしく、扉さえ開かない状態だった。
リュート「ん~…!!少し離れてて。」
リュートは両方の拳を合わせた。
デューク「やっべ…マジで離れた方がいい。」
デュークはアマハネと先生を強制的に後ろに下げさせた。アマネも下がった。
リュートの拳には中央に竜が描かれた魔法陣があった。
リュート「天竜拳!」
そのまま拳を扉に叩き付け、ガッチリ塞がれていた扉を破壊した。
スズ「へぇ、僕が仕掛けた一番弱い結界を壊せるんだね。他の人は無理だったのに。」
その時、リュートにあった剣の紋章が輝いた。どうやら今まで反応しなかったのは結界の効果によるものだった。
その少女は銀色のミドルヘアーだが、目には光が宿っておらず、暗い黄色に見える。
そのとなりにはオレンジ色の髪をした男の剣霊、ガイアがいた。
スズ・テリア。