燐子視点
零二君がいなくなってからもう1週間、学校にも姿を見せていない。
零二君のお父さんから休学すると学校に連絡はあったみたいだけど、私達はあれから何度かけても零二君には繋がらない
「ハァ…」
ため息だけが出る
「白金さん」
「氷川さん」
「大丈夫ですか?元気がないように見えますが」
「体調面に問題はありません…ですけど…」
「零二君のことが気がかりですか?」
「…はい、あれから連絡が付きませんし、ゲームの方にも来てなくて…」
「彼の居場所がわからない以上会うことも出来ませんしね」
「はい…街もなんだか物騒になってきてますし」
「零二君がやはり心配ですよね」
「はい…」
「もしかしたらですが、虎堂修也君、彼なら何か知ってるのではないですか?」
「確かに…聞いてみましょう」
私達は虎堂君を見つけて呼び止める
「虎堂君!待ってください!」
「白金に氷川、なんか用?」
「零二君の居場所を知りませんか?」
「例え知ってても教えられないよ、俺もチームRAVENのメンバーだからね、リーダーが望まない事はできないよ」
「なんとかなりませんか?」
「無理だね、でも、リーダーに会ってどうするの?」
「話がしたいんです」
「伝言役くらいなら引き受けるけど会わせろは無理」
「それはあなたも知らないからですか?」
「なんでそう思うの?」
「簡単な理由です。零二君は学校に来ていないのにあなたは来ている、つまりあなたの目的は学校の方にあるからです」
「半分正解、俺が学校にいる理由は君達の監視兼護衛
リーダーは今、動くに動けないからね」
「その理由は?」
「前にLIVEの後零二が喧嘩してたの覚えてる?あの時の奴が懲りずにまた白金を狙ってるだからこそ零二は仲間を使って街全体を探して回ってる、そして俺ともう1人が君達の監視兼護衛直接君達に接触があった場合に報せるのが俺達の役目、後は、そいつが現れた時の足止めとかね」
「なるほど…ですがそれこそ零二君がそれをすれば問題ないのでは?」
「リーダーがそれをしないのはチームを率いてるからってのとあえて君達から距離を置いてるから」
「なら尚更零二に会って私は話すべきだと思います」
「…まぁリーダーには伝えておくよ、リーダーは多分会わないだろうけどね」
「まだ話は終わってませんよ!」
「氷川さん…大丈夫です。」
「でも白金さん!」
「零二君が私達を守ろうとしてくれてる事が少なからずわかりました。私達は零二君が帰ってくる場所にいて待っていようと思います。」
「白金さんがそれで良いなら構いませんが…」
「零二君はきっといつか戻ってきます。だからこそ今は追わない方がいいのかもしれません」
「説得力…ないですよ、そんな泣きそうな顔で言っても」
「顔まで取り繕っている余裕はないです」
「そうですか…」
零二君に会えない事がこんなにも辛いなんて思わなかった。
零二視点
俺はチームRAVENの集会所で報告を聞いていた
「とりあえず街の方は異常無いですね、学校の方はどうです?」
「本城が接触してきてはいません、静かすぎて驚きます」
「外堀埋められてんじゃない?」
「可能性はあるが、外堀ってなると俺達の周りが危ないがそれは無いだろうよ」
「どうして?」
「学校にいる燐子達に何も無い以上外堀を埋めに来てる可能性は低いだろう、機会を見計らってる可能性はあるだろうな」
「リーダー、もう少し街を歩ってみた方が良いかな?」
「そうしてくれ、俺はいつでも動けるように準備はしておく」
俺は1呼吸置いて言葉を続ける
「チームRAVENはお前達の居場所だ!でも帰るべき場所じゃねんだ、居場所も帰るべき場所も守るために戦え!」
「「「はい!」」」
そうして皆が出払ったタイミングで修也が話しかけて来た
「さっきの言葉、リーダーはどうなの?」
「何がだ?」
「リーダーの居場所で帰るべき場所」
「俺の居場所はチームRAVENだけだ、帰るべき場所はとっくにない全て俺が遠ざけたからな」
「白金のところには帰らないの?」
「俺は本城をぶっ潰したらこの街から消える」
「どこに行く気だい?」
「零人の所さ、チームRAVENとしてのあいつは俺が殺した。
でも、本人は死んでない!生きてる」
「つまりその彼のところに行く気なんだね」
「あれから会ってないからな、会いに行くのも悪くねぇ」
「白金は待ってると思うよ、君の事」
「もう、会えないさ…交わした約束も守れない奴が
居ていいもんかよ!」
「約束はまた紡げばいいと思うけどね、まだ離れるには早いんじゃない?」
「俺がそれを望むことはできない」
「リーダー、しばらく楽器触ってないんじゃない?」
「いきなりなんだ?確かにしばらく触れていないけどよ」
「腕、鈍るよ」
「関係ない、今は…守るために力を使う事だけでいい」
「…リーダー、守りたいなら近くにいるべきじゃない?」
「ダメなんだよ!1度離れた以上俺は戻れない!…俺も街に出る、話は終わりだ」
俺は強引に話を打ち切りパーカーのフードを被りサングラスで目元を隠し夜の闇へと紛れる
「俺の居場所はここだ、帰るべき場所は…存在しない」
声に出しても、その言葉は虚しいだけだった…
18話です。ちょっと短いかもしれませんがここまでとします。
次回は主人公と燐子を再会させそれを1度拒絶する感じで書いた後決着させようと思いますのでお楽しみに
次回「再会と拒絶」