燐子視点
零二君がいなくなってもう10日、心にぽっかり穴が空いたみたいにずっと虚しい気持ちが消えない
あえて追わない方がいいとは言ったものの零二君に逢いたい気持ちも膨らむ一方だ。
私は零二と一緒に写ったプリクラを見てため息をつき彼の名前を呼ぶ
「零二君…」
その呼びかけには彼は答えてくれない
私はどうしたらいいのかな?
考えても答えは出ない
彼がいない時間がこんなにも辛いなんて思わなかった。
でも、私には待つことしかできない、零二君は私を危険から遠ざけるために離れたから
私に出来ることは無いのかな…
「……さん………白金さん」
考え込んでいた所に名前を呼ばれハッとする
「ごめんなさい…考え事をしていました。」
「また零二君の事ですか?」
「それもあるんですが…私に出来る事は無いのかなと」
「そういう事ですか、正直今は彼の帰りを待つ事しか出来ないのではありませんか?」
「やっぱりそうですよね…」
「とりあえず行きましょう、そろそろ練習が始まる時間になります」
「そうですね」
その後私は練習に没頭した。そうしていないとまた零二君の事が頭をよぎるから…
Roselia視点
「りんりん元気ないね…零兄ぃ居なくなってから余計に」
「練習の時は没頭しているから切り替えられてるって感じだもんね」
「そうね、零二が居ないことがここまでだなんてね」
「何とかして零二に会えないかな?」
「難しいですね、彼と仲のいい男子生徒がいるんですが彼を通して伝言をお願いするくらいしか出来ません」
「なら、彼を通して零二に早く戻って来なさいと伝言してもらうしかないわね、零二の居場所が分からない以上それしか方法も無いのだし」
「そうですね、それしかないかと思います」
「決まりね」
皆で伝える内容を決めその後練習を再開し、しばらくして解散した。
燐子視点
帰宅した私はベッドに身を投げ出すように寝そべり
ため息をつく
「私、どうしちゃったんだろう」
答えは分かりきってる。零二君と知り合う前と比べて
知り合ってからの時間が楽しすぎたのだ。
彼を一度は恐れてしまった、でも、歩み寄ると決めて歩み寄れば彼は私の隣か1歩先を歩いて常にそばに居ていくれた
そしていつも私を1番に考えて守ってくれた。
私の為に傷付いてもいいとさえ言ってくれた。
そして彼がくれたネックレスは私の宝物で寝る時以外は肌身離さず持っているこれが私と彼を繋いでくれるものだから
「零二君…あなたに会いたいです…」
私は零二君と過ごした時間を思い返し涙した。
次の日学校
虎堂君にいつものように伝言を頼み私は零二君の事を聞く
「零二君はどうしてるんですか?」
「いつにも増して人を寄せ付けない感じで凄いピリピリしてる」
「まだ、会うことは出来ませんか?」
「俺としては今すぐにでも会わせたいんだけど、多分リーダー拒絶すると思う」
「どうしてですか?」
「リーダーね、この争いに決着着いたら君達の前から消えるつもりだから、関わらないようにしてるんだと思う」
「そんな!?」
「俺としては今すぐに会って引き止めて欲しいんだよね、でも、最近は連絡は取れても会えないんだ俺じゃあね」
「あなたが会えないなら誰なら会うことができるんですか?」
「ん〜零二の舎弟達とか?後、唯一の女性メンバーとか」
「私達じゃどうしようもないんですか?」
「何とか会えるように取り計らってみるけど、期待はしないでね」
それだけ言って虎堂君はまた何処かに行ってしまった…
-放課後-
氷川さんと2人で学校を出て少し歩いた時誰かが私に声を掛けてきた
「やぁ、白金さん、それに氷川さん」
「どちら様でしょうか?」
「僕を忘れたんですか?酷いな〜」
「……!もしかして本城君…ですか?」
「さすが白金さん!自分の主をしっかり覚えてるんですね」
「私はモノじゃありません!」
「いいや、あなたは僕のモノだ!あなたという存在は僕が独占するべきなんだ」
「あなたの所有欲を満たすためだけにモノ扱いされるのは侵害です!帰ってください」
「僕をぞんざいに扱わない事だ!酷い目に会いたくなければね」
そう言って私に向かって手を伸ばしてきた本城君の行動を虎堂君が遮った
「あれ〜誰かと思えば本城じゃん!転校したって聞いてたけど?あぁ!実は休学で明日から復学するとか?」
「…誰かと思えば不良もどきの虎堂君ですか、あなたに用はありませんからお引取りを」
「そうもいかないよね、なんかこっちの2人迷惑そうだし、迷惑行為を見過ごすわけに行かないでしょ」
「失礼な、僕はただ世間話をしていただけですよ」
「って言ってるけど?」
「会話と呼べるものではありませんでした」
「だってさ」
「仮にそうだったとして逃げるだけしか脳が無い君に何が出来ますか?」
「逃げるだけしか脳が無いって言うけど、彼女達を連れて逃げる事が出来るんだよ」
「……チッ確かに逃げる側からすればそういう考えも出来る訳ですね、ですが先に僕が彼女をこっち側に引き込めば話は変わりますけどね」
「やってみろよ!」
「やっと来たね!」
現れたのは真っ黒な服に身を包んだ零二君だった
「君ですか…」
「また鼻っ柱へし折られたくなければ失せろ!」
「君のおかげで鼻の形が変わってしまったんでしたね
顔の形まで変えられては適わないので今は退散するとしますよ」
「次は無いからな!本城!次会う時はどっちかが潰れる時だ!」
「あなたが消える時ですよ!そして白金さんが僕のものになるんです」
「その女はお前が安易に触れていい相手じゃねんだよ!」
「まぁ、いいです。今は消えてあげますよ!今はね…」
そう言って本城は何処かに行った
「零二君!」
「近付くな!」
「え…」
「俺はもう一羽の薄汚れたカラスだ!血にまみれて汚れた俺は本城と変わらない」
「そんなこと…」
「今の俺の手を取れるか?」
そう言って零二君は手を差し出してきた
私はその手を取ることが出来なかった…
何故か零二君から差し出された手はあの時私が拒絶してしまった時と同じような感じがした。
「やっぱりな…」
零二君はそれだけ言ってパーカーのフードを被り直しサングラスで目元を隠すと走り去っていった。
「待っ…」
その声が彼に届くことはなく私はその場に立ち尽くすことしか出来なかった…
「零二君…」
私の頬を涙が伝う
色々な感情が入り交じりわたしはまた泣き崩れた
私はこんなにも弱かったんだ…
「私はもう一度…もう一度零二君の手を握りたい…握って離したくないです。」
「一度は歩み寄れたんですからきっと大丈夫ですよ」
「リーダーの手を取れるのは君だけだと思うな」
「絶対にもう一度零二君の手を取ってみせます」
私は拒絶を受け入れて再スタートを切った。
19話目ですね。次回辺りで決着付けちゃおうかなとも思ってますが喧嘩描写とか書くのはなかなか大変です。
でもやりたい事を詰め込んでみようとは思ってますが
正直迷ってるのでアンケートで決めようと思いますのでよろしくお願いします。
一応次回は主人公が喧嘩します。
次回「賭けと戦争」