鮮血の剣士と無敗のウィザード   作:凌介

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お互いの関係を再スタートさせることを約束した燐子と零二
2人のこれからはどうなるのか…


第5話顔合わせと第一印象

関係を再スタートさせることを約束した燐子と零二

約束をしたものの燐子は彼との関係改善に難航していた

彼は基本人を寄せ付けない為1人でいる事が多く声をかけようにも中々上手くいかない

そして今も私は彼が良く利用する体育館裏に来ていた

「よし!今日こそは!」

「何が?」

「え?ってキャーーー!」

私は思わず悲鳴をあげる

「静かに!驚かせたのは悪かったって」

 

そして咄嗟に零二君は私の口を手で塞ぎ人差し指を自分の口元に当ててシー!とポーズをとる

私は頷きで答えると零二君は私の口元から手を離す

「それで、どうしたの?」

「零二君と…その…話したくて」

「あぁ、そういう事、確かに教室じゃあ声掛け辛いか」

零二君はそう言って近くの階段に座った

「ここで良ければ少し話そうか」

「お願いします」

私はとりあえず隣に座り話しかける

「クラスの皆とは話さないんですか?」

「こっちからはどうにも話しかけ辛くてさ、男子も居ないわけじゃないけど、気が合わなそうでさ、女子だと尚更で」

「私とは話せてますよね」

「共通の話題があるし、それに友達だろ?」

「友達…と呼んでいいんでしょうか?」

「不満?」

「そうじゃなくて…私は…1度は零二君を怖がりました、そんな私に、友達と呼んでもらえる資格があるのかと」

「別に気にしないでいいんだけど、俺さ、白金さんが初めてなんだよね、俺を怖いと思っても向かってきてくれた相手

そういう人達との関係こそ大切にしたいんだ」

そう言われて私の中のしこりが少しだけ取れた気がした

「約束も…しましたしね」

「うん!楽しみではあるんだよね、白金さんがRoseliaとしてどんな音楽を奏でるのかをさ」

「楽しみにしていてください、LIVEの予定はもうすぐですし近いうちにチケットもお渡しできると思います」

「楽しみにしてる」

そうして話しているとチャイムが鳴り俺達は教室に戻り午後の授業を受け迎えた放課後

帰ろうとする白金さんが俺を呼び止めた

「零二君!少し良いですか?」

「どうかした?」

「あの…その…部活!部活には入らないんですか?もちろん必ずという訳では無いですけど、興味のある部活とかはないのかなと」

「部活かぁ〜考えた事なかったな〜、白金さんは何部に入ってるの?」

「一応弓道部に入ってます!今日は参加するので見に来ませんか?」

「せっかくだし、行こうかな!弓引く姿も見てみたいし」

「では、ご案内します」

そうして俺は案内されて弓道場に向かった

「着替えてきますので、見学希望だと伝えておきますので中で待っていてください」

「わかったよ!とりあえず見学させてもらうね」

そうして一足先に弓道場に入り見学希望の旨を伝え見学させてもらう

「弓とか触ってみても平気ですか?」

「大丈夫だよ!なんならやってみる?」

「1度弓を引く姿を見てみたいですね」

「なら、もう少し待っててくれる?もうすぐ部員が揃うはずだから」

「わかりました」

そうして待っていると白金さんと一緒に他の部員がやってきた

「今日は見学希望者がいる!弓を引く姿を1度見たいそうなので一人1本矢を射る事!とりあえずは以上!各自準備!」

部長さんがそういうと順番に1人1人弓を射る

「どうですか?」

「凛としててカッコイイね!集中している様が伝わってくる」

「私もそういう部分が好きで弓道やってる部分がありますからね、あっ!見てください!氷川さんが打ちますよ!」

「氷川さん?」

「あのスカイグリーンの凛とした雰囲気の方です」

「あの人か!」

そうして氷川さんが弓を引く姿を見ると他の誰よりも空気が張り詰める野を感じ凄さが伝わってきた

そして矢を打ち終えたタイミングで白金さんが声をかける

「紗夜さん、お疲れ様です。」

「お疲れ様です白金さん、彼を連れてきたのはなにか理由が

ありそうですが?」

「えぇ、私が部活見学を進めたんです。話をする限り人と関わる事を苦手としてる感じではなくきっかけを掴めずにいる感じでしたので」

「なるほど、部活見学などで人と関わる事を進めと言うわけですね」

「良ければ紗夜さんも少し彼と話してみてください」

「珍しいですね、白金さんが誰かとの交流を進めるなんて」

「彼を恐れて欲しくないので…」

「どういう意味です?」

「あっ!いえ、今のは気にしないでください、私も矢を射ってきます」

「あっ!ちょっと白金さん!」

「もう少し彼をここに留めておいてください!」

私はそれだけ言って矢を射るために集中する

 

紗夜視点

言うだけ言って矢を射るために集中し始めた白金さんに何か言おうか迷ったがやめておく事にし後ろの方で見学している

烏間君に声をかけた

「あの、烏間君」

「確か、氷川さんだっけ?なにか用事?」

「白金さんとは話すのにクラスの皆とは話さないんですか?」

「白金さんにも同じ事聞かれたよ、単純に話が合わなそうなのと自分からは話しかけ辛いだけ」

「でも、白金さんとは…」

「白金さんと同じ事言うんだね、白金さんとは共通の話題があるし、まぁ、友達って呼べる存在だから」

「なのに名字呼びはよそよそしくありませんか?」

「でも、いきなりさ燐子って呼び捨てはな〜ちゃん付けすると子供っぽいっていうかさ」

「言われてみるとそうかもしれませんね、それなら私からひとつ提案があります、私の事を名前で呼んでください」

「は?なんで?」

「学校は違いますが妹がいまして、名字で呼ばれるのは少しだけ抵抗がありますもちろんさん付けしていただいて構いません」

「それでなにか変わる?」

「白金さんの方から名前で呼んでくださいと言われるかもしれませんよ」

「つまり本人から合意を獲ろと、そういう事ね」

「物分りが良くて助かります、それともう後30分すれば部活も終了ですが、時間はありますか?」

「あるけどなんで?」

「部活後はバンドの練習がありまして、そちらもよろしければ見学なさりませんかというお誘いです」

「紗夜さんバンドやってるの?」

「白金さんから聞いてませんか?私はRoseliaのギタリストですよ」

「マジ!?」

「本当です」

「じゃあ、ボーカルの湊友希那やもう1人ベーシストにも会えるの?」

「会えますね」

「是非とも連れて行ってください!」

「失礼ですがそんなにそのお2人に会いたいですか?」

「湊友希那がバンドを組んだってのは噂程度に聞いてたからね個人的に湊友希那のファンなんだ」

「それで湊さんが組んだバンドメンバーと是非とも会ってみたいと」

「そういう事!」

「なら、余程楽しみでしょうね!」

などと話していると白金さんが戻ってきた

「あの…零二君、良ければ弓を引いてみませんか?部長が是非にと言ってまして」

「じゃあ、せっかくだからやらせてもらおうかな」

そうしてさっき触って感触を確かめていた1本の弓を手に取る「それを使うのかい?」

「ダメですか?」

「いや、かなり癖のある弓だよそれは」

「みたいですね、まぁ、見ててください」

そう言って俺は見よう見まねで矢を番え集中する

(大丈夫、ライフルのスコープを覗いていると思えばいい

打ち出すのは弾丸、撃ち抜くのはあの的の中心)

そうして集中しそして深く息を吐き出しそれと同時に矢を放つと狙いは少し逸れたが的には当たった

「初めてなのに凄いな君は」

「皆さんには敵いませんよ、ビギナーズラックってヤツですよ」

「まぁ、なんにせよ部員達にはいい刺激になっただろうさ、各自今後とも精進するように!」

そうしてその後も練習を見学させてもらいしばらくして解散した、俺はRoseliaの練習の方も見学させてもらう為に2人と一緒にcircleに向かっていた

「あのさ、変な事聞くけど、全員俺の事知ってるの?」

「白金さんからある程度は聞いてます名前は少なからず全員知ってます」

「他は?」

「白金さんと宇田川さんと遊んだという事くらいでしょうか?」

「という事はその後のこともおおよそ知ってるのか…」

「まぁ、気にしなくてよろしいかと、別に軽蔑などはしていませんので」

「紗夜さんはそうでも、あこちゃんとは顔合わせ辛いよ、あの時、怖がらせちゃったから」

「きっと平気ですよ」

「だといいけどね」

そうして今度は俺が体験させてもらった弓道の話になった

「零二君は初めと言ってましたけど、的に当てることは出来てましたよね?まぐれではない気がしますけど」

「実は、俺の父さんが警官でさ、護身術とか、人の命を奪うものの重さとか使い方とか教えてくれたんだ命を絶つ重さを知っておけってさ、その重さを忘れなければ人を殺めたりはしないだろうってその中に銃火器とかもあってさなんとなくそれを扱う感覚でやってみたんだ」

「そうだったんですね」

などと話していると目的地が見えてきたので俺達は少し早足で向かい、目的地に到着するとグレーのブレザーを着た女子3人が待っていた

「おまたせしました、皆さんお揃いのようですね」

「約束の時間には遅れてないし大丈夫よ、ところでその彼は?」

「前に話していた烏間零二君です」

「私も今日知り合いになりました、Roseliaの練習を見学したいと言うので一応湊さんの許可を得るために連れてきました」

「そう、あなたが燐子の言っていた''ゲーム世界の人殺しプレイヤー''ね」

「そうだよ、さすがに現実世界じゃ犯罪者ではないから安心してくれていいよ!」

「その心配はしてないわ、一応自己紹介をお願いできるかしら?」

「だね、改めて、烏間零二です。趣味はゲームと一応音楽とは言っても素人に毛が生えた程度だから期待はしないでね」

「でも、あこ達と演奏した時は結構弾けてたよね?」

「一応あれでも精一杯って感じだったからねぇ、それでえっとRoseliaのメンバーはこれで全員なんだよね?」

「そうだよ!アタシ今井リサ!よろしくね!零二でいい?」

「もちろん!俺の方はとりあえずリサさんでいいかな?」

「今はそれでいいけど後々は呼び捨てにしてね!」

「努力します、それで湊さんって呼べばいい?」

「呼び捨てで構わないわ、同級生にさん付けされるのはあまり落ち着かないのよ」

「まぁ、本人がいいなら、そうするよ!よろしく友希那」

「あの…零二君、それなら私の事も名前で呼んでください!私だけ名字呼びは不公平です!」

「燐子って呼んでいいの?」

「是非!」

「珍しいね燐子が自分から名前で呼んでなんて言うの」

「そうなの?」

「基本燐子は名字で呼ばれること多いからね、ましてや男子に名前で呼んでって言うこと自体珍しいよ」

「でも、皆さんが名前で呼んで貰ってるのに不公平じゃないですか!私はそう思ったから…言ったのに」

「まぁ、良いじゃない、それよりも練習を始めるわ、零二、見ていくでしょ?」

「もちろん!」

そうして俺はRoseliaの練習を見学させてもらいしばらく解散する事になったので俺は一足先に帰宅する

 

Roselia視点

「あの…皆さんは彼をどう思いましたか?第一印象というか彼の存在というか」

私は皆に問いかける

 

「私はどこか気の抜けない人といった印象ですね」

「親しみ安いなとは思ったけど一線引いてる感じかな」

「どこか遠くを見ているような人だと思ったわ、自分がいるべき場所に迷っているかのような」

「零二は強くて優しいよ!」

「全部私が1度は零二君に抱いた印象です…そして、私とあこちゃんは1度は零二を怖いと思いました。」

「そうは見えないけどな〜」

それでも事実私は彼を恐れた、それでももう一度歩み寄ると決めたからこそだったけど、彼は私を友達だと言ってくれたからそれに応えたいと思う反面まだ彼の事を知らない私自身にもどかしさを強く感じていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです。ちょっと無理やりになった感じはありましたが、とりあえず5話目になります。次回はゲーム世界をメインに書いていこうと思いますので楽しみにしていてください
次回「PVPとタッグチーム」

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